頭でっかちの不器用な男の子が、今までバカにしきっていたディズニーランドに出かける時の描写がいい。低俗極まるものの中に、フシギな人生の安らぎと醍醐味がある。「桃」とは何か。それは言葉だけ、観念だけ、自意識のカラに閉じこもっているだけでは決して得られない官能のことだ。
タイトルとブックカバーから女の子向けのロマンスを想像したけれど、これは男の子向けの小説かもな、と思った。人生の意味を考えるより、人生そのものを愛せ。そんなメッセージが伝わってくる青春小説だった。
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桃の向こう 単行本 – 2008/9/26
平山 瑞穂
(著)
バブルのはじけた不況の中、みんな自分を探していた。頭でっかちで不器用な来栖と金持ちのぼんぼんの多々良。正反対の二人と奇妙に繋がる煌子。3人が駆け抜けた失われた10年の愛と捻れた友情を描く傑作青春小説!
- 本の長さ253ページ
- 言語日本語
- 出版社角川グループパブリッシング
- 発売日2008/9/26
- ISBN-104048738828
- ISBN-13978-4048738828
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商品の説明
著者について
1968年東京生まれ。『ラス・マンチャス通信』で第16回日本ファンタジーノベル大賞を受賞しデビュー。自らの糖尿病体験をもとに描いた『シュガーな俺』で大きな話題を呼ぶ。他の著書に『忘れないと誓ったぼくがいた』など多数。
登録情報
- 出版社 : 角川グループパブリッシング (2008/9/26)
- 発売日 : 2008/9/26
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 253ページ
- ISBN-10 : 4048738828
- ISBN-13 : 978-4048738828
- Amazon 売れ筋ランキング: - 2,025,238位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 48,214位日本文学
- カスタマーレビュー:
著者について
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トップレビュー
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2009年8月19日に日本でレビュー済み
友達に「是非読んで!」と勧める程ではなかったけど、結構面白いです。
ちょうど登場人物と自分自身が同年代ということもあり、当時の雰囲気(携帯を持ってない学生がいるとか)が楽しめました。
バブル後の就職氷河期あたりに大学生(特に内部進学のある学校)に通っていた人には、とても分かりやすく、自分の友達の物語のような感覚で読めます。
トップバッターで物語に登場する来栖という男子高出身のちょっと頭でっかちで不器用な学生の煌子との理詰めの恋が呆気なく終わったり、いかにも私立の内部進学生ボンボンの多々良が煌子と一瞬良い感じになったり、全く性格の異なる多々良と来栖が妹や煌子を通じて関わったり、最後に学生時代に存在感なく退学していった友達の縁で再会したり...
物語にしては呆気なく縁が切れたりしつつ、数年後にちょっとだけ会ったりする感じがリアルでした。そして傘のエピソードも最後に捻りがあったことに気付いて楽しかった。
皆に人気だった煌子があっちの世界に行っちゃうのも、リアルと言えばリアル。
いかにも「ドラマチックな物語進行」ではなく淡々と時間を進めつつも、登場人物の成長や人格の変遷が上手に描写されている。
何かすごい事が起こるのか?とかこの二人はドラマチックにくっつくのか?と思っても、さりげなく何も起こらずのままだったり、とは言え伏線も結構散りばめられているのです。
ただし、終始淡々と進むだけに、読後は特に何の感情も残らず...
他にも色々良い小説もあるので、厳しめですが星3つにしました。
ちょうど登場人物と自分自身が同年代ということもあり、当時の雰囲気(携帯を持ってない学生がいるとか)が楽しめました。
バブル後の就職氷河期あたりに大学生(特に内部進学のある学校)に通っていた人には、とても分かりやすく、自分の友達の物語のような感覚で読めます。
トップバッターで物語に登場する来栖という男子高出身のちょっと頭でっかちで不器用な学生の煌子との理詰めの恋が呆気なく終わったり、いかにも私立の内部進学生ボンボンの多々良が煌子と一瞬良い感じになったり、全く性格の異なる多々良と来栖が妹や煌子を通じて関わったり、最後に学生時代に存在感なく退学していった友達の縁で再会したり...
物語にしては呆気なく縁が切れたりしつつ、数年後にちょっとだけ会ったりする感じがリアルでした。そして傘のエピソードも最後に捻りがあったことに気付いて楽しかった。
皆に人気だった煌子があっちの世界に行っちゃうのも、リアルと言えばリアル。
いかにも「ドラマチックな物語進行」ではなく淡々と時間を進めつつも、登場人物の成長や人格の変遷が上手に描写されている。
何かすごい事が起こるのか?とかこの二人はドラマチックにくっつくのか?と思っても、さりげなく何も起こらずのままだったり、とは言え伏線も結構散りばめられているのです。
ただし、終始淡々と進むだけに、読後は特に何の感情も残らず...
他にも色々良い小説もあるので、厳しめですが星3つにしました。
2008年11月9日に日本でレビュー済み
恋愛をめぐる、告白、付き合う、別れるという様々な制度を否定する来栖と、毎日が楽しければよくて恋愛に関しても細かいことを気にしない多々良。そんな正反対の二人が、大学時代に出会ってから恋に仕事に友情にと一生懸命に生きていく恋愛小説でとても読みやすかった。
お互い別々の人生を歩みながらも、自分にないものを持っている相手を意識して、同じ相手を好きになったという奇妙な因縁で結びついているということが興味深かった。
個人的には不器用な来栖がアルバイトの知り合いとディズニーランドに行ったことをきっかけに、彼女が喜ぶ顔を見たいという理由から「制度的」な恋愛に目覚めていく様子が微笑ましかった。
お互い別々の人生を歩みながらも、自分にないものを持っている相手を意識して、同じ相手を好きになったという奇妙な因縁で結びついているということが興味深かった。
個人的には不器用な来栖がアルバイトの知り合いとディズニーランドに行ったことをきっかけに、彼女が喜ぶ顔を見たいという理由から「制度的」な恋愛に目覚めていく様子が微笑ましかった。