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玩具修理者 単行本 – 1996/4/1
- 本の長さ224ページ
- 言語日本語
- 出版社KADOKAWA
- 発売日1996/4/1
- ISBN-104048729527
- ISBN-13978-4048729529
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商品の説明
内容(「MARC」データベースより)
登録情報
- 出版社 : KADOKAWA (1996/4/1)
- 発売日 : 1996/4/1
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 224ページ
- ISBN-10 : 4048729527
- ISBN-13 : 978-4048729529
- Amazon 売れ筋ランキング: - 665,365位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 182,910位文学・評論 (本)
- カスタマーレビュー:
著者について
昭和37年 京都にて誕生。
平成7年 「玩具修理者」にて第2回日本ホラー小説大賞短編賞受賞
平成10年 「海を見る人」にて第10回 S-F マガジン読者賞国内部門受賞
平成14年 「玩具修理者」映画化 (製作総指揮: 奥山和由、監督: はくぶん、主演: 田中麗奈)
平成18年 日本 SF 新人賞最終選考委員(~平成20年)
平成24年 『天獄と地国』にて第43回星雲賞日本長編部門受賞
平成26年 『アリス殺し』にて2014年啓文堂書店文芸書大賞受賞
平成29年 『ウルトラマンF』にて第48回星雲賞日本長編部門受賞
現在に至る。
社団法人 日本推理作家協会会員
宇宙作家クラブ会員
好きな言葉: 一石二鳥、棚から牡丹餅
嫌いな言葉: 努力、やる気
ホームページ: 小林泰三の不確定領域
http://web.kyoto-inet.or.jp/people/kbys_ysm/
カスタマーレビュー
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イメージ付きのレビュー
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
レビューのフィルタリング中に問題が発生しました。後でもう一度試してください。
天国の高野智久にもぜひおススメします!!
個人的にはメタバースで主宰する読書会ですすめられて手にとりました。
さて、そんな本書はあるとても暑い日、事故で死なせてしまった弟の死体をラジコンカーでも死んだ猫だって何でも直してくれる謎の"玩具修理者"の所へ持っていく姉の話『玩具修理者』そして、何人かの気の合う仲間ととりとめのない話をしていた帰りに奇妙な男に声をかけられて始まる時間SF『酔歩する男』の2作品が収録されているわけですが。
近年、人気が再燃している「クトゥルフ神話」で知られるH・P・ラヴクラフトへのオマージュも感じる表題作は弟の"修理中"の描写が凄惨なれど、映像的に美しく印象に残りました。(実写化はどうだったのだろうか)
また、最近でもタイムループや並行世界を題材にした人気作がありますが。大学時代に死んだ想い人のために人生をかけるも、時間の流れが『一方向ではない』また『指定された時代に行けるわけではない』絶望感はなかなか予想外で面白かったです。
優れたホラー、SF短編小説好きな方、また、H・P・ラヴクラフト好きにもオススメ。
表題作は、作者のデビュー作であり代表作でもあると思います。
内容は、本書に収録されている『酔歩する男』とともに、クトゥルフ神話を想起させずにはいられない不気味さを漂わせています。こののち多彩な作品へと広がってゆく、作者の原点でもあるのでしょう。
玩具修理者・・・なんでも直してしまう怪異の存在の話。オチもとても魅力的だった。
ただ、グロテスクなSFであって、ホラーを期待して読むと違う。
酔歩する男・・・なんだか小難しい話をならべられて、それは多分違うだろう・・と感じるけど不思議と最後まで読める。
なぜならこの手の「時空超越の話」を一歩深いところまで掘ろうとしている作品に思えるから。
タイムスリップとかそういった話に新しい切り口で見解を示してくれます。面白い。でもホラーではない。
それもかなり変化球の恐怖。
バーで「あなた私が誰かわかりますか?」、から始まる話のパターンなどたかが知れてると思ったが、
宇宙開闢ばりに話が広がりノンストップ。バーで話が始まるというというのは輪廻の蛇が元ネタだと思うが、自分の尾を飲み込むウロボロスとはまるで異なる時間の扱い方をする。
何度か読むと理論的に少しだけ突っ込みたいところもあるような気もするが、
これだけ目眩がするような物語を楽しませてくれるのならそれはそういうものなんだろうと大目に見てしまう。
「玩具修理者」の方は一応クトゥルフ系列で、「生物とは何か」についての禅問答のようなやりとりが中心の筋になりオチに向かっていくのだが、屁理屈のようで論理的、ナンセンスのようで本質をついた言葉のやり取りは、実際は科学的な思考が発端にある。
科学もつきつめればホラーというのがこの頃の根底にあるテーマなのではないかと思われる。
評価が割れているのははっきり言って話についてこれてない人。ホラーというよりはSFというスタンスで考えた方が良いのかもしれない。
どちらの作品も現実と狂気のはざまで、自分が認識している世界がふいにふらっと足下から崩れていくような怖いお話です。
「玩具修理者」はファンタジー風のホラーといった感じで、意外な結末がよかったです。
ワープロとか、日射病とか、懐かしい言葉が出てきて、もはや古典的な秀作といったイメージでした。
もう一つの「酔歩する男」は、量子力学の確率論と哲学的な認識論を融合したようなロジックで、独自の時間SFものを構築しています。ちょっと理屈っぽくて間延び感があるような気がしましたが、こちらも面白かったです。
ただ、ロジックのほうは都合のいいところだけ切り取って説得しようといる印象も若干ありました。
でもまあ、よい作品でした。素晴らしい!