米大統領選まえの著述、タイトル「世界の将来が決せられる日」が、著者の意気込みと事の重大性を物語っている。ケリー政権に多少の期待を込めながら、ヨーロッパのリベラル派の立場からブッシュ政権を痛烈に批判しており、ライシュの近著「アメリカは正気を取り戻せるか」と併読すると面白い。
貧富の格差が拡大し民主主義に代わって金権政治が横行しているとしながら、右傾化するアメリカの将来に危機感を持った富裕層のリベラル支持の新しい動きとして、ジョージ・ソロスの反ブッシュ・キャンペーンを取り上げ、歯車の逆転を期待している。米国に距離を置き始めた仏独主導の欧州のブッシュ批判勢力が、拮抗力として如何に作用するかもポイントであろう。
もう一つ興味深いのは、米国人の無知が悪政を増長させているという論点。IT革命で最先端を行くアメリカだが、米国民の大半は、ITから孤立しており、国内外の情勢には無関心で、情報の殆どは右よりのプロパガンダばかり流すテレビから得ており、世界情勢について歪曲されたものの見方しか出来ない、と言う。CNNの分析では、今回の選挙で、IQの高い人がケリーに、低い人がブッシュに投票したとか。
欧州は、今でこそEU一色だが、元々言葉や歴史を異にした異民族の雑居集団で常に国境を接しており、人々は、国際情勢に無関心では生きて行けない宿命にあり、二度の世界大戦で戦争と悪政の恐ろしさを骨身に沁みて感じている。太平天国を謳歌する一人勝ちの超大国アメリカの人との差であろうか。堤防一箇所の決壊で国土が水没する「決して戦争の出来ないオランダ」の人の警世の書、価値がある。
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世界の明日が決する日: 米大統領選後の世界はどうなるのか 単行本 – 2004/9/1
この大統領選が、明日の私たちに大影響を及ぼす!
2004年11月に実施される米大統領選は、我々の記憶する限り、最も重要な大統領選になるだろう。次期大統領選の後の“世界”はどうなるのか。緊急企画として世に問う、問題作。
2004年11月に実施される米大統領選は、我々の記憶する限り、最も重要な大統領選になるだろう。次期大統領選の後の“世界”はどうなるのか。緊急企画として世に問う、問題作。
- 本の長さ182ページ
- 言語日本語
- 出版社KADOKAWA
- 発売日2004/9/1
- ISBN-104047914908
- ISBN-13978-4047914902
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登録情報
- 出版社 : KADOKAWA (2004/9/1)
- 発売日 : 2004/9/1
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 182ページ
- ISBN-10 : 4047914908
- ISBN-13 : 978-4047914902
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