1巻につき全4話の短編『付喪堂骨董店』の最新刊。
1.『影』--劣等感などから人知れず穏やかに過ごしたい、ってのは誰もが1度は考えることだと思う。
実際には社会や家族や友人などからは逃げられないし、離れたくない。しかし、それが叶ってしまったたらどうなるか…。
『影が薄い』が比喩ではなく実際に起こったら、と云う骨子はありきたりながら、刻也と咲の軽いラヴコメやりとりに、ゲストキャラの葛藤の末の落ち。
仄かな明暗が描かれる『付喪堂骨董店』らしさが出ている話。
2.『ギャンブル』--すったもんだで女が景品となり、それを守る(奪う)ために戦う男達、とえらくマッチョな話だけれど、刻也と咲のもどかしい二人がいるだけで頬がゆるんでしまう。
『付喪堂骨董店』は刻也と咲に「ああ、もう!」なんて悶えてしまうラヴコメなんだな、と再認識させられる話(笑)。
3.『小指』--ツインテールの幼馴染と、本作にしては如何にもラノベ的キャラが出てきて面食らった。
しかし、性格や落ちは一筋縄ではいかないのが『付喪堂骨董店』。
ラヴコメ臭を前面に出す割に刻也と咲はおとなしめ。
本作(作者)は本筋とキャラの出し入れが実に巧いと思う。
本書では1番好きな落ち。
4.『秘密』--前話から軽く繋がる、1巻から続く『4話目は二人の話』
本書の人気は、刻也と咲、男女の想いがどちらも等しく丁寧に描かれるからだと思う。
男の視軸、女の視軸。そして、それが年頃らしいニヤニヤしてしまうもどかしさを淡々と描かれる。
男性読者である僕が咲に感情移入し刻也を可愛いと思ってしまう(笑)、その軽妙。
各巻の4話だけ読み返す読者は僕だけではない筈。
いつにも増して挿絵の咲が愛らしい。
現在本作は4巻で絵の枚数もそれ程ではないから難しいだろうけど、イラストのタケシマサトシ氏の画集なんかも、本作の人気に乗って発売して欲しいと強く願う。
本書の総括としては、今回は含蓄が足りないような気もするが、仄暗い落ちとラヴコメと云う明暗の両立が売りの『付喪堂骨董店』らしさがよく出ていた巻だと思う。
既刊を既読のかたは文句なく楽しめるでしょう。
そして、新規参入のかたは1巻か本巻でシリーズ独特のノリが楽しめると思います。
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“不思議”取り扱います 付喪堂骨董店4 (電撃文庫 お 9-7) 文庫 – 2008/7/10
不思議な力が宿った器物、アンティーク。 今日も贋物を掴まされた美人が嘆いています。 つまり付喪堂の店頭にまたガラクタが増えた訳です。 アンティークは人を選ぶのか、切にその存在を願っている者の手に渡ることがあるようです。
ある少年の話をしましょう。 幼馴染みの恋多き少女のキューピッド役をする少年がいました。 彼は運命の赤い糸を自由にできる指輪を手に入れたのです。 人の運命を握ってしまった少年はどうなるのでしょう? それは本来の出会いを捻じ曲げてしまうわけで……。 あなたならそれでも使いますか?
ある少年の話をしましょう。 幼馴染みの恋多き少女のキューピッド役をする少年がいました。 彼は運命の赤い糸を自由にできる指輪を手に入れたのです。 人の運命を握ってしまった少年はどうなるのでしょう? それは本来の出会いを捻じ曲げてしまうわけで……。 あなたならそれでも使いますか?
- 本の長さ328ページ
- 言語日本語
- 出版社メディアワークス
- 発売日2008/7/10
- ISBN-104048671367
- ISBN-13978-4048671361
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登録情報
- 出版社 : メディアワークス (2008/7/10)
- 発売日 : 2008/7/10
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 328ページ
- ISBN-10 : 4048671367
- ISBN-13 : 978-4048671361
- Amazon 売れ筋ランキング: - 1,674,175位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
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5 星
寂然と身悶えの最新刊
1巻につき全4話の短編『付喪堂骨董店』の最新刊。1.『影』--劣等感などから人知れず穏やかに過ごしたい、ってのは誰もが1度は考えることだと思う。実際には社会や家族や友人などからは逃げられないし、離れたくない。しかし、それが叶ってしまったたらどうなるか…。『影が薄い』が比喩ではなく実際に起こったら、と云う骨子はありきたりながら、刻也と咲の軽いラヴコメやりとりに、ゲストキャラの葛藤の末の落ち。仄かな明暗が描かれる『付喪堂骨董店』らしさが出ている話。2.『ギャンブル』--すったもんだで女が景品となり、それを守る(奪う)ために戦う男達、とえらくマッチョな話だけれど、刻也と咲のもどかしい二人がいるだけで頬がゆるんでしまう。『付喪堂骨董店』は刻也と咲に「ああ、もう!」なんて悶えてしまうラヴコメなんだな、と再認識させられる話(笑)。3.『小指』--ツインテールの幼馴染と、本作にしては如何にもラノベ的キャラが出てきて面食らった。しかし、性格や落ちは一筋縄ではいかないのが『付喪堂骨董店』。ラヴコメ臭を前面に出す割に刻也と咲はおとなしめ。本作(作者)は本筋とキャラの出し入れが実に巧いと思う。本書では1番好きな落ち。4.『秘密』--前話から軽く繋がる、1巻から続く『4話目は二人の話』本書の人気は、刻也と咲、男女の想いがどちらも等しく丁寧に描かれるからだと思う。男の視軸、女の視軸。そして、それが年頃らしいニヤニヤしてしまうもどかしさを淡々と描かれる。男性読者である僕が咲に感情移入し刻也を可愛いと思ってしまう(笑)、その軽妙。各巻の4話だけ読み返す読者は僕だけではない筈。いつにも増して挿絵の咲が愛らしい。現在本作は4巻で絵の枚数もそれ程ではないから難しいだろうけど、イラストのタケシマサトシ氏の画集なんかも、本作の人気に乗って発売して欲しいと強く願う。本書の総括としては、今回は含蓄が足りないような気もするが、仄暗い落ちとラヴコメと云う明暗の両立が売りの『付喪堂骨董店』らしさがよく出ていた巻だと思う。既刊を既読のかたは文句なく楽しめるでしょう。そして、新規参入のかたは1巻か本巻でシリーズ独特のノリが楽しめると思います。
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2008年7月10日に日本でレビュー済み
1巻につき全4話の短編『付喪堂骨董店』の最新刊。
1.『影』--劣等感などから人知れず穏やかに過ごしたい、ってのは誰もが1度は考えることだと思う。
実際には社会や家族や友人などからは逃げられないし、離れたくない。しかし、それが叶ってしまったたらどうなるか…。
『影が薄い』が比喩ではなく実際に起こったら、と云う骨子はありきたりながら、刻也と咲の軽いラヴコメやりとりに、ゲストキャラの葛藤の末の落ち。
仄かな明暗が描かれる『付喪堂骨董店』らしさが出ている話。
2.『ギャンブル』--すったもんだで女が景品となり、それを守る(奪う)ために戦う男達、とえらくマッチョな話だけれど、刻也と咲のもどかしい二人がいるだけで頬がゆるんでしまう。
『付喪堂骨董店』は刻也と咲に「ああ、もう!」なんて悶えてしまうラヴコメなんだな、と再認識させられる話(笑)。
3.『小指』--ツインテールの幼馴染と、本作にしては如何にもラノベ的キャラが出てきて面食らった。
しかし、性格や落ちは一筋縄ではいかないのが『付喪堂骨董店』。
ラヴコメ臭を前面に出す割に刻也と咲はおとなしめ。
本作(作者)は本筋とキャラの出し入れが実に巧いと思う。
本書では1番好きな落ち。
4.『秘密』--前話から軽く繋がる、1巻から続く『4話目は二人の話』
本書の人気は、刻也と咲、男女の想いがどちらも等しく丁寧に描かれるからだと思う。
男の視軸、女の視軸。そして、それが年頃らしいニヤニヤしてしまうもどかしさを淡々と描かれる。
男性読者である僕が咲に感情移入し刻也を可愛いと思ってしまう(笑)、その軽妙。
各巻の4話だけ読み返す読者は僕だけではない筈。
いつにも増して挿絵の咲が愛らしい。
現在本作は4巻で絵の枚数もそれ程ではないから難しいだろうけど、イラストのタケシマサトシ氏の画集なんかも、本作の人気に乗って発売して欲しいと強く願う。
本書の総括としては、今回は含蓄が足りないような気もするが、仄暗い落ちとラヴコメと云う明暗の両立が売りの『付喪堂骨董店』らしさがよく出ていた巻だと思う。
既刊を既読のかたは文句なく楽しめるでしょう。
そして、新規参入のかたは1巻か本巻でシリーズ独特のノリが楽しめると思います。
1.『影』--劣等感などから人知れず穏やかに過ごしたい、ってのは誰もが1度は考えることだと思う。
実際には社会や家族や友人などからは逃げられないし、離れたくない。しかし、それが叶ってしまったたらどうなるか…。
『影が薄い』が比喩ではなく実際に起こったら、と云う骨子はありきたりながら、刻也と咲の軽いラヴコメやりとりに、ゲストキャラの葛藤の末の落ち。
仄かな明暗が描かれる『付喪堂骨董店』らしさが出ている話。
2.『ギャンブル』--すったもんだで女が景品となり、それを守る(奪う)ために戦う男達、とえらくマッチョな話だけれど、刻也と咲のもどかしい二人がいるだけで頬がゆるんでしまう。
『付喪堂骨董店』は刻也と咲に「ああ、もう!」なんて悶えてしまうラヴコメなんだな、と再認識させられる話(笑)。
3.『小指』--ツインテールの幼馴染と、本作にしては如何にもラノベ的キャラが出てきて面食らった。
しかし、性格や落ちは一筋縄ではいかないのが『付喪堂骨董店』。
ラヴコメ臭を前面に出す割に刻也と咲はおとなしめ。
本作(作者)は本筋とキャラの出し入れが実に巧いと思う。
本書では1番好きな落ち。
4.『秘密』--前話から軽く繋がる、1巻から続く『4話目は二人の話』
本書の人気は、刻也と咲、男女の想いがどちらも等しく丁寧に描かれるからだと思う。
男の視軸、女の視軸。そして、それが年頃らしいニヤニヤしてしまうもどかしさを淡々と描かれる。
男性読者である僕が咲に感情移入し刻也を可愛いと思ってしまう(笑)、その軽妙。
各巻の4話だけ読み返す読者は僕だけではない筈。
いつにも増して挿絵の咲が愛らしい。
現在本作は4巻で絵の枚数もそれ程ではないから難しいだろうけど、イラストのタケシマサトシ氏の画集なんかも、本作の人気に乗って発売して欲しいと強く願う。
本書の総括としては、今回は含蓄が足りないような気もするが、仄暗い落ちとラヴコメと云う明暗の両立が売りの『付喪堂骨董店』らしさがよく出ていた巻だと思う。
既刊を既読のかたは文句なく楽しめるでしょう。
そして、新規参入のかたは1巻か本巻でシリーズ独特のノリが楽しめると思います。
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2008年10月29日に日本でレビュー済み
この作品もこの作品のヒロインも地味という印象を受けました。
しかし地味というのは「悪い」ということではありません。
作品も不思議と引き込まれていく面白さがあり
ヒロインもへたな萌えを売りにした小説よりよほどいいです。
ぜひ読んで欲しい本です
しかし地味というのは「悪い」ということではありません。
作品も不思議と引き込まれていく面白さがあり
ヒロインもへたな萌えを売りにした小説よりよほどいいです。
ぜひ読んで欲しい本です