読みながら、これは映画にできる、と何度も思いました。
三一致の法則というんですか、同じとき、同じ場所、同じ人物、の条件を満たしているんです。
わずか一昼夜のできごとで、閉じ込められた家の中で、閉じ込められた人々の身に降りかかる災厄。
多々ある血みどろの場面も、映像化しやすそうです。
もっとも、実際に映画にしたら、よほどの監督でない限り、「13日の金曜日」の日本版、B級どころかC級スプラッタムービーにしかならないでしょう。
この小説のぞくぞくする血の味わいは、やはり小説独自のものかもしれません。
そうそう、今回は、これまでにも増してスプラッタシーンがものすごいです。気の弱い方は、くれぐれも近寄りませんように。
さて、少々不満だったのは、ラストの解き明かしです。
「いばら姫」とこの事件がどう結びつくのか。いつも楽しみにしている部分です。
残念ながら、今回はすんなりとは納得できませんでした。
少々込み入りすぎているせいかもしれません。
スパッと一刀両断に「いばら姫」と事件を結びつけてもらえれば、しろうとにも「あー、なるほど」とうなずけるのですが。
ただ、そこに至るまでの貯金が大きくて、マイナス分は相殺して余りあります。
星5つです。
なお、蛇足ですが。
このシリーズのナンバーはギリシャ数字になっています。
すでに本巻で11になって、わかりにくいというのもあるんですが、これから先、どんどん横に長くなっていくんですね。
XII、XIII、XIV・・・と。
本の背に印刷しきれるんでしょうか。
まさか、印刷できないという理由で、シリーズ打ち切りとなったりはしないでしょうね、電撃文庫さん?
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断章のグリムXIいばら姫・下 (電撃文庫 こ 6-24) 文庫 – 2009/8/10
始まりは『生まれ変わりの子供』の話を真喜多莉緒が母親に話したことだった。異形化した母親と荒んでいく家族関係、そして閉ざされた真喜多邸。雪乃たちを助けにきたはずの蒼衣も隔離され、惨劇は予想以上に拡がっていく。抗える者が減っていく中、雪乃の身体に異変が──。
- 本の長さ312ページ
- 言語日本語
- 出版社アスキー・メディアワークス
- 発売日2009/8/10
- 寸法10.5 x 1.8 x 15 cm
- ISBN-104048679392
- ISBN-13978-4048679398
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登録情報
- 出版社 : アスキー・メディアワークス (2009/8/10)
- 発売日 : 2009/8/10
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 312ページ
- ISBN-10 : 4048679392
- ISBN-13 : 978-4048679398
- 寸法 : 10.5 x 1.8 x 15 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 1,260,976位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
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著者について
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1977年、岡山生まれ。津山市出身。二松学舎大学卒(「BOOK著者紹介情報」より:本データは『断章のグリム〈12〉しあわせな王子〈上〉』(ISBN-10:4048685414)が刊行された当時に掲載されていたものです)
カスタマーレビュー
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2009年8月16日に日本でレビュー済み
2009年8月11日に日本でレビュー済み
一言でまとめると、そういう他ないです。
想像の遥か斜め上を行く展開(○○○さん死亡!? ○○にも泡禍が)が次から次へと起こり、全身がむず痒くなること必然
あと、「あの人」生存が確認された事をさておいても、まさか付き人さんまで……
とにかく、上巻と合わせて読んで下さい
これは、甲田学人の作品は、僕等の推し量れないところにあるのだから
まだまだ先の長い、だけど確実に近付く終わりへと向けて……
想像の遥か斜め上を行く展開(○○○さん死亡!? ○○にも泡禍が)が次から次へと起こり、全身がむず痒くなること必然
あと、「あの人」生存が確認された事をさておいても、まさか付き人さんまで……
とにかく、上巻と合わせて読んで下さい
これは、甲田学人の作品は、僕等の推し量れないところにあるのだから
まだまだ先の長い、だけど確実に近付く終わりへと向けて……
2009年9月11日に日本でレビュー済み
こんなに苦労した泡渦はシリーズ中初めてでしょう。まさに全員満身創痍!
そして明かされるあの少女の存在や、可南子さんの正体。
クライマックスが迫ってきたということでしょうか。
そして明かされるあの少女の存在や、可南子さんの正体。
クライマックスが迫ってきたということでしょうか。
2010年10月14日に日本でレビュー済み
絶対に死なないと言う〈異端〉の襲撃や前巻の最後に出てきた謎の人物の話など、いろんな意味で大変な、いばら姫の泡禍の話の後半編。いばら姫の泡禍の意味が分かるのはともかく、久しぶりにある人物達が再登場したり、今巻最後辺りのなにやら次の話に絡んできそうな〔彼女〕のマキシマムブっ飛んだ話などある意味、今巻は後の物語の布石な巻なのかなと言うのがおもな感想です。