こっちを読み、そしてツイラクを読みたくなった。
淡々と書かれている。しかし甘酸っぱいし、ビターでもある。先にツイラクを読めば感想も変わってきただろう。でも先にこちらを
読むことで先入観なしで読めた。昭和の香りの青春だと思う。
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桃 単行本 – 2005/4/1
姫野 カオルコ
(著)
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傑作恋愛小説『ツ、イ、ラ、ク』の登場人物達が綴る6つのせつない物語。
桃は探偵のように、私の場所にひそんで、むかしを窃視する。彼とひとつになりたかった、そのむかしを——。
桃は探偵のように、私の場所にひそんで、むかしを窃視する。彼とひとつになりたかった、そのむかしを——。
- 本の長さ333ページ
- 言語日本語
- 出版社角川書店
- 発売日2005/4/1
- ISBN-104048736027
- ISBN-13978-4048736022
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登録情報
- 出版社 : 角川書店 (2005/4/1)
- 発売日 : 2005/4/1
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 333ページ
- ISBN-10 : 4048736027
- ISBN-13 : 978-4048736022
- Amazon 売れ筋ランキング: - 1,524,868位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 36,022位日本文学
- カスタマーレビュー:
著者について
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姫野/カオルコ
姫野嘉兵衛。1958年滋賀県出身。97年『受難』(文春文庫)が第一一七回直木賞候補、04年『ツ、イ、ラ、ク』(角川文庫)が第一三〇回直木賞候補、06年『ハルカ・エイティ』(文春文庫)が第一三四回直木賞候補、10年『リアル・シンデレラ』(光文社文庫)が第一四三回直木賞候補になった(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
カスタマーレビュー
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2006年11月29日に日本でレビュー済み
先日読んだ『ツ、イ、ラ、ク』と対になっている短編集。
「あの事件」が、様々な視点で、時間経過で、距離感で
描かれています。
「対になっているとはいえ、独立した作品。
『ツ、イ、ラ、ク』未読の人を対象として書いた。」
と、あとがきで作者は語っているけれど、
私は絶対「ツ、イ、ラ、ク」ありきだと思う!
今回『桃』を読んでみて、「ツ、イ、ラ、ク」の
知られざるサイドストーリーが見えてきて、
もう一度「ツ、イ、ラ、ク」を読んでみたくなりました。
作者は当然、とっくにティーンエイジャーは過ぎているんだけど、
なんて描写が緻密でリアルなんだろう〜!
うんうん、そうだったよなぁ〜。って懐かしかった。
早熟な隼子への女子の反応、男子の反応の違いの描写、
すごーく面白かったし、リアルだった。
特に女子ね〜。隼子への嫉妬や嫌悪が蓄積し、
隼子がスケープゴートの如く扱われていくさま・・・
怖かったけど、わかる!
最終章の「桃」が私はいちばんすき。
32歳になった隼子が、14歳の頃を回想するの。
「桃の味と香りは、むかしを思い出させる。
桃を食べると、むかしが追いかけてくる。」
と言いながら、こわごわ過去を思い出して。
ああ、あの時、こういう気持ちだったんだ…
「ツ、イ、ラ、ク」ではわからなかったよ・・・
そうだったんだね…
すごく切なくて。
「ツ、イ、ラ、ク」の中では、34歳で再会する隼子と河本。
あと2年!
もうすぐ、また会えるんだよ。がんばれっ!
って、心の中で隼子を応援してる自分がいました。
とっても潔く、前を向きたくなる本でした。
「あの事件」が、様々な視点で、時間経過で、距離感で
描かれています。
「対になっているとはいえ、独立した作品。
『ツ、イ、ラ、ク』未読の人を対象として書いた。」
と、あとがきで作者は語っているけれど、
私は絶対「ツ、イ、ラ、ク」ありきだと思う!
今回『桃』を読んでみて、「ツ、イ、ラ、ク」の
知られざるサイドストーリーが見えてきて、
もう一度「ツ、イ、ラ、ク」を読んでみたくなりました。
作者は当然、とっくにティーンエイジャーは過ぎているんだけど、
なんて描写が緻密でリアルなんだろう〜!
うんうん、そうだったよなぁ〜。って懐かしかった。
早熟な隼子への女子の反応、男子の反応の違いの描写、
すごーく面白かったし、リアルだった。
特に女子ね〜。隼子への嫉妬や嫌悪が蓄積し、
隼子がスケープゴートの如く扱われていくさま・・・
怖かったけど、わかる!
最終章の「桃」が私はいちばんすき。
32歳になった隼子が、14歳の頃を回想するの。
「桃の味と香りは、むかしを思い出させる。
桃を食べると、むかしが追いかけてくる。」
と言いながら、こわごわ過去を思い出して。
ああ、あの時、こういう気持ちだったんだ…
「ツ、イ、ラ、ク」ではわからなかったよ・・・
そうだったんだね…
すごく切なくて。
「ツ、イ、ラ、ク」の中では、34歳で再会する隼子と河本。
あと2年!
もうすぐ、また会えるんだよ。がんばれっ!
って、心の中で隼子を応援してる自分がいました。
とっても潔く、前を向きたくなる本でした。
2005年4月11日に日本でレビュー済み
姫野カオルコさんの傑作長編小説「ツ、イ、ラ、ク」。
あの物語を軸に、6人の人たちが紡ぐ6つのサイドストーリーからなる短編集です。
「ツ、イ、ラ、ク」で登場した人、しなかった人、あの『事件』に関わった人、関わらなかった人-。
色んな立場から描かれた本作は、続編というには趣きが若干異なりますが、あの世界観に引き込まれた人にとっては、見逃せない作品です。
ほぼ全編に共通するのは「時の残酷さ」でしょうか。
中学生という、ある特殊な期間に身を置いく人たちが持つ残酷さ、
そしてそこから遠く時間を隔てたときに初めて気付く多くのこと。
でもそれはもう決して手に入れることのできないものだと気付いたときの諦観。
そんな粒子がちりばめられている一冊です。
なかでも好きなのは、表題作の「桃」。
32歳になった森本準子ちゃんが、あの頃の気持ちを思い出すモノローグのひとことひとことが、かなしくてきれいでとても切なくなりました。
姫野カオルコさんは、もうずっと読み続けている作家の一人ですが、
前作からより凄さが増したというか、新刊が待ち遠しくて仕方のない作家です。
「ツ、イ、ラ、ク」を読んでない方でも充分堪能できる作品です。
あの物語を軸に、6人の人たちが紡ぐ6つのサイドストーリーからなる短編集です。
「ツ、イ、ラ、ク」で登場した人、しなかった人、あの『事件』に関わった人、関わらなかった人-。
色んな立場から描かれた本作は、続編というには趣きが若干異なりますが、あの世界観に引き込まれた人にとっては、見逃せない作品です。
ほぼ全編に共通するのは「時の残酷さ」でしょうか。
中学生という、ある特殊な期間に身を置いく人たちが持つ残酷さ、
そしてそこから遠く時間を隔てたときに初めて気付く多くのこと。
でもそれはもう決して手に入れることのできないものだと気付いたときの諦観。
そんな粒子がちりばめられている一冊です。
なかでも好きなのは、表題作の「桃」。
32歳になった森本準子ちゃんが、あの頃の気持ちを思い出すモノローグのひとことひとことが、かなしくてきれいでとても切なくなりました。
姫野カオルコさんは、もうずっと読み続けている作家の一人ですが、
前作からより凄さが増したというか、新刊が待ち遠しくて仕方のない作家です。
「ツ、イ、ラ、ク」を読んでない方でも充分堪能できる作品です。
2007年4月2日に日本でレビュー済み
本作はセットとなる前作「ツ、イ、ラ、ク」の続編的短編集。
前作登場人物による周辺エピソードが収録されている。
本作を読むことにより、前作が色濃くよみがえり、そしてより一層深く心に残る。
また、前作では触れられなかった事実も本作では触れられている。
隼子の卒業アルバムの行方。
雪之丞を掻き立てたもの。
あの頃の隼子を遠くで、近くで見つめていた人たち。
補完的短編集と言えば語弊があるのだろうか。
著者姫野カオルコ氏は本作単体でも楽しめるはずと言う。
おそらく本作を読んだ後に前作を読めば、また異なった味わいを得ることが出来ただろう。
本作を後で読んでしまった今、永遠にそれが叶うことがないのが残念だ。
前作登場人物による周辺エピソードが収録されている。
本作を読むことにより、前作が色濃くよみがえり、そしてより一層深く心に残る。
また、前作では触れられなかった事実も本作では触れられている。
隼子の卒業アルバムの行方。
雪之丞を掻き立てたもの。
あの頃の隼子を遠くで、近くで見つめていた人たち。
補完的短編集と言えば語弊があるのだろうか。
著者姫野カオルコ氏は本作単体でも楽しめるはずと言う。
おそらく本作を読んだ後に前作を読めば、また異なった味わいを得ることが出来ただろう。
本作を後で読んでしまった今、永遠にそれが叶うことがないのが残念だ。
2005年8月18日に日本でレビュー済み
直木賞候補作となった「ツ、イ、ラ、ク」の登場人物たちの外伝というべき短編集です。あの桐野が、京美が、雪之丞が、そして準子が、あの街で何を考え、あの「事件」をどう見ていたのか、6つの短編で描きます。
とはいえ、あの事件は遥か十年、二十年も前のこと。当時ですら、必ずしも登場人物全員がすべてを事細かに見知っていたわけではありません。うろ覚えであったり、思い込みであったり、事件は見つめる人々の数だけあったともいえます。
そしてあの事件はそれぞれにとって、とても大きな意味があったり、もしくは何かそんなこともあったっけかなぁというほど些細なものであったりします。
「人間はひとりひとりその人にしかない個性で時間のなかを生きている。」
このあとがきの言葉を最も強く感じさせるのが「青痣(しみ)」という一編です。持て余して仕方ないほどの自我をもつ14歳が学校という集団の中で、 自分は他人とは違う何者かでありたいという強いもどかしさを抱えて生きています。しかし、既にそのときの自分が誰でもない私であったということに、いくつもの年月を重ねた末にようやく気づく。
私が既に私であったことをあの時にどうして気づかせてくれないのか。人生というのは誰に対してもこのようにいたずらをするものなのです。
「いまの日常を忌まない。ここで暮らしているのだ。青痣があり、でも、ここに、わたしはいる。」
「青痣(しみ)」の最後の言葉がずしりと胃の腑に響きました。
とはいえ、あの事件は遥か十年、二十年も前のこと。当時ですら、必ずしも登場人物全員がすべてを事細かに見知っていたわけではありません。うろ覚えであったり、思い込みであったり、事件は見つめる人々の数だけあったともいえます。
そしてあの事件はそれぞれにとって、とても大きな意味があったり、もしくは何かそんなこともあったっけかなぁというほど些細なものであったりします。
「人間はひとりひとりその人にしかない個性で時間のなかを生きている。」
このあとがきの言葉を最も強く感じさせるのが「青痣(しみ)」という一編です。持て余して仕方ないほどの自我をもつ14歳が学校という集団の中で、 自分は他人とは違う何者かでありたいという強いもどかしさを抱えて生きています。しかし、既にそのときの自分が誰でもない私であったということに、いくつもの年月を重ねた末にようやく気づく。
私が既に私であったことをあの時にどうして気づかせてくれないのか。人生というのは誰に対してもこのようにいたずらをするものなのです。
「いまの日常を忌まない。ここで暮らしているのだ。青痣があり、でも、ここに、わたしはいる。」
「青痣(しみ)」の最後の言葉がずしりと胃の腑に響きました。
2005年5月22日に日本でレビュー済み
人は誰しも過去からの延々とした物語を自分のなかに持って生きている、振り返る者もいれば、振り返ることさえ忘れて生きている者も居る。
その延々たる映写機のフィルムを手繰り寄せれば、空を見上げ目を細め懐かしく思い起こされる青春の一頁、或る者は心の昂ぶりを感じた一齣を、そして或る者は白地に付着したシミの様な一齣を思い描くに違いない!
そんな想いを心の片隅に抱きながら人は今日も生きている。
姫野氏の作品を読んで改めてそんな事を感じました。個人的には冒頭の「卒業写真」が好きです。これは読む人によって自分のフィルムの何処と共鳴したかによって違うと思いますが、懐かしい感じがする作品でした。
その延々たる映写機のフィルムを手繰り寄せれば、空を見上げ目を細め懐かしく思い起こされる青春の一頁、或る者は心の昂ぶりを感じた一齣を、そして或る者は白地に付着したシミの様な一齣を思い描くに違いない!
そんな想いを心の片隅に抱きながら人は今日も生きている。
姫野氏の作品を読んで改めてそんな事を感じました。個人的には冒頭の「卒業写真」が好きです。これは読む人によって自分のフィルムの何処と共鳴したかによって違うと思いますが、懐かしい感じがする作品でした。
2005年4月12日に日本でレビュー済み
かつて、同じ田舎町の中学校で同じ時間を共有した人々の物語。
二〇〇三年下半期の直木賞候補となった「ツ、イ、ラ、ク」から一年半のインターヴァルを経てリリースされた連作集です。
「ツ、イ、ラ、ク」では、鮮烈な中学時代を過ごした主人公が、過ぎ去った日々を懐かしむのではなく、ただひたすらに前進してゆく姿が印象的でした。この一冊でも、それぞれの物語の主人公が、過去に影響を受けながらも「今」をしっかり生きている姿が瑞々しく描かれています。
僕は特に、冒頭の「卒業写真」に感銘を受けました。
主人公、安藤健二は、他の作品の主人公と同様に中学時代の出来事に思いをはせます。ただし、彼はそれを単純に懐かしむのでは無く、また過ぎ去った日々として嘆くのでもありません。仕事や家庭など日々の雑事に忙しい今の自分を肯定する糧としているのです。
人は誰しも、生きてきた年月だけ思い出を持っています。それは楽しかったり哀しかったり、良いものだったり忘れたいものだったり、甘いものだったりつらいものだったり様々です。
時には、言い訳の材料にしたり、あきらめの理由にしたり、自慢にしたり、いろいろだと思います。
でも、この小説を読んで、今僕が思うのは、過去を記憶に据えた上で、今の自分を肯定し、さらに今後も永く続く、仕事や生活、つまり人生をしっかり生きていきたい。と言うことでした。
安藤のように、しっかりと人生を生きていきたい。そんなふうに思いました。
二〇〇三年下半期の直木賞候補となった「ツ、イ、ラ、ク」から一年半のインターヴァルを経てリリースされた連作集です。
「ツ、イ、ラ、ク」では、鮮烈な中学時代を過ごした主人公が、過ぎ去った日々を懐かしむのではなく、ただひたすらに前進してゆく姿が印象的でした。この一冊でも、それぞれの物語の主人公が、過去に影響を受けながらも「今」をしっかり生きている姿が瑞々しく描かれています。
僕は特に、冒頭の「卒業写真」に感銘を受けました。
主人公、安藤健二は、他の作品の主人公と同様に中学時代の出来事に思いをはせます。ただし、彼はそれを単純に懐かしむのでは無く、また過ぎ去った日々として嘆くのでもありません。仕事や家庭など日々の雑事に忙しい今の自分を肯定する糧としているのです。
人は誰しも、生きてきた年月だけ思い出を持っています。それは楽しかったり哀しかったり、良いものだったり忘れたいものだったり、甘いものだったりつらいものだったり様々です。
時には、言い訳の材料にしたり、あきらめの理由にしたり、自慢にしたり、いろいろだと思います。
でも、この小説を読んで、今僕が思うのは、過去を記憶に据えた上で、今の自分を肯定し、さらに今後も永く続く、仕事や生活、つまり人生をしっかり生きていきたい。と言うことでした。
安藤のように、しっかりと人生を生きていきたい。そんなふうに思いました。
2006年2月20日に日本でレビュー済み
「Female」というアンソロジーで「桃」を読み、姫野カオルコという作家に初めて出会い、「喪失記」を読み、そして本書を読みました。この方の作品はいろんなところでつながっているのですね。
「桃」だけを読んだとき感じた唐突さが、ずいぶん解消されました。
それにしても、鋭い感性と表現力には驚きです。
次は「ツ、イ、ラ、ク」ですね。早速読みましょう!
「桃」だけを読んだとき感じた唐突さが、ずいぶん解消されました。
それにしても、鋭い感性と表現力には驚きです。
次は「ツ、イ、ラ、ク」ですね。早速読みましょう!