ニートに興味があるとか、スカトロきっついとか、もうぜんっぜんどうでもいいでしょそんな話。
そんなのうわべの話でしょ、見えるとこっていうか。てかアナルで遊ぶくらいのこと経験しときなよ。恥ずかしい。
もっと見てよ、差し込むような、ゆらぎ。油彩みてーに強く滲む、こころ。
34歳、男。この作家の一ファンです。
ニートと2+1は、正直フツーだぞと。別にだぞと。
ベルエポックは、締め付けられるような、ほのぼのとした別れ。
ちなみにベルエポックってのはウィーンだかパリだかの「良き時代」。
へたれは、うわっこうきたかぁあ。心平も草葉の陰でニヤリ。
愛なんかいらねーは、まずスチャダラパーのグッダグダの浮遊感でしょ、で、乾いた切実な二人の交わり。
最高。言葉が好きでよかった、こんな本が読みたかった。
帯通り珠玉の短編集。それどころか、もしかしてあれなんじゃない?オレ、いっちばん好きかも、この本。
秋子ちゃん、きっと自分の書いた本なんて忘れたころにしか読まないんだろうな。
差し込むような、突き抜けるような、ゆらぎ。それ書かしたら、もう全部持ってくからこの人。
なにその持ち上げ方。聞いた事ねえよ(笑
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ニート 単行本 – 2005/10/29
絲山 秋子
(著)
現代人の孤独と寂寥、人間関係の揺らぎを完璧な文体で描いた傑作短篇集。
かけだしの女性作家と、会社を辞め、引きこもりをつづけて困窮を極める青年との淡い関係を描く表題作。大阪の彼女と名古屋の育ての母との間で揺れる東京のホテルマンを描いた「へたれ」他全5篇。気鋭の傑作短篇集。
かけだしの女性作家と、会社を辞め、引きこもりをつづけて困窮を極める青年との淡い関係を描く表題作。大阪の彼女と名古屋の育ての母との間で揺れる東京のホテルマンを描いた「へたれ」他全5篇。気鋭の傑作短篇集。
- 本の長さ169ページ
- 言語日本語
- 出版社角川書店
- 発売日2005/10/29
- ISBN-104048736434
- ISBN-13978-4048736435
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登録情報
- 出版社 : 角川書店 (2005/10/29)
- 発売日 : 2005/10/29
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 169ページ
- ISBN-10 : 4048736434
- ISBN-13 : 978-4048736435
- Amazon 売れ筋ランキング: - 1,489,547位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 35,132位日本文学
- カスタマーレビュー:
著者について
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1966年東京都生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業。住宅設備機器メーカーに入社し、2001年まで営業職として勤務する。03年「イッツ・オンリー・ トーク」で文學界新人賞を受賞。04年『袋小路の男』で川端康成文学賞、05年『海の仙人』で芸術選奨文部科学大臣新人賞、06年『沖で待つ』で芥川賞を 受賞する(「BOOK著者紹介情報」より:本データは『 ダーティ・ワーク (ISBN-13: 978-4087465679 )』が刊行された当時に掲載されていたものです)
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2012年6月26日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
「ニート」
今では言葉の意味する内容が変わってきてしまったが、井上荒野とはまた違ったタイプのダメ男も、やはり普遍的存在なのか? 関係性が変わるのが怖いのは傷付く自分が怖いからとも、優越性に吐き気を覚えるからとも言える。
「ベル・エポック」(『野性時代』2004年7月号)
大切な人の不在はその存在を知るすべての人たちを不在にしなければ成立しない。死者がいつまでも無に還れないのは、生者がいつまでも偲ぶからだ。
「2+1」(『野性時代』2005年8月号)
人を助けようなどと考えてはいけない。男を飼おうなどと考えてはいけない。何故なら、それは惨く簡単なことだから……
「へたれ」(『野性時代』2005年9月号)
彼女の部屋で彼女のベッドと垂直に敷かれた彼の布団が示す彼女のけじめは、やがて彼に育ての親を思い遣らせるのであった。
「愛なんかいらねー」(『新潮』2005年2月号)
なにが正しいかに興味がなくなったら終わりだよ。失うものはもう何もなかった。全くの均衡がそこにあった。こいつら、ほとんど全部細菌だからな。今増殖してんだぜ。生きてるってすげー。だが彼もいつかは家に帰らねばならないのだ。
今では言葉の意味する内容が変わってきてしまったが、井上荒野とはまた違ったタイプのダメ男も、やはり普遍的存在なのか? 関係性が変わるのが怖いのは傷付く自分が怖いからとも、優越性に吐き気を覚えるからとも言える。
「ベル・エポック」(『野性時代』2004年7月号)
大切な人の不在はその存在を知るすべての人たちを不在にしなければ成立しない。死者がいつまでも無に還れないのは、生者がいつまでも偲ぶからだ。
「2+1」(『野性時代』2005年8月号)
人を助けようなどと考えてはいけない。男を飼おうなどと考えてはいけない。何故なら、それは惨く簡単なことだから……
「へたれ」(『野性時代』2005年9月号)
彼女の部屋で彼女のベッドと垂直に敷かれた彼の布団が示す彼女のけじめは、やがて彼に育ての親を思い遣らせるのであった。
「愛なんかいらねー」(『新潮』2005年2月号)
なにが正しいかに興味がなくなったら終わりだよ。失うものはもう何もなかった。全くの均衡がそこにあった。こいつら、ほとんど全部細菌だからな。今増殖してんだぜ。生きてるってすげー。だが彼もいつかは家に帰らねばならないのだ。
2013年10月8日に日本でレビュー済み
無造作につけられたように見えるタイトルに実は裏の意味があって・・・っていうようなコンセプトの短編集かなと思ったんだけど。
最初の表題作「ニート」と最後の「愛なんかいらねー」は、よく分からんけど、真ん中の三篇は以下のようなヒネリがタイトルに込められていると思った。
「2+1」ってのは、2がヒロインと居候で1がルームメイトと思わせといて、実はルームメイトに男を取られてた(ルームメイトと居候が「2」だった)ってことかなと。そういえば『イッツオンリートーク』も九州から来た居候と自称ヤクザがグルになってヒロインを利用したっていう風にも読めたと記憶している。あのヤクザが今でも近所にゆかりがあるのに、幼児期の思い出の公園を探しているってのが不自然な気がした。つまり、騙されたのにしばらく気づかない女を双方の作品は描いていたのではないか?
で、「ベルエポック」ってのは「美しき日々」ってことだけど、死んだ夫との日々が美しいんじゃなくて、その後の日々が美しいってことかと。出だしのところの風景描写にさりげなく「処方薬局」という言葉が出てくるけど、要するに夫を毒殺して、せいせいして美しき日々を迎えられるってことのような気がする。「ふぐすま、うつくすま」でも男との関係を放棄してスッキリする女の話が書かれていた。
「へたれ」は、結婚前に逡巡する男が「へたれ」だと思わせといて、「くそったれ=マザーファッカー(と洋画でよく訳すよね)」ほど酷くない「へたれ=叔母ファッカー」っていう意味かなと。つまり養母である母の妹と性関係があったってこと。『海の仙人』でも年長女と年少男との近親相姦が描かれていた。
で、他の二篇も無理に考えてみたんだけど、「ニート」ってのは、あの居候はけっこう強かなヒモ体質で、いいように寄生されてる女流作家のほうが世知に疎いニート体質っていうヒネリかな?「愛なんていらねー」ってのは乾がそう思ってるのは当然ながら、ヒロインも性的快楽に愛なんて要らないと思っているというヒネリかな?
最初の表題作「ニート」と最後の「愛なんかいらねー」は、よく分からんけど、真ん中の三篇は以下のようなヒネリがタイトルに込められていると思った。
「2+1」ってのは、2がヒロインと居候で1がルームメイトと思わせといて、実はルームメイトに男を取られてた(ルームメイトと居候が「2」だった)ってことかなと。そういえば『イッツオンリートーク』も九州から来た居候と自称ヤクザがグルになってヒロインを利用したっていう風にも読めたと記憶している。あのヤクザが今でも近所にゆかりがあるのに、幼児期の思い出の公園を探しているってのが不自然な気がした。つまり、騙されたのにしばらく気づかない女を双方の作品は描いていたのではないか?
で、「ベルエポック」ってのは「美しき日々」ってことだけど、死んだ夫との日々が美しいんじゃなくて、その後の日々が美しいってことかと。出だしのところの風景描写にさりげなく「処方薬局」という言葉が出てくるけど、要するに夫を毒殺して、せいせいして美しき日々を迎えられるってことのような気がする。「ふぐすま、うつくすま」でも男との関係を放棄してスッキリする女の話が書かれていた。
「へたれ」は、結婚前に逡巡する男が「へたれ」だと思わせといて、「くそったれ=マザーファッカー(と洋画でよく訳すよね)」ほど酷くない「へたれ=叔母ファッカー」っていう意味かなと。つまり養母である母の妹と性関係があったってこと。『海の仙人』でも年長女と年少男との近親相姦が描かれていた。
で、他の二篇も無理に考えてみたんだけど、「ニート」ってのは、あの居候はけっこう強かなヒモ体質で、いいように寄生されてる女流作家のほうが世知に疎いニート体質っていうヒネリかな?「愛なんていらねー」ってのは乾がそう思ってるのは当然ながら、ヒロインも性的快楽に愛なんて要らないと思っているというヒネリかな?
2007年4月7日に日本でレビュー済み
五篇の短編集であるが、うち「ニート」と「2+1」は連携している。
ニート関連作品では、著者はやけにニートである男性に対して、肯定的な考えを持っている。
作品中には、投げ遣りな表現が目立ち、著者の、強く惹き付けられる独特な世界観が素晴らしい。
どうしようもない性を描いた「愛なんかいらねー」は、内容は不快だが、一定のテーマを追求している。
ただし、著者の独特な世界観は、登場人物のそれと同様に、屈折もしている。
この様な作品は、とかく批判されがちだが、一方では、評価されて、文学賞を受賞したりする。
批判の主な対象は、内容や展開の詰めの甘さの問題、表現の不快感などだ。
私は、本書により、深く心を動かされた。
展開や表現の問題を度外視し、理屈ではなく、感覚で読むと、どっぷりと浸る事が出来る。
音楽を耳ではなく、心で聴くのと同様に、本書を眼ではなく、心で読んでみると、深い味わいがある。
本書は、一般的にはウケないと思う。
しかし、十分に評価されるだけの、魅力ある一側面は確かにある。
ニート関連作品では、著者はやけにニートである男性に対して、肯定的な考えを持っている。
作品中には、投げ遣りな表現が目立ち、著者の、強く惹き付けられる独特な世界観が素晴らしい。
どうしようもない性を描いた「愛なんかいらねー」は、内容は不快だが、一定のテーマを追求している。
ただし、著者の独特な世界観は、登場人物のそれと同様に、屈折もしている。
この様な作品は、とかく批判されがちだが、一方では、評価されて、文学賞を受賞したりする。
批判の主な対象は、内容や展開の詰めの甘さの問題、表現の不快感などだ。
私は、本書により、深く心を動かされた。
展開や表現の問題を度外視し、理屈ではなく、感覚で読むと、どっぷりと浸る事が出来る。
音楽を耳ではなく、心で聴くのと同様に、本書を眼ではなく、心で読んでみると、深い味わいがある。
本書は、一般的にはウケないと思う。
しかし、十分に評価されるだけの、魅力ある一側面は確かにある。
2008年2月22日に日本でレビュー済み
表題のニートでは、昔、仲良かった男友達が、
働かず、ひがな、ブログだけを更新してて
週に3回しか食事せず、それが具ナシのインスタントラーメンで
後は、水飲んでくらしてる。
目下の不安は料金滞納で電気をとめられる事。
主人公は、作家をしてて、猛烈に助けてあげたい気分になるんだけど
本人、あげてもいいお金だけど
これをどう受け取ってもらうかとか、
この助けてあげたい気持ちは、愛情なのか何なのか、とモヤモヤしてる。
こういうダメ男に惹かれる女には、この小説、ビビっとくるんだけど
優等生タイプが好きなひとは、読んでてイライラするんだろうなぁ。
泣きながら、「いいから口座番号、さっさと書け!金振り込むから」とか
こういうのに、ぐっと来たりしないんだろうなぁ。
表題のニートの最後の2ページとか、バスで読んでて泣きそうになったけど。
恋愛小説は、この「嗚呼!!」ってカンジがないと。
わたしは、この小説読んで、胸がざわざわしたし、「嗚呼!!」って思った。
働かず、ひがな、ブログだけを更新してて
週に3回しか食事せず、それが具ナシのインスタントラーメンで
後は、水飲んでくらしてる。
目下の不安は料金滞納で電気をとめられる事。
主人公は、作家をしてて、猛烈に助けてあげたい気分になるんだけど
本人、あげてもいいお金だけど
これをどう受け取ってもらうかとか、
この助けてあげたい気持ちは、愛情なのか何なのか、とモヤモヤしてる。
こういうダメ男に惹かれる女には、この小説、ビビっとくるんだけど
優等生タイプが好きなひとは、読んでてイライラするんだろうなぁ。
泣きながら、「いいから口座番号、さっさと書け!金振り込むから」とか
こういうのに、ぐっと来たりしないんだろうなぁ。
表題のニートの最後の2ページとか、バスで読んでて泣きそうになったけど。
恋愛小説は、この「嗚呼!!」ってカンジがないと。
わたしは、この小説読んで、胸がざわざわしたし、「嗚呼!!」って思った。
2005年12月8日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
今までの絲山 秋子の小説に出てくる人物は「あわい」に立っている人々だった。逃亡していても,海で仙人になっていても,あちらとこちらの地続きの中を漂う様が描かれていた。
本作ではついにイッちゃった人々があらわされている。
それもまた現代の断面だと受け取って読めるのか,
共感がしづらくなって物語を手放してしまうのか,
切実な物語だと手放せなくなるのか,
非常に異なったとらえられ方をする小説だろう。
個人的な感じ方ではひざを打つところも多々あったけれども,
読んでいてそこまではきついなも多しでした。
ひねこびてはいるものの学問への夢あふれた青年が,
転落の末に見出した実存が****だったというのはねぇ・・・・
私まだ夢もって生きていたいです。
本作ではついにイッちゃった人々があらわされている。
それもまた現代の断面だと受け取って読めるのか,
共感がしづらくなって物語を手放してしまうのか,
切実な物語だと手放せなくなるのか,
非常に異なったとらえられ方をする小説だろう。
個人的な感じ方ではひざを打つところも多々あったけれども,
読んでいてそこまではきついなも多しでした。
ひねこびてはいるものの学問への夢あふれた青年が,
転落の末に見出した実存が****だったというのはねぇ・・・・
私まだ夢もって生きていたいです。
2008年7月8日に日本でレビュー済み
淡々とした中に燻り続ける仄かな想い。
短編なのに一つ一つ繋がりがあって面白い。
短編なのに一つ一つ繋がりがあって面白い。
2005年12月1日に日本でレビュー済み
『袋小路の男』で描かれていた男女間を思い出した。
主人公の女が年月を経てもほっとけない男。
その男がニートになったのを知る。
もちろんほっとけないから、金を送金したり、家に呼んだりする。
でも永久に一緒ではなく短期だけ・・・それって!?
ニートを囲った女の話にしか感じられず、ニートより自己愛の方が印象に残る
表題以外の作品も、へたれな男が責任から逃げる様子や
スカトロに嵌っていく男女とか
自己愛で満腹になる
主人公の女が年月を経てもほっとけない男。
その男がニートになったのを知る。
もちろんほっとけないから、金を送金したり、家に呼んだりする。
でも永久に一緒ではなく短期だけ・・・それって!?
ニートを囲った女の話にしか感じられず、ニートより自己愛の方が印象に残る
表題以外の作品も、へたれな男が責任から逃げる様子や
スカトロに嵌っていく男女とか
自己愛で満腹になる