ただ、ついこの間知り合った誰かが永遠の友になる、そんな特別な機会がある。
神々はともにくつろいで過ごせるのに、なぜ人間は争わねばならぬのか、近代から現代に至って言語や宗教を超えて相互理解に至れる素地があってもなお戦争をしなくてはならないのか、ただ口真似する鸚鵡にも足りない良心しか持ち合わせていないことになるのか、
悩みは深く単純で泣きそうになる。永遠の命などいらぬが、愛したい。
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村田エフェンディ滞土録 単行本 – 2004/4/27
梨木 香歩
(著)
宗教とは。国とは。人間への深いまなざしが捉えた青春小説の新境地。
1899年、トルコ。遺跡発掘の留学生村田君の下宿には、英国の女主人、ギリシャ、ドイツの若者がいて熱い交流があった。宗教、民族、国家の根っこから人間を見つめ、その喜びと苦難を描いた新スタイルの青春小説。
1899年、トルコ。遺跡発掘の留学生村田君の下宿には、英国の女主人、ギリシャ、ドイツの若者がいて熱い交流があった。宗教、民族、国家の根っこから人間を見つめ、その喜びと苦難を描いた新スタイルの青春小説。
- 本の長さ220ページ
- 言語日本語
- 出版社角川書店
- 発売日2004/4/27
- ISBN-104048735136
- ISBN-13978-4048735131
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商品の説明
内容(「MARC」データベースより)
1890年末、トルコ文化研究のためスタンブールに出向いた村田君と、下宿屋の女主人や個性豊かな様々な国の下宿人たちとの熱い交流。いつしか芽生えた友情のようなものは…。『本の旅人』連載を単行本化。
登録情報
- 出版社 : 角川書店 (2004/4/27)
- 発売日 : 2004/4/27
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 220ページ
- ISBN-10 : 4048735136
- ISBN-13 : 978-4048735131
- Amazon 売れ筋ランキング: - 546,727位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 12,427位日本文学
- カスタマーレビュー:
著者について
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1959年生れ。著書に『西の魔女が死んだ』『裏庭』『丹生都比売(におつひめ)』『エンジェル エンジェル エンジェル』『りかさん』『からくりからくさ』『家守奇譚』『村田エフェンディ滞土録』『沼地のある森を抜けて』『f植物園の巣穴』『春になったら莓を摘みに』『ぐるりのこと』『水辺にて』等がある。
イメージ付きのレビュー
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2019年7月7日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
主人公村田が留学中に出会う人々との会話がとても心地よく感じられました。対話することの楽しさ、尊さを感じさせてくれます。
また、相手の表情やしぐさがありありと思い浮かぶ描写の素晴らしさに感心しました。
そして最後の数ページ、それまでのどかな気持ちで読んでいた心を裏切られ、涙があふれてたまりませんでした。
平和の大切さを実感。こんな言葉でしか語れない自分が恥ずかしい。でも平和とは命を全うでき、会いたい人に会えること、懐かしさを共有できる人がいることであることではないかと思います。
本当に久々に号泣しました。
また、相手の表情やしぐさがありありと思い浮かぶ描写の素晴らしさに感心しました。
そして最後の数ページ、それまでのどかな気持ちで読んでいた心を裏切られ、涙があふれてたまりませんでした。
平和の大切さを実感。こんな言葉でしか語れない自分が恥ずかしい。でも平和とは命を全うでき、会いたい人に会えること、懐かしさを共有できる人がいることであることではないかと思います。
本当に久々に号泣しました。
2023年6月6日に日本でレビュー済み
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毎晩、一章から二章読んでいました。いつも読後に心にしみるものがあった作品です。他の作品もたくさん読んでみたいです。
2023年3月17日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
この本に出会ってから10数年だろうか。何度も何度も繰り返し読んでいる。文庫でも大事に読んできたが、電子書籍になっているのを見つけて思わず購入し、再読した。
何度読んでも、どっぷりと村田エフェンディの留学生活に引き込まれてしまう。歳のはなれた兄弟の末っ子のように、同居人に愛されている村田が微笑ましい。
夫人の手紙には胸が締め付けられる。村田が手紙を置き放心するのに合わせて、思わず読むのを止めてしまう。
物語はきれいごとかもしれない。きれいごとでも、信じていたいことがある。
決して相容れないように思える、様々な背景を持った色々の国の人たちが、ひとつ屋根の下で和気あいあいと語り合い、お茶を飲むことがあるかもしれない。たくさんの神とひとつの神について、お互いを尊びながら議論することがあるかもしれない。
きれいごとを、信じることができないのは悲しい。
村田がいつかまた、オットーとディミトリスとムハンマドに会えますように。
そのために、何度も何度も読み返す。
何度読んでも、どっぷりと村田エフェンディの留学生活に引き込まれてしまう。歳のはなれた兄弟の末っ子のように、同居人に愛されている村田が微笑ましい。
夫人の手紙には胸が締め付けられる。村田が手紙を置き放心するのに合わせて、思わず読むのを止めてしまう。
物語はきれいごとかもしれない。きれいごとでも、信じていたいことがある。
決して相容れないように思える、様々な背景を持った色々の国の人たちが、ひとつ屋根の下で和気あいあいと語り合い、お茶を飲むことがあるかもしれない。たくさんの神とひとつの神について、お互いを尊びながら議論することがあるかもしれない。
きれいごとを、信じることができないのは悲しい。
村田がいつかまた、オットーとディミトリスとムハンマドに会えますように。
そのために、何度も何度も読み返す。
2023年4月22日に日本でレビュー済み
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この作家は初めて読みました。
結構グイグイページをめくってしまうほど面白かった。
結構グイグイページをめくってしまうほど面白かった。
2020年9月2日に日本でレビュー済み
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数年ぶりに再読してくなり購入。最後まで読了して、内容をさっぱり忘れていた為、初めて読んだ感覚になった。最後まで読んで、これで家守奇譚が完結した…!とゆう(繋がりが有りますが読んでいなくともこの作品だけでも大丈夫)ホッとした。それに加えて、それ以上に、村田エフェンディの気持ちに同調して読み込んでいた為か、皆こんな感情になるのか、は解らないけど、最後、謎の気持ちになって、呆然としてしまい、暫く読み終えた文庫を持って空を見つめてたとゆうか、どうしていいか解らなくなったゆうか…。どうするも無いのだけど。暫く座っていた程、感動…とは違う何かが感情に押し寄せた。うーん、なんて言ったらいいか。言葉には出来ない。このような作品こそ、若い世代に読んで貰いたい。梨木香歩さんのような作風、作家さんは他に私が知る限り居ないので本当に貴重な作家さんであると私は思ってる。この作品は少し難しいかもしれない。でも、沢山の方々に読んで欲しい。読んでいる間、数日。良い時間を過ごしました。
2019年8月16日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
100年ほどまえのトルコの滞在記ですが最近トルコへ旅行した友達から話を聞いて
ぜひ行ってみたいと思っているのです。
ぜひ行ってみたいと思っているのです。
2023年7月30日に日本でレビュー済み
約120年前のトルコを舞台とした日本人留学生、村田を主人公とした一冊。
イギリス人女主人の家に下宿し、ドイツ人、ギリシャ人、トルコ人の同居人や同郷の輩との交友、トルコでの生活を描いている。
そこに書かれているのは今は見ることがないであろう、第一次世界大戦前のトルコの情勢や、生活だけではない。
各々違う祖国を持ち、違う文化で育ち、違う神を崇拝する人たちの、相容れない考え方。
そして、たとえそうであっても生活の一部として許容する人たちが書かれている。
筆者、梨木氏の著作は何冊か読んでいるが、よくこの「文化の違い」について書かれている。
特に彼女のエッセイでは、作者自身の留学時代に経験した「文化の違い」をありありと書いていたのが記憶に残っている。
村田エフェンディの下宿での会話にも、この「文化の違い」が垣間見える。
仕事やプライベートでこの「違い」を多く見たことがある私にとっては、本作の下宿での会話は、相容れないが寛容さを持って接する人たちに、筆者の「こうあって欲しい」と願う「希望」が込められているのでは、と読み入ってしまった。
そして巻末に書かれたかつての同居人たちの近況と、その忘れ形見との再会は、私を村田エフェンディ本人のように、深い、複雑な感情に導いた。
イギリス人女主人の家に下宿し、ドイツ人、ギリシャ人、トルコ人の同居人や同郷の輩との交友、トルコでの生活を描いている。
そこに書かれているのは今は見ることがないであろう、第一次世界大戦前のトルコの情勢や、生活だけではない。
各々違う祖国を持ち、違う文化で育ち、違う神を崇拝する人たちの、相容れない考え方。
そして、たとえそうであっても生活の一部として許容する人たちが書かれている。
筆者、梨木氏の著作は何冊か読んでいるが、よくこの「文化の違い」について書かれている。
特に彼女のエッセイでは、作者自身の留学時代に経験した「文化の違い」をありありと書いていたのが記憶に残っている。
村田エフェンディの下宿での会話にも、この「文化の違い」が垣間見える。
仕事やプライベートでこの「違い」を多く見たことがある私にとっては、本作の下宿での会話は、相容れないが寛容さを持って接する人たちに、筆者の「こうあって欲しい」と願う「希望」が込められているのでは、と読み入ってしまった。
そして巻末に書かれたかつての同居人たちの近況と、その忘れ形見との再会は、私を村田エフェンディ本人のように、深い、複雑な感情に導いた。