【ネタばれ】
八重山に流刑になった孫寧温。
流人のみでありながら、
同志として王国府に上がった喜捨場朝薫により、
比較的不自由しない生活が用意されていた。
そんな寧恩のいる八重山に、
ふたたび、外国船籍の船がやってきた。
無理難題を押しかけられた八重山官僚に助けを求められ、
鮮やかに問題を解決する。
そして遠くない将来に、
琉球王府のある沖縄本島そのものが危ういことを予見し、
そのことを王府に知らせようとするが、
逆に流刑を受けてないことがばれてしまい、
新しい八重山官僚に、
王府時代に逆恨みを受ける寧温。
そして、チフスにかかってしまう。
山奥に捨てられた寧温は、
病気に苦しみながらも一命を取り留める。
そして、寧温の姿を捨て、
真鶴となって、暮らすこととなった。
そんな彼女は、
ふとしたことから、王府へ行くチャンスをえることとなる。
首をもたげてくる寧温としての自分。
一刻も早く国を救いたい思いから、
そのチャンスをものにする。
ところがそれは、王の側室候補としての集団試験への参加だった。
複雑な思いを持ちながらも、
真鶴は、側室となることになる。
そこでは、かけがえのない親友となる同じ側室の真美那と出会い、
これまでとは違う“性”で王府に生きる真鶴がいた。
そんな折、
ついに黒船がやってくる。
絶体絶命の琉球王府を救うために、
王が白羽の矢を立てたのは、
八重山に流刑となっている孫寧温だった。
かつてない恩赦によって王府に呼び戻される寧温。
鮮やかに、ペリーを口説き落とし、
有名無実な条約を結ばせることに成功する。
昼は宦官として、夜は側室として、
寧温と、真鶴の二重生活が始まった。
そしてついに、
真鶴が王の子を身籠ることになる。
これまで、琉球王府を守ることを第一としてきた、
真鶴=寧温だったが、
母となることにより、いよいよ真鶴>寧温と変わりつつある。
しかし、
嫉妬に狂った兄により、
真相が明かされてしまう。
琉球王国史上、いまだかつてない大事件となってしまった!!
確かな史実をベースに、
ダイナミックな展開により、
まったく飽きることなく、大長編を一気に読んでしまった。
読後にネットで検索してみると、
史実と重なることがあまりにも多く、感動。
また、沖縄独特の“神”についても、
物語の底辺を支えており、
主人公のみならず、
あらゆる登場人物たちが魅力的に描かれている。
ひとえに作者の、琉球愛以外の何物でもない。
作中の孫寧温の言葉を借り、
何度も出てくる“琉球独立論”は、おそらく作者の本音だろう。
それも、目に見える、明らかの独立ではなく、
現在の体制を維持しながらも、
実質的な自立を訴えるものである。
そしておそらく、
その願いや、あり方は、
ずっと昔からの“沖縄”の姿そのものなのだろう。
そこまで見透かして、
過去の史実を題材に、
未来を語る作者の筆力に、脱帽しました。
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テンペスト 下 花風の巻 単行本 – 2008/8/28
池上 永一
(著)
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黄昏の美しい王国にペリー来航。近代化の波に立ち向かう宦官兼側室の真鶴。しかし破天荒な一人二役劇は突然幕を閉じる―。時代の変わり目を嵐(テンペスト)となって生き抜いた王宮人の苛烈な愛と涙の物語。
- 本の長さ427ページ
- 言語日本語
- 出版社角川グループパブリッシング
- 発売日2008/8/28
- ISBN-104048738690
- ISBN-13978-4048738699
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商品の説明
著者について
1970年沖縄県生まれ。早稲田大学在学中に「バガージマバヌス」で第6回日本ファンタジーノベル大賞を受賞する。
登録情報
- 出版社 : 角川グループパブリッシング (2008/8/28)
- 発売日 : 2008/8/28
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 427ページ
- ISBN-10 : 4048738690
- ISBN-13 : 978-4048738699
- Amazon 売れ筋ランキング: - 696,197位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 61,925位文芸作品
- カスタマーレビュー:
著者について
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1970年、沖縄県那覇市生まれ、のち石垣島へ。94年、早稲田大学在学中に「バガージマヌパナス」で第6回日本ファンタジーノベル大賞受賞。98年『風車祭』が注目される。沖縄の伝承と現代社会を融和させた独特の世界を確立し、2008年刊行の『テンペスト』はベストセラーとなる。他の著書に『夏化粧』『ぼくのキャノン』『シャングリ・ラ』『レキオス』『やどかりとペットボトル』などがある。
カスタマーレビュー
星5つ中3.9つ
5つのうち3.9つ
35グローバルレーティング
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上位レビュー、対象国: 日本
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- 2010年5月21日に日本でレビュー済みAmazonで購入
- 2011年10月6日に日本でレビュー済みAmazonで購入話は確かに面白いです。
今まであまり扱われなかった琉球王国の歴史大河を描き、琉球視点の日本や列強を描くというのも実に興味深かったです。
それに何より、頭脳明晰な男装の麗人という主人公の数奇な人生には魅力があります。
しかし・・・・。
肝心の表現は、品格に欠け、軽く、ラノベか?と思わせるようなノリの軽さ・・・。中学生くらいにも書けそうなお粗末な文章に興ざめせざるをえません。
なかでも辟易としたのが、「ルンルン」「ちょい悪」「お馬鹿」などの現代語、口語の数々。ここには書けないようなあまりに下品で即物的な言葉の羅列にはうんざりします。
文体も、非常に軽く、粗野。芸術性には程遠いといわざるをえません。唐突な展開の流れも多く、題材からすると、あまりにその表現手段が軽い気がします。この程度の文章力で小説家になれるのか?とさえ思ってしまいました。
さらに・・・。
全体に心理描写が単純で雑、かつ男性目線を抜けきれず、男装の麗人が登場してもなんとなく「リボンの騎士」でサファイヤと亜麻色の髪の乙女が入れ替わる単純さの粋をあまり脱していないような気がします。
寧温の心の声がいかに真鶴のそれだからといって、いきなり「・・・だわ」「・・・よね」にも興ざめしますし、雅博や首里天加那志との関係にしても、寧温=真鶴が見抜けないまま、関係が進んでいくのはあまりに不自然。
漫画っぽいといわれるのはこの単純さ故と納得しました。
- 2013年12月7日に日本でレビュー済みAmazonで購入この本、ここ2ー3年で読んだ本でベスト5に入るぐらい気に入ってるので、こうまでレビューが割れているのにびっくりしました。
どなたかも書いておられましたが、韓国ドラマの時代ものに近いかも。おおまかな史実は合ってるけど細部が創作でエンタメ。「ときめき成均館スキャンダル」とか。あと氷室冴子の創作時代劇系にも近いかも。韓国ドラマも氷室冴子も、少女漫画も大好きなもので、違和感はなかったです。
時代物でも米村圭伍さんみたいな、ですます体ほんわか時代劇シリーズもあるし、歴史小説の神様みたいな司馬遼太郎だって、龍馬がいく、でいきなり作中に著者が「登場」、著者の感想やら時代背景やら語っちゃうという暴挙?もありますし、これはこういう小説としてアリだと思いました。
題名はシェイクスピアの「テンペスト」からとってるんでしょう。でもこの作品は主人公の女性→男性、主人公の兄→踊奉行で女形的な役目、さらに上巻から下巻で、もう一段階おお!という展開なので、ダブルテンペスト、トリプルテンペストとでもいいたくなるような、、、キャラクターたちの個性(特に女性陣)、ドラマティックな展開、琉球王朝末、幕末の歴史が重なってジェットコースター的にお話が進んで、おもしろかった。
地の文が妙に現代的で時々英語が交じるのには違和感は覚えますが、翻訳小説でも、日本語の本でもラノベじゃなくたって、え?っていう日本語の本、ありますよ。あと沖縄という土地自体、日本という国に組み入れられてからの歴史も浅く、その上アメリカ軍に占領されていた土地なので、著者にとって、日本語は微妙に外国語なのかもしれない、それも影響してるのかもって思いながら読んでました。
石垣島を旅したとき、現地の方で、沖縄は日本っていうけど、琉球はまだ日本って名前に替わってそんなに経ってないよ、冷めた口調で言われる方もおられたました。著者自身、ある時自らを琉球人、と呼んで初めてしっくりきた、と別のエッセイで書かれてますし、そういう出自の作者でなければ書き得ないストーリーだと思います。
武装せず、外交で国を支えた国家、踊り奉行ほか、独自の文化や美意識を持ち、それが外交の重要な役割を担っていたのではないかという国家、というのは非常に特異な国家で、理想的な国家のようにも思え、琉球人ということに誇りを持ちながら今は「日本人」とくくられてしまう、ある意味二重国籍的な立場の著者からの、今の日本の在り方はどうなのか、というメッセージを感じないでもない話で、もしそうならば、それをエンタメで語れるのってすごいと思いますが。
ちなみに琉球の庶民の生活(現実には理想国家と言い切れなかった部分)は、spin off的な「トロイメライ」で書かれていて、こちらは連作短編集、また味わいが違うので、テンペストと補完する意味でも、単発でこちらからでも読んでみてもよいのでは、と思います。
池上さんの作品は好きでけっこう読んでます、SFは割と好きなほうです、でも、むしろ「シャングリラ」のほうがご都合主義に感じました。
- 2012年2月8日に日本でレビュー済みAmazonで購入八重山に住んで8年経ちました。石垣島や西表島は確かに、沖縄県の中ではかなり山の多い島です。
主人公が八重山に流刑になりながらも、東シナ海と太平洋の間を渡る洋上で大海原を目の当たりにするところとか、於茂登岳がそびえたつ表現だとか、沖縄本島と全く異なる文化圏だということに戸惑うだとか、そういったところは筆者が初めて石垣島に来たときの感想をなぞらえてるのだろうなという感覚に支配されて、下巻は物語としての楽しみがちょっと半減してしまいましたが、面白いお話でした。
首里天加那子との関係だとか、その事件とその事件の間って何年?ちょっと待てよ何歳だった?っといったところの矛盾はままありますが、よくもこう盛り込めたなと圧巻です。
八重山は沖縄戦で強制移住させられた先で、マラリアが発生し集落単位で壊滅状態になった歴史が多々あり、そのマラリアにかかったばかりに、牢からの監禁が解かれ、名蔵の谷間に捨てられるなんて、筆者が八重山で過ごされたからこそ出てくる発想ですよね(ちなみに名蔵あたりに以前はよく犬や猫が捨てられたりしていたそうです)。恋人のいる黒島をみようと野底岳に登ったマーペーという娘が石になったという昔話があります。真鶴が石になるなと言われながら於茂登岳に登って絶望するところ、野底マーペーと同じです。
於茂登岳、テレビの電波塔たっていますが、そこだけでは裏石垣すべてをカバーできず、川平半島にも電波塔たっています。それくらいの大きさでしかない於茂登岳ですが、確かに近くからみると何か霊山のような感覚も・・・、沖縄県の中では最も高い山ですから。
教養のないマーペーと頭脳明晰な真鶴が同じことをするというのは、ちょっとガッカリなところも感じました・・・
石垣島南西部の富崎には唐人暮があるのは知っていましたが、そういう話のものだとは露程も知りませんでした。
八重山では年中行事で一番大切なのは、十六日祭です。旧暦の1月16日はあの世(グソー)のお正月だとかで、親戚みんな墓前に集まるそうです。学校すら休みになります。その後生(グソー)は、死んだときのまま身分が受け継がれるなんて、あまり考えたことはありませんでした。ただ、その感覚が沖縄の人に強いからこそ、聞得大君の真牛にも、真鶴の兄嗣勇にも最後の生き様にふさわしいものを与えたのだと思えます。そして、それが沖縄の人の優しさにも通じるところがあります。
自分たちが困っていても、困っている漂着民を助けるのが沖縄の人の優しさです。
米国は、何度と無く沖縄を踏みにじっています。大和もそれに準じるでしょうか。
米国や、大和に踏み荒らされると、琉球を守る龍も居なくなったかのようにひっそりと出てこなくなるのが、寂しかったです。
ただ、真鶴が母になり、変わったところなんか、男性の作者なのによく描けていると思いました。
この本読んで、ほんとによかったです。アメリカや日本の官僚にも読んでもらいたいです。
- 2009年9月29日に日本でレビュー済みAmazonで購入舞台は琉球王朝末期,冊封体制下の琉球朝廷で,清朝と薩摩の間を一人の男装の麗人が駆け抜ける!
沖縄県民,沖縄を愛する人のみならず,歴史劇を愛する人全てにお勧めです。久しぶりにページから手が離せないという経験をしました。
ストーリーの面白さもありますが,琉球王朝というものがどういうものであったかという知的好奇心も満たしてくれます。