主人公である高校3年生のアザミは明るくて髪の毛や矯正のゴムの色が派手なところがわたし好み。
赤い髪に黒のフレームの眼鏡で音楽鑑賞がなによりも好きなアザミと真っ黒のクセ毛、モノトーンで統一の一見真面目でぶっ飛んでる友人のチユキは見た目が正反対で面白い。
最初見たとき「NANA」みたいな感じかと思ったがめちゃくちゃ青春ストーリーでした。
音楽にしか興味がなくて、将来の夢もなく、受験にも行き詰まっているアザミはどことなく自分と似ている。結果的に受験には失敗してしまったけれど、なんだかんだでも周りの意見を取り入れているアザミはとても偉いなぁ、と。アザミとわたしの違いは素直に周りの意見を聞くことや仕事や夢を見つけようと頑張っているところ。アザミは好きなことのジャンルはある程度きまっているので、めっちゃ羨ましい。夏休み補講になってしまったとき悲しんでる子に対して「数学15点以上取ったことない」と励ましているのは、わたしに似ていて口角があがった。
トノムラが出てきて、音楽の話題になったときアザミとバンドを組む流れかと思ったけど、読む限りそこまで仲良くなることもなく想像と違って面白かった。でも、トノムラの音楽への愛は後半になるほど伝わった。
最後いつも付けてるヘッドホンを外して、自分の道に進むチユキとも別れて、新しい道に進もうとしているアザミに瞳孔が開いた。
疎遠になってしまっても二人には関係を保ってほしいという気持ちと共に、私自身も、今仲良くしてくれている友達とも何らかの形で繋がっていたりたまには集まったりしたいなと思った。
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ミュージック・ブレス・ユー!! 単行本 – 2008/7/1
津村 記久子
(著)
「音楽について考えることは、自分の人生について考えることよりずっと大事」な高校三年生のアザミの1年間は、焦燥感と疾走感にみちあふれた、至極まっとうにかけがえのない日々……。新たな青春小説の金字塔が登場
- 本の長さ218ページ
- 言語日本語
- 出版社角川グループパブリッシング
- 発売日2008/7/1
- ISBN-104048738429
- ISBN-13978-4048738422
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登録情報
- 出版社 : 角川グループパブリッシング (2008/7/1)
- 発売日 : 2008/7/1
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 218ページ
- ISBN-10 : 4048738429
- ISBN-13 : 978-4048738422
- Amazon 売れ筋ランキング: - 789,201位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 18,070位日本文学
- カスタマーレビュー:
著者について
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2022年2月1日に日本でレビュー済み
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著者の描く女性はしばしば正義感(というとちょっとズレるかもしれないけれど、ファエじゃないことに納得しない気持ち)が強い。本書の主人公アザミも、親友チユキを傲慢な態度で振り、勉強でもズルをした男を罵倒するし、アザミより行動力(?)のあるチユキは、文化祭で女の子に心ない発言をした男子生徒を誘い出してトイレの掃除用具入れに閉じ込めたり。それらが快く感じられるのは、いずれも自分がではなく他人がアンフェアな仕打ちをされたことに怒るからだ。『君は永遠にそいつらより若い』が共苦の物語であるならば、本書は共怒の物語と言ってもいい。
全体としては、ゆるゆるとした日常の中の将来への不安やささやかな希望、そしてなにより音楽の物語なのだが、私は上に書いたところがもっとも印象的だった。
全体としては、ゆるゆるとした日常の中の将来への不安やささやかな希望、そしてなにより音楽の物語なのだが、私は上に書いたところがもっとも印象的だった。
2016年9月4日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
ブックオフで探すのが面倒で、受け取りに署名が必要なく郵便受けに入れてくださる、という点で大変満足です。
2012年7月21日に日本でレビュー済み
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読み始めてすぐに、ああ、この作者は小説(を書くこと)が好きなんだ、と思わせた。ついで時には不手際なエピソードを味わいつつ、初稿はきっとそのまま書いただろう、とか、このエピソードは浮いているから(ただし作者が実際に経験したか新聞で読んだかしたのだろうが)、これで話を引っ張る気だろう、とか、手前勝手だが殆ど当たりの想像をしているうちに、小説の語り手が作者のイメージと入れ代わっていた。作者が小説を書くという行為を選ばなかった、あるいは選ぶ前の姿が語り手に重なったのだ。無粋だが、素晴らしいテクニックだ。題名の後に『ミス・オケタニ』と付けなかったのは、作者の照れか? かなり多そうな不特定多数の凡庸な青春を巧みに抽出したノスタルジックな要素が嫌味ない辺りも凄い。
2019年4月27日に日本でレビュー済み
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若いときって、自分のことがよくわからない。自己嫌悪の塊だったり。でも、外から見るときらきらしてて。主人公に、あんた、いいやつだよ、頑張って大人になれよと思うし、私はどうだったんだろうと思いました。いい本でした。
2014年11月2日に日本でレビュー済み
私は作者の作品を殆ど読んでいるのだが、本作が一番詰まらなかった。得意の「OL応援歌」路線とは異なり、女子高生を対象にしているせいもあるのだが、作者の意匠がサッパリ理解出来なかった。登場人物の日常の些細な出来事をユーモア味を漂わせて描き、読む者に共感・勇気を与えるという作者の持ち味が全く出ていない。
女子高生同士の友情を描いている訳でもなければ、恋愛模様を描いている訳でもなければ、「音楽」だけが生き甲斐のヒロインの成長振りや将来に対する夢・希望を描いている訳でもない。統合失調症気味のヒロインの日常を単にダラダラと描いているだけの無為の内容。
多くの人が人生を振り返った時に、(大学時代もそうだが)「高校時代ってモラトリアム期間だったんだなぁ~」と読者に共感させる点だけが唯一の取り柄(これが作者の意匠かもしれないが)の凡作だと思った。
女子高生同士の友情を描いている訳でもなければ、恋愛模様を描いている訳でもなければ、「音楽」だけが生き甲斐のヒロインの成長振りや将来に対する夢・希望を描いている訳でもない。統合失調症気味のヒロインの日常を単にダラダラと描いているだけの無為の内容。
多くの人が人生を振り返った時に、(大学時代もそうだが)「高校時代ってモラトリアム期間だったんだなぁ~」と読者に共感させる点だけが唯一の取り柄(これが作者の意匠かもしれないが)の凡作だと思った。
2011年2月3日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
08年刊行。デビュー作"君は永遠にそいつらより若い"ではその胸をえぐる変化球に驚いたが、本作でもまた、このタイトル/装丁から想像される凡百の「青春小説」からは大きく逸れる軌跡に意表を突かれる。
高校3年生、女子にしてはのっぽでメガネ、髪を赤く染め歯列矯正のブレースをしたアザミが、メンバー間の諍いからビンタを喰らい、ぼんやりとこのバンドも終わりかー、と思いを巡らせるところから物語は始まる。散乱したリュックの中身と同様に、アザミの一種混乱した思考に引き込まれるような感覚を覚えるが、この小説全体に滲む感覚もまた、ぐるぐると説明し難いエモーションの渦巻きだ。そもそもが人間のアタマん中、そうそうキレイに整理されとるわけでなし、この色んな感情の多重衝突状態こそがリアルなんだろう。だから、というわけはないが、この物語は、とあるバンドの奇跡のような青春の一コマを描き出さないし、箱庭のように美しいノスタルジック譚を創造することもない。あるのは、味気ないまでの現実だ。
と同時にそこには、電車の隣に座ったおよそ頭が良さそうには見えない女子高生が、広げた足の間に頭を挟み、何やらウーウーとうなり声を挙げておるその溺れるような葛藤や、他人に理解されないもどかしさ、あるいは理解できないことの悔しさみたいな感覚が、ちょっと並でない強さで溢れている。
つまるところ、美しくショートカットされることのないアザミの思考や行動は、傍目にもごちゃごちゃとしておよそスマートじゃあないが、それがゆえに切実で、大切な感情をいくつもいくつも浮かばせる。彼女は自分の限界に少なからず自覚的だし、出来ることがそう多くないことにも気づいている。とは言え「私は私だ」と達観できるはずはなく、泣きたくなるような苛立ちや、どうしようもない焦燥感こそが日常だ。アザミが唯一「他人と違って」いるところ、それが音楽(主にMxPxやSUM41といったアメリカのインディー・パンク)への依存度だろう。それにしたってアザミはそれが「人より優れている」なんて思ったことはなく、むしろ「恥ずかしい」と感じているようだ。自分と同じように音楽へ依存している同級生のトノムラに対する、こんな記述がある。
しかし、このトノムラという人間は自分より恥ずかしいかもしれない、とアザミは直感した。他者により多くの期待をして、自分より多く裏切られてきたかもしれない、と。
タイトルから漠然とイメージされる、音楽がもたらす奇跡のような福音、そんな「小説」めいた展開は用意されていない。が、十代というまだそう広くない世界だからこそ生まれうる、切実でかけがえのない感情が、音楽という"空気"を通してかつて自分の中にあった(かもしれない)感覚と共鳴する、そんな特異な青春小説。こんなの、なかなか書けんだろう。読後、内に残響する感覚がとても心地よく感じられた、他にあまり類を見ることのない良作。
高校3年生、女子にしてはのっぽでメガネ、髪を赤く染め歯列矯正のブレースをしたアザミが、メンバー間の諍いからビンタを喰らい、ぼんやりとこのバンドも終わりかー、と思いを巡らせるところから物語は始まる。散乱したリュックの中身と同様に、アザミの一種混乱した思考に引き込まれるような感覚を覚えるが、この小説全体に滲む感覚もまた、ぐるぐると説明し難いエモーションの渦巻きだ。そもそもが人間のアタマん中、そうそうキレイに整理されとるわけでなし、この色んな感情の多重衝突状態こそがリアルなんだろう。だから、というわけはないが、この物語は、とあるバンドの奇跡のような青春の一コマを描き出さないし、箱庭のように美しいノスタルジック譚を創造することもない。あるのは、味気ないまでの現実だ。
と同時にそこには、電車の隣に座ったおよそ頭が良さそうには見えない女子高生が、広げた足の間に頭を挟み、何やらウーウーとうなり声を挙げておるその溺れるような葛藤や、他人に理解されないもどかしさ、あるいは理解できないことの悔しさみたいな感覚が、ちょっと並でない強さで溢れている。
つまるところ、美しくショートカットされることのないアザミの思考や行動は、傍目にもごちゃごちゃとしておよそスマートじゃあないが、それがゆえに切実で、大切な感情をいくつもいくつも浮かばせる。彼女は自分の限界に少なからず自覚的だし、出来ることがそう多くないことにも気づいている。とは言え「私は私だ」と達観できるはずはなく、泣きたくなるような苛立ちや、どうしようもない焦燥感こそが日常だ。アザミが唯一「他人と違って」いるところ、それが音楽(主にMxPxやSUM41といったアメリカのインディー・パンク)への依存度だろう。それにしたってアザミはそれが「人より優れている」なんて思ったことはなく、むしろ「恥ずかしい」と感じているようだ。自分と同じように音楽へ依存している同級生のトノムラに対する、こんな記述がある。
しかし、このトノムラという人間は自分より恥ずかしいかもしれない、とアザミは直感した。他者により多くの期待をして、自分より多く裏切られてきたかもしれない、と。
タイトルから漠然とイメージされる、音楽がもたらす奇跡のような福音、そんな「小説」めいた展開は用意されていない。が、十代というまだそう広くない世界だからこそ生まれうる、切実でかけがえのない感情が、音楽という"空気"を通してかつて自分の中にあった(かもしれない)感覚と共鳴する、そんな特異な青春小説。こんなの、なかなか書けんだろう。読後、内に残響する感覚がとても心地よく感じられた、他にあまり類を見ることのない良作。
他の国からのトップレビュー
Francesco
5つ星のうち5.0
Ottimo, consigliato.
2019年1月18日にイタリアでレビュー済みAmazonで購入
Arrivato prima del previsto in ottime condizioni.