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ザ・クオンツ 世界経済を破壊した天才たち 単行本 – 2010/8/28

4.1 5つ星のうち4.1 26個の評価

リーマンショックに代表される近年の金融危機の中心には、計量分析に基づく投資手法を考案した天才数学者達の存在があった。ウォール街が記録的なメルトダウンに至るまでを辿る渾身のドキュメンタリー。

商品の説明

著者について

「ウォール・ストリート・ジャーナル」でさまざまな角度から金融危機について取り上げてきた記者。本書が初の著作。

登録情報

  • 出版社 ‏ : ‎ 角川書店(角川グループパブリッシング) (2010/8/28)
  • 発売日 ‏ : ‎ 2010/8/28
  • 言語 ‏ : ‎ 日本語
  • 単行本 ‏ : ‎ 440ページ
  • ISBN-10 ‏ : ‎ 4047916366
  • ISBN-13 ‏ : ‎ 978-4047916364
  • 寸法 ‏ : ‎ 13.9 x 2.8 x 19.4 cm
  • カスタマーレビュー:
    4.1 5つ星のうち4.1 26個の評価

カスタマーレビュー

星5つ中4.1つ
5つのうち4.1つ
26グローバルレーティング

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上位レビュー、対象国: 日本

2011年3月11日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
ヘッジファンドや投資銀行の計量的投資アプローチに関する資料として、また純粋な読み物として素晴らしいと思いました。
著者はこれが処女作との事ですが、単に事実を時系列で描くのではなく、4人の「主人公」をそれぞれに描き、ポーカーによって4人の物語を一つにまとめていく手腕は作家としての実力もなかなかに素晴らしいモノなのではないでしょうか。
この4人以外でも、最強ファンドといわれるメダリオンのシモンズとピーターミュラーとの意外な関係や、ミュラー以前にモルガンで計量的トレードに携わっていたD・ショーのエピソードなど、金融や経済の話題に興味のある方は終始楽しめます。
またかなり辛辣に人となりが描かれていて(本人から苦情が出るのでは?と心配してしまうほど
)、ある意味ミーハー的、ゴシップ的な要素も多い所も読みやすさの一因かと。
ただ他の方がされているレビューでの批判にもあるように、世間的に誤解を招きそうな箇所も多々あります。
が、それでも文句なしに星5つ評価をさせていただきたいです。
3人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2021年5月23日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
250pあたりまで本題が始まらない。
4人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2012年9月15日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
 金融機関に勤務しているわけではないので 本書への理解はいささか不足しつつも興味深く読めた。

 本書は現代の錬金術師たちの話である。昔の錬金術師はもろもろの化学品や鉱物を使って金(きん)を作ろうとした。現代の錬金術は金(かね)を使って
さらに金(かね)を作ろうとしている。材料の違いはあるが、志において同じと言ってよい。

 昔の錬金術は失敗に終わった。但し、その過程で化学と科学が発達したということも歴史であるという。現代の錬金術が失敗に終わるのかどうかは
まだこれから試されるのであろうが、その過程で副産物として何が産まれるのかを考えることは楽しい。

 僕が直感的に思うのは、おそらくは人間に対する理解は深まるであろうということだ。

 高度な数学を用いて、クオンツたちが支配しようとしているものは「市場」である。市場というものは基本的には人間が
作ったものである以上、クオンツたちが支配しようとしているものは市場を通じて人間の欲望や心理である。クオンツたちは人間の心を
二進法で表そうとしている。0と1だけで人間の心を表現できるなら、それを支配することも可能かもしれない。そんなように
彼らは考えているのではないか。意識的にせよ無意識的にせよ。

 たとえば行動経済学という新しい学問も出てきた。人間は必ずしも経済合理性では動かないという分析だ。いや、人間の考える
合理性は経済学の合理性とは若干異なるというように言うべきなのかもしれない。かような学問も現代の錬金術からの
副産物の一つと言ってよいに違いない。

 そんなことを漠然と思いながら本書を通読した。まことに人間は人間臭い動物なのだなとも思いながら。

 
5人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2010年12月17日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
 クオンツ(Quants)というのは、数理モデルに基づいてトレーディングを行う人達、を漠然と総称する言葉である。LTCMの破綻、サブプライム、リーマン・ショックなどの金融危機に際してクオンツが、いいかえれば、数理的トレーディングがどのような影響をおよぼしたのかが分かりやすく解説されている。
 効率的市場仮説によれば、マーケットは常に効率的で、ローリスク・ハイリターンはない。マーケットの歪みという「おいしい機会」が生じたとしても、アービトラージャーがピラニアのように寄ってきて、たちまち、その歪みを解消してしまう。ゆえに、マーケットで勝ち続けることは至難。しかし、クオンツはマーケットに勝ち続ける。マーケットはおおむね効率的だけれども小さな歪みはたくさんあるあり、そのわずかな歪みをいち早く見つけ出し、そこに大量の資金で(勝ちパターンの)トレーディングする、という離れ業はコンピュータ・プログラムなら可能だからである。プログラムの出来さえよければだが。実際、クオンツは膨大なマネーを稼ぎ出した。しかし、クオンツが歪みを解消すればするほど利ざやは落ちる。それでも収益を上げるためには大きなレバレッジをかける必要がある。しかし、マーケットは人の心理によって動くものであるため、数理モデル上はありえない、あってはならない事態が起こることがある。このとき、ハイ・レバレッジが裏目に出て、一気に金融システムを不安定化させてしまう。クオンツの草創、隆盛、敗北、そして再生という流れがいきいきと描かれていてとてもおもしろい。すぐれたアルゴリズムを作り出せば安泰というわけではなく、決断力によって浮沈が決まるという緊張感も描かれている。
 ある程度の金融知識は必要だが、平易でわかりやすいたとえも多く、とても読みやすい。
9人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2010年9月25日に日本でレビュー済み
「サブプライム危機」「リーマンショック」という全世界を震撼させた事件。
世間では「100年に一度」などと言われているが、実際は10年前にも
「LTCM破綻」という大事件が起きていたことを忘れるワケにはいかない。

『なぜまたこんな事件が起きたのか?なぜ歴史は繰り返されるのか?』

その謎を解くカギが「クオンツ」という存在に象徴されているのかもしれない。
サブプライム危機やリーマンショックという事実を、その経緯も含めて書いた
書物は多く出版されているが、なぜ歴史が繰り返されるのか?という面も示唆
する書物はこの「ザ・クオンツ」をおいて他にはないように思う。

金融界に多大な影響力があるヘッジファンドの超有名なファンドマネジャー達
が、どのような生い立ちで、誰に影響されて、現在の「域」に到達したのか?
今までほとんど語られることのなかった、彼らのプライベートまでもが詳細に
記されていて、読んでいて飽きることがない。

クオンツは金融数理の技術を駆使して、世の中全ての事象を「モデル」という
公式で表現しようとする。莫大な過去のデータを綿密に分析することで、現在
起きていることを説明し、未来を予測できると信じている。そしてクオンツは
人間の心理までを「モデル」で表現できると信じていたに違いない。その一種
の「驕り」が、歴史を繰り返す要因に思えてならない。

彼らは「コリレーション」という呪文で全てを説明しようとしていた。CDO
等の金融商品は典型的な例だと言える。この一連の事件で、一旦CDOのコリ
レーションモデルは崩壊した。しかし今クオンツは何を考えているのだろう。
きっと彼らは「今回の事象も説明できる『新モデル』を開発することができる」
と思っているだろう。

『だから歴史は繰り返されるのかもしれない』

今から10年後、また何らかの事件が起きるとすれば、その背後には「コリレー
ションモデル」という「ブラックボックス」が、そしてその「ブラックボックス」
を活用して神になろうとしている傲慢な人間が存在するような気がする。

この本を読むと、過去起きた事件の「事象面」だけではない、もっと重要なこと
に辿りつけるように思う。

金融界に身をおく方はもちろん、それ以外の業界の方にも是非お勧めしたい書物
である。「驕り」は危険だという忠告が行間から滲み出ている一冊だと思う。

最後に著者の取材力や人脈、訳者の言葉回しの秀逸さに感服したことは付け加え
ておきたい。
5人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2013年3月15日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
ただ、ページ数が非常に多いです。
もう少し、気楽に読める厚さになればと感じました。
2010年11月28日に日本でレビュー済み
秘密のベールに隠されて来たヘッジファンドの内実を語る本。

数学的能力を最大限に活用して、莫大な投資リターンを出してきたクォンツ。
そろいもそろって、ギャンブルから投資に興味を持ち始めた彼らにとって、
ギャンブルも投資も、究極的には、自分たちの優秀さを誇示し、
金をもうけるための対象としては何も変わらなかったことがよくわかる。
会社内部で日常的にギャンブルを行っていたことが、それを物語っている。

関係者だけが知っている出来事の数々が非常に興味深く、面白い。
ブラックスワンを書いたナシーム・タレブとヘッジファンドの代表が
友人の結婚式中に大論争を繰り広げた話や、リーマンショックの
大暴落の中で、ヘッジファンド内部がどうなっていたか、などは、
金融関係者は知りたい内容だろう。

投資はラスベガスでのブラックジャックとは根本的に違って、
純粋な確率の世界ではない訳だから、どんなにすばらしい投資モデルや
スーパーコンピュータを使っても、結局のところは、ヤマ感に過ぎない部分が残る。
パニックになって、割安の証券がさらに投げ売りされる場面がいつか来ることを、
投資モデルに取り込むことは永久にできないのではないか、と思う。

ひとつサブプライムに関して、わかった!と思うところがあった。
証券化によって、リスクを世界中の投資家にバラまくことに成功した投資銀行が
なぜ、最終的なリスクを負い、損失を出したのかがわからなかったが、その仕組みは
・そもそも最劣後の部分を投資する人は、自分たち以外いなかった
・そのリスクのヘッジは、割安の最劣後部分の保有額に見合うリスクを
 割高(つまりリスクに対してリターンが低い)のAAA部分を大量にショート(空売り)すること
 によって、相殺していたつもりだった
・だが、ショート部分よりも、ロング部分の下げが大きかったり、そもそもマージンコールで
 現金が足らなくなり、ファンド自体が破綻してしまった
 ということだったのだ。(投資銀行の方には、常識の範囲かも知れないが)

大暴落の中で、果敢に、割安の証券を拾って行ったヘッジファンドについては、
学ぶべきところも大きいと思う。(日本人には無理か?)

金融商品の内容も的確に訳されていて、わかりやすく、かつリズムも良く、
たいへん楽しく読める一冊に仕上がっていると思う。
7人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2018年7月29日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
今でいえばクオンツはHFTのイメージが一般的だが、それ以前はポジション保有時間もより長かった。
手法としては転換社債と個別株のスタットアーブは頻繁に本書に登場してくる他、コリレーショントレードや例の問題の引き金ともなったCDSや悪名高いCDOなど、本書を読むことでより深い背景が理解できるだろう。
2人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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