ただ、(他の方も言及されているように)一人一冊だと思ったら、
今回は二人同時攻略なんで思ったよりシリーズが短くなりそうなのでイロイロと心配。
1巻目(第0巻)の売り上げがあまり奮わなくて、減巻されたのかな?とか、
作者さんの健康上に不安があるのかな?とか…。
あとがきが結構ダウナー入っていたので、そういう余計な心配をしてしまうわけで(^^;
定番のお話を定番に相応しくキッチリと描ける実力のある方なので、編集サイドは
(最近、粗製乱造の気配がする「なろう作家」と同じ酷い扱いせずに)ちゃんと守って
あげて欲しいなぁと…思う事しきり
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楽園への清く正しき道程 庶民出身の国王様がまたご愛妾を迎えられるそうです (ファミ通文庫) 文庫 – 2016/5/30
野村美月のファンタジー・ハーレム(予定)コメディ、錯綜する第3弾!!
可愛いお嫁さんを迎えたのに、王妃との間に世継ぎの男児が誕生するまでは
いちゃいちゃ禁止と申し渡されてしまったルドヴィーク。
そんな中、国王を敬愛する女騎士エヴァリーンに縁談が持ち上がる。
結婚したら国王様の騎士ではいられないと思い詰めた彼女は、
フロリンという強力な助っ人を得て、思いを伝えるべく大奮闘!
また幼なじみのエヴァリーンの結婚話に焦った公爵令嬢のテレーゼも暴走し――!?
可愛いお嫁さんを迎えたのに、王妃との間に世継ぎの男児が誕生するまでは
いちゃいちゃ禁止と申し渡されてしまったルドヴィーク。
そんな中、国王を敬愛する女騎士エヴァリーンに縁談が持ち上がる。
結婚したら国王様の騎士ではいられないと思い詰めた彼女は、
フロリンという強力な助っ人を得て、思いを伝えるべく大奮闘!
また幼なじみのエヴァリーンの結婚話に焦った公爵令嬢のテレーゼも暴走し――!?
- 本の長さ288ページ
- 言語日本語
- 出版社KADOKAWA/エンターブレイン
- 発売日2016/5/30
- 寸法10.8 x 1.4 x 14.9 cm
- ISBN-104047341436
- ISBN-13978-4047341432
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登録情報
- 出版社 : KADOKAWA/エンターブレイン (2016/5/30)
- 発売日 : 2016/5/30
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 288ページ
- ISBN-10 : 4047341436
- ISBN-13 : 978-4047341432
- 寸法 : 10.8 x 1.4 x 14.9 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 1,249,857位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
著者について
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7月1日生まれ。東京都出身。第9回コバルト・イラスト大賞を受賞し、イラストレーターに。
「文学少女」シリーズ(エンターブレイン刊)などのイラストを手がける。画集に『文学少女の追想画廊』『文学少女の追想餓狼2』(エンターブレイン)がある。
-
トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2016年6月1日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
カテリナ王妃を好きなのにいまだに受け入れてもらえないルドヴィーク王の周りには愛妾ミーネ以外にもルドヴィーク王を好きな女性が何人もいます。そんな中で今回はこれまで脇役だった二人にスポットライトが当たり、急に別な縁談話が持ち上がった女騎士のエヴァリーンと、妹が先に結婚を決めてしまった公爵令嬢テレーゼが、フロリン(カテリナ王妃)の声援を得て動き出します。いつも周囲の人を助け、騎士としての腕も高いけれど女の子としては不器用なエヴァリーンと、王妃になろうと日々努力しながらも高慢も身についてしまったテレーゼが苦労するところは抱腹絶倒のコメディーです。
でも、カテリナ王妃に自分のバカさ加減を嘲笑されたテレーゼは自分を省みて一気に変わります。ここから後半のテレーゼは自分を捨てて他人に尽くす正に高貴なヒロインに変身。ミーネの声援を得て自分の意思で積極的に皆の幸せの為に動くルドヴィーク王とともに、テレーゼが素晴らしい「エピローグ 二番目と三番目」への道を作ります。読んでいて胸も目頭も熱くなること請け合いです。素敵な恋の物語でした。
そのあとの章が「四番目と五番目」になっています。これがどういうことかはご確認ください。
カテリナ王妃は自分の気持ちに気が付いたものの、影が薄くなっていることに悩み、それが次巻へ続く大きな事件に繋がります。このシリーズも何かクライマックスが近づいた感じですね。
第四巻は作者執筆中とのことですが、入院も挟んでいるので、出版は何時なのかなあ。
でも、カテリナ王妃に自分のバカさ加減を嘲笑されたテレーゼは自分を省みて一気に変わります。ここから後半のテレーゼは自分を捨てて他人に尽くす正に高貴なヒロインに変身。ミーネの声援を得て自分の意思で積極的に皆の幸せの為に動くルドヴィーク王とともに、テレーゼが素晴らしい「エピローグ 二番目と三番目」への道を作ります。読んでいて胸も目頭も熱くなること請け合いです。素敵な恋の物語でした。
そのあとの章が「四番目と五番目」になっています。これがどういうことかはご確認ください。
カテリナ王妃は自分の気持ちに気が付いたものの、影が薄くなっていることに悩み、それが次巻へ続く大きな事件に繋がります。このシリーズも何かクライマックスが近づいた感じですね。
第四巻は作者執筆中とのことですが、入院も挟んでいるので、出版は何時なのかなあ。
2016年6月1日に日本でレビュー済み
愛想の良い仕立て屋の若旦那が、何の因果か一国の王様になり大国のお姫様を妃として迎えたは良いけど、故国に想い人がいるというお妃の事情を
踏まえて正妃がダメなら愛妾を囲っちゃえと、何故かお妃さまの発案であちらこちらの女の子にハレムに迎え入れる野村美月の人気シリーズ・第三弾
物語は高官の不正暴露にまで至った「城内お嫁さんにしたい子番付レース」の大騒ぎも収まり、メイドのミーネを愛妾として迎え入れたルドヴィクが
ミーネ手作りの朝食に舌鼓を打ち、幸福感に浸りきっている場面から始まる。国王の愛妾となっても控えめな態度を崩さないミーネの可愛らしさに思わず
キスをするやいなや、先日不正を暴露したヒンメル長官の部下であり、有能さを買われて執事となったクラウスに「それ以上は子作りになるからダメ、
子作りは正妃様が先です」と止められてしまう。仕方無しに正妃のカテリナに子作りを頼みこむものの、故国の「あの人」は片想いなのでは、という地雷を
踏んで撤退を余儀なくされる。溜息交じりに城内を歩いていたルドヴィクが曲がり角でぶつかりそうになり、思わず抱きしめてしまったのは女騎士の
エヴァリーンだった。憧れのルドヴィクに抱きしめられた事で舞い上がりそうになるエヴァリーンだったが、すぐに抱えている厄介事を思い出して現実に
引き戻される。エヴァリーンの悩み事、それは父親から強引に進められた武の名門ハーゲル家の長男・グスタフとの縁談だった。筋骨隆々で十年もの間、
武術大会を制している剛の者で、父親は結婚式代わりに夫婦でタッグを組んでのお披露目試合まで企画する始末。さっぱり気乗りしないエヴァリーンが
庭の隅で愚痴を溢している所に現れたのは亜麻色の髪の若い娘。騎士が愚痴をこぼしているみっともない所を見られたと焦るエヴァリーンだったが、
望まぬ子作りなんて、という愚痴の内容に一方的に共感したらしきフロリンと名乗る娘は意気投合したらしく話は盛り上がる。エヴァリーンに片想いの
相手がいる事を知り、協力を申し出てきたフロリンに乗せられる形でエヴァリーンは想い人、ルドヴィクへ気持ちを伝える事にするが…。一方その頃、
エヴァリーンの幼馴染で公爵令嬢のテレーゼは三歳下の妹の縁談がまとまった事に焦っていた。王妃になる為に育てた娘だったが、先に大国の姫を
妃と迎えてしまっては仕方ないから一生実家で面倒は見る、という両親の同情や、テレーゼを「売れ残り」として憐れむ城内の声に何が何でも王妃になり
周りを見返して見せるという野望を燃やし始めたテレーゼは行動を開始する事に…
なんというか改めて野村美月も女性作家なのだなあ、と思い知らされたような「女の世界」を描いた一冊だった。ハレムを目指す物語なのだから、女同士の
嫉妬や確執、さらには微妙な所での友情なども発生するのは当然なのだけど、男性作家が描く、あくまでも「理想像」としての女性キャラと違って、女性に
しか描けないファンタジー世界である筈なのに女性キャラ同士のやりとりが妙に生々しいのである
物語の方はミーネという愛妾を迎えながらも、大国への政治的配慮から子作りは正妃が最初という蛇の生殺しみたいな状態に陥ったルドヴィクの状況から
始まり、望まぬ結婚も子作りも女を蔑ろにした男どもの横暴だとエヴァリーンの状況に肩入れしたフロリンの後押しと、妹が先に嫁ぎ先を決めた上に、
王妃の椅子を賭けたレースに負けた事で一生涯独身の危機に陥ったテレーゼのカテリナ皇女追い落とし作戦が並行して描かれている
男性作家が男性向けに描いた「主人公の事が好きな女の子がいっぱい出てくるラノベ」の事を俗にハレムラノベとも言うけど、その手の作品で描かれる
女の戦いというのは何と言うか実にコメディチックな女性キャラ同士のドンパチ混じりの実力行使であったりと戯画化されたやり取りが主体である。ところが
本作で描かれる女性キャラ同士のやり取りと言うのが…本来ルドヴィクの兄たちに嫁がせる事で王妃となろうとしていたテレーゼがそのレースに敗れた
事で陥った状況を男装の麗人であるルドヴィクの側近・アーデルハイドが評するのだけど、これが恐ろしく辛辣
「どうでしょう。一度は嫁いで、”元王妃”の称号を得る方が、十八歳の売れ残りの姫と言われるよりも、ご本人的には自尊心が満たされたかもしれませんよ」
「どのみち王妃になれなかった時点で、彼女の人生も終わっているのですよ。この先はご生家の公爵家で、行かず後家のご意見番として、うっとうしがられ
ながら余生を過ごされるか、男やもめの高齢の貴族の後妻にでもなるかでしょうね」
「行かず後家」なんて言葉が出てくるラノベって相当に珍しいのでは…いや、読む前に今回のメインキャラはエヴァリーンとばかり思い込んでいたのだけど
あまりのドタバタぶりで完全にテレーゼが主役の座を食っている。というかこうやってテレーゼの置かれた状況を生々しく語られると一生独身という恐怖が
重く圧し掛かってきた時の女性の焦りっぷりが伝わって来てどうにもシャレにならない。しかも焦るテレーゼは相変わらずプライドの塊なのだけれども
その鼻っ柱の強さを「こんな娘が愛妾になったら大人しいミーネが虐められる!」とミーネと仲が良いフロリンが、普段は姿を現さない貴族令嬢のサロンに
現れて取った行動が凄まじい。本来はオルゴールの収集が趣味で見せびらかし屋のテレーゼのご機嫌をとる筈の場でテレーゼが見せ付けようとした
名匠のオルゴールを遥かに上回る逸品を見せ付けるわ、終いにはテレーゼが手に入れた代物が真っ赤な贋作である事を暴いてテレーゼの貴族としての
プライドを木っ端微塵に打ち砕くわと「うっわ、えげつなー」と男性読者がドン引きするレベルの「女の戦い方」を見せたりする辺り、女性作家の描く「女の
世界」はコメディであっても生々しくなるのだな、と骨に響くレベルで思い知らされた
ただし、描かれるのは女の戦いだけではなく、女の友情も描かれる辺りに野村美月の優しさがよく出ている。やり過ぎてしまったカテリナにボロボロにされて
中庭で泣き崩れていたテレーゼとルドヴィクが事故的にキスしてしまった事で、フロリン・エヴァリーン・テレーゼの三人の関係が大きく揺れ動くのだけど
幼馴染で互いを「ストーブの騎士」、「豚を飼った伯爵」と事あるごとに呼び合って来ながら、結局は付き合いを続けてきたエヴァリーンとテレーゼの「仲良く
喧嘩する」関係がクローズアップされる展開へと繋がっていく。自分がルドヴィクとキスをしている所を見たエヴァリーンの顔に、悪友の想い人を知らされた
テレーゼは事情を説明しに来たルドヴィクにエヴァリーンを愛妾として迎え入れる様に申し出、エヴァリーンはもう一人の幼馴染・グレーテからテレーゼが
「お嫁さんにした子番付レース」でエヴァリーンに投票した数少ない人間がだった事を知らされて、悪友なりの不器用な友情の示し方を知る流れが
いつまでも喧嘩をし続けられる相手は誰よりも仲が良い親友、と言わんばかりに幼馴染二人の切るに切れない関係をよく描けていた
名前の出ている女の子(もしくは未婚女性)が7人である事から、彼女たちを落として行く過程がシリーズを通じて描かれるのだろうな、とは予想していた
けれども、まさか一冊で二人まとめて落とすという展開は予想していなかっただけに、テンポの良い展開には感心させられた
…ただ、本編中でやたらとカテリナがルドヴィクに焼きもちを妬く場面が強調されていた事で「随分と早くチョロい状態になるもんだな?」と思っていたら
終盤の展開に仰天。本来ならもっと後のクライマックス辺りで起きる展開が三巻ラストで起きるとは!しかもそれだけなく、フロリン=カテリナ皇女という
事実が早くも露見しそうになったりと本当に展開が巻まくっている。今回二人のヒロインを落としたと思ったら、その余韻を味わうヒマも無く、四人目と
五人目が登場するって……一体何を焦っているんですか?野村美月先生?
…って、事情は分かる。「吸血鬼」最終巻で「全十巻構想とは言え、話が四、五巻まで動かないのはシリーズ展開の上で完全な戦略ミス」だと小生は
レビューしたし、「この恋と、その未来」に対する仕打ちから見てもファミ通文庫の編集部から余裕を与えないプレッシャーが掛けられている事は嫌でも
見えてくる。だからといって今回はちょっと焦りが露骨に見え過ぎではないだろうか?手短にまとめるなら、落とすべきヒロインの数をそれなりの人数に
抑えるべきであろうし、構想する巻数に対してヒロインをギュウ詰めにし過ぎてはいないだろうか?読ませる腕はあるのに、読者に伝わる程の焦りが
なんとなくシリーズ全体を落ち着きの無い物にしてしまっている様な気がしてならない
野村美月のコメディタッチが強めの作品は大好きだし、このシリーズもコメディ色が強いので基本的には大好物なのだが、出された料理を一皿平らげたと
思ったら、味の余韻を味わうヒマも無く「はい、次はこれ!」」では折角出された極上の料理の感動も半減してしまう。ここは一つ「毒蛇は急がない」の
精神でどっしりと構えて頂きたい物である
踏まえて正妃がダメなら愛妾を囲っちゃえと、何故かお妃さまの発案であちらこちらの女の子にハレムに迎え入れる野村美月の人気シリーズ・第三弾
物語は高官の不正暴露にまで至った「城内お嫁さんにしたい子番付レース」の大騒ぎも収まり、メイドのミーネを愛妾として迎え入れたルドヴィクが
ミーネ手作りの朝食に舌鼓を打ち、幸福感に浸りきっている場面から始まる。国王の愛妾となっても控えめな態度を崩さないミーネの可愛らしさに思わず
キスをするやいなや、先日不正を暴露したヒンメル長官の部下であり、有能さを買われて執事となったクラウスに「それ以上は子作りになるからダメ、
子作りは正妃様が先です」と止められてしまう。仕方無しに正妃のカテリナに子作りを頼みこむものの、故国の「あの人」は片想いなのでは、という地雷を
踏んで撤退を余儀なくされる。溜息交じりに城内を歩いていたルドヴィクが曲がり角でぶつかりそうになり、思わず抱きしめてしまったのは女騎士の
エヴァリーンだった。憧れのルドヴィクに抱きしめられた事で舞い上がりそうになるエヴァリーンだったが、すぐに抱えている厄介事を思い出して現実に
引き戻される。エヴァリーンの悩み事、それは父親から強引に進められた武の名門ハーゲル家の長男・グスタフとの縁談だった。筋骨隆々で十年もの間、
武術大会を制している剛の者で、父親は結婚式代わりに夫婦でタッグを組んでのお披露目試合まで企画する始末。さっぱり気乗りしないエヴァリーンが
庭の隅で愚痴を溢している所に現れたのは亜麻色の髪の若い娘。騎士が愚痴をこぼしているみっともない所を見られたと焦るエヴァリーンだったが、
望まぬ子作りなんて、という愚痴の内容に一方的に共感したらしきフロリンと名乗る娘は意気投合したらしく話は盛り上がる。エヴァリーンに片想いの
相手がいる事を知り、協力を申し出てきたフロリンに乗せられる形でエヴァリーンは想い人、ルドヴィクへ気持ちを伝える事にするが…。一方その頃、
エヴァリーンの幼馴染で公爵令嬢のテレーゼは三歳下の妹の縁談がまとまった事に焦っていた。王妃になる為に育てた娘だったが、先に大国の姫を
妃と迎えてしまっては仕方ないから一生実家で面倒は見る、という両親の同情や、テレーゼを「売れ残り」として憐れむ城内の声に何が何でも王妃になり
周りを見返して見せるという野望を燃やし始めたテレーゼは行動を開始する事に…
なんというか改めて野村美月も女性作家なのだなあ、と思い知らされたような「女の世界」を描いた一冊だった。ハレムを目指す物語なのだから、女同士の
嫉妬や確執、さらには微妙な所での友情なども発生するのは当然なのだけど、男性作家が描く、あくまでも「理想像」としての女性キャラと違って、女性に
しか描けないファンタジー世界である筈なのに女性キャラ同士のやりとりが妙に生々しいのである
物語の方はミーネという愛妾を迎えながらも、大国への政治的配慮から子作りは正妃が最初という蛇の生殺しみたいな状態に陥ったルドヴィクの状況から
始まり、望まぬ結婚も子作りも女を蔑ろにした男どもの横暴だとエヴァリーンの状況に肩入れしたフロリンの後押しと、妹が先に嫁ぎ先を決めた上に、
王妃の椅子を賭けたレースに負けた事で一生涯独身の危機に陥ったテレーゼのカテリナ皇女追い落とし作戦が並行して描かれている
男性作家が男性向けに描いた「主人公の事が好きな女の子がいっぱい出てくるラノベ」の事を俗にハレムラノベとも言うけど、その手の作品で描かれる
女の戦いというのは何と言うか実にコメディチックな女性キャラ同士のドンパチ混じりの実力行使であったりと戯画化されたやり取りが主体である。ところが
本作で描かれる女性キャラ同士のやり取りと言うのが…本来ルドヴィクの兄たちに嫁がせる事で王妃となろうとしていたテレーゼがそのレースに敗れた
事で陥った状況を男装の麗人であるルドヴィクの側近・アーデルハイドが評するのだけど、これが恐ろしく辛辣
「どうでしょう。一度は嫁いで、”元王妃”の称号を得る方が、十八歳の売れ残りの姫と言われるよりも、ご本人的には自尊心が満たされたかもしれませんよ」
「どのみち王妃になれなかった時点で、彼女の人生も終わっているのですよ。この先はご生家の公爵家で、行かず後家のご意見番として、うっとうしがられ
ながら余生を過ごされるか、男やもめの高齢の貴族の後妻にでもなるかでしょうね」
「行かず後家」なんて言葉が出てくるラノベって相当に珍しいのでは…いや、読む前に今回のメインキャラはエヴァリーンとばかり思い込んでいたのだけど
あまりのドタバタぶりで完全にテレーゼが主役の座を食っている。というかこうやってテレーゼの置かれた状況を生々しく語られると一生独身という恐怖が
重く圧し掛かってきた時の女性の焦りっぷりが伝わって来てどうにもシャレにならない。しかも焦るテレーゼは相変わらずプライドの塊なのだけれども
その鼻っ柱の強さを「こんな娘が愛妾になったら大人しいミーネが虐められる!」とミーネと仲が良いフロリンが、普段は姿を現さない貴族令嬢のサロンに
現れて取った行動が凄まじい。本来はオルゴールの収集が趣味で見せびらかし屋のテレーゼのご機嫌をとる筈の場でテレーゼが見せ付けようとした
名匠のオルゴールを遥かに上回る逸品を見せ付けるわ、終いにはテレーゼが手に入れた代物が真っ赤な贋作である事を暴いてテレーゼの貴族としての
プライドを木っ端微塵に打ち砕くわと「うっわ、えげつなー」と男性読者がドン引きするレベルの「女の戦い方」を見せたりする辺り、女性作家の描く「女の
世界」はコメディであっても生々しくなるのだな、と骨に響くレベルで思い知らされた
ただし、描かれるのは女の戦いだけではなく、女の友情も描かれる辺りに野村美月の優しさがよく出ている。やり過ぎてしまったカテリナにボロボロにされて
中庭で泣き崩れていたテレーゼとルドヴィクが事故的にキスしてしまった事で、フロリン・エヴァリーン・テレーゼの三人の関係が大きく揺れ動くのだけど
幼馴染で互いを「ストーブの騎士」、「豚を飼った伯爵」と事あるごとに呼び合って来ながら、結局は付き合いを続けてきたエヴァリーンとテレーゼの「仲良く
喧嘩する」関係がクローズアップされる展開へと繋がっていく。自分がルドヴィクとキスをしている所を見たエヴァリーンの顔に、悪友の想い人を知らされた
テレーゼは事情を説明しに来たルドヴィクにエヴァリーンを愛妾として迎え入れる様に申し出、エヴァリーンはもう一人の幼馴染・グレーテからテレーゼが
「お嫁さんにした子番付レース」でエヴァリーンに投票した数少ない人間がだった事を知らされて、悪友なりの不器用な友情の示し方を知る流れが
いつまでも喧嘩をし続けられる相手は誰よりも仲が良い親友、と言わんばかりに幼馴染二人の切るに切れない関係をよく描けていた
名前の出ている女の子(もしくは未婚女性)が7人である事から、彼女たちを落として行く過程がシリーズを通じて描かれるのだろうな、とは予想していた
けれども、まさか一冊で二人まとめて落とすという展開は予想していなかっただけに、テンポの良い展開には感心させられた
…ただ、本編中でやたらとカテリナがルドヴィクに焼きもちを妬く場面が強調されていた事で「随分と早くチョロい状態になるもんだな?」と思っていたら
終盤の展開に仰天。本来ならもっと後のクライマックス辺りで起きる展開が三巻ラストで起きるとは!しかもそれだけなく、フロリン=カテリナ皇女という
事実が早くも露見しそうになったりと本当に展開が巻まくっている。今回二人のヒロインを落としたと思ったら、その余韻を味わうヒマも無く、四人目と
五人目が登場するって……一体何を焦っているんですか?野村美月先生?
…って、事情は分かる。「吸血鬼」最終巻で「全十巻構想とは言え、話が四、五巻まで動かないのはシリーズ展開の上で完全な戦略ミス」だと小生は
レビューしたし、「この恋と、その未来」に対する仕打ちから見てもファミ通文庫の編集部から余裕を与えないプレッシャーが掛けられている事は嫌でも
見えてくる。だからといって今回はちょっと焦りが露骨に見え過ぎではないだろうか?手短にまとめるなら、落とすべきヒロインの数をそれなりの人数に
抑えるべきであろうし、構想する巻数に対してヒロインをギュウ詰めにし過ぎてはいないだろうか?読ませる腕はあるのに、読者に伝わる程の焦りが
なんとなくシリーズ全体を落ち着きの無い物にしてしまっている様な気がしてならない
野村美月のコメディタッチが強めの作品は大好きだし、このシリーズもコメディ色が強いので基本的には大好物なのだが、出された料理を一皿平らげたと
思ったら、味の余韻を味わうヒマも無く「はい、次はこれ!」」では折角出された極上の料理の感動も半減してしまう。ここは一つ「毒蛇は急がない」の
精神でどっしりと構えて頂きたい物である
2016年7月23日に日本でレビュー済み
あれもう二番目と三番目っすか、早いなー。と思っていたらまさか五番目まで確定とは。
稀代のスケコマシ国王の手が速すぎて、フロリンに向けた愛情はどっか行っちゃったんじゃ
ないかと心配になります。
しかし物語の展開スピードとしてはもう次巻で完結の勢い、一読者としてはもうちょっと
読み続けていたい(主に国王様の超絶楽勝口説き術を)のですが。
作者様へスイーツのお布施が足りないのだろうか。
稀代のスケコマシ国王の手が速すぎて、フロリンに向けた愛情はどっか行っちゃったんじゃ
ないかと心配になります。
しかし物語の展開スピードとしてはもう次巻で完結の勢い、一読者としてはもうちょっと
読み続けていたい(主に国王様の超絶楽勝口説き術を)のですが。
作者様へスイーツのお布施が足りないのだろうか。
2016年8月16日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
まず面白かったです。
ヒロインたちの、人間らしさが、うまく描かれているように思います。
何よりも、楽しく、読むことができました。
次も、楽しみです。
ヒロインたちの、人間らしさが、うまく描かれているように思います。
何よりも、楽しく、読むことができました。
次も、楽しみです。
2016年5月30日に日本でレビュー済み
王妃が好きなキャラなので、特命騎士として、もっとでしゃばったおてんばぶりを見たかった。
凛々しいレディーナイトはキャラ造形として好みなので、もっとじっくり丁寧に接近してほしかった。
要はエヴァリーンとフロリンのダブル特命騎士コンビが、派手に「やらかす」展開を期待していたのです。
りりしい見かけと裏腹に、根は実直・真面目なエヴァリーンに、いかにして積極的に「やらかさせる」、説得力あるモティーフをあたえるのか。
フロリンをからませれば、完璧です。
フロリンも恋に物憂く悩むより、どちらかといえば、そのむしゃくしゃさえパァッと特命で発散させる方がむいている気がして、個人的には最高のモティーフだと思うのですが、いかがでしょう❓
あと高笑いのお嬢さまには、最終的には幸せになって欲しい。しかし僕としてはもう少し空回りして不幸になってもらい、コメディーパート担当としてがんばってほしかったりもしました。
まあ文句ばかり書きましたがダメだったわけではなく、むしろ非常に面白かった。中盤のオルゴールの挿話は秀逸です。女同士の友情、悪くないです。見事に盛り上がる楽しい展開で、これはこれで引き込まれました。
いまいちまとまりを欠いたレビューで失礼します💦。
凛々しいレディーナイトはキャラ造形として好みなので、もっとじっくり丁寧に接近してほしかった。
要はエヴァリーンとフロリンのダブル特命騎士コンビが、派手に「やらかす」展開を期待していたのです。
りりしい見かけと裏腹に、根は実直・真面目なエヴァリーンに、いかにして積極的に「やらかさせる」、説得力あるモティーフをあたえるのか。
フロリンをからませれば、完璧です。
フロリンも恋に物憂く悩むより、どちらかといえば、そのむしゃくしゃさえパァッと特命で発散させる方がむいている気がして、個人的には最高のモティーフだと思うのですが、いかがでしょう❓
あと高笑いのお嬢さまには、最終的には幸せになって欲しい。しかし僕としてはもう少し空回りして不幸になってもらい、コメディーパート担当としてがんばってほしかったりもしました。
まあ文句ばかり書きましたがダメだったわけではなく、むしろ非常に面白かった。中盤のオルゴールの挿話は秀逸です。女同士の友情、悪くないです。見事に盛り上がる楽しい展開で、これはこれで引き込まれました。
いまいちまとまりを欠いたレビューで失礼します💦。
2016年6月22日に日本でレビュー済み
1巻でフロリン、2巻でミーナと来て、3巻ではエヴァリーンとどう仲良くなるのだろうと楽しみにしていたのだが
蓋を開けてみれば、騎士エヴァリーンと公爵令嬢テレーゼを同時に攻略し、しかも侍従長アーデルハイドと義妹ロッティもほぼ確定という急展開
後者2人を本格攻略するのは、予告からしてもさすがに次巻・・・のはず
3巻までの間に、この2人とのそういった関係を示唆する伏線がなかったので、記号的な意味で取って付けたような印象が感じられて、どうにも腑に落ちない
「秘書とか義理の妹は当然、攻略対象に決まってるじゃん」みたいな
その辺りを次巻ですっきりさせてくれるのだろうとは思うのだが・・・
そして、この巻ではフロリンが完全に空回りしていたのも残念でならない
端から見れば、主人公の思いと国を人質に取った上で、邪魔をしたりかき回したり、完全にただの悪役と化している
1巻でフロリンを気に入っていたので、他の女性と同時にどう距離を縮めていくのだろうかと楽しみにしていたのだが、この巻を読んで、最も嫌いなキャラクターになってしまった
今後の展開との兼ね合いであえてそう見せているようなので、もう仕方ないかと諦めているが・・・
このペースだとあと2冊、短いと1冊で完結となるのだろうか、とにかく期待度が高かっただけにとても残念に思う
蓋を開けてみれば、騎士エヴァリーンと公爵令嬢テレーゼを同時に攻略し、しかも侍従長アーデルハイドと義妹ロッティもほぼ確定という急展開
後者2人を本格攻略するのは、予告からしてもさすがに次巻・・・のはず
3巻までの間に、この2人とのそういった関係を示唆する伏線がなかったので、記号的な意味で取って付けたような印象が感じられて、どうにも腑に落ちない
「秘書とか義理の妹は当然、攻略対象に決まってるじゃん」みたいな
その辺りを次巻ですっきりさせてくれるのだろうとは思うのだが・・・
そして、この巻ではフロリンが完全に空回りしていたのも残念でならない
端から見れば、主人公の思いと国を人質に取った上で、邪魔をしたりかき回したり、完全にただの悪役と化している
1巻でフロリンを気に入っていたので、他の女性と同時にどう距離を縮めていくのだろうかと楽しみにしていたのだが、この巻を読んで、最も嫌いなキャラクターになってしまった
今後の展開との兼ね合いであえてそう見せているようなので、もう仕方ないかと諦めているが・・・
このペースだとあと2冊、短いと1冊で完結となるのだろうか、とにかく期待度が高かっただけにとても残念に思う
2016年6月1日に日本でレビュー済み
ラノベの定番ジャンルであるハーレム物、考えてみれば主人公が王様とかチートすぎます。
身分的に全てのルートを拾うことが出来るわけですから…
しかしそれはそれ、主人公には1~6番目は手に入っても7番目だけは絶対に手に入らないという呪いにも似た占いが下される。
巻末で4番と5番までは描かれています…果たして6番は誰なのか? そして手に入らない7番とは?
王妃とフロリンが今のところノーナンバーなのでおそらくそういう事なんだと思いますが…あ、どっちでも一緒とは言ってはなりませんよ?
それに「永遠に7巻は手に入らない」というオチもあり得るから怖い。
身分的に全てのルートを拾うことが出来るわけですから…
しかしそれはそれ、主人公には1~6番目は手に入っても7番目だけは絶対に手に入らないという呪いにも似た占いが下される。
巻末で4番と5番までは描かれています…果たして6番は誰なのか? そして手に入らない7番とは?
王妃とフロリンが今のところノーナンバーなのでおそらくそういう事なんだと思いますが…あ、どっちでも一緒とは言ってはなりませんよ?
それに「永遠に7巻は手に入らない」というオチもあり得るから怖い。