(少し内容に触れています)
北の覇権国家レズモアに取って軍事的重要度を増した雪深き島リズル。
小競り合い程度だった異形の原住民ヅードとの戦いが艦砲射撃を含む殲滅戦に突入する事に。
ヅードに通じていた女性学者ラフトマから軍による情報操作を仄めかされた狙撃兵ウルナは揺らぐが作戦前夜、好意を持つ先輩兵士カレットに活を入れられ、結ばれる。
作戦当日、圧倒的火力で優位に立ったかに見えたレズモア軍にヅード達も必死の反撃と木製の巨大跳躍台チルモの翼から「蛮躍」を試みる。
ウルナが朱に染まった雪中で観た物は…。
1940年代初頭の北欧、ソ連を思わせるレズモアの強力な情報管制が敷かれた世界を背景に人々の極限状態における様子を性愛にまで踏み込んで描いた異色SF戦争物。
醜悪、異臭の怪物として現れる少数民族ヅードに隠された秘密が激しい戦闘の最中に少し明らかになります。
柔らかい筆致で描かれる悲惨な戦闘と、登場人物達の運命は大変な迫力が有りました。
華々しい戦功を上げたが結果として多大な業と喪失感を背負わざるを得なった少女ウルナが今後どう生きて行くか、そして全体主義国家レズモアのポリチーキ(政治将校の様な物)が語る「大きな嘘は組織にしかつけない。それも強靭な組織にしかね。」と言う一言が暗喩する秘密が大いに気に為ります。
「イムリ」「風の谷のナウシカ・漫画版」「WOMBS(ウームズ)」等がお好きな方、それ以外でも硬派な漫画がお好きな方には大いにお薦めです。
KADOKAWAエンターブレイン 月刊コミックビーム2016年9月~2017年2月号掲載分に加筆修正。

無料のKindleアプリをダウンロードして、スマートフォン、タブレット、またはコンピューターで今すぐKindle本を読むことができます。Kindleデバイスは必要ありません。
ウェブ版Kindleなら、お使いのブラウザですぐにお読みいただけます。
携帯電話のカメラを使用する - 以下のコードをスキャンし、Kindleアプリをダウンロードしてください。
銃座のウルナ 3 (ビームコミックス) コミック – 2017/2/25
伊図透
(著)
この商品はセット買いができます
『銃座のウルナ 全7巻 新品セット』 こちらをチェック
第21回文化庁メディア芸術祭【優秀賞】受賞!
ウルナ・トロップ・ヨンク…狙撃手として、戦場で生きると決めた彼女。謎に満ちた過酷な戦争を生きる女たちの、胸引き裂かれる悲劇をえぐり出す圧倒的SF巨篇、大ボリュームで殲滅戦の行方を描く怒濤の第3巻。
ウルナ・トロップ・ヨンク…狙撃手として、戦場で生きると決めた彼女。謎に満ちた過酷な戦争を生きる女たちの、胸引き裂かれる悲劇をえぐり出す圧倒的SF巨篇、大ボリュームで殲滅戦の行方を描く怒濤の第3巻。
- 本の長さ248ページ
- 言語日本語
- 出版社KADOKAWA
- 発売日2017/2/25
- 寸法12.8 x 2.1 x 18.2 cm
- ISBN-104047344419
- ISBN-13978-4047344419
この著者の人気タイトル
ページ 1 以下のうち 1 最初から観るページ 1 以下のうち 1
登録情報
- 出版社 : KADOKAWA (2017/2/25)
- 発売日 : 2017/2/25
- 言語 : 日本語
- コミック : 248ページ
- ISBN-10 : 4047344419
- ISBN-13 : 978-4047344419
- 寸法 : 12.8 x 2.1 x 18.2 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 330,121位コミック
- カスタマーレビュー:
著者について
著者をフォローして、新作のアップデートや改善されたおすすめを入手してください。

著者の本をもっと発見したり、よく似た著者を見つけたり、著者のブログを読んだりしましょう
-
トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
レビューのフィルタリング中に問題が発生しました。後でもう一度試してください。
2017年2月26日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
2017年11月13日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
いよいよもって艦砲射撃によるヅードの殲滅作戦が開始されます。
片や辺境に追いやられた少数民族、片や圧倒的な火力を持つ軍隊。
結果は火を見るよりも明かですが、現場にいる人間にとってはたとえ大火力が背後に控えていたとしても命がけの死闘であることは変わりないのだということを、ウルナ達の抱える緊張感が伝えてくれています。
何が痛々しいかといえば、グロテスクな歯茎で表現されているヅード達。
血の滴る刃物(鉈?)だけが、そこに殺意があることを知らせてくれるのですが、それ以外に表情や声といった描写がないために、どこまでも不気味で、その死すらも「死」と認識できないほどです。
つまるところ、ウルナ達も、ヅードの死を「人としての死」と認識できず、まるで化け物を退治しただけという感覚しかもてないということで、それがいかに恐ろしく、またそう描写される側の理不尽さ、やるせなさは計り知れないと思いました。
この作品は、人として死ぬことの難しさまでを思い知らせるのかと非常に辛く思いました。
面白いです。ぜひ。
片や辺境に追いやられた少数民族、片や圧倒的な火力を持つ軍隊。
結果は火を見るよりも明かですが、現場にいる人間にとってはたとえ大火力が背後に控えていたとしても命がけの死闘であることは変わりないのだということを、ウルナ達の抱える緊張感が伝えてくれています。
何が痛々しいかといえば、グロテスクな歯茎で表現されているヅード達。
血の滴る刃物(鉈?)だけが、そこに殺意があることを知らせてくれるのですが、それ以外に表情や声といった描写がないために、どこまでも不気味で、その死すらも「死」と認識できないほどです。
つまるところ、ウルナ達も、ヅードの死を「人としての死」と認識できず、まるで化け物を退治しただけという感覚しかもてないということで、それがいかに恐ろしく、またそう描写される側の理不尽さ、やるせなさは計り知れないと思いました。
この作品は、人として死ぬことの難しさまでを思い知らせるのかと非常に辛く思いました。
面白いです。ぜひ。
2017年6月4日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
1巻から始まった異形の蛮族との戦闘が終結します。異形の秘密が明らかになり、一気に話に厚みが増しました。SF的ギミックが明らかになったなかで、今後どのように展開されていくのか気になります…
2017年2月27日に日本でレビュー済み
伊図さんの描く帝国の辺境世界はどこかなつかしい。
子供の頃に異国の映画をのぞき見た時の気分に近い。
ベースは第一次世界大戦の塹壕戦のような雰囲気だけど、
兵士に敵の姿を直視させないシステムは現代的な感覚。
最近は人を喰うコミュニケーション不能な怪物を駆除する話が多すぎるけど、
この作品を読むと、
それって権力者が兵士を洗脳する手なんだと気づかせてくれる。
この巻は蛮族ヅードの殲滅戦。
相手が普通の人間だと気づいてもウルナは敵を撃つ。
そこに生活の延長にある戦争のおそろしさを感じる。
子供の頃に異国の映画をのぞき見た時の気分に近い。
ベースは第一次世界大戦の塹壕戦のような雰囲気だけど、
兵士に敵の姿を直視させないシステムは現代的な感覚。
最近は人を喰うコミュニケーション不能な怪物を駆除する話が多すぎるけど、
この作品を読むと、
それって権力者が兵士を洗脳する手なんだと気づかせてくれる。
この巻は蛮族ヅードの殲滅戦。
相手が普通の人間だと気づいてもウルナは敵を撃つ。
そこに生活の延長にある戦争のおそろしさを感じる。
2018年9月30日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
2巻で早くも重要な秘密を
明かしてしまい、この3巻で
リズルでの任務が一区切り、
この話のキモはまだ先にあるようです。
以下雑感。
だから、あんな北国の吹雪いた中で
あんな事するなと…下手すると
全身凍傷ですよ?
そして作者様がかなりの靴フェチ
だという事は読んでいてわかりました…
濡れ場でも靴履いているとは
(脱いでいる時もあるけど)。
男の作者様だから仕方無いと
思いますが、女性の性被害に対する
描き方に違和感がありました。
軍でああいう事に対して
訴えたりできないのでしょうか。
そういう価値観の時代じゃあ無い?
でも被害を受けた側の反応も
軽すぎるんですよね。
もっと引きずるでしょう…
明かしてしまい、この3巻で
リズルでの任務が一区切り、
この話のキモはまだ先にあるようです。
以下雑感。
だから、あんな北国の吹雪いた中で
あんな事するなと…下手すると
全身凍傷ですよ?
そして作者様がかなりの靴フェチ
だという事は読んでいてわかりました…
濡れ場でも靴履いているとは
(脱いでいる時もあるけど)。
男の作者様だから仕方無いと
思いますが、女性の性被害に対する
描き方に違和感がありました。
軍でああいう事に対して
訴えたりできないのでしょうか。
そういう価値観の時代じゃあ無い?
でも被害を受けた側の反応も
軽すぎるんですよね。
もっと引きずるでしょう…