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いつかパラソルの下で 単行本 – 2005/4/26

4.0 5つ星のうち4.0 63個の評価

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購入オプションとあわせ買い

待ちに待った、森絵都が描く大人の世界
柏原野々は雑貨店で働く28歳の独身女性。厳格な父の教育に嫌気がさし、成人を機に家を飛び出した。そんな父も死に49日の法要を迎えようとしていた頃、生前父と関係があったという女性から連絡が入る……。
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登録情報

  • 出版社 ‏ : ‎ 角川書店 (2005/4/26)
  • 発売日 ‏ : ‎ 2005/4/26
  • 言語 ‏ : ‎ 日本語
  • 単行本 ‏ : ‎ 247ページ
  • ISBN-10 ‏ : ‎ 4048735896
  • ISBN-13 ‏ : ‎ 978-4048735896
  • カスタマーレビュー:
    4.0 5つ星のうち4.0 63個の評価

著者について

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森 絵都
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1968年東京都生まれ。早稲田大学卒。91年『リズム』で講談社児童文学新人賞を受賞しデビュー。同作品で椋鳩十児童文学賞を受賞。『宇宙のみなしご』 で野間児童文芸新人賞、産経児童出版文化賞ニッポン放送賞を、『アーモンド入りチョコレートのワルツ』で路傍の石文学賞を、『カラフル』で産経児童出版文 化賞を、『つきのふね』で野間児童文芸賞を、『DIVE!!』で小学館児童出版文化賞を受賞。2006年『風に舞いあがるビニールシート』で第135回直 木賞を受賞した(「BOOK著者紹介情報」より:本データは『 宇宙のみなしご (ISBN-13: 978-4043941087 )』が刊行された当時に掲載されていたものです)

カスタマーレビュー

星5つ中4つ
5つのうち4つ
63グローバルレーティング

この商品をレビュー

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上位レビュー、対象国: 日本

2018年4月11日に日本でレビュー済み
父の死をきっかけに、父の浮気や出生の秘密を探ろうとする兄妹の話。

安定と安心の森絵都クオリティー。ほのぼのしていながら、どんでん返しがあり、スロースタートで後半の急加速。最後はハッピーエンドで終わる。

主人公が、父の親戚を訪ねる家庭で、家族や人生との向き合い方を見つめ直していく過程に大きな共感を覚える。

短いが、良くまとまっており、一気に読める。大変面白かった。
2011年5月9日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
突然死んでしまった厳格な父親が、実は浮気をしていたと知らされるところから物語は始まる。

兄弟3人で父親のルーツをさぐる旅に出るのだが...

親子、兄弟、血、自分の人生ってなんだろうか、読後は「やっぱ自分の人生だから、責任持って自分の意思で歩みたい」と強く思った。さわやかな大人の物語です。
2005年10月9日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
なくなったお父さんが浮気した気持ち、なんとなくわかる。
つまらない人生に突如としてドラマが降りかかり、それが突如として終わる。残されたものは、「どうして」と思う。でも、なんとなくそれを消化して日常が過ぎていく。劇的なことは何一つなく、日常はつまらなく過ぎていくんだ。その中で人は「劇的」なことを求めるのだね、ということをこの本を読んで感じた。
唯、一つ難点。登場人物、名前が難解。どうやって読むのか、わからないような源氏名はやめてほしかったなあ。
2人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2012年7月13日に日本でレビュー済み
森絵都さんの大人向けの本を読むのは初めてでした。

堅物の父親が亡くなってから知る。父親のもうひとつの姿
それは自分たちが持っていた父親像とはまったくかけ離れたものだった。
後々になって知る、父親が気にしていた「暗い血」とは・・・
知ってしまうと本当に滑稽に思えてしまう・・・父親像

前半はこのまま読み続けようか悩んだが、
後半からは森絵都さんの本領発揮でした
2009年12月24日に日本でレビュー済み
ニートの野々は、地に足がついてないような浮遊感ある人生を送っていた。厳格で頑固な父親と絶縁して実家を飛び出したのが20歳。それからバイトを転々としながら、生きてきた。心許ない、生きている実感…彼との仲は円満だけど、実は彼女は不感症。そんな自分でも愛してくれて幸せ者のはずなのに、なぜか虚しい…

そんな折、交通事故で亡くなった父親の一周忌を前に、兄弟三人が顔を合わせた。野々と同じように家を飛び出し、自由奔放な生活をしている兄、実家に残り両親のご機嫌取りばかりをしていた妹。そして久々に会う母親は痴呆らしい症状をみせていた。

母がおかしくなった原因を兄弟が思案する中発覚する衝撃の事実。なんと、生前の父に浮気話が浮上したのだ。テレビ番組や服装、門限、友人関係、音楽、、すべてに厳格だった父の裏切り。兄弟は戸惑い、憤り、驚き、様々な思いを抱え、さらに、父の遺言ともいえる言葉に恐れおののく。その言葉の意味をさぐるため、謎解きのような、父の過去を探る旅が始まるのであった。

好き好きに生きてきた兄弟3人だけど、実は、それぞれにトラウマを抱え、コンプレックスを感じ、今まで、自分の生き方に不安や戸惑いを覚えていたことは、旅の中で徐々に明らかになっていく。そして、父親の故郷を巡りながら、各々気づくのだ。父親を口実に現実から逃げていたことを。“トラウマ”という言葉を免罪符として。

野々も父親の跡を追いながら、自分自身を見つめていきます。そして、ココロの奥に潜んでいた本当の気持ちに気づいていきます。涙あり、笑いあり。一歩成長した彼女、また兄弟たちの姿に、ほんのりあったまる、そんな物語です。

淡々と話は進んでいきますが、なぜか読むのを止められない。それはさるきちが、作品を通して我が身を見ていたからかもしれません。
6人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2010年7月16日に日本でレビュー済み
森絵都さんの作品は大好きで全部読んでいますが、その中でもこれが一番好きです。
児童向けの本を書いていた森さんが初めて成人向けに書いたというこの本。

主人公の父親の死を契機に、父親をめぐる女性関係が明らかになり、それが残された主人公一家に影を落とす…って書くと暗いように感じますが、まったくそんなことありません!主人公およびその周囲の人々の人物設定が素晴らしく、会話も軽快で、重くなりがちなテーマをこの上なく爽やかに仕上げています。
まさにパラソルの下で読むのにうってつけの一冊だと思います。
1人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2011年10月26日に日本でレビュー済み
超がつくほど厳格だった父親の死後、その父親が実は陰で不倫をしていたという事実が発覚。「なぜ父がそんなことを…」と、残された3人の子供たちが父の足跡をたどっていく物語です。

面白いのは、父のルーツを辿るはずの旅が、同時に兄妹3人の「今」を見つめ直す旅になっていくという点。

3人とも、自分の嫌な部分をすべて父の厳しい教育のせいにして生きてきた。それなのに、父の過去から浮かび上がってくるのは、想像以上に「普通の人」であった父の姿。

結局3人は、何もかも父の責任にして過ごしてきた過去の自分と向き合うことになり、やがては自分の中の父の幻影と折り合いをつけて、自力で前に進むことを決意します。

著者は児童文学出身だからでしょうか、会話のセンスがものすごくいいですね。とくに兄妹3人が互いのことを罵りあうあたりは、お互いの性格描写が実にリアルですばらしいです。

決して大きな事件が起こるわけでもない物語を、最後まで飽きさせずに読ませるのは、この表現力のたまものでしょう。全体に流れるユーモアや暖かみ、緩やかな雰囲気なども魅力ですので、何となくのんびり読書でもしたいなーという人には、かなりお薦めな一冊です。
1人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2010年11月7日に日本でレビュー済み
自分の境遇が両親や生い立ちによるものだという意識は
多かれ少なかれ誰にでもあるのではないか.
そういう普遍的なテーマを扱った作品.

父の死と浮気の発覚,そして父のルーツを追う旅から
厳格そのものだった父の人物像が変化し,
また父自身が恐れた血筋の問題が意外にちっぽけだったという発見を通して
それぞれが父の呪縛から逃れ,新たな人生へのスタートを切る.

大きな事件が起こるわけでもないし,あっと驚く真相があるわけでもない.
結末はむしろ逆なのだが
そんな等身大の姿が,かえってリアルでいい.