恋に奔放な灰田克彦(エドワーズ)と、恋愛にオクテな霧島晃(ダニエル)。
ふたりはワケあってひとつ屋根の下で同居中。
報われない一目惚れ・片思いばかりを繰り返すエドワーズと、
そんなエドワーズを心配し、そして自分の想いを伝えられず毎日やきもきしているダニエル。
ふたりを取り巻く人物も、ひとつ先輩でつかみどころのない冨士原、自称・博愛主義者の榎本、優柔不断な教師徳山と恋人の松平など、どれも一筋縄ではいかない人間揃い。
冒頭から「ダニエル」「エドワーズ」と呼び合う、ギムナジウム風の制服の美少年が登場するので、
(ここで”美少年+ギムナジウム”に反応した方は迷わず買い。それとニーソックス。)
往年の名作『トーマの心臓』や『風と木の詩』よろしく、外国の寄宿舎などを舞台にした美少年たちの話かと思いきや、
ふたりが暮らすのは昭和30年代風の古民家。部屋には四本脚のテレビ、お風呂はガス式。
そして正座してちゃぶ台で食事をするダニエルとエドワーズ。
また、登場人物が携帯電話を使う場面が一切ありません。黒電話です。
榎本や松平の立ち振る舞いからして現代日本のはずなのに、一体いつの時代なのか、そもそも日本なのかどうかも掴めない、ノスタルジックでちょっと浮世離れした不思議な世界が舞台です。
実らない片思いばかりで「愛される」ことに関しては不慣れなエドワーズ。
また一方のダニエルも、人の恋心には意外に鈍感。
隣にいるのが当たり前だったのに、思春期を迎えて変化していく環境にとまどい、
時折衝動を爆発させながら、それでも少しずつ近付いていく不器用な2人の姿が丁寧に描かれています。
そんな2人は見ていてとてももどかしいですがいじらしくもあり、好感が持てました。
ちなみに1巻完結のBLで、結ばれるのにここまでかかる作品は初めて読みました。もしかしたら最長記録かも?というくらい。
なので当然ながら直接的な性描写は殆どなくキスシーン程度ですが、個人的には物足りなさは全く感じませんでした。
激しい性描写ばかりを追求したBLに食傷気味で、ほろ苦いような甘酸っぱいような胸キュン(?)を堪能したい。美少年ならなお良し。という方には迷わずおすすめしたいです。
この約200ページにギッシリと詰まっていますよ。
あと、ストーリー自体は基本的にまったりムードで、特に奇抜で派手といった展開はないのですが、
最近の作家の中では若干異色な作風の方だと思いました。
BLコミックは初とのことですが、個人的に今最も気になる作家です。
晴れやかな読後感の残る、ショートフィルムのような素敵な本でした。
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ルキン・フォー・マイ ファンタジスタ (あすかコミックスCL-DX) コミック – 2009/3/1
藤生
(著)
わけあって同居している灰田克彦と霧島晃は幼馴染み。面倒見が良く家事も得意な霧島と奔放で恋ばかりしている恋愛中毒の灰田はいつも一緒の大親友。でもある日お互いへの特別な感情に気づきーー?
- 本の長さ182ページ
- 言語日本語
- 出版社角川グループパブリッシング
- 発売日2009/3/1
- ISBN-104048542729
- ISBN-13978-4048542722
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登録情報
- 出版社 : 角川グループパブリッシング (2009/3/1)
- 発売日 : 2009/3/1
- 言語 : 日本語
- コミック : 182ページ
- ISBN-10 : 4048542729
- ISBN-13 : 978-4048542722
- Amazon 売れ筋ランキング: - 13,453位ボーイズラブコミックス
- カスタマーレビュー:
著者について
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2009年3月2日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
2009年4月6日に日本でレビュー済み
TresTresで連載しているのを少し拝読した事が有り、当時好きな作品だったのを覚えています。
その作品がやっとコミックス化という事で、大変待ち侘びたとても嬉しい事であります。
驚いたのは、TresTres連載が途中で終わっていたという事です。
今回の書き下ろしでやっと完結!という事で…
当時連載を読んでいた方も、無事完結したコミックスまで是非読んで頂きたいなと思いました。
メインの主人公二人はどちらも可愛い系で、どちらかというと百合臭いです。
この組み合わせは個人的に苦手なのですがが、コミカルな展開がとっても面白くて、楽しんで読むことが出来ました。
惚れやすいエドワーズにカッコ可愛いダニエル。 先輩人も含めればかなりキャラクターは濃ゆいかと。
作者独自の世界観が有り、絵柄・キャラクター共に引き込まれて行くモノがあります。
これが初のコミックスという事で、今後に十分期待出来る作家さんだと思います。
読み終わったあと、優しい穏やかな気持ちにさせられました。素敵な作品です。
残念だったのは、番外編で描かれた義江先輩×榎本先輩が収録されていなかった事。
期待度が高かった分、大変残念な事でした。
今後のコミックスで収録される事を期待して待ちます…(泣)
その作品がやっとコミックス化という事で、大変待ち侘びたとても嬉しい事であります。
驚いたのは、TresTres連載が途中で終わっていたという事です。
今回の書き下ろしでやっと完結!という事で…
当時連載を読んでいた方も、無事完結したコミックスまで是非読んで頂きたいなと思いました。
メインの主人公二人はどちらも可愛い系で、どちらかというと百合臭いです。
この組み合わせは個人的に苦手なのですがが、コミカルな展開がとっても面白くて、楽しんで読むことが出来ました。
惚れやすいエドワーズにカッコ可愛いダニエル。 先輩人も含めればかなりキャラクターは濃ゆいかと。
作者独自の世界観が有り、絵柄・キャラクター共に引き込まれて行くモノがあります。
これが初のコミックスという事で、今後に十分期待出来る作家さんだと思います。
読み終わったあと、優しい穏やかな気持ちにさせられました。素敵な作品です。
残念だったのは、番外編で描かれた義江先輩×榎本先輩が収録されていなかった事。
期待度が高かった分、大変残念な事でした。
今後のコミックスで収録される事を期待して待ちます…(泣)