著者は、ニコニコ動画の動画投稿者でもあり、
ニコニコ生放送などもしていらっしゃる現役の
リアル住職、略してリア住の蝉丸Pというお方。
最初にニコニコ動画の生放送を見たときは、
アニメやゲームなどのフィルターを通し、
例えばなしを駆使した語り口が面白く、
本当にこの人お坊さんなのかと疑ったものです(しみじみ)。
さて、そんな蝉丸Pの初の著作ということで、
大いに期待していたのですが、まぁ期待通りの本。
すでに、蝉丸Pの動画や、生放送を見て
知っている方は、満足されること請け合いです。
また、蝉丸Pを知らない方でも、
アニメやゲーム好きで、仏教のことを
少し勉強してみたいという方に、オススメです。
ただ、アニメやゲームなどに
あまり接して来なかった人には、
逆にわかりづらくなっているかもしれません。
自分にとっては、世代にそれほど差がなく、
自分が見てきたアニメやゲームが重なる部分も多いので、
非常にわかりやすく、楽しい仏教本でした。
(439ページもある本なので、まだ読み終わってませんが。。)
個人的な総評は、
読みやすさと、読み応えが両立する良書。
こういうアプローチの良書は
もっと増えて欲しいなと思いますね。。
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蝉丸Pのつれづれ仏教講座 単行本 – 2012/6/15
蝉丸P
(著)
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ニコニコ動画で話題をさらった、蝉丸Pの「仏教講座」が堂々書籍化!
- 本の長さ416ページ
- 言語日本語
- 出版社エンターブレイン
- 発売日2012/6/15
- 寸法13.3 x 2.6 x 18.8 cm
- ISBN-104047280941
- ISBN-13978-4047280946
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登録情報
- 出版社 : エンターブレイン (2012/6/15)
- 発売日 : 2012/6/15
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 416ページ
- ISBN-10 : 4047280941
- ISBN-13 : 978-4047280946
- 寸法 : 13.3 x 2.6 x 18.8 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 261,971位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 1,157位仏教入門
- カスタマーレビュー:
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2012年7月16日に日本でレビュー済み
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2020年6月18日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
第一章、第二章はおもしろいが、第三章はいきなりインド哲学に飛ぶので、難しくてついていけない。
2017年9月23日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
そもそも「万人受け」なんてものはそうそう存在しないので、そういった切り口はどこかに放置しておきまして。
特定の「ダメな方向の知識が、ある程度潤沢に、売るほどにあふれかえるようにある」一定ドメインの人が好む書籍としては、大変に面白いと思う。
少なくとも、私自身は大変に面白く読めたし、興味深い内容が多々ありました。
特定の「ダメな方向の知識が、ある程度潤沢に、売るほどにあふれかえるようにある」一定ドメインの人が好む書籍としては、大変に面白いと思う。
少なくとも、私自身は大変に面白く読めたし、興味深い内容が多々ありました。
2016年9月1日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
よって素人にはなんのこっちゃ、です(笑)
私はがっつり取り込んでいるわけではありませんが、そこそこアニメ好き、そこそこゲーマー(課金しないけどスマホでゲームはする)です。
この方の言葉の使い方はとても好きですが、かなりオタク用語が良い意味で酷く、全て一度に読むには知識が追いついていきません。
しかしそこはグーグルさんに聞いたりして解決したり枠外に注約があり、これも大変面白い。
単語の意味がわからなくても読もうという気持ちがあれば大いに楽しめます。
難点は分厚くて持ち運びが手軽に出来ないことでしょうか(笑)
私はがっつり取り込んでいるわけではありませんが、そこそこアニメ好き、そこそこゲーマー(課金しないけどスマホでゲームはする)です。
この方の言葉の使い方はとても好きですが、かなりオタク用語が良い意味で酷く、全て一度に読むには知識が追いついていきません。
しかしそこはグーグルさんに聞いたりして解決したり枠外に注約があり、これも大変面白い。
単語の意味がわからなくても読もうという気持ちがあれば大いに楽しめます。
難点は分厚くて持ち運びが手軽に出来ないことでしょうか(笑)
2015年11月20日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
奇抜な表紙に惹かれ、オタク向けの仏教解説書だと思って読んでみて驚いた。
自分は年に20-30冊の仏教関係の書籍を読むが、今年最も衝撃を受けた本の一冊である。
内容はおおよそ3部に分かれる。最初は一般人が日ごろ仏教について疑問に感ずる点について解説。2番目は、海外仏教事情。3番目は仏教以前からの仏教史である。1番目のところは万人にお勧めと言いたいところだが、用語がネット、ゲームのものを使っているので、それに親しんでいる若者でないと理解できないかもしれない。ただし注がついていので、それを丹念に読めばある程度は分かる。ちなみに注もなかなかのもの。2番目は日本仏教に飽き足らず、テーラワーダ仏教に関心を持っている人にお勧め。3番目は仏教に関心のない人にはちょっと退屈かもしれないが、通常の仏教書では知る機会がない仏教史を知ることができる。(なぜインドで仏教が衰退したかとか)
自分は年に20-30冊の仏教関係の書籍を読むが、今年最も衝撃を受けた本の一冊である。
内容はおおよそ3部に分かれる。最初は一般人が日ごろ仏教について疑問に感ずる点について解説。2番目は、海外仏教事情。3番目は仏教以前からの仏教史である。1番目のところは万人にお勧めと言いたいところだが、用語がネット、ゲームのものを使っているので、それに親しんでいる若者でないと理解できないかもしれない。ただし注がついていので、それを丹念に読めばある程度は分かる。ちなみに注もなかなかのもの。2番目は日本仏教に飽き足らず、テーラワーダ仏教に関心を持っている人にお勧め。3番目は仏教に関心のない人にはちょっと退屈かもしれないが、通常の仏教書では知る機会がない仏教史を知ることができる。(なぜインドで仏教が衰退したかとか)
2016年12月4日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
本書で新しく書かれたと思われる部分は興味深くはあるものの、動画にモトネタがある部分と比べると急いで書いた感が感じられました。
2023年1月14日に日本でレビュー済み
陽明学の中に,仏教批判のくだりがあったので,仏教に関する基礎知識を習得するために.一番分かり易いだろうと思われるものを選択.
本書は喩えがネチズン寄りで,かつ豊富.
当方個人的には非常に分かり易し.
ただしネタがディープ過ぎ,かえってよく分からない箇所もたまに(苦笑)
▼
宗教概論として,当方にとっては興味深いところを挙げると…
「共通認識の醸成ができる」という点で優れており,人間社会の運営をしていく上で,色々と捗るのが,社会インフラとしての宗教(p.23-24)
当時アヘンは鎮痛剤として用いられており,本来の意味は,「宗教は民衆にとって鎮痛剤のようなものであり,諦めと慰めを説くが,それは現状の不幸を改革するために立ち上がるのを妨げている」という意味である,マルクスの言う「宗教はアヘンである」(p.25)
古来より自然現象や山河を擬人化してきた,日本の多神教(p.56)
伝統的慣習や宗教を,因習や迷信であり悪であるという価値観が奨励されると,あの世のことや共同体のルールやタブーなど,社会の中で発生する日常の不合理や感情の落しどころという緩衝材を,一から構築し直さなければならなくなり,明治維新後や,太平洋戦争後のように,心霊ブームや新興宗教乱立をもたらす(p.90-91)
▼
また,仏教概論として,当方にとって興味深いところでは…
仏教の基本的立場は「聞思修」;見たり聞いたりしたことを,自分の頭で考え,納得したらその道を修めていき,納得できないのであれば,自分に合った別の道を捜し求めるというもの(p.14)
「渇愛」と呼ばれる,際限なく貪欲に求める心の状態が,「煩悩」の正体(p.34-35)
「プロジェクトX」ばりに,解脱レースの高性能ブレーキの開発に全身全霊をかけ,遂に自分で高性能ブレーキ・システムを完成させたのがブッダ(p.58-59)
悟りそのものを形で擬人化すれば,ヴァリエーション増えるよね!というアイディアで成立したのが,阿弥陀如来や薬師如来などの「如来」(p.60)
仏教伝来後,八幡,鹿島,賀茂などの日本の神々が巫女を通じて,「ちょっと仏教に入門するわ!」と託宣を下したとされるのが,神仏混淆(p.63)
江戸時代の仏教優遇に対し,やや冷や飯状態にあった神道と儒学の一部からの,幕府の朝廷に対する姿勢は,天子をないがしろにした覇道主義であり,仏教もその片棒を担いでいるとした批判が,「神儒合一」思想(p.65)
天皇を西欧の唯一絶対神になぞらえた国家神道の成立により,発布された神仏分離令(p.65-66)
国家神道の影響により,各地の古い神社も,従来の土着の神々ではなく,国が定めた神を祀らなければ優遇されず,神社統廃合が断行されたため,失われた多くの神々や神域,格式ある神社(p.66)
生まれたところも,あの世の地獄行きかどうかも,全て自分の心に染み付いた習慣の力によって,自分にとって居心地のよさそうな場所に赴くとされるのが,本来の仏教の考え(p.80-82)
「縁起」の思想:全てのものは,他のものに依存して存在.あらゆるものは,それを構成している部分に依存(p.92-94)
全てのものは,無数の分節された概念が,相互に依存し合って生じさせているものの「総体」であり,全ては何かによって生じるという関係性の上に「仮設」された存在(p.94)
条件や部分や概念に依存しない,単体で自立した存在というものはなく,よって常在不変の「魂」「本質」「実体」などは存在しえず,構成要素が変化すれば仮設された物は変化せざるを得ず,不変ということがありえない「無常」の存在(p.94-95)
「『Fate』の概念武装の説明――対象の意味や概念に攻撃できる武器.その力の強さは,「この武器はかのごとく行使され,効果を発揮する」という歴史的認識や伝承の積み重ねによって決定される――を見たときには,そうそう,そんな感じとエラく感心した覚えがあります」(p.97)
中国に流入して,中国社会の基本フォーマットである儒教的倫理道徳の概念と対立した結果,妥協してできたのが「格義仏教」という中華フォーマット(p.121)
仏教誕生当時のインドにもある怪異譚(p.133-134)
怪異ファイルの読み込みは,フォーマット次第(p.141)
「因縁生起」:人間一人生きていくには,必ず無数の人や物に世話になっていることを指す言葉(p.149)
寝る前の布団の中ででもいいので,「亡くなった方をはじめとして,自他一切のものが幸せで,苦しみから逃れることができますように」と,心の中で唱えるのが,供養の本筋(p.153-154)
「初期仏教に葬式はない」は本当か?(p.156-158)
「薄葬」といって,古墳作りの経費から開放されたことも,仏教伝来の大きな要因(p.159)
天皇が宗教的権威のトップを兼ねる「国家神道」という枠組みを作る,明治政府の神祇政策(p.192-193)
殺す,盗む,異性同性あるいは動物を問わず性交渉する,得てもいないのに「私は悟りを得た!」と虚言することが,仏教の律の中での最大の違反(p.233)
「インド・フォーマットを遵守しきれるか?」が,日本や中国での先人たちの実践(p.234)
律の精神を汲んだ,禅宗系のルール「清規」(p.235)
実は欲望の根源には,「生存に対する根本的な欲求がある」と見てとり,殆ど無自覚である生存への欲求を,しっかり認識して向き合い,その大元を叩かないと,派生する欲望を滅ぼし尽くすことはできないと考えたところに特徴がある,「縁起」の根本(p.318-319)
世間で説かれる多くの思想・宗教をいかように判断するかについての,『真実綱要』の10憲章
(1)風説に(完全には)依らない
(2)伝承に(完全には)依らない
(3)伝聞に(完全には)依らない
(4)聖典集の所伝に(完全には)依らない
(5)推論に(完全には)依らない
(6)定式化された理解に(完全には)依らない
(7)類比に(完全には)依らない
(8)他者によって深慮され,達された結論への同意に(完全には)依らない
(9)有能そうな者の言葉に(完全には)よらない
(10)「その沙門は我等の師である」という理由に(完全には)依らない(p.373-377)
▼
僧侶のリアルな実態については…
なかなかどうしてブラックな環境(p.108)
ビジター・オンリーの「信者寺」(p.112)
責任役員による合議制で運営されているのが寺院(p.113-114)
原則として雑食だが,不殺生との兼ね合いから,家畜など殺すところを見てしまった場合や,お布施のために「わざわざ」殺して調理したと知ったような場合には,施しでも断らねばならないのが仏教(p.118-119)
奢る方は,恩に着せるためにいらん事を喋ったり見せたりするのはダメ,奢られる方は遠まわしに希望を出したり,出された食事を残したりするのは厳禁(p.119)
「粗食でも,ちゃんと手入れしながら体を使わないと,元も子もないよ?」という中道の精神に則った考え方(p.120)
僧侶は修行に専念,一般信者は修行者に施しをして善行ポイントを貯め,次の輪廻で良い境遇に生まれますように!と願う分業体制(p.120)
インドで戒律が制定された頃には存在していなかったことから,全ての仏教圏で個人の裁量に任されている喫煙(p.124-125)
「最安値で」と言えば,お布施の基準を提示する(p.169)
「日本の僧侶は,江戸時代を強いられている」(p.255)
▼
さらに,海外仏教事情もあり,これは大変興味深し;
相手の経済状況を見て行うマウンティングがはっきりしているタイ(p.199)
南方の仏教国では,皆が仏教の教えを理解して……なんてファンタジーは存在せず(p.203)
タイにおいて,仏僧を規制しつつ保護する法律「サンガ法」(p.205)
タイ王室御用達のタンマユットニカイ(如法派)(同)
ミャンマー軍制のように,昔の王に相当する権力者の庇護があると,「純粋さ」を保つことができるという皮肉な構造(p.207)
「仏教の教義に照らし合わせて物事を観察する」という認識を育てるヴィパッサナー瞑想(観行)(同)
「止観」と呼ばれる仏教の瞑想法(p.208)
ゴエンカとは何者か?(p.209-211)
スリランカにおける,腐敗した仏教界に対する戒律復興運動「森林住」(p.217)
どういった教育を受けてきたかという階級意識が非常に高く,排他性も強いスリランカ(p.217-218)
チベット僧侶の焼身自殺は,焼身自殺したほうがマシという苛酷な状況の表れ(p.223)
チベット侵攻を防げなかった原因である,氏族中心主義による民族間の争い(p.224)
妻帯・世襲のリセット・ボタンの役割を果たしてきた,転生による継承制度(p.225)
ブータン・ネパール・ラオスの辺境の村々において,着々と既成事実と実効支配を強めている中国(p.226)
ネパールの教育を受けていない村落部の若年層の,深刻なマオイズムへの傾倒(同)
欧米系のワガママ炸裂という部分がある,欧米人の出家修行者(p.228-231)
心の平安を求めに行ってるんだか,揉め事起こしに行ってるんだかという迷惑な事例が後を絶たない,ピュアブッディズム問題(p.352-353)
「釈迦直伝」「本当の仏陀の教え」などは,歴史的に存在し得ない(p.354)
「テーブルを見渡して,カモが一人も見当たらなかったら,カモが誰なのか,答えは明らか」(p.357)
▼
他方,仏教以前の宗教については,実は当方はさほど関心なし;
神々よりも,なお古く永遠の昔から存在する上位言語を使って,神々に願いを聞き届けさせる,賛歌と呼ばれる歌を纏めたマニュアルである「シュルティ(天啓聖典)」(p.270)
巷間,「カースト制度」といわれるものは,「ヴァルナ・ジャーティ制度」と呼ばれる,食事の同席や集団内での序列,結婚・相続などを決定する,非常に複雑なシステムの総称(p.272)
ヴェーダ聖典の構成(p.273)
祭祀万能主義(p.278)
遊牧民から農民への変化に対応する,「再死」の考え方の登場(p.281-282)
バラモンの発する言葉は全て真実語になるという,「言霊」のルーツのような考え方(p.287-288)
祭式の場にあるものを,神話の世界や自然界の事物と同一視することによって働きかけを行い,祭場にある祭具などを操作することで自然を支配しようとするという「類感呪術」の形式である,ヴェーダの祭式(p.290-291)
詐欺師であっても,言葉の巧みなものは,善悪を問わずに尊敬され,騙されるほうが悪いのだという,一種独特の倫理観を涵養してきたインド(p.295-296)
何が輪廻の原動力であり,何が輪廻におけるゴールであるかという問いかけが始まり,そして提示された大枠「業と呼ばれる行為の集積によって,輪廻の行く先が決まる」(p.301)
「欲望が輪廻というシステムの原動力であり,欲望をストップさせることが輪廻を止める解脱への道」であるという前提の下,様々に編み出された,様々な輪廻攻略法(p.307)
▼
書籍案内(p.392-416)は非常に有用.
そればかりか,関連漫画の紹介まで有り.
▼
さて,肝心の最初の目的だが,結局,どうやら一口に仏教と言っても,時代や地域によるフォーマットの違いが様々にあるので,王陽明による批判の妥当性を推し量るには,まず当時の中国フォーマットの仏教がどのようなものだったのかを,調べねばならない模様.
アマチュアの手には,ちと余りそう.
▼
上述したように,喩えが分かり易く,とっかかりとするには,非常に便利.
読め.
【関心率26.88%:全ページ中,手元に残したいページが当方にとってどれだけあるかの割合.当方にとっての必要性基準】
本書は喩えがネチズン寄りで,かつ豊富.
当方個人的には非常に分かり易し.
ただしネタがディープ過ぎ,かえってよく分からない箇所もたまに(苦笑)
▼
宗教概論として,当方にとっては興味深いところを挙げると…
「共通認識の醸成ができる」という点で優れており,人間社会の運営をしていく上で,色々と捗るのが,社会インフラとしての宗教(p.23-24)
当時アヘンは鎮痛剤として用いられており,本来の意味は,「宗教は民衆にとって鎮痛剤のようなものであり,諦めと慰めを説くが,それは現状の不幸を改革するために立ち上がるのを妨げている」という意味である,マルクスの言う「宗教はアヘンである」(p.25)
古来より自然現象や山河を擬人化してきた,日本の多神教(p.56)
伝統的慣習や宗教を,因習や迷信であり悪であるという価値観が奨励されると,あの世のことや共同体のルールやタブーなど,社会の中で発生する日常の不合理や感情の落しどころという緩衝材を,一から構築し直さなければならなくなり,明治維新後や,太平洋戦争後のように,心霊ブームや新興宗教乱立をもたらす(p.90-91)
▼
また,仏教概論として,当方にとって興味深いところでは…
仏教の基本的立場は「聞思修」;見たり聞いたりしたことを,自分の頭で考え,納得したらその道を修めていき,納得できないのであれば,自分に合った別の道を捜し求めるというもの(p.14)
「渇愛」と呼ばれる,際限なく貪欲に求める心の状態が,「煩悩」の正体(p.34-35)
「プロジェクトX」ばりに,解脱レースの高性能ブレーキの開発に全身全霊をかけ,遂に自分で高性能ブレーキ・システムを完成させたのがブッダ(p.58-59)
悟りそのものを形で擬人化すれば,ヴァリエーション増えるよね!というアイディアで成立したのが,阿弥陀如来や薬師如来などの「如来」(p.60)
仏教伝来後,八幡,鹿島,賀茂などの日本の神々が巫女を通じて,「ちょっと仏教に入門するわ!」と託宣を下したとされるのが,神仏混淆(p.63)
江戸時代の仏教優遇に対し,やや冷や飯状態にあった神道と儒学の一部からの,幕府の朝廷に対する姿勢は,天子をないがしろにした覇道主義であり,仏教もその片棒を担いでいるとした批判が,「神儒合一」思想(p.65)
天皇を西欧の唯一絶対神になぞらえた国家神道の成立により,発布された神仏分離令(p.65-66)
国家神道の影響により,各地の古い神社も,従来の土着の神々ではなく,国が定めた神を祀らなければ優遇されず,神社統廃合が断行されたため,失われた多くの神々や神域,格式ある神社(p.66)
生まれたところも,あの世の地獄行きかどうかも,全て自分の心に染み付いた習慣の力によって,自分にとって居心地のよさそうな場所に赴くとされるのが,本来の仏教の考え(p.80-82)
「縁起」の思想:全てのものは,他のものに依存して存在.あらゆるものは,それを構成している部分に依存(p.92-94)
全てのものは,無数の分節された概念が,相互に依存し合って生じさせているものの「総体」であり,全ては何かによって生じるという関係性の上に「仮設」された存在(p.94)
条件や部分や概念に依存しない,単体で自立した存在というものはなく,よって常在不変の「魂」「本質」「実体」などは存在しえず,構成要素が変化すれば仮設された物は変化せざるを得ず,不変ということがありえない「無常」の存在(p.94-95)
「『Fate』の概念武装の説明――対象の意味や概念に攻撃できる武器.その力の強さは,「この武器はかのごとく行使され,効果を発揮する」という歴史的認識や伝承の積み重ねによって決定される――を見たときには,そうそう,そんな感じとエラく感心した覚えがあります」(p.97)
中国に流入して,中国社会の基本フォーマットである儒教的倫理道徳の概念と対立した結果,妥協してできたのが「格義仏教」という中華フォーマット(p.121)
仏教誕生当時のインドにもある怪異譚(p.133-134)
怪異ファイルの読み込みは,フォーマット次第(p.141)
「因縁生起」:人間一人生きていくには,必ず無数の人や物に世話になっていることを指す言葉(p.149)
寝る前の布団の中ででもいいので,「亡くなった方をはじめとして,自他一切のものが幸せで,苦しみから逃れることができますように」と,心の中で唱えるのが,供養の本筋(p.153-154)
「初期仏教に葬式はない」は本当か?(p.156-158)
「薄葬」といって,古墳作りの経費から開放されたことも,仏教伝来の大きな要因(p.159)
天皇が宗教的権威のトップを兼ねる「国家神道」という枠組みを作る,明治政府の神祇政策(p.192-193)
殺す,盗む,異性同性あるいは動物を問わず性交渉する,得てもいないのに「私は悟りを得た!」と虚言することが,仏教の律の中での最大の違反(p.233)
「インド・フォーマットを遵守しきれるか?」が,日本や中国での先人たちの実践(p.234)
律の精神を汲んだ,禅宗系のルール「清規」(p.235)
実は欲望の根源には,「生存に対する根本的な欲求がある」と見てとり,殆ど無自覚である生存への欲求を,しっかり認識して向き合い,その大元を叩かないと,派生する欲望を滅ぼし尽くすことはできないと考えたところに特徴がある,「縁起」の根本(p.318-319)
世間で説かれる多くの思想・宗教をいかように判断するかについての,『真実綱要』の10憲章
(1)風説に(完全には)依らない
(2)伝承に(完全には)依らない
(3)伝聞に(完全には)依らない
(4)聖典集の所伝に(完全には)依らない
(5)推論に(完全には)依らない
(6)定式化された理解に(完全には)依らない
(7)類比に(完全には)依らない
(8)他者によって深慮され,達された結論への同意に(完全には)依らない
(9)有能そうな者の言葉に(完全には)よらない
(10)「その沙門は我等の師である」という理由に(完全には)依らない(p.373-377)
▼
僧侶のリアルな実態については…
なかなかどうしてブラックな環境(p.108)
ビジター・オンリーの「信者寺」(p.112)
責任役員による合議制で運営されているのが寺院(p.113-114)
原則として雑食だが,不殺生との兼ね合いから,家畜など殺すところを見てしまった場合や,お布施のために「わざわざ」殺して調理したと知ったような場合には,施しでも断らねばならないのが仏教(p.118-119)
奢る方は,恩に着せるためにいらん事を喋ったり見せたりするのはダメ,奢られる方は遠まわしに希望を出したり,出された食事を残したりするのは厳禁(p.119)
「粗食でも,ちゃんと手入れしながら体を使わないと,元も子もないよ?」という中道の精神に則った考え方(p.120)
僧侶は修行に専念,一般信者は修行者に施しをして善行ポイントを貯め,次の輪廻で良い境遇に生まれますように!と願う分業体制(p.120)
インドで戒律が制定された頃には存在していなかったことから,全ての仏教圏で個人の裁量に任されている喫煙(p.124-125)
「最安値で」と言えば,お布施の基準を提示する(p.169)
「日本の僧侶は,江戸時代を強いられている」(p.255)
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さらに,海外仏教事情もあり,これは大変興味深し;
相手の経済状況を見て行うマウンティングがはっきりしているタイ(p.199)
南方の仏教国では,皆が仏教の教えを理解して……なんてファンタジーは存在せず(p.203)
タイにおいて,仏僧を規制しつつ保護する法律「サンガ法」(p.205)
タイ王室御用達のタンマユットニカイ(如法派)(同)
ミャンマー軍制のように,昔の王に相当する権力者の庇護があると,「純粋さ」を保つことができるという皮肉な構造(p.207)
「仏教の教義に照らし合わせて物事を観察する」という認識を育てるヴィパッサナー瞑想(観行)(同)
「止観」と呼ばれる仏教の瞑想法(p.208)
ゴエンカとは何者か?(p.209-211)
スリランカにおける,腐敗した仏教界に対する戒律復興運動「森林住」(p.217)
どういった教育を受けてきたかという階級意識が非常に高く,排他性も強いスリランカ(p.217-218)
チベット僧侶の焼身自殺は,焼身自殺したほうがマシという苛酷な状況の表れ(p.223)
チベット侵攻を防げなかった原因である,氏族中心主義による民族間の争い(p.224)
妻帯・世襲のリセット・ボタンの役割を果たしてきた,転生による継承制度(p.225)
ブータン・ネパール・ラオスの辺境の村々において,着々と既成事実と実効支配を強めている中国(p.226)
ネパールの教育を受けていない村落部の若年層の,深刻なマオイズムへの傾倒(同)
欧米系のワガママ炸裂という部分がある,欧米人の出家修行者(p.228-231)
心の平安を求めに行ってるんだか,揉め事起こしに行ってるんだかという迷惑な事例が後を絶たない,ピュアブッディズム問題(p.352-353)
「釈迦直伝」「本当の仏陀の教え」などは,歴史的に存在し得ない(p.354)
「テーブルを見渡して,カモが一人も見当たらなかったら,カモが誰なのか,答えは明らか」(p.357)
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他方,仏教以前の宗教については,実は当方はさほど関心なし;
神々よりも,なお古く永遠の昔から存在する上位言語を使って,神々に願いを聞き届けさせる,賛歌と呼ばれる歌を纏めたマニュアルである「シュルティ(天啓聖典)」(p.270)
巷間,「カースト制度」といわれるものは,「ヴァルナ・ジャーティ制度」と呼ばれる,食事の同席や集団内での序列,結婚・相続などを決定する,非常に複雑なシステムの総称(p.272)
ヴェーダ聖典の構成(p.273)
祭祀万能主義(p.278)
遊牧民から農民への変化に対応する,「再死」の考え方の登場(p.281-282)
バラモンの発する言葉は全て真実語になるという,「言霊」のルーツのような考え方(p.287-288)
祭式の場にあるものを,神話の世界や自然界の事物と同一視することによって働きかけを行い,祭場にある祭具などを操作することで自然を支配しようとするという「類感呪術」の形式である,ヴェーダの祭式(p.290-291)
詐欺師であっても,言葉の巧みなものは,善悪を問わずに尊敬され,騙されるほうが悪いのだという,一種独特の倫理観を涵養してきたインド(p.295-296)
何が輪廻の原動力であり,何が輪廻におけるゴールであるかという問いかけが始まり,そして提示された大枠「業と呼ばれる行為の集積によって,輪廻の行く先が決まる」(p.301)
「欲望が輪廻というシステムの原動力であり,欲望をストップさせることが輪廻を止める解脱への道」であるという前提の下,様々に編み出された,様々な輪廻攻略法(p.307)
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書籍案内(p.392-416)は非常に有用.
そればかりか,関連漫画の紹介まで有り.
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さて,肝心の最初の目的だが,結局,どうやら一口に仏教と言っても,時代や地域によるフォーマットの違いが様々にあるので,王陽明による批判の妥当性を推し量るには,まず当時の中国フォーマットの仏教がどのようなものだったのかを,調べねばならない模様.
アマチュアの手には,ちと余りそう.
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上述したように,喩えが分かり易く,とっかかりとするには,非常に便利.
読め.
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2012年6月20日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
お寺って丸儲け? 日本仏教よりも、インド方面の仏教の方が本格的なんですよね? 戒名料って高いんでしょ?
誰もが一度は考えたことがあるだろう疑問。
テキストサイトや動画サイト、最近はニコニコ動画で積極的に活動されている著者が、上記のような質問に、口語で少しマニアックに解答してくれます。
ロード・オブ・ザ・リングを始め映画、アニメ、スカイリムなどのゲームの例えは、ネット文化やオタク文化に親しみのある人には、非常に分かりやすいものになっています。
仏教発生の概説や参考文献など、今後の学習にも役に立つと思います。
しかし、他の方もおっしゃっているように、この例えは人を選ぶところがあります。
入門の入門のようですが、全く仏教に興味のない方には第三部は辛いかもしれません。
可能なら書店での精査をお勧めします。
また、誤字脱字がところどころ見られましたので、第二刷以降の購入をお勧めいたします。
私には相性が良かったのと、誤字脱字の修正がされるようですので星を5つとさせていただきます。
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