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シャングリ・ラ 単行本 – 2005/9/23
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- 本の長さ592ページ
- 言語日本語
- 出版社角川書店
- 発売日2005/9/23
- ISBN-10404873640X
- ISBN-13978-4048736404
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商品の説明
著者からのコメント
以前からずっと探していた場所がある。東京のシンボルはどこにあるのだろうか。超高層ビルが林立する新宿副都心? 新幹線のターミナル駅である東京駅? それとも誰もが一度は昇ったことのある東京タワー? 果たしてどれが正解なのだろうか。
私が東京のシンボルを探していたのには理由がある。もしいつか東京を舞台に物語を書くことがあるとすれば、東京のシンボルから始めてみたかったからだ。東京には新宿や池袋などエリアを舞台にした物語はあるのに、東京を包含する大きな物語はない。東京はあまりにも巨大でエリアがモザイクタイルのように複雑に絡まった都市だ。これらのエリアを束ねるひとつのシンボルを見つけられなければ、物語は始められない気がした。もしかしたら時代小説における江戸は、東京をまとめるひとつの手段であるのかもしれない。だが江戸は現代の肥大化した東京を的確に捉えているとは思えなかった。
東京のシンボルを探す試行錯誤は一九九八年頃から暇を見て行った。人に会えば「東京のシンボルって何?」と尋ねてばかりいた。しかしどの答えもしっくりくるものではなかった。諸外国の首都には顔となるシンボルが必ずあるのに、東京の曖昧模糊とした顔のなさはいったい何なのだろう。ある人は、その顔のなさが巨大都市東京の特徴なのだと言った。
そんな中、私には密かに楽しみにしていた日があった。二〇〇一年一月一日、二十一世紀到来のカウントダウンの瞬間である。きっとこの日、世界中のメディアが二十一世紀の訪れた瞬間を主要都市を結んで衛星生中継するに違いない。日本人に東京のシンボルがわからなければ、外国人に見つけてもらえばよいと考えたのである。私はテレビに釘付けになった。
二十一世紀が訪れた瞬間、世界各国から祝賀の映像が飛び込んだ。ニューヨークは自由の女神から、パリはエッフェル塔から、北京は天安門広場、シドニーはオペラハウス、ベルリンはブランデンブルク門、モスクワはクレムリン宮殿前からそれぞれ熱狂する市民の映像が届けられた。そして東京は……。どの国のメディアだったか失念してしまったが、なんと浅草の雷門の前から中継していた。これが東京のシンボルなのか、と私は愕然となった。と同時に外国人でさえ捉えられない東京の顔に暗澹たる思いがした。
時は移り二〇〇三年、ヘリコプターで東京を遊覧飛行する機会に恵まれた。もし東京のシンボルが見つけられなければ『シャングリ・ラ』を新宿や池袋などエリアの物語として書く覚悟で搭乗した。
予想に反して上空から東京を見た瞬間、私はすぐに東京のシンボルを発見してしまった。眼下に圧倒的な存在を示していたのは、皇居の森である。それから目に入ったのは新宿御苑の森、明治神宮の森、赤坂御所の森だ。東京にある広大な敷地は全て天皇に関連する土地ばかりである。意外にも東京は緑豊かな森林都市の顔をしていた。
私がストレートに東京のシンボルを捉えられたのは、沖縄人だったというのも大きかったと思う。戦後の天皇タブーのバイアスがかかっていない私は、外国人と同じ視点を持っていた。上空から見た東京は威風堂々たる君主国の顔をしている。しかし多くの日本人がこの視点を無意識に排除しているのではないだろうか。東京のシンボルは森である。それは『シャングリ・ラ』の舞台が決まった瞬間であった。
皇居の森が見えないなら見える形にしてみせよう。それが東京を包含する大きな物語の入口になるはずだ。私はアトラスという未知の空中積層都市の姿を借りて、初めて東京の物語を紡ぐことができた。
もし展望台から東京を見渡すことがあれば、東京の中心に眠る静かな森を見つめてほしい。世界の主要都市のような派手なシンボルではないが、東京人は森を心に秘めて生きている。もしかしたら東京人は、世界一豊かな都市生活者なのかもしれない。
二〇〇五年 九月
池上永一
出版社からのコメント
著者について
登録情報
- 出版社 : 角川書店 (2005/9/23)
- 発売日 : 2005/9/23
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 592ページ
- ISBN-10 : 404873640X
- ISBN-13 : 978-4048736404
- Amazon 売れ筋ランキング: - 345,091位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 31,108位文芸作品
- カスタマーレビュー:
著者について
1970年、沖縄県那覇市生まれ、のち石垣島へ。94年、早稲田大学在学中に「バガージマヌパナス」で第6回日本ファンタジーノベル大賞受賞。98年『風車祭』が注目される。沖縄の伝承と現代社会を融和させた独特の世界を確立し、2008年刊行の『テンペスト』はベストセラーとなる。他の著書に『夏化粧』『ぼくのキャノン』『シャングリ・ラ』『レキオス』『やどかりとペットボトル』などがある。
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
レビューのフィルタリング中に問題が発生しました。後でもう一度試してください。
しかし、僕はレビューの評判で買うかどうかを決めるなとは言えません。
なぜなら僕はこの著者の作品の中でシャングリ・ラだけを読んだことがあるし持っているけれど、他の作品は沖縄が舞台ということなどで関心が薄く、読んだこともないからです。
この作品はかなりエンターテイメント色が強くドキドキさせる展開の連続ですが、チープではないのは、言い換えればパンクロックやガレージロックの名盤と同じだからではないでしょうか。
若者は手放しで夢中になれるけれど、大人は理解しがたく眉をひそめるような作品。
個人的にシャングリ・ラと京極夏彦のルー・ガルーは小説界の中で同じ引き出しに入っている小説だと思います。
ただ、ライトノベルというジャンルに区分されはしないと思います。
とにかく登場人物が不死身で人間離れして強すぎる。まるでアニメの登場人物のようだった。
主人公がブーメランで戦車を倒すなんて、どう考えてもあり得ない。この時点でこの小説を読む気が失せてしまった。
後半に出てくる女医もどう考えても死んでる状況に陥っても全く死なない。あまりにもスーパーマン過ぎる為、完全に引いてしまった。
読書の評価というものは本当に人それぞれなのだと感じた。
かかりましたが、面白かったです。
とにかく、この作品に出てくるキャラは、
皆破壊的で、本能のままに
いきているので、とても危ない。
でもそこがまた、人間らしくていい所です。
この著者は、他にも自然や
環境問題をテーマにした作品を
多く書いているので、
是非読んでみてください。
モモコさんイイb
一通り読んでみたのですがなんか違う。舞台が沖縄じゃないというのは別として、なんか。こぉ読み終わった時の感覚が今までの作品と異なる。
時々クスリとくる面白い部分はあるんですが主人公の女の子が巨大なブーメランで敵を倒すって・・・なんだかなあ。
「バガージマヌパナス」「風車祭」「ぼくのキャノン」など舞台が沖縄の方が自分的に好きでした。
それぐらい没頭させて読ませてしまう。その力量に脱帽。
読者はドゥオモの、ある時はアトラスの、そして迎賓館の住人になり
物語を見つめる・・・感情移入させる手法も素晴らしい。
そしてやたらと膨大な世界観設定に圧倒させられた。何を見ればここまで綿密で説得力のある設定を考え付くのだろうか?
もちろん設定だけでなく謎や伏線、それらの解き方、展開の仕方も申し分ない
しかし、ラストのほうになると出てくる「少年ジャンプ」的なノリや「地球の意思」というのを安易に持ってきてしまうのは個人的にいただけない。
それらを差し引いても素晴らしい作品なのは間違いないのだけど・・・。
ライトに読みたい人にはお勧めできない。
とにかく物語に没頭したい人には最適の一冊だ。
舞台設定の外郭となる部分はとても魅力的だったけど、仔細の描写が稚拙と言わざるを得なかったかな、と。
設定から必然的に生まれるテーマが、どうしても社会的なものに傾いてしまうし、あの裏表紙のプロットを読んで作品を手に取る読者も、実社会との高い相互性を求めてしまうと思うので、ある程度深い取材をした上で取り組まないと、薄っぺらさとか、ハリボテ感が否めなくなってしまうように思えます。そういう意味では挑戦的な設定だったけど、取材不足が原因で、コケちゃった感があります。
当作品と似た設定に、石田衣良氏の「ブルータワー」がありますが、氏の場合は社会的情景をそれなりに抑え込んで、登場人物(特に主人公)の主観に絞って物語を展開してバランスを保ってるように思えるので、その辺の工夫とか器量が著者にもう少しあれば、違った感じがします。
例えば、この小説の軸の一つのなる「経済」に関する著者の考え方は、浅はかかと。
「株」という資産に触れる機会が一般人にも広がってきた現代で、これを軸に添える作品を描くなら、そして、突拍子も無いくらい遠い未来や異次元の世界を描写するのではないなら、もっと現実の「経済」にリンクさせて、説得力を持たせた展開を持ち込んで欲しかったと思います。
ネタバレになるので詳しくは書きませんが、素人なら騙せる、という次元以下の理屈を展開されても、興醒めしますよ。
例えばアニメファン、とか、限定されたある種特異なマーケットには通用するのかもしれません。
でも、「小説を読む」というスタンスで挑むと、読了するのがかなり苦痛です。
「リアル鬼ごっこ」を呼んだ時の衝撃には及ばないまでも、それに近い空気を感じます。
魅力的な設定と(賛否あると思いますが)若い者が次世代を担っていくキャラ設定。
面白く読みました。
ただ、人には勧められないかな・・。
荒唐無稽。もとすれば支離滅裂な方向に行っているとのご意見も
否定できません。
もう少しテーマを絞れば、読みやすかったかな、という気もします。
また、主要人物が不死であるかのごとく、
何度もよみがえるのに対し、
名もなき人たちがいともあっさり亡き者にされてしまう事も
う〜ん。と疑問を感じてしまいました。
しかし、私はそれを踏まえた上でも
面白く読みました。
次作テンペストもそうですが
登場人物が明るい。
この状況でここまで強く明るくいられるものか?
と、(それを軽い、薄いと見る方もおられるでしょうが。)思うほど。
そして、国を憂い、世界を憂い、未来をいい方向へ変えようとする意志。
とんでも、な人物もシーンも出てきながら
飽きずに読み終える事が出来ました。
評価が極端に分かれる話だと思いますので
まずは中身を確認してから購入されることをお勧めします。
くれたらもう満足です。モモコ姉さん最高!オカマパワーに圧倒されま
した。小夜子と涼子の壮絶な戦いに息があがりました。脇役なのになぜ
ここまで盛り上がる?もう誰が主人公になってもおかしくないくらい全
員キャラが立っています。まるで絢爛豪華な絵巻を見ているような錯覚
に陥ります。ここまで物語性のある小説って今はあんまりないんじゃな
いかな。どれも小さい個人的な話ばっかりで、読書がつまらなくなって
いたところでした。久しぶりにでっかい物語に出会えて、またたくさん
本を読むぞって気分になりました。シャングリ・ラ最高!!!