レビューにあたり若い方に読んで頂きたいために、敢えて他の若い作家の名前をタイトルに挙げましたが、私自身は正に岡崎世代です。
当時は、今では絶版となっている星の数ほどの駄作と、偶に現れる信じられない傑作の全てを紙媒体で集めていました。
その中で最高峰は映画にもなった「リバース・エッジ」だと思います。それはまるでフィッツジェラルドの「グレート・ギャッツビー」のように華やかで、作者の意欲作で、万人に強い印象を与えます。
そして本作はフィッツジェラルドの晩年の哀愁ある短編のように、華やかさは無いのですが岡崎氏がたどり着いた人生を慈しむ想いが作品に反映され、自分にとって最も大切な作品になっています。
カドカワ出版が安価に電子書籍化してくださったのも同様に評価されているからかと思います。感謝致しますとともに若い世代に読んで頂きたく、このようなレビューとなりました。
最後に本作の初版は、岡崎氏に降りかかった痛ましい交通事故後にアシスタント経験もある安野モヨコ氏によって監修され出版されています。安野氏の岡崎氏に対する敬愛は寡聞にしてインタビューなど読んだことはありませんが、本作を通じ深く感じ取る事が出来ます。
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UNTITLED 新装版 コミック – 2004/4/1
岡崎 京子
(著)
新装版で復刊! 岡崎京子の傑作短編集!
1994~1996年に発表された『万事快調』(3篇)、『恋愛依存症』(3篇)、『ロシアの山』、『お散歩』を収録。
新装版 こんないも信じられる漫画をほかに知らない。言葉、温度、記憶、景色、私たちのちいさな絶望と希望―そのいちいちが、いつだってリアルだ。生々しくて、痛いくらい。…角田光代 岡崎京子の傑作短編集!
1994~1996年に発表された『万事快調』(3篇)、『恋愛依存症』(3篇)、『ロシアの山』、『お散歩』を収録。
新装版 こんないも信じられる漫画をほかに知らない。言葉、温度、記憶、景色、私たちのちいさな絶望と希望―そのいちいちが、いつだってリアルだ。生々しくて、痛いくらい。…角田光代 岡崎京子の傑作短編集!
- 本の長さ270ページ
- 言語日本語
- 出版社KADOKAWA
- 発売日2004/4/1
- ISBN-104048537288
- ISBN-13978-4048537285
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登録情報
- 出版社 : KADOKAWA (2004/4/1)
- 発売日 : 2004/4/1
- 言語 : 日本語
- コミック : 270ページ
- ISBN-10 : 4048537288
- ISBN-13 : 978-4048537285
- Amazon 売れ筋ランキング: - 182,198位コミック
- カスタマーレビュー:
著者について
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トップレビュー
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2021年5月20日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
2010年7月20日に日本でレビュー済み
岡崎京子が交通事故に遭う直前まで雑誌連載していた作品を集めた編集モノ。出版社のあとがきによると、単行本にする時にはかなり手を入れなおす作家だったため、こういうタイトルで「未完」の作品として出版されることになったという。
どの作品も20代女性主人公の気分がモノローグで綴られ、ストーリーもどこか喪失感を感じさせる寂しい感じで、「素材」としての完成度は高い。ゴダールの映画タイトルから取ったと思われる「万事快調」が一番連載モノとしてはお話の展開が纏まっているが、月刊連載としてストーリーを綴っていくことが難しかったのか、話は中断されている。是非、作家本人がリライトをして構成を変えた続きが読みたいお話だけに惜しい。岡崎さんの復帰を信じているファンとして、いつかもっと良い作品にリライトされることを願って星は四つに留めます。
どの作品も20代女性主人公の気分がモノローグで綴られ、ストーリーもどこか喪失感を感じさせる寂しい感じで、「素材」としての完成度は高い。ゴダールの映画タイトルから取ったと思われる「万事快調」が一番連載モノとしてはお話の展開が纏まっているが、月刊連載としてストーリーを綴っていくことが難しかったのか、話は中断されている。是非、作家本人がリライトをして構成を変えた続きが読みたいお話だけに惜しい。岡崎さんの復帰を信じているファンとして、いつかもっと良い作品にリライトされることを願って星は四つに留めます。
2007年2月12日に日本でレビュー済み
岡崎京子さんの作品は他にも読みました。どの作品もかっこいいけど投げやりなイメージが強すぎ、あまりしっくりきませんでした。
この作品は少し違う気がします。何度読んでもグッとくる。涙も出る。何かが伝わってきます。主人公が丁寧に生きようとしています。
引越しの時も処分できない漫画です。
この作品は少し違う気がします。何度読んでもグッとくる。涙も出る。何かが伝わってきます。主人公が丁寧に生きようとしています。
引越しの時も処分できない漫画です。
2007年12月12日に日本でレビュー済み
岡崎京子の事故の直前に描かれた短編が収録されており
初めて読んだ時には、もし今も彼女が漫画を描いていたなら
一体どんな作品を描いていたのだろうか、とそう考えさせられた本です。
散文的で、ダイナミックな展開はありませんが
漫画家として新しい変化をしようとしている
そんな予兆を感じさせる作品たちだと思います。
読んだあとは、良質な短編映画を見たあとのような気分になります。
さりげない日常の中にある、じわじわとした切なさが伝わってくる漫画です。
初めて読んだ時には、もし今も彼女が漫画を描いていたなら
一体どんな作品を描いていたのだろうか、とそう考えさせられた本です。
散文的で、ダイナミックな展開はありませんが
漫画家として新しい変化をしようとしている
そんな予兆を感じさせる作品たちだと思います。
読んだあとは、良質な短編映画を見たあとのような気分になります。
さりげない日常の中にある、じわじわとした切なさが伝わってくる漫画です。
2006年7月3日に日本でレビュー済み
短編集ですが、前半は一つ屋根の下にくらす姉弟3人それぞれにスポットを当てたお話。何気なく普通に暮らしているように見えて、それぞれに物語がある・・・といった感じでしょうか。
後半の話も若者の気だるさというか投げやりで虚無的な内容ですが、今ひとつ訴えたいことが伝わってきませんでした。
岡崎氏の作品は全体的に何とも言えない喪失感と読み終わった後アンニュイな気分にさせられることが特徴ですが(褒め言葉ですよ)それに加えてこの作品はちょっと理解しにくいというか終わり方がスッキリしません。私はどの話も「え、これで終わり?」という感想です。
10代くらいの感性で読めばもっと違う感じ方をするのかも知れませんが・・・
後半の話も若者の気だるさというか投げやりで虚無的な内容ですが、今ひとつ訴えたいことが伝わってきませんでした。
岡崎氏の作品は全体的に何とも言えない喪失感と読み終わった後アンニュイな気分にさせられることが特徴ですが(褒め言葉ですよ)それに加えてこの作品はちょっと理解しにくいというか終わり方がスッキリしません。私はどの話も「え、これで終わり?」という感想です。
10代くらいの感性で読めばもっと違う感じ方をするのかも知れませんが・・・