ある大学に通う学生たちを主人公にした連作オムニバス。
今度の主人公はさっきの短編の通行人で、その次の主人公はその前の小説の友人で、という具合に、同じキャンパスの中のあちらこちらにスポットをあてるかのように、進んでいく。
神田川から連想されるこの大学を私は知っている。
私がこのキャンバスに足を踏み入れることは2度とあるまいし、こんな甘酸っぱくも気恥ずかしくもがきまくる日々も2度と来ない。むしろ、なくていい。
私の知っている時代から時間が経ち、この本が執筆されてからも時間が経っているから今現在とは違うのかもしれないけれども、違うのは服装や小物やいくらかの言葉遣いであって、心根はきっと変わっていないのかもしれない。
万能感に満ちた自己愛の傷つきを通して、等身大の自己を引き受けるしかない。そんなお年頃が他人事だから微笑ましかった。
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神田川デイズ 単行本 – 2007/5/1
豊島 ミホ
(著)
- 本の長さ275ページ
- 言語日本語
- 出版社角川書店
- 発売日2007/5/1
- ISBN-10404873766X
- ISBN-13978-4048737661
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登録情報
- 出版社 : 角川書店 (2007/5/1)
- 発売日 : 2007/5/1
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 275ページ
- ISBN-10 : 404873766X
- ISBN-13 : 978-4048737661
- Amazon 売れ筋ランキング: - 143,917位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 3,731位日本文学
- カスタマーレビュー:
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2017年9月15日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
・ネットでこの本の名前を見つけた。「大学生活を描いた作品の中でも、大学生活に馴染めずにいる人々をメインに描いた作品」ということだったので、新鮮に感じて読んでみた。
・作品の構造としては”群像劇(グランドホテル形式)”と呼ばれる、章ごとに主人公が変っていく方式を採っていて、前の章の主人公が次の章でわき役として登場してきたりする。これによって前作の登場人物のその後が描かれており、ストーリーに厚みを持たせている。
・「大学を舞台にした非日常的な物語」を書いた作品はたくさんあるが、この作品の様に、大学生になった人々の「リアルな日常(デイズ)」を描いた作品は現実味があり、大学生の自分には共感できることが多かったし、登場人物のキャラクターも親しみやすいものとなっている。
・大学生活を通しての期待と不安、希望と挫折、苦悩を抱えながら歩む人々の描写がとても美しく感じた。
・作品の構造としては”群像劇(グランドホテル形式)”と呼ばれる、章ごとに主人公が変っていく方式を採っていて、前の章の主人公が次の章でわき役として登場してきたりする。これによって前作の登場人物のその後が描かれており、ストーリーに厚みを持たせている。
・「大学を舞台にした非日常的な物語」を書いた作品はたくさんあるが、この作品の様に、大学生になった人々の「リアルな日常(デイズ)」を描いた作品は現実味があり、大学生の自分には共感できることが多かったし、登場人物のキャラクターも親しみやすいものとなっている。
・大学生活を通しての期待と不安、希望と挫折、苦悩を抱えながら歩む人々の描写がとても美しく感じた。
2015年9月14日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
意外とありきたりな大学生の日常が書かれた本。自分と重ねられる部分があるし、内容はあっさりしているので読みやすい。ただ、読み終わった後、とてもおもしろかったとは言えない。
2013年11月15日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
この作品は、他の青春小説に描かれているような
キラキラした世界は描かれていません。
さえない人々の、さえない日常やさえない交流。
それがユーモラスに、時には切実に描かれています。
すべての人々におすすめできる小説ではないですが、
私を含む一部の人々には、共感とともに面白さを感じるんじゃないかな。
キラキラした世界は描かれていません。
さえない人々の、さえない日常やさえない交流。
それがユーモラスに、時には切実に描かれています。
すべての人々におすすめできる小説ではないですが、
私を含む一部の人々には、共感とともに面白さを感じるんじゃないかな。
2017年2月6日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
「これから長い時間をかけて『ただの思い出』とか『若気の至り』とかそういうものになってくれるのだろうか」。
再読。東京・神田川のマンモス私立大(≒早稲田大学)生の連作短編集。
居場所のなさ、何者でもなさにへのもがきを丁寧に描く。
再読。東京・神田川のマンモス私立大(≒早稲田大学)生の連作短編集。
居場所のなさ、何者でもなさにへのもがきを丁寧に描く。
2007年5月30日に日本でレビュー済み
初豊島ミホ作品でした。
もちろん、「イマ」の大学生の生活を描いているんだけど、
すごく懐かしい感じがしました。
入学したての
緊張と不安。
友だちできるだろうか?とかサークル何に入ろうか?とか。
慣れてくれば
学校だるいなぁ〜、休んじゃえ、とか
バイトに精出したり
恋愛に走ってみたり、
試験前にはあせって勉強して
できるだけ優の数を増やそうとして、
3年生くらいから就活して
自分の希望と現実にゲンナリして
それでも頑張っていこうと心に決めて・・・。
そんな4年間を思い出させてくれる作品でした。
ただ、どんな生活を送っていても
この作品に登場する人物たちはわりと輝いてるんだよね。
実際にはそうでなかったりもするんだけど・・・。
すごく爽やかな作品でした。
もちろん、「イマ」の大学生の生活を描いているんだけど、
すごく懐かしい感じがしました。
入学したての
緊張と不安。
友だちできるだろうか?とかサークル何に入ろうか?とか。
慣れてくれば
学校だるいなぁ〜、休んじゃえ、とか
バイトに精出したり
恋愛に走ってみたり、
試験前にはあせって勉強して
できるだけ優の数を増やそうとして、
3年生くらいから就活して
自分の希望と現実にゲンナリして
それでも頑張っていこうと心に決めて・・・。
そんな4年間を思い出させてくれる作品でした。
ただ、どんな生活を送っていても
この作品に登場する人物たちはわりと輝いてるんだよね。
実際にはそうでなかったりもするんだけど・・・。
すごく爽やかな作品でした。
2007年12月26日に日本でレビュー済み
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大学時代を思い出しました。懐かしくて、寂しくて、あったかい小説でした。
わかるな、そうだったな、が、いっぱいあった短編集でした。
連作というか、いろんな学生に順に焦点を当ていって、
でも、どの話にも「モラトリアム期」の自由な生活と
将来への不安と期待が描かれています。
普通の人の心のひだを描ける作家さんです。
今一番の注目作家さんです。
わかるな、そうだったな、が、いっぱいあった短編集でした。
連作というか、いろんな学生に順に焦点を当ていって、
でも、どの話にも「モラトリアム期」の自由な生活と
将来への不安と期待が描かれています。
普通の人の心のひだを描ける作家さんです。
今一番の注目作家さんです。
2020年2月29日に日本でレビュー済み
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神田川近くにあるW大学のいまいちサエない残念系大学生たちの日常の交友を描いたオムニバス形式の小説。それぞれ独立した物語が交差し、登場人物たちも部分的に共通している。
それぞれの残念さに共感できるけれども、あまりにも日常的すぎて、どこか物足りない。もう少しラディカルさがほしいし、少なくとも何かインパクトのある事件がほしかった。
それぞれの残念さに共感できるけれども、あまりにも日常的すぎて、どこか物足りない。もう少しラディカルさがほしいし、少なくとも何かインパクトのある事件がほしかった。