ベートーヴェンのピアノソナタ 「告別」は3楽章の曲であり、作中あとがきで杉井先生が話に出しているチャイコフスキーの「弦楽セレナーデ」は4楽章形式の曲です。
通常、交響曲やピアノソナタに「第5楽章」というものはあまり存在しません。
稀にあったとしても2楽章の延長であったり、クライマックスを引っ張るための一区切りでしかない場合もしばしばです。
しかし、今回の「encore pieces」は
「起承転結」のその先の一文字であり、
「幻の第五楽章」でもあります。
「さよならピアノソナタ」全体が一つの曲になぞらえているとすれば、存在するはずのないクライマックスなんです。
「告別」が歩めなかったその先。「弦楽セレナーデ」が伝えきれなかった気持ち。
それらを、アンコールとして奏でてくれました。心からの拍手を送りたいと思います。
この1冊だけをとってみても、内容・構成はなんとも音楽的です。
ナオと真冬の恋と革命と音楽の物語から、神楽坂先輩の過去まで。 コミカルからシリアスまで、今までの本作を映し出すかのような雰囲気はやはり絶品です。
しかし、特筆すべきは最後の2編。 神楽坂先輩と―――哲朗なんです。
4巻まででも、あまり直接関わることのなかった二人の過去と現在が隣り合わせに並んでいるところが、すごく良い。
音楽的に言うと、昔の教会音楽などで使われた「ピカルディ」の考え方に似てるのかな、と私はおもいます。
ずっと暗く・重く・静かな曲で、最後の1音だけ明るい和音にする。
神楽坂先輩の物語は、暗く・不安げな過去がひしひしと伝わってくるようなお話です。残りページが少なくなるのをみて、自分も少し不安を覚えました。
ですが、その不安は、たった数十ページの掌編によって「クライマックス」へと昇華することになります。
この名曲を、次はあなたに。4楽章での拍手は、まだ早すぎたようです。
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さよならピアノソナタ encore pieces (電撃文庫 す 9-12) 文庫 – 2009/10/10
とあるピアノソナタに秘められた真実がナオと真冬を結びつける「Sonate pourdeux」。フェケテリコに新しく加わったサポートメンバーと千晶の交流を描く「翼に名前がないなら」。治療のため渡米した真冬とナオの間を行き来するユーリ――本編4巻の空白の時間を埋める「ステレオフォニックの恋」。神楽坂のトレードマーク、黒のレスポールにまつわる過去のバンドの逸話、「最後のインタビュー」。さらに哲郎を描いた掌編「だれも寝てはならぬ」の5編を収録。恋と革命と音楽が織りなす物語、珠玉のアンコール・ピース集。
- 本の長さ315ページ
- 言語日本語
- 出版社アスキー・メディアワークス
- 発売日2009/10/10
- 寸法10.5 x 1.8 x 15 cm
- ISBN-104048680781
- ISBN-13978-4048680783
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登録情報
- 出版社 : アスキー・メディアワークス (2009/10/10)
- 発売日 : 2009/10/10
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 315ページ
- ISBN-10 : 4048680781
- ISBN-13 : 978-4048680783
- 寸法 : 10.5 x 1.8 x 15 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 811,934位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
著者について
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1978年東京生まれ。『火目の巫女』で第12回電撃大賞“銀賞”を受賞、デビュー(「BOOK著者紹介情報」より:本データは『 剣の女王と烙印の仔 5 (ISBN-13: 978-4840134040 )』が刊行された当時に掲載されていたものです)
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2017年8月24日に日本でレビュー済み
いや、すごい作品でした。
こんな完成度の高い作品がライトノベルに存在するなんて…
一気に貪るように読み切ってしまいました。
音が鳴らない小説で、音楽をテーマにした話がこんなに面白いなんて。
このシリーズ、1巻はそれほどライトノベルっぽくありませんでした。
むしろ、ジュブナイル小説とか青春小説とか、そういう括りの気がします。
高校生活をメインに描いた2巻が一番ライトノベルっぽいノリかもしれません。
(以下脱線です)
…いや、こんなこと言うと「じゃあライトノベルの定義って何だよ」というお叱りが聞こえてきそうですね。
しかし、残念ながら「ライトノベルを定義する」ことなどは到底不可能でしょう(そもそもライトノベルってジャンルというよりレーベルの括りでしょうし)。すいません。
でも、あえてその特徴を挙げてみるなら、その一つには「ライトノベルでは、鈍感で優柔不断な主人公(男)が何故かモテモテ」というのがあると思います。
なぜ、ライトノベルの主人公はだいたいにおいてそうなのか?
ひとりの男が多数の女性をはべらすいわゆる「ハーレム状態」は太古よりオスとしての本懐ですが、『源氏物語』や『伊勢物語』の時代ならいざ知らず、一夫一妻制の現代日本においてそのような状態を実現すると、(たとえフィクションでも)読者の倫理コードに抵触します(最近不倫報道が怖いですね)。
でも、もし肝心の男が極端に鈍くて、彼女たちの好意に気づかなければどうでしょう。
女性たちが猛アプローチするも、主人公が鈍感で気付かず、みんなヤキモキしている。
たまにいい雰囲気になっても、誰かの邪魔が入って未遂に終わる…
こうした「アクロバティック」な状態であれば、たとえ一夫一妻の社会でも完全に「合法」なのです。
だからライトノベルの主人公が「極端に鈍い」のは、物語内に疑似的ハーレム状態を創出・維持するためにどうしても必要な「習わし」であって、登場人物の性格づけとかキャラクターの問題ではありません。
また、欲望は「叶うまでが欲望」で、手に入れた瞬間に対象の魅力は消え失せるものなので(ということは、一番魅力的なのは「絶対に手に入らないもの」です)、ライトノベル特有の「ズラッと並べられた据え膳に手をつけない」状態というのは、人間の欲望を最高に刺激するものでもあります。
だからこそ、ライトノベルの主人公はいつでもいつまでも鈍感で頼りない奴なので、その主人公が急にキリッとして「君に決めた」とか言って誰かを選ぶというのは、そのライトノベルが完結する事を意味します。
その意味では、「読者の欲望に忠実でご都合主義」的な内容を、「ライトノベル的」と言えるのかもしれません。
(異世界で並み居る強敵を屠りまくるのも、欲望に忠実な結果だと思われます)
…そんなわけで、本書の主人公ナオミ君も、優柔不断で煮え切らない、絶望的に鈍い男だったのですが、最終巻ではついにキリッと真冬を選びました。
恋する革命家や、木登りして窓から部屋に入ってくる幼馴染みや、金髪の女装美少年(!)からの好意を振り切って、直巳はひとりの女性を愛することを決めたのです。
本書の最初の章は、ラストの「その後」を描いた作品です。他にも、主要メンバーが抜けたフェケテリコのサポートベーシストの話や、結婚の報告を聞いたお父さんの話など、味わい深い短編たちです。
いや~ほんとにいい話でした。
こんな完成度の高い作品がライトノベルに存在するなんて…
一気に貪るように読み切ってしまいました。
音が鳴らない小説で、音楽をテーマにした話がこんなに面白いなんて。
このシリーズ、1巻はそれほどライトノベルっぽくありませんでした。
むしろ、ジュブナイル小説とか青春小説とか、そういう括りの気がします。
高校生活をメインに描いた2巻が一番ライトノベルっぽいノリかもしれません。
(以下脱線です)
…いや、こんなこと言うと「じゃあライトノベルの定義って何だよ」というお叱りが聞こえてきそうですね。
しかし、残念ながら「ライトノベルを定義する」ことなどは到底不可能でしょう(そもそもライトノベルってジャンルというよりレーベルの括りでしょうし)。すいません。
でも、あえてその特徴を挙げてみるなら、その一つには「ライトノベルでは、鈍感で優柔不断な主人公(男)が何故かモテモテ」というのがあると思います。
なぜ、ライトノベルの主人公はだいたいにおいてそうなのか?
ひとりの男が多数の女性をはべらすいわゆる「ハーレム状態」は太古よりオスとしての本懐ですが、『源氏物語』や『伊勢物語』の時代ならいざ知らず、一夫一妻制の現代日本においてそのような状態を実現すると、(たとえフィクションでも)読者の倫理コードに抵触します(最近不倫報道が怖いですね)。
でも、もし肝心の男が極端に鈍くて、彼女たちの好意に気づかなければどうでしょう。
女性たちが猛アプローチするも、主人公が鈍感で気付かず、みんなヤキモキしている。
たまにいい雰囲気になっても、誰かの邪魔が入って未遂に終わる…
こうした「アクロバティック」な状態であれば、たとえ一夫一妻の社会でも完全に「合法」なのです。
だからライトノベルの主人公が「極端に鈍い」のは、物語内に疑似的ハーレム状態を創出・維持するためにどうしても必要な「習わし」であって、登場人物の性格づけとかキャラクターの問題ではありません。
また、欲望は「叶うまでが欲望」で、手に入れた瞬間に対象の魅力は消え失せるものなので(ということは、一番魅力的なのは「絶対に手に入らないもの」です)、ライトノベル特有の「ズラッと並べられた据え膳に手をつけない」状態というのは、人間の欲望を最高に刺激するものでもあります。
だからこそ、ライトノベルの主人公はいつでもいつまでも鈍感で頼りない奴なので、その主人公が急にキリッとして「君に決めた」とか言って誰かを選ぶというのは、そのライトノベルが完結する事を意味します。
その意味では、「読者の欲望に忠実でご都合主義」的な内容を、「ライトノベル的」と言えるのかもしれません。
(異世界で並み居る強敵を屠りまくるのも、欲望に忠実な結果だと思われます)
…そんなわけで、本書の主人公ナオミ君も、優柔不断で煮え切らない、絶望的に鈍い男だったのですが、最終巻ではついにキリッと真冬を選びました。
恋する革命家や、木登りして窓から部屋に入ってくる幼馴染みや、金髪の女装美少年(!)からの好意を振り切って、直巳はひとりの女性を愛することを決めたのです。
本書の最初の章は、ラストの「その後」を描いた作品です。他にも、主要メンバーが抜けたフェケテリコのサポートベーシストの話や、結婚の報告を聞いたお父さんの話など、味わい深い短編たちです。
いや~ほんとにいい話でした。
2009年10月24日に日本でレビュー済み
ああ、読まなければよかった、と後悔しました。
おもしろくないとか、そういうことではありません。
全編を流れる、なんとも痛ましい感傷を感じたからです。
青春の、ひとつの時代との決別、ということからくるものです。
もちろん、登場人物はまだ皆若いです。一番歳をとったエピソードでも、二十台半ば。これからも青春には違いありません。
が、高校のころ、ナオと真冬が出会い、ダイヤモンドのようにきらきら輝いていたあの時代は、間違いなくもうかなたへ去って、帰ってこないのです。
歌で言えば、「いちご白書をもう一度」や「夜空ノ向コウ」を思い浮かべていただければ、少しわかってもらえるかもしれません。
学校を出て、2,3年、社会人になって少し苦労がわかってきた人、学生時代を思い出して「ああ、あのころは楽しかったなあ」とため息をついているような人は、読まないほうがいいでしょう。
落ち込んでしまうかもしれませんから。
おもしろくないとか、そういうことではありません。
全編を流れる、なんとも痛ましい感傷を感じたからです。
青春の、ひとつの時代との決別、ということからくるものです。
もちろん、登場人物はまだ皆若いです。一番歳をとったエピソードでも、二十台半ば。これからも青春には違いありません。
が、高校のころ、ナオと真冬が出会い、ダイヤモンドのようにきらきら輝いていたあの時代は、間違いなくもうかなたへ去って、帰ってこないのです。
歌で言えば、「いちご白書をもう一度」や「夜空ノ向コウ」を思い浮かべていただければ、少しわかってもらえるかもしれません。
学校を出て、2,3年、社会人になって少し苦労がわかってきた人、学生時代を思い出して「ああ、あのころは楽しかったなあ」とため息をついているような人は、読まないほうがいいでしょう。
落ち込んでしまうかもしれませんから。
2011年10月15日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
これまで私の中で多くの作品が始まっては終わり、始まっては終わっていきましたが、こんなに終わってしまうのが惜しい作品は初めてです。
この短編集を含めた5巻という短い物語ではありましたが、その中で何度心を動かされたか分かりません。私自身ずっと音楽をやってきたということもあり、作中に実際に登場する楽曲やそれらを描写する作者の文章の意味が毎度じわりと体に伝わってきました。
「傑作(Masterpiece)!!」という言葉が適切な言葉かどうかは分かりませんが、読み終えた直後の私の感想がこれだったので、そのままレビューのタイトルにしました。
最後に私からの注文を書かせて下さい。
たとえどんなに時間がかかってもいいです。すごく難しく、超ハイリスクなのも分かります。
だけど・・・
いつか、最高の形でアニメになって欲しいです。お願いします。
この短編集を含めた5巻という短い物語ではありましたが、その中で何度心を動かされたか分かりません。私自身ずっと音楽をやってきたということもあり、作中に実際に登場する楽曲やそれらを描写する作者の文章の意味が毎度じわりと体に伝わってきました。
「傑作(Masterpiece)!!」という言葉が適切な言葉かどうかは分かりませんが、読み終えた直後の私の感想がこれだったので、そのままレビューのタイトルにしました。
最後に私からの注文を書かせて下さい。
たとえどんなに時間がかかってもいいです。すごく難しく、超ハイリスクなのも分かります。
だけど・・・
いつか、最高の形でアニメになって欲しいです。お願いします。
2009年10月9日に日本でレビュー済み
4巻にて完結を迎えたさよならピアノソナタ。
このencore piecesでは後日談および、本編で語られなかった空白の部分が描かれています。
その中でもやはり、この巻でもっとも中心的な話であろう、
Sonate pour deux。
ここで語られるのは、ナオと真冬の結婚まで。
結婚、なんて言葉にするのは簡単な事です。
「はっきりいって、めんどくさい」
ナオは作中、結婚についてこう述べている場面があります。
しかし、一つのピアノソナタに触れるにつれ、
プロポーズを決意するナオ。
たった一つの楽曲。
そこに込められた人の想い、それこそが音楽の魔力。
音楽の持つ、人ののせた想い、それが人を成長させる。
そんな音楽の魔力を、主人公を通し、言葉にのせてしまう杉井先生に脱帽です。
このencore piecesでは後日談および、本編で語られなかった空白の部分が描かれています。
その中でもやはり、この巻でもっとも中心的な話であろう、
Sonate pour deux。
ここで語られるのは、ナオと真冬の結婚まで。
結婚、なんて言葉にするのは簡単な事です。
「はっきりいって、めんどくさい」
ナオは作中、結婚についてこう述べている場面があります。
しかし、一つのピアノソナタに触れるにつれ、
プロポーズを決意するナオ。
たった一つの楽曲。
そこに込められた人の想い、それこそが音楽の魔力。
音楽の持つ、人ののせた想い、それが人を成長させる。
そんな音楽の魔力を、主人公を通し、言葉にのせてしまう杉井先生に脱帽です。
2012年11月27日に日本でレビュー済み
さよならピアノソナタ短編集です。
構成としてはメインキャラクターが中心になる話がそれぞれ一遍ほどあり、
また前日譚、後日談、本編と同じ時期の裏話、と非常にバランスが良いと思います。
どの話も、キャラクターをより深く掘り下げている内容になっている上に単体でも面白いと思えるのも幾つかありました。
個人的にはナオが真冬との結婚を決意する「Sonate pour deux」が気に入っています。
他にも、「だれも寝てはならぬ」では哲郎の内面が描かれています。
気になっていただけに嬉しかった。
構成としてはメインキャラクターが中心になる話がそれぞれ一遍ほどあり、
また前日譚、後日談、本編と同じ時期の裏話、と非常にバランスが良いと思います。
どの話も、キャラクターをより深く掘り下げている内容になっている上に単体でも面白いと思えるのも幾つかありました。
個人的にはナオが真冬との結婚を決意する「Sonate pour deux」が気に入っています。
他にも、「だれも寝てはならぬ」では哲郎の内面が描かれています。
気になっていただけに嬉しかった。
2010年1月12日に日本でレビュー済み
何がすごいって、響子の声や、千晶のドラムスが文面から流れ込んでくるのを錯覚させる
巧みな文章。彼女らの叫びが本当に聞こえてくるようです。
本編では語られなかった響子の過去、ユーリの空白の期間、そして何よりも真冬とナオの
結婚までのエピソードが、音楽というスパイスをきかせて描かれています。
登場人物一人一人の気持ちが伝わってくるかのよう。
一番好きな話は『ステレオフォニックの恋』。
真冬とナオが大好きな、純粋な少年の複雑で、真っ直ぐな気持ちが描かれている。
青春、ロック、恋、そんな甘酸っぱい要素がたくさん含まれていて、読み終わった後の余韻は
切なさと、優しさと、幸せな気持ちで満たされる。
読み終わった時、きっと、誰の心にも、強烈な余韻を残す、そんな作品。
巧みな文章。彼女らの叫びが本当に聞こえてくるようです。
本編では語られなかった響子の過去、ユーリの空白の期間、そして何よりも真冬とナオの
結婚までのエピソードが、音楽というスパイスをきかせて描かれています。
登場人物一人一人の気持ちが伝わってくるかのよう。
一番好きな話は『ステレオフォニックの恋』。
真冬とナオが大好きな、純粋な少年の複雑で、真っ直ぐな気持ちが描かれている。
青春、ロック、恋、そんな甘酸っぱい要素がたくさん含まれていて、読み終わった後の余韻は
切なさと、優しさと、幸せな気持ちで満たされる。
読み終わった時、きっと、誰の心にも、強烈な余韻を残す、そんな作品。
2009年10月15日に日本でレビュー済み
この著者は、小説を書く上で最も大切であり稀有な才能に恵まれている。
それは、読者の心を振るわせる文章を書くという才能だ。
台詞の一つ一つや、複線の回収、作品中の過去と現在の比較、そして【さよならピアノソナタ】において最も重要であり特殊な「音楽を聴いたときの感動」。
それらの描き方が非常に巧みで、登場人物の心の震えが、読者にまで伝染してしまう。
こんなライトノベルはなかなかないと思う。
内容に関しては、登場人物の人間関係や恋愛関係が一段落した後日談がメインなので、本編よりは安心して読めると思う。
しかしフェケテリコの話を読んでいると、The White Stripesや、A Perfect Circleのようなぶっといグルーブを鳴らすバンドをつい聴きたくなってしまう。
そんなサウンドをつい頭に思い描いてしまうんだけど、文章だけでそれをイメージさせてしまうというのもまた、結構凄いことなんじゃないかな?
それは、読者の心を振るわせる文章を書くという才能だ。
台詞の一つ一つや、複線の回収、作品中の過去と現在の比較、そして【さよならピアノソナタ】において最も重要であり特殊な「音楽を聴いたときの感動」。
それらの描き方が非常に巧みで、登場人物の心の震えが、読者にまで伝染してしまう。
こんなライトノベルはなかなかないと思う。
内容に関しては、登場人物の人間関係や恋愛関係が一段落した後日談がメインなので、本編よりは安心して読めると思う。
しかしフェケテリコの話を読んでいると、The White Stripesや、A Perfect Circleのようなぶっといグルーブを鳴らすバンドをつい聴きたくなってしまう。
そんなサウンドをつい頭に思い描いてしまうんだけど、文章だけでそれをイメージさせてしまうというのもまた、結構凄いことなんじゃないかな?