前作である「アオイハルノスベテ」が意外な短命作品に終わった事で
庵田定夏もファミ通文庫の路線変更の影響から逃れられない作家の一人なのかな?と
思っていた矢先に発表された新作。
公式発表では異世界ものという事で件の路線変更の事が頭をよぎり「ああ、やっぱり」と
不安に駆られながら手に取ったのだけど…
答え:なーんも変わらん!庵田定夏はやっぱりテーマの深さで勝負する作家でした!
いや、確かに異世界というかドラゴンとかが生息していて魔法という文化が発達した
亜人種だらけの世界で日本人の少年(若干青年期に差し掛かってはいるが)が生きていく物語ではある。
だが、最近幅を利かせている「異世界もの」のフォーマットとはちょっと違うというか、
その手の作品に対するある種のアンチテーゼ的作品となっているのも事実。
物語の方は最終戦争を前に研究者であった父親からコールドスリープ装置に入れられた
主人公のユージが目を覚ました場面から始まる。
コールドスリープ施設を管理していたAIのシドに「何年眠っていたのか」を尋ねると
返ってきた答えはなんと「700年」。
人類はとっくに滅んで自分が残された最後の人間だと衝撃的にもほどがある事実を告げられ
ユージが「それじゃ今世界は誰が支配しているのか」と尋ねるとシドの返事の代わりに
襲ってきたのは一匹のドラゴン。
施設をぶっ壊して狂ったように暴れるファンタジーな存在を前に
いきなり絶体絶命のピンチに陥ったユージはエネルギー不足で一発だけしか打てないレーザーで
ドラゴンを見事に討伐。
やっとの思いで外に出てみれば、そこはエルフを始めとした亜人種たちが支配する共和国。
唖然とする暇もなく、働かざる者食うべからずという事で7人だけ残った最後のニンゲン族の一人として
ユージに与えられたのは教師のお仕事。
ただし、教え子は普通の教室では最低ランクの成績しか出せなかった三人の落ちこぼれ。
ユージは彼女たちに実力主義の社会でも食い扶持が得られる様な立派な大人に育てる事を求められるが…
フォーマットから言うと「小学生は最高だぜ!」的な教師モノという事になるかと。
ただし、教師であるユージも教え子たちも置かれた立場はそれ程甘くない。
むしろ激辛と言って良い。
なにしろ舞台は働かざる者食うべからずという、まことに厳しい実力主義社会であり、
メシを食える存在に育てなければ(育たなければ)勝手に野垂れ死にしろという
恐ろしく余裕の無い社会の要求が素人教師と小中学生年代の少女たち相手に
容赦なく突き付けられるのである。
ユージの教え子は中等学校二年の妖孤族・リン、初等学校四年の雪人族・エミィ、
初等学校五年の聖霊族・サーシャの三人。身体強化術を持っている筈なのに
「そんな力に頼る将来は嫌だ」と頑として術を使おうとしないリン、
一族を代表して都市へと出てきたは良いが雪の無い場所では得意の雪魔法が使えないエミィ、
強大な魔力を持つ聖霊族の筈なのにその魔力を魔法として具現化する方法がさっぱり分からず
教えてくれる人もいないサーシャと見事なまでの落ちこぼれ揃い。
現代日本であればローティーンの少女たちが将来メシを食っていく方法を
厳しく問われる事なんて無いのだけど、繰り返し強調されるのはユージが辿り着いた共和国の余裕の無さ。
社会に居場所を見付けられるだけの能力を見せねば、どこからも雇ってもらえず都市を追い出されて
ドラゴンをはじめとした危険な生物が住む荒野に放り出されるという恐怖に支配され、
しかもその実力主義に異議を挟むことが許されないというひどい世界である。
普通の教師すら「見込みなし」と見放した落ちこぼれ三人組を素人教師が定期試験までに
結果を出せるまでに育て上げろという無茶ぶりを食らうのだから堪ったもんじゃない。
あれこれ考えてもロクな策が思いつかないユージがとった手段は
ぶっつけで試験の場に教え子たちを臨ませて奇跡が起こる事を願うという策とは言えない様なヒドイ代物。
現代日本人が異世界に転生すればホイホイと奇跡が起きるご都合主義異世界ファンタジーと違い、
無能が無策で事に臨めば大恥をかくだけ、という冷たい現実が突き付けられ
「蘇った種族」として期待されていたニンゲンの価値を大暴落させ、
生徒たちにも大恥をかかせ傷付ける結果に終わるのだから話は甘くは無いのである。
状況を変えたきゃ世界が変わってくれる事を期待するのではなく自分が変わって見せろ、とは
しばしば安易な転職を戒めるために使われる言葉ではあるのだけど、
ユージが突き付けられた「現実」はまさにこれ。
その現実を前にユージの前に並べられた選択肢は二つに一つ。
一つは安易な異世界ファンタジーみたいな奇跡を期待するのではなく、
自らの無能力を正面から見据えて、その上で何が出来るのかを考る、という正攻法。
もう一つは腕時計型のシドとの通信装置に備えられたもう一つの機能、
即ち大陸のどこかで今も生き続け座標をこの共和国に向けた核ミサイルの発射装置を使い、
こんな世界は滅びてしまえと世界と心中する方法。
厳しい現実を前にユージは世界を終わらせる方へと傾くのだけど、
自分一人がコケたからって罪もない人々を巻き添えにして世界を終わらせる事の
傲慢さに耐えきれずその選択肢も選べない羽目に。
追い詰められたユージのターニングポイントは自分たちニンゲンと同じく絶滅寸前の聖霊族サーシャの
「滅ぶことが決まっている種族なのに何で頑張って生きていこうとするのだ?」という質問。
ここでユージが気付かされるのが
「一族が滅んだ理由を気にするのも、死の意味を考えるのも、生きていたいから」という一つの真理である。
前作の「アオイハルノスベテ」とも共通する庵田定夏の永遠のテーマがここで一気に立ち上がってくるのである。
このどう生きても最後は死ぬという真理にたどり着いた事でようやくユージは見栄も外聞も捨てて
無能な自分を生徒に曝け出し「ともに進もう」という姿勢を取るに至るのである。
このユージが教え子とともに歩もうとし始めた途端に物事が好転し始めるのは、
多少のご都合主義っぽくはあるのだけど、そこまで突き詰めるのは野暮ってものでしょう。
好転し始めた状況の中でユージと教え子は再試験にトライするのだけど、
順調に行きかけた試験がアクシデントに見舞われ、後生大事に身に着けていた核ミサイルの発射装置を巡って
ユージは教え子ともども追われる身に。
追い込まれた状況の中で、ようやくユージと教え子たちはお互いをかけがえのない存在として認め合うのだけど、
試験を通じて新しい価値観を示した教え子たちをも排除しようとした亜人の大人たちを、
余裕のない実力主義社会の価値観に染まった連中を前に切ったユージの啖呵には色々と思わされるものがあった。
「この世界は凝り固まっている!」
「実力主義と言いながら、結局その実力とやらは今すでにある基準に従っているだけだ!」
「でもそれだと、過去の基準でしか物事を図れない!」
「今少数派の奴は、新しい力を生み出そうとしている奴はどうなる?」
「お前らは見逃している!もっと凄いものが生まれる可能性を潰している!」
「どうして今のお前らじゃ三人の実力を見出せなかったかわかるか?」
「それはお前らが新しい可能性に脅かされることにビビっているからだ!」
「可能性を殺した世界は、いずれ滅びるからな」
…この一、二年のファミ通文庫での状況を踏まえると、自作の主人公の口を借りてこの台詞を叫んだ庵田定夏が
腹に据えかねているものを同じ様に腹の中に抱えている読者は少なくないだろうと思われる。
「売上」という分かりやすい基準を絶対の基準として振りかざし、実力主義の名のもとに
斬新なテーマや大きな構想を持った作品を切り続けたレーベルに対して言うべきことを言ってくれたと
喝采を送りたくなった。
現代日本人が異世界に転生しただけで物事がスルスルと上手くいく安易な異世界ファンタジーを
WEB上から引っ張ってくるだけの安易な姿勢に逃げた出版人たちには実に耳に痛い言葉だろう。
前作が短命に終わったことや異世界ものを始めるという話を前に
「庵田定夏ですらそんな路線変更を求められなきゃいかんのか」と暗澹たる気分で読み始めた作品だったが、
いざ読んでみれば「死を意識して生きる」という前作のテーマを引継ぎ、
その上でライトノベルの置かれた状況に対してカウンターパンチを叩き込むような強烈なメッセージを盛り込んでくる辺りは
庵田定夏がまだまだ牙を抜かれていないと安心させてくれた。
褒めちぎるばかりじゃ仕方ないので、星一個減らしたポイントも述べさせていただく。
若干気になったのはユージの他に登場するもう一人のニンゲンであるメイコとの会話シーン。
コールドスリープ後にユージが「世界を変えて見せる」と宣言した大言壮語っぷりが前提の様に語られているが
そこに至るまでのページのどこにもそんな描写は無かったように思うのだが…。
同じくメイコが仕事をクビになりかけている、という件も中途半端に描かれて出しっぱなしになったのも気になる。
ページ数の関係なのかもしれないが、中途半端な描写が多かったのはどういう事だろうか?
ともあれ、ユージが落ちこぼれであった教え子たちと共に進み始め、三人の教え子たちも少しずつ
秘めた実力を発揮し始めたことから物語はようやく始まったというところだろうか?
世界を安易に終わらせる核ミサイル発射装置を持った最後のニンゲンたちがまだ残っている事を示唆している以上、
物語はその辺りを軸に展開されることが予想される。
前作では掘り下げきる前に終わった庵田定夏の永遠のテーマである「死を意識した生」を軸に据えた物語が
最終的にどこに辿り着くのか、「優しくない世界」でユージがどう生きていくのか、今後も追っていきたい作品である。
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今日が最後の人類だとしても (ファミ通文庫) 文庫 – 2016/10/28
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購入オプションとあわせ買い
庵田定夏が贈る最新作シリーズ、遂に登場!
目が覚めたらそこは異世界だった。人類はすでに滅び、多数の種族が共存する世界に取り残されてしまったユージ。しかし、働かざるもの食うべからず――そんな実力主義の世界で生きるために彼が選んだ職業は、亜人種の少女の教師役!? 聖霊族のサーシャ、雪人族のエミィ、妖孤族のリン、彼の元に集められ
た、無邪気で可愛い三人の少女たち。しかし彼女たちは、潜在能力を持ちながらも世界のルールに適合できない問題児で……!? 種族の垣根を飛び越える異文化交流ファンタジー、ここに開幕!
目が覚めたらそこは異世界だった。人類はすでに滅び、多数の種族が共存する世界に取り残されてしまったユージ。しかし、働かざるもの食うべからず――そんな実力主義の世界で生きるために彼が選んだ職業は、亜人種の少女の教師役!? 聖霊族のサーシャ、雪人族のエミィ、妖孤族のリン、彼の元に集められ
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- 本の長さ320ページ
- 言語日本語
- 出版社KADOKAWA
- 発売日2016/10/28
- 寸法10.8 x 1.5 x 14.9 cm
- ISBN-104047342017
- ISBN-13978-4047342019
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登録情報
- 出版社 : KADOKAWA (2016/10/28)
- 発売日 : 2016/10/28
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 320ページ
- ISBN-10 : 4047342017
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2016年10月30日に日本でレビュー済み
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2017年2月2日に日本でレビュー済み
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主人公はちょっとびっくりするぐらい甘えてて、
自分が特殊な立場だから
「棚ぼた的に自体が解決する筈」とを期待して能天気に過ごしており、
それゆえに手酷い失敗をします。
そうなって初めて反省し、自ら何かをやろうと決意します。(ここまでは良い)
その直後、主人公はその決意を周囲に話した程度の事しかしてないのに、
まさしく棚ぼた的に自体の一部が解決します。(…えええ?)
その後もっとひどい事が起きます。
当然のように主人公は何もせず、流れに身を任せていたら棚ぼた的に自体が解決します。
主人公は何にもしてませんが何故か周囲の人間はやさしくなりました。
おしまい。
……なんだこれ?
これちょっとひどくないですか。
昨今の読者は厳しい展開を嫌うってのはまあ仕方ないとしても、求めてるのってこんなんなの?
これ馬鹿にされてませんか?
お前の望んでるのはこんな話なんだろ?みたいに馬鹿にされてんじゃないの?
ちょっとびっくりするぐらい酷い話だったと思います。
これが高評価されてるのは本当に信じられない。
今の若い子はこんな作品を受け入れるのか…とも思いますが、受け入れるからといって与えてはいけないのではとすら思いました。
自分が特殊な立場だから
「棚ぼた的に自体が解決する筈」とを期待して能天気に過ごしており、
それゆえに手酷い失敗をします。
そうなって初めて反省し、自ら何かをやろうと決意します。(ここまでは良い)
その直後、主人公はその決意を周囲に話した程度の事しかしてないのに、
まさしく棚ぼた的に自体の一部が解決します。(…えええ?)
その後もっとひどい事が起きます。
当然のように主人公は何もせず、流れに身を任せていたら棚ぼた的に自体が解決します。
主人公は何にもしてませんが何故か周囲の人間はやさしくなりました。
おしまい。
……なんだこれ?
これちょっとひどくないですか。
昨今の読者は厳しい展開を嫌うってのはまあ仕方ないとしても、求めてるのってこんなんなの?
これ馬鹿にされてませんか?
お前の望んでるのはこんな話なんだろ?みたいに馬鹿にされてんじゃないの?
ちょっとびっくりするぐらい酷い話だったと思います。
これが高評価されてるのは本当に信じられない。
今の若い子はこんな作品を受け入れるのか…とも思いますが、受け入れるからといって与えてはいけないのではとすら思いました。
2016年10月28日に日本でレビュー済み
シリーズの序章となるべき一冊でしょうか?
ヘタレ主人公に、一癖も二癖もあるヒロイン達。
お互いがカラ回りしまくっている上に、話全体が暗いです。
段々読んでてイライラしてきます。
もう、ね、最期になんかないと怒るぞ!ってぐらい…
まぁ、タイトル通りやないか?と言われればその通りなんですが…
主人公は、結局最後までヘタレ主人公のままですが、続刊で徐々に成長して行く、そういう流れで見ていくんでしょうね〜…
続刊が出ること前提で読まないと、キッツイかもしれません。
ヘタレ主人公に、一癖も二癖もあるヒロイン達。
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段々読んでてイライラしてきます。
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まぁ、タイトル通りやないか?と言われればその通りなんですが…
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2016年11月19日に日本でレビュー済み
18歳の主人公が、コールドスリープによって700年後の世界で目覚める話
生き残った人間は7人だけで、世界は亜人によって支配され、支配域外には魔物が跋扈している
亜人の領域は実力主義社会で、主人公も何か役に立つことを見せなければ生きていけず、そのために落ちこぼれ生徒たち(3人のロリ美少女)の教師となる、というストーリー
「ココロコネクト」や「アオイハルノスベテ」から予想されたような、内面のドロドロとした部分であるとか、世界の謎とか、そういった要素は今巻(このシリーズ?)には無い
少女たちは、行使する特殊能力以外には亜人らしさを感じることがあまりなくとても可愛く描かれており(イラスト含む)、主人公と少女達の抱える問題と葛藤に主眼が置かれた作品となっている
主人公にはチート能力や特別な知識のようなものは一切なく、「異世界転移でチート能力や知識を活かして大活躍する」といった最近流行の作品に対する、アンチテーゼのようにも感じる
序盤~中盤は、主人公が根拠のない自信によって失敗したり、周りから冷たい扱いを受けたりと、読んでいて気分のよくない展開が続く
しかし、主人公が吹っ切れてから、少女たちの問題を解決してラストに至る流れには爽快さがあり、あっという間に読み終わっていた
7人の人間の内、主人公と少女1人以外の5人は未登場で、これからどうなるか、次巻が楽しみである
生き残った人間は7人だけで、世界は亜人によって支配され、支配域外には魔物が跋扈している
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「ココロコネクト」や「アオイハルノスベテ」から予想されたような、内面のドロドロとした部分であるとか、世界の謎とか、そういった要素は今巻(このシリーズ?)には無い
少女たちは、行使する特殊能力以外には亜人らしさを感じることがあまりなくとても可愛く描かれており(イラスト含む)、主人公と少女達の抱える問題と葛藤に主眼が置かれた作品となっている
主人公にはチート能力や特別な知識のようなものは一切なく、「異世界転移でチート能力や知識を活かして大活躍する」といった最近流行の作品に対する、アンチテーゼのようにも感じる
序盤~中盤は、主人公が根拠のない自信によって失敗したり、周りから冷たい扱いを受けたりと、読んでいて気分のよくない展開が続く
しかし、主人公が吹っ切れてから、少女たちの問題を解決してラストに至る流れには爽快さがあり、あっという間に読み終わっていた
7人の人間の内、主人公と少女1人以外の5人は未登場で、これからどうなるか、次巻が楽しみである
2016年10月30日に日本でレビュー済み
著者初のファンタジー作品ですけど「ココロコネクト」「アオイハルノスベテ」と変わらない人間の葛藤と成長があります。
亜人種の女の子たちそれぞれの問題解決していきながら主人公のユージがどうかわってゆくのかを丁寧に描いていて、何者でもなかったユージがどうなってゆくのか楽しみな作品になりました。
亜人種の女の子たちそれぞれの問題解決していきながら主人公のユージがどうかわってゆくのかを丁寧に描いていて、何者でもなかったユージがどうなってゆくのか楽しみな作品になりました。