長野から戻ってきた翌朝。通学途中で裕人は春香から『デート』の誘いを受ける。
昨日帰宅した際、大晦日に会った茅原という女性が来訪し、世間話をしつつ
よこはまコスモワールドのチケットをもらったという。裕人は彼女の申出を快諾し、
日曜日に一緒に横浜へ行くこととなるのだが――という序盤のストーリーから始まり、
寝起きの自室に現れた乃木坂家のメイド三人から
『世界メイド執事連合協会(WMBO;おそらくWorld Maids and Butlers Organisationの略だろう)』
なる組織から『新春メイド×執事合同親睦会』への招待状を渡され、一時的とはいえ
天王寺家で執事を務めていた(第5巻参照)ことからその対象者である裕人が
メイドたちとともに半ば強制的に会場である鹿王院家の屋敷へと向かう――という
エピソード、土曜日の午後に美夏に呼び出され、彼女が通う私立双葉女学院を
訪れることになった裕人。美夏が呼び出した目的とは――が描かれ、温泉旅行以降
様子がおかしくなってしまった雨宮椎菜が自身の不注意で足を捻挫してしまい、
裕人たちが彼女の自宅マンションを訪れるのだが――というエピソード
そしてエピローグでは最初の話で描かれた横浜でのデートで撮影した写真が
雑誌に掲載されるのを確かめるが――各話の簡単のあらすじ。
冒頭ではなぜ茅原は春香によこはまコスモワールドのチケットを渡したのか。
そして彼女の意図は何かという謎が提示されているのが分かる。
『新春メイド×執事合同親睦会』では初めて乃木坂家の序列上位のメイドたちが一堂に
揃う話だが、ここでもまた、『第二位』が欠番になっているという新たな謎が
提示されている。また、初めて春香が登場しない(アニメーション版では
『一方その頃』的な登場をしている)エピソードとなっている。
裕人が私立双葉女学院を訪れるエピソードもまた、春香が登場しないエピソード
であり、普段美夏が見せない生徒会長としての姿や、『現代舞台芸術文化研究部』
といういわゆる『謎部活』での姿が描かれているとともに、以前からそれとなく
描かれていた、美夏の裕人に対する憧憬とほのかな恋心のようなものを強調している
ものになっている。
最後のエピソードは、裕人と春香の関係性が、付き合ってはいないが良好な関係
という状態である――違った見方をすれば雨宮椎菜の敗北が決まったわけではない
という状態であるため、まだ諦めきれない、一縷の望みを椎菜が抱き続けていることが
理解できる。
今まで一貫として綾瀬裕人の一人称で描かれてきた本作で前巻の最後そして
今巻において初めて彼以外の視点で描かれる部分が登場するが、今巻における
茅野の視点は本当に必要だったのかという疑義を抱いている。なぜなら
前々巻(第6巻)で茅野が芸能関係者であることを示唆し、本巻冒頭で
よこはまコスモワールドのチケットを渡すという行為、そしてそれとなく
クイーンズスクエアへと誘導し、雑誌の企画を装って春香の写真を撮るという
不自然な行動で既に茅野が何らかの意図をもって春香に接近したことが十分に
理解できるからだ。
そしてなぜか送られてきた『合格通知』が送られてきたことが
一体何を意味するのか――という新たな謎が次巻以降の予告となっていること
が分かる。
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乃木坂春香の秘密(8) (電撃文庫 い 8-14) 文庫 – 2008/7/10
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購入オプションとあわせ買い
容姿端麗で才色兼備、『白銀の星屑』という二つ名まで持つ超お嬢様、乃木坂春香。
温泉旅行で彼女と一緒に乗り切った最後の夜は一生忘れることのないもので、俺たちの関係をほんの少しだけ進めたというか気持ちが通じ合ったというか……。そんな面映ゆい気分で正式な初デートに誘われたからか、なぜか春香がいつもよりも可愛く見えてしまうのだった……。 チビっ子戦闘メイドとランデヴーなメイド的新年会や、美夏との密着@密室に戸惑ったお嬢様女子中学校潜入日記、果ては意外な一面を知ることになった椎菜のケガ見舞いなど、ある意味いつも通りの日常を過ごす俺は、その日常がいつまでも続くと思っていたのだが──。
お嬢様のシークレットラブコメ第八弾。
温泉旅行で彼女と一緒に乗り切った最後の夜は一生忘れることのないもので、俺たちの関係をほんの少しだけ進めたというか気持ちが通じ合ったというか……。そんな面映ゆい気分で正式な初デートに誘われたからか、なぜか春香がいつもよりも可愛く見えてしまうのだった……。 チビっ子戦闘メイドとランデヴーなメイド的新年会や、美夏との密着@密室に戸惑ったお嬢様女子中学校潜入日記、果ては意外な一面を知ることになった椎菜のケガ見舞いなど、ある意味いつも通りの日常を過ごす俺は、その日常がいつまでも続くと思っていたのだが──。
お嬢様のシークレットラブコメ第八弾。
- 本の長さ360ページ
- 言語日本語
- 出版社アスキー・メディアワークス
- 発売日2008/7/10
- ISBN-104048671278
- ISBN-13978-4048671279
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登録情報
- 出版社 : アスキー・メディアワークス (2008/7/10)
- 発売日 : 2008/7/10
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 360ページ
- ISBN-10 : 4048671278
- ISBN-13 : 978-4048671279
- Amazon 売れ筋ランキング: - 1,363,723位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
著者について
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10月3日生まれ。第4回電撃hp短編小説賞最優秀賞を受賞し、『乃木坂春香の秘密』で文庫デビュー(「BOOK著者紹介情報」より:本データは『小春原日和の育成日記〈2〉』(ISBN-10:4048688332)が刊行された当時に掲載されていたものです)
カスタマーレビュー
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2008年11月12日に日本でレビュー済み
相変わらずである。いつも通り、普段通りの展開である。むしろ最近では「良くも悪くも」と頭に付けた方が良いくらいである。ハンバーガーの食べ方すら知らない世間知らず振りはさすがに微笑ましさを通り越して少々アウトでは?それでも8巻まで来てようやく春香の想いに変化、というか無自覚だった想いを自覚し始めたようである。今まで何してたの?というスローペースである。これもまた本作の良さなので致し方ないのだが、さすがにテコ入れが必要かと次巻より芸能界ネタが入って来る様相。第6巻のラストで前振りがあったので、これまたようやく訪れたイベントである。ツンデレ女王の
アノ作品
も似た展開になっていたが、同様に今後の展開は気になるものになった。この間隙を縫って椎菜の反撃はあるのか?
2009年12月17日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
それは嵐の前の静けさ。
今回は裕人君と乃木坂さんの遊園地デートでお話が始まります。あらためて気付いたのですが、確かにこのふたり、何の目的もない普通のデートというものをしたことがありませんでした。その最中におきるある出来事が、後の伏線になっています。
そのほか、メイドと執事の親睦会に出席したり、美夏ちゃんの学校に行ってみたり、けがをした椎菜のお見舞いに行ったりといった、インターミッション的なお話の第8巻です。お話ごとに違う女の子といい雰囲気になる裕人が実に腹立たしい。こんなにみんなに気をもたせておいて(フラグを立てるというやつですか)この後どう収拾をつけるつもりなのでしょうか。
そしてエピローグ。いつもののどかさを破壊する一通の手紙。それは……
今回は裕人君と乃木坂さんの遊園地デートでお話が始まります。あらためて気付いたのですが、確かにこのふたり、何の目的もない普通のデートというものをしたことがありませんでした。その最中におきるある出来事が、後の伏線になっています。
そのほか、メイドと執事の親睦会に出席したり、美夏ちゃんの学校に行ってみたり、けがをした椎菜のお見舞いに行ったりといった、インターミッション的なお話の第8巻です。お話ごとに違う女の子といい雰囲気になる裕人が実に腹立たしい。こんなにみんなに気をもたせておいて(フラグを立てるというやつですか)この後どう収拾をつけるつもりなのでしょうか。
そしてエピローグ。いつもののどかさを破壊する一通の手紙。それは……
2008年7月10日に日本でレビュー済み
収録内容
・第29話(春香メインの話)
一月中旬の水曜日、春香から裕人へ・・・
・第30話(メイドさん達メインの話)
日曜日の朝、裕人が目を覚ますと目の前に那波が、彼女が裕人に渡した招待状は・・・
・第31話(美夏メインの話)
美夏の頼みで彼女の学校へ向かった裕人だったが・・・
・第32話(椎名メインの話)
一月の終わり、捻挫した椎名のお見舞いに行くことになった裕人達だったが・・・
・エピローグ
春香の家にいた裕人、そこへ美夏が大慌てで・・・
今巻も女性キャラの魅力が満載!そして裕人はまたしても各所でフラグを立てまくり〈笑)
・第29話(春香メインの話)
一月中旬の水曜日、春香から裕人へ・・・
・第30話(メイドさん達メインの話)
日曜日の朝、裕人が目を覚ますと目の前に那波が、彼女が裕人に渡した招待状は・・・
・第31話(美夏メインの話)
美夏の頼みで彼女の学校へ向かった裕人だったが・・・
・第32話(椎名メインの話)
一月の終わり、捻挫した椎名のお見舞いに行くことになった裕人達だったが・・・
・エピローグ
春香の家にいた裕人、そこへ美夏が大慌てで・・・
今巻も女性キャラの魅力が満載!そして裕人はまたしても各所でフラグを立てまくり〈笑)
2009年12月1日に日本でレビュー済み
表題のとおり、全体的には面白い巻ですが、やはりウザイ眼鏡マネージャー茅原の登場から始まる
アイドル編への展開が全てをぶち壊してます。作者がどうしてこんな展開にしたのかが分りませんが
この展開さえなければもっと面白い巻になったのに、残念です。
アイドル編への展開が全てをぶち壊してます。作者がどうしてこんな展開にしたのかが分りませんが
この展開さえなければもっと面白い巻になったのに、残念です。
2012年10月25日に日本でレビュー済み
主人公は、こんなに思わせぶりな行動をとってどうするつもりなのでしょうか?椎菜の今後を考えるとって感じですね。
2008年9月23日に日本でレビュー済み
短編集っぽい4本のお話は、繋がっているのだけれど場面がしっかり分かれているのでそれぞれじっくり堪能できました。ハーレム状態の主人公ですが、想像以上に冷めているので脱線しすぎず、落ち着いて読めますね。全体的に細かいネタが仕込まれていて、比喩も遊び心全開なのは相変わらずです。ストーリーの進展はいつもにも増してのんびりですが、次巻に向けてのネタ振り的には丁度いい感じでした。
2008年10月9日に日本でレビュー済み
今回は次回へ向けての幕間的な扱いのため、特に目立って大きな進展らしい進展はありませんが、それでもこのシリーズの良さは随所に盛り込まれており、その点はよかったように思います。
が、主人公の最後の最後のセリフ、作者のセンスがなさ過ぎます。
次回への引きとしてのセリフなのでしょうが、あまりのセンスのなさにひどくがっかりしました。
それまでがよかっただけに、最後で台無しになった気分です。
が、主人公の最後の最後のセリフ、作者のセンスがなさ過ぎます。
次回への引きとしてのセリフなのでしょうが、あまりのセンスのなさにひどくがっかりしました。
それまでがよかっただけに、最後で台無しになった気分です。