読み終わってすぐにもう一度初めから読み直した。隆史とメー子達が魅力一杯で読むのがとても楽しかったからだ。
前巻が隆史の家族の問題だったのに対し、今巻はメー子の家族:17歳教会員の女ジュリアを後妻にしてしまった父親とメー子の関係が中心課題だ。
前巻でメー子が隆史に興味を持ったのも、お互いが17歳教会員の母を持つ子供であることなので、作品の基盤に横たわる問題に迫った巻と言える。
メー子の祈るような瞳にほだされて、「普通の17歳の男の子」を止めて、かーちゃんの芸能事務所の社長に就任した隆史は、ばーちゃんの「誰かの世話になって生きるよりも、誰かの役に立って死ぬ」という言葉にも背を押され、メー子の17歳の義母ジュリアの謎の解明と、メー子と両親の確執の解消のため、自分の持つ家族への愛の心を切り札としてメー子の家を訪問する。「もう逃げない」宣言をした隆史が、「自分の親を信じるのに、根拠なんか求めるなよ!」とメー子に言い放ち、「芽衣子さんのことを娘として受け入れよ」と父親に迫るところが痛快。その過程で隆史のメー子への思いがだんだん深まって本当の愛情になっていく様子にもわくわくする。
強くて素敵な女の子に翻弄されながらも、彼女のピンチには体を張って前へ出る男の子:隆史のおかげで納得のエンディングだ。
本作が他の恋愛ネタの小説と違うのは、「異性への興味に始まる恋物語」ではなく「澤村家の家族愛と来栖家の家族愛が絡み合うところに生まれた隆史と芽衣子の恋愛がそれぞれの家族愛を更に深める物語」である点だ。結婚は「セックスの結果」ではなく、「家族の形成の始め」として積極的に捉えられている。実に気持ち良い小説。
残る大テーマは、少しずつ緩んできた「優香の引きこもりの解消」と、家族なら年長者を送るのも必然ということで「ばーちゃんの寿命のエピソード」ではないだろうか。もう少しこのシリーズを続け、弘前先生にそこまで書き切って欲しい。
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俺のかーちゃんが17歳になった (2) (電撃文庫) 文庫 – 2013/12/10
クラスメイトのメー子が家族の前でいきなり俺との結婚宣言!? 嫉妬する妹の優香を横目に、俺とかーちゃん、ばーちゃんにメー子と17歳だらけの家族会議開始!
- 本の長さ312ページ
- 言語日本語
- 出版社アスキー・メディアワークス
- 発売日2013/12/10
- 寸法10.6 x 1.8 x 15 cm
- ISBN-10404866218X
- ISBN-13978-4048662185
登録情報
- 出版社 : アスキー・メディアワークス (2013/12/10)
- 発売日 : 2013/12/10
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 312ページ
- ISBN-10 : 404866218X
- ISBN-13 : 978-4048662185
- 寸法 : 10.6 x 1.8 x 15 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 1,829,957位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
-
トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2013年12月20日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
2013年12月30日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
重過ぎず軽過ぎず、適度な書き込みの良い意味でのラノベ。内容もきちんとあって、割とどんな人にもおすすめできる作品。
2013年12月13日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
詳しい話は先の方が書かれているので、省略しますが、
パターン的に1巻の完成度が高く、少しの伏線は残しつつも、
綺麗にまとまっている作品はつまらないことが多いと思います。
あらすじだけを見れば少し「萌え」によった?かのように思いましたが、
杞憂でした。素晴らしいと思います。
前回と変わらず、「萌え」的な?ものは妹ぐらいでしたが、
この作品においては適量だと思います。
1巻を読まれた方は絶対に買うべき。
読まれてない方にも是非お薦めしたいです。
パターン的に1巻の完成度が高く、少しの伏線は残しつつも、
綺麗にまとまっている作品はつまらないことが多いと思います。
あらすじだけを見れば少し「萌え」によった?かのように思いましたが、
杞憂でした。素晴らしいと思います。
前回と変わらず、「萌え」的な?ものは妹ぐらいでしたが、
この作品においては適量だと思います。
1巻を読まれた方は絶対に買うべき。
読まれてない方にも是非お薦めしたいです。
2014年1月4日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
かなり無茶な設定ですが、
家族の互いに思いやる気持ちが読んでいて好ましく思いました。
家族の互いに思いやる気持ちが読んでいて好ましく思いました。
2014年2月15日に日本でレビュー済み
1巻は楽しく読ませていただき、先が気になったので2巻も購入しましたが、大分話の内容が端折りすぎているので、最後が尻すぼみに感じました。彼女の父親に初めて会うシーンなど主人公の複雑な心境が予想されますが、ほんの数行でおわったり、主人公の進路についてかなりのご都合主義のような気がします。(それがラノベかもしれないが)
この作品はもともと短編だったものを文庫化されたそうで、文庫サイズに合わせるため、このような尺にしたのかなあと思いました。
この作品はもともと短編だったものを文庫化されたそうで、文庫サイズに合わせるため、このような尺にしたのかなあと思いました。
2013年12月12日に日本でレビュー済み
「寿命の半分」もしくは「寿命17年分」という厳し過ぎる供物と引き換えに17歳の肉体を与える
新興宗教「17歳教」が若返った人々を生み出し続けるトンデモ世界の物語第二弾
物語は澤村家の家族会議で幕を開ける。主人公の隆史は何故かクラスメートのメー子こと来栖芽依子から
プロポーズを受けていた。同じ17歳教の信者の女性ジュリアが父の後妻として迎えられた事で、母を亡くした後
父と二人で守って来た「家族」から自分の居場所を奪われたと思い込んだ芽依子は純粋に家族愛だけで親が
寿命を捨てた澤村家の家族愛に惹かれ、そこに隆史との結婚という形で自分の居場所を得ようとしているらしいが…
第一巻が家族に対する「無償の愛」をテーマにした作品だったのに対して、本作は親の再婚や自分の結婚を
通じて形を変えていく家族に対し揺れ動く愛情を描いています。母親のいない家庭で育った子供が父親が
再婚するからと言って「家族が増えるよ、やったね」と喜ぶかと言ったらそうはならないのが難しい所
これまで独占してきた父親の愛情の向かう先が後からやって来た女(母親とは認められない!)に奪われたと
思い、同時にこれまで偉大な企業家の父親に認められようと女子高生ながら起業し社長業を兼任してきた
芽依子にとって後妻のジュリアを認めると言う事はこれまでの自分を否定する事に等しいから余計に憎い
同時に芽依子の強引な行動で澤村家が振り回される様子が描かれる。特にガチンコのひきこもり中学生である
優香にとっては芽依子が自分のお兄ちゃんを奪う悪女に見えてしまうという皮肉な構図が成立するのが面白い
同時に隆史自身もアイドルに復帰したかーちゃんが一週間のライブツアーで家を空け「子供たちに会いたい」と
調子を崩した事から芽依子の暗躍もあり、なんと17歳教信者専門の芸能事務所の社長に祭り上げられる事に
そんなドタバタ劇の中かーちゃんがジュリアを見て「あれ?かーちゃん昔あの人に会った事あるよ?」と言い出した事で
ジュリアの正体が少しずつ見えてくる訳ですが、それでもジュリアを認められない=父の裏切りが許せないでいる芽依子に
「自分の親を信じるのに、根拠なんか求めるなよ!」と言ってのけた隆史の台詞が重かった
一巻でかーちゃんが17歳教に入信し若返った時には恋人が出来たのかと疑い妹の優香と尾行した挙句、家族を守る為に
寿命の半分を犠牲にしたかーちゃんの親の愛を突き付けられた隆史の言葉だけに、この一言は物凄く重かった
寿命関連では今回芸能事務所を開くにあたって興味を持ったばーちゃんが手伝おうとするのだけど、もう寿命がほとんど
残って無いばーちゃんに手伝わせる事を心苦しく思って断ろうとした隆史に対し自分が何故若返ったのかを説くばーちゃんとの
やりとりが、これまた物凄く重い。「残された時間」と「人間として生きる上での矜持」の意味を思い知らされます
家族の形が変わる時に自分がこれまで受けてきた家族の愛情を信じる事ができるか?という相変わらずライトノベルとは
思えないぐらいに重いテーマを扱った第二巻でしたが、17歳教というモチーフを上手く活かしてこのテーマを見事に描き切った
完成度の高い一冊だったと思います。「家族の愛情」特に「親の愛」についてまたもや考えさせられてしまいました
新興宗教「17歳教」が若返った人々を生み出し続けるトンデモ世界の物語第二弾
物語は澤村家の家族会議で幕を開ける。主人公の隆史は何故かクラスメートのメー子こと来栖芽依子から
プロポーズを受けていた。同じ17歳教の信者の女性ジュリアが父の後妻として迎えられた事で、母を亡くした後
父と二人で守って来た「家族」から自分の居場所を奪われたと思い込んだ芽依子は純粋に家族愛だけで親が
寿命を捨てた澤村家の家族愛に惹かれ、そこに隆史との結婚という形で自分の居場所を得ようとしているらしいが…
第一巻が家族に対する「無償の愛」をテーマにした作品だったのに対して、本作は親の再婚や自分の結婚を
通じて形を変えていく家族に対し揺れ動く愛情を描いています。母親のいない家庭で育った子供が父親が
再婚するからと言って「家族が増えるよ、やったね」と喜ぶかと言ったらそうはならないのが難しい所
これまで独占してきた父親の愛情の向かう先が後からやって来た女(母親とは認められない!)に奪われたと
思い、同時にこれまで偉大な企業家の父親に認められようと女子高生ながら起業し社長業を兼任してきた
芽依子にとって後妻のジュリアを認めると言う事はこれまでの自分を否定する事に等しいから余計に憎い
同時に芽依子の強引な行動で澤村家が振り回される様子が描かれる。特にガチンコのひきこもり中学生である
優香にとっては芽依子が自分のお兄ちゃんを奪う悪女に見えてしまうという皮肉な構図が成立するのが面白い
同時に隆史自身もアイドルに復帰したかーちゃんが一週間のライブツアーで家を空け「子供たちに会いたい」と
調子を崩した事から芽依子の暗躍もあり、なんと17歳教信者専門の芸能事務所の社長に祭り上げられる事に
そんなドタバタ劇の中かーちゃんがジュリアを見て「あれ?かーちゃん昔あの人に会った事あるよ?」と言い出した事で
ジュリアの正体が少しずつ見えてくる訳ですが、それでもジュリアを認められない=父の裏切りが許せないでいる芽依子に
「自分の親を信じるのに、根拠なんか求めるなよ!」と言ってのけた隆史の台詞が重かった
一巻でかーちゃんが17歳教に入信し若返った時には恋人が出来たのかと疑い妹の優香と尾行した挙句、家族を守る為に
寿命の半分を犠牲にしたかーちゃんの親の愛を突き付けられた隆史の言葉だけに、この一言は物凄く重かった
寿命関連では今回芸能事務所を開くにあたって興味を持ったばーちゃんが手伝おうとするのだけど、もう寿命がほとんど
残って無いばーちゃんに手伝わせる事を心苦しく思って断ろうとした隆史に対し自分が何故若返ったのかを説くばーちゃんとの
やりとりが、これまた物凄く重い。「残された時間」と「人間として生きる上での矜持」の意味を思い知らされます
家族の形が変わる時に自分がこれまで受けてきた家族の愛情を信じる事ができるか?という相変わらずライトノベルとは
思えないぐらいに重いテーマを扱った第二巻でしたが、17歳教というモチーフを上手く活かしてこのテーマを見事に描き切った
完成度の高い一冊だったと思います。「家族の愛情」特に「親の愛」についてまたもや考えさせられてしまいました
2020年7月13日に日本でレビュー済み
kindle unlimitedで読んだのですがとても気持ちの良い話でした。
ライトに家族愛の良さを感じれる良作。
この巻で終わりみたいですが17歳教の謎とかばあちゃんの存在とかまだまだ面白くなる材料が存在していただけに残念です。
ライトに家族愛の良さを感じれる良作。
この巻で終わりみたいですが17歳教の謎とかばあちゃんの存在とかまだまだ面白くなる材料が存在していただけに残念です。