日本という国の将来に漠然とした不安を感じている方は多いと思う。 世界第2の経済大国であるにもかかわらず、欧米に比べ、 豊かさは国民に享受されず、景気は低迷を続け、それに対する 経済対策は効果に疑問符のつく従来型の公共投資依存型である。
この本ではそうした日本の構造を国民による議論、政治家に対する
積極的な働きかけにより変えていこうと語る。必要性の低い道路やダムに なぜ巨額な予算がくまれるのか。政治家に対する信頼はどうして 地に墜ちてしまったのか。著者はその原因を明治の政治システムにまで さかのぼり、明らかにしていく。
読み進めていくとなるほどと思わせられることがたくさんある。
しかし、著者が語る「日本という国をあなたのものにする」方法は 地道で、すぐに効果の見えないものでもある。また、積極的に 政治活動に参加する国民はごく一部で、多くのその他はたまにある 選挙の時ですら、自分の投じる1票が国勢に影響するとは考えていない。 日本人の市民としての自覚が薄くなってきていると感じられる
今日において、この本に書かれていることが読む人の心にどれほど響くだろうか。
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日本という国をあなたのものにするために 単行本 – 2001/7/1
- 本の長さ317ページ
- 言語日本語
- 出版社KADOKAWA
- 発売日2001/7/1
- ISBN-10404791374X
- ISBN-13978-4047913745
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商品の説明
商品説明
「大方の日本人が、自国の政治状況は個人の幸福とは無関係だと思いこんで、不幸な生活に耐えているようにみえる…。政治状況を変えようのない宿命として受け入れる必要はない…」と、著者は訴える。政治学者であり、ジャーナリストでもあるウォルフレンは、30年以上、日蘭間を往復しながら、日本の権力構造、官僚組織、政治体制を研究してきた。ベストセラーとなった前著『人間を幸福にしない日本というシステム』などで、日本人に多大な影響を与えている学者の1人である。
本書の柱は、真に国民が選んだ政治家が国を統治するシステムと、公共の領域(パブリック・レルム)を築くことの重要性である。公共の領域とは、公共の利益に関する問題について、政財官民のすべてがバリアなく建設的に考える場、あるいは、考える行為を意味する。おかみが決めたことだからとあきらめず、市民が積極的に政治判断に加わることができる。
政官が負うべきアカウンタビリティ(説明責任)もなく、市民の政治意識が低くては、真に民主的国家とは言えないという指摘などに、国際社会における日本国の未熟さを痛感させられる。しかし、親日家の著者のメッセージはあくまでもポジティブだ。
御巣鷹山の日航機墜落事故、阪神淡路大震災、オウムサリン事件をめぐる政官の不手際、山県有朋に端を発する官僚支配の弊害など、興味深い話題も多く飽きさせない。また、明快な訳文も本書の力になっている。(齋藤聡海)
内容(「MARC」データベースより)
日本人の未来にとって賢明な選択とは何なのか? 明治維新、敗戦以来の大転換期にある日本が、ほんとうに変わるためには何が必要なのか。気鋭の政治学者が緊急提言する日本再生論。
登録情報
- 出版社 : KADOKAWA (2001/7/1)
- 発売日 : 2001/7/1
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 317ページ
- ISBN-10 : 404791374X
- ISBN-13 : 978-4047913745
- Amazon 売れ筋ランキング: - 1,120,510位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
著者について
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2001年8月15日に日本でレビュー済み
「何かおかしい、でも、どうしたら良いかわからない、おまけに、個人レベルで何をしても無駄だ」と思う方、読んでみてください.実際にどう行動すべきかを手取り足取り教えはしませんが、私たちの漠然とした問題意識に訴える、いろいろなヒントが見つかるような気がします.
わかりやすい言葉で、整然と説明されているので、政治経済オンチの私にも、読みやすいです。
わかりやすい言葉で、整然と説明されているので、政治経済オンチの私にも、読みやすいです。
2001年8月8日に日本でレビュー済み
山本七平さんの本(常識の非常識など)を読んだ後、この本を見つけた。日本の主体が空白であることの意味と、そうして世界を浮遊している日本のシステムに対して、選挙権のある日本人としてせねばならないことを明確に指摘している。日本に普通の民主主義を根付かせるために、政治家が官僚をコントロールするシステムを根付かせねばならない。先の戦争も同様、常に被害者であるスタンスを変えることは、教科書問題の背景、靖国の背景にも繋がるであろう。