どＳな令嬢レイチェルは今日も楽しい監獄バカンスの日々を満喫しています。監獄といえばむき出しの石積の壁に小さな窓、差し込む光はか細くてとなりそうですが、そこはもう、この令嬢にかかれば半地下の優雅なプライベートスペースです。そこへ監獄に彼女をぶち込んだはずのエリオット王子が嫌がらせのたびに撃退され、しまいには怖いオバサマたちにおしりペンペンされて一週間限定引きこもりになってしまいます。そうこうしている内にようやく王様一行の御帰城でケリが付きます。隠し玉満載の下巻は抱腹絶倒の展開で楽しめます。
止めはレイチェルとエリオットの出会いのエピソードです。他の令嬢たちの恐ろしさに目がいってしまってレイチェルは恐ろしさよりエリオットを振り回す機知にめがいきます。でも忘れてはいけない。彼女の真の恐ろしさを垣間見せるのがこの出会いです。もちろんエリオットがアホなのですが、作者の言うとおり、アホはアホなりに普通とも言える。
レイチェルは違う。その何が違うかは読んでみてのお楽しみです。
あと、個人的には弟の王子はいいキャラなのでもっと早くに出してほしかった。ショタでお姉さま好きでどMなんてレイチェルとの相性が最高なだけに序盤から絡ませたほうが良かった。実際のところ、レイチェルの監獄ライフは快適すぎて本人の出番が中盤から減っている。そこを補うのに都合が良さそうなのがこの弟王子だったと思う。名前は、はて影が薄くて思い出せない。
とは言うものの、最後にエリオットがバーサーカー騎士に拷問されて華々しく去っていったので良しとしよう。
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