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世界の涯まで犬たちと 単行本 – 2007/9/4

4.6 5つ星のうち4.6 4個の評価

キャットフェイス,軟体動物,テキサス盲学校,冬を南で,マットレス 他
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登録情報

  • 出版社 ‏ : ‎ 角川書店 (2007/9/4)
  • 発売日 ‏ : ‎ 2007/9/4
  • 言語 ‏ : ‎ 日本語
  • 単行本 ‏ : ‎ 211ページ
  • ISBN-10 ‏ : ‎ 4047915513
  • ISBN-13 ‏ : ‎ 978-4047915510
  • カスタマーレビュー:
    4.6 5つ星のうち4.6 4個の評価

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アーサー・ブラッドフォード
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上位レビュー、対象国: 日本

2019年6月18日に日本でレビュー済み
日常の中に非日常があるのか。
それとも
非日常の中に日常があるのか。

読んでるうち、現実世界が非日常なのではないのかと、
そんなことさえ思ってしまうような。

口では幾ら奇麗ゴトを口走ろうとも、
全く免疫の無い人間にとって、異形のモノというものは
すんなりと受け入れられるものではない。

異形というか、差別的な表現をするならば、奇形。
即ち、普通に生きてる中では受け入れ難いもの。

養老孟司が、対談漫画で書いていた。
生理的に受け付けないところまで来れば、
それを受け入れるまでに時間が掛かると。

この作品では、そんな奇形な動物なり人間なりが出てくる。
ほぼ、全編を通して。

困った事に、これが普通のSFもののように
現実世界と一線を画すような表現ではなく、
自分らが生きている日常で普通に織り成されているような
そんな感覚に陥る。

更に困った事に、
文章が在り得ないほど読みやすくて、
この本の中の世界の絵が、頭の中で容易に想像出来てしまう。

ゆえに、現実世界で起きてるものと間違えてしまうような
在り得ない感覚に陥る。

でも、読んでいるウチに少し考え方が変わっている自分に気付く。

この本の中にある、非日常のような普通のほうが
自分が生きている非日常のような日常に較べ、
よほど平等な世界なのかな、と。

この本の世界では、奇形だろうが普通の人だろうが
当たり前のように存在して、当たり前のように恋をする。

そこに様々な柵は、一切無い。
正直、本の世界に嫉妬した。

この本の原題は『DOGWALKER』
これを『世界のはてまで犬たちと』と意訳した
この小川隆という人が、ただただ素晴らしい。

「ハテ」という単語も「果て」ではなく
「涯」である事も、この作品を読み終わった今なら分かる。

この短編集は、犬達と何か綺麗な事をしでかすような話ではない。
でも、読み終わってみれば、確かにこの題名が一番しっくり来る。

感動巨編でも青春モノでも無いのに、引き込まれる自分が居た。
素直に凄いと思った。

こんな文章の読ませ方が存在したのか。
サリンジャーが好きだったら、もしかしたらハマルかも知れない。
1人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2007年9月10日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
O・ヘンリ賞を受賞した作家とあるのでそんな作風なのかと思いきや、期待は裏切られた。14編を収録した短編集だが、どこにでもいそうな若者の平凡な日常が描き出されている。しかしそれだけでは終わらない。その日常に織り込まれた少々気持ちの悪い奇妙なエピソードの数々。それを奇妙であるとあえて言わず、あたりまえのことのように淡々と描写している。

人間を取り巻くように動物たちも多く出てくるのだが、巨大なナメクジだったりヘビだったり。犬が登場する作品も多いけれど、ありがちな人と犬の美しい物語ではないところがミソかも知れない。「ドッグズ」に至ってはただ呆然・・。ファンタジーやSFのカテゴリーを飛び越えてしまっているような気がする。人と犬とが織り成すちょっとグロテスクなクロニクルとだけ言っておく。ちなみに本のタイトルになっている作品はない。

一番のお勧めは「スノウ・フロッグ」。緑色に光るカエルのお話で幻想的である。
7人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2007年10月21日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
O・ヘンリー賞受賞のアメリカの若き俊英による奇妙奇天烈で自由奔放な作品集。本書に登場する若者達は、失敗してもメゲない、落ち込まない、くよくよ考えずに次の行動を起こす、ある意味ヴァイタリティに溢れていて、でも過度に未来に期待しない、頑張り過ぎない、普通に生きようとする、一見頼り無さそうに見えてしっかりしている奴らです。マットレスを遠方まで買いに行って途中で車の荷台から落として引き返して見つからなくても、障害者施設で働いていてハサミで切り裂かれてしまっても、チェーンソー曲芸の扱いにしくじって客の顔を傷つけても、女恋人に海辺に置き去りにされても、列車に轢かれて肢から下を切断されても、犬と戯れている内に犬に変身してしまっても、どんな状況になっても笑って幸福でいられる逞しさが不自然でなく陽気に書かれています。全14編、古く厳格な価値観を持っておられる方には反発を感じられる所も多々あるかも知れませんが、良い意味で完全に吹っ切れている若者の姿を描いて、明日に元気をくれる一冊だと思います。
4人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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2007年11月27日に日本でレビュー済み
 タイトルだけだと一見、ハートウォーミング系?なんだけど、まったく違う。各短編のほとんどに登場する「動物」や「障害者」や「日常のコードから外れた人」の存在が、「かわいい」とか「かわいそう」とか「特別扱い」といった従来のステレオタイプな文脈では一切捉えられていなくて、そこが何とも読んでいて心地いい。ちょっと奇を衒い過ぎな感もあるけど、各短編の主人公たちの、動物や障害者や厄介者に対するスタンスがクールでフラットでナチュラルで、シンパシーを感じてしまう。従来的な文脈外しが新鮮で、不思議な読後感である。おなかの中で鳥や蛙を孵化する女の子の話とか、犬とやっちゃう男の子の話とか、グロテスクでありながらユーモラスで印象深い。“奇妙な小説”ってことでは、日本だと乙一のテイストに近いのかな。ちょっと前の世代とは切れているんだよね。自らも病んでる、疎外されてるって意識があるから、あらゆる対象に対して傲慢じゃないんだよな。その点だけでも、その前の世代よりは評価されていい。
この短編集の特徴は「訳者あとがき」によくまとまっている。曰く、「こうした新しい短編小説を書いている作家の大半が1967年(ヒッピー全盛期<サマー・オブ・ラヴ>の年)以降の生まれ」であり、「ミニマリズムの作家」であり、「(これは映画監督でもある作者の映画作品について述べられた言葉だけど、)社会の片隅で疎外されているように見えて、とくにコンプレックスに陥るでもなくふつうに生きているふつうの、それでいてやはり風変わりな人々が描かれているのだが、何かテーマや大義を訴えるのではなく、人間を見つめていこうとする姿勢が魅力的な作品にしあがっている」。まさにその通りでさ。アメリカの作家なんだけど、国とか関係なしに、同時代性を感じる短編集なんだよなぁ。
5人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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