今回はいよいよ学園祭のお話。
読みながら気分はふとノスタルジックに。
自分の学校の学園祭って、今思うとかなりしょぼいもんだったなぁ、と。
それはさておき。
相変わらず「ライトノベル」という枠組みで語るには惜しい作品だと思う。個人的に。
「ミドルノベル」とでも言ったらいいのか。
文章を読みながら、その情景、色、空気、音などが浮かんでくる表現力は見事。
純文学とはさすがに比較にならないが、「ライトノベル」というカテゴリーの中では十分なクオリティであると思える。
「句読点や同一表現が多くて読みにくい」と言った批判もあるようだが、自分としては別に気にならない程度。
花と華のそれぞれの細やかな心理描写から感じる想いは、ことあるごとにこちらの胸を切なくさせてくれる。
夕も、未だ多くの葛藤を抱えつつも、少しずつ成長していっているのがよくわかる。
それに加え、今回は夕にとって良くも悪くも因縁の相手、第3の「はな」葉奈子まで現れ…
「天才」と「凡人」を絶対的ゆえに絶望的に分かつもの。
努力では決して超えられない壁を「天才」葉奈子が、そして「未完の天才」花が魅せる。
それに真っ向から挑戦状を叩きつける「完璧」華。
努力より、そして才能をも凌駕するもの。
圧倒的な強い意志を持って己の「完璧」をも凌駕しようとする華の姿にはぐっときました。
今巻で、葉奈子の力によって異次元の天才ぶりの片鱗を魅せつけた花と、以前から花に対してのそれを感じつつも、圧倒的な努力と「負けない」という強い意志によって凌駕しようとする華とのせめぎ合いは、今後が本当に楽しみです。
ていうか…
これ、自分なら花も華もどっちも選べませんわ。
この二人から選択するという行為そのものが絶望的に酷すぎる。
どっちも魅力的すぎますねん。
瞬間、瞬間では確かに「花」よりになったり、「華」よりになったりするんだけども、総じて見たときには結局どっちも良い子すぎて困る。
このダブルヒロインは反則ですな。ほんまに。
これ、最後にどっちを選ぶのか全く予想がつきませぬ。
あ、あと涼香さんの絵は最高です。
涼香さん好きにはたまりませんな。
花も華も可愛すぎる。
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花×華(4) (電撃文庫 い 5-28) 文庫 – 2011/9/10
“あたしたちのことなんて考えず、素直な気持ちで選んでねっ!” 新学期を迎え、迫るはカップル成立率最高のイベントと謳われる学園祭。“はな”たちもクラスの猫喫茶企画の準備で、夕と二人きりに……とやる気満々。一緒に大好きなお菓子作りをして二歩リード目を狙いたい花と、一緒に考えた衣装に袖を通して学園祭本番を迎えたい華さま。果たして夕は、花がいるたべもの班と華さまの衣装班、どちらを選ぶのか……!? だがそんな楽しい空気も、夕の過去を傷つけた招かざる客の来訪により──。
- 本の長さ344ページ
- 言語日本語
- 出版社アスキー・メディアワークス
- 発売日2011/9/10
- 寸法10.8 x 1.8 x 15.1 cm
- ISBN-104048708120
- ISBN-13978-4048708128
登録情報
- 出版社 : アスキー・メディアワークス (2011/9/10)
- 発売日 : 2011/9/10
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 344ページ
- ISBN-10 : 4048708120
- ISBN-13 : 978-4048708128
- 寸法 : 10.8 x 1.8 x 15.1 cm
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