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椿子と海人は、もう自分の一部です
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覇者と覇者 歓喜、慙愧、紙吹雪 単行本 – 2008/10/31
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購入オプションとあわせ買い
戦争孤児が見る夢を、佐々木海人も見る。小さな家を建て、消息不明の母を捜し出して、妹と弟を呼びよせて四人で慎ましく暮らすという夢を。八歳のころから見つづけてきたささやかな夢だ--。
- 本の長さ483ページ
- 言語日本語
- 出版社角川グループパブリッシング
- 発売日2008/10/31
- ISBN-104048738941
- ISBN-13978-4048738941
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商品の説明
著者について
93年、『灰姫 鏡の国のスパイ』が第13回横溝賞優秀作となる。受賞第1作の『時には懺悔を』が各方面で絶賛される。ハルビン・カフェ』で第5回大藪春彦賞を受賞。2007年10月、逝去。
登録情報
- 出版社 : 角川グループパブリッシング (2008/10/31)
- 発売日 : 2008/10/31
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 483ページ
- ISBN-10 : 4048738941
- ISBN-13 : 978-4048738941
- Amazon 売れ筋ランキング: - 1,231,312位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 28,553位日本文学
- カスタマーレビュー:
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2009年6月28日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
この作品は3部作で構成された3部目の完結編になるはずの作品でしたが作者の方が急死してしまい未完になってしまった作品です。未完とは言っても4分の3ぐらいは書かれているので読みごたえは十分です。是非、読んでみて下さい。
完結しなかったのが本当に残念な作品です。
1部の「裸者と裸者」2部の「愚者と愚者」を読んでない方は、是非、先に読んで下さい。
完結しなかったのが本当に残念な作品です。
1部の「裸者と裸者」2部の「愚者と愚者」を読んでない方は、是非、先に読んで下さい。
2013年10月6日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
前に読んだのがたぶん3年前。その前はいつだったか。いつ読んでも胸がつまる応化クロニクル3部作の未完の最終章。未完ゆえに満たされない、未完ゆえにホッとしている。この物語を越えてワクワクさせてくれるか、ドキドキさせてくれるか、そんな物語を探し、期待しながらページをめくる。私を読書の最前線に呼び戻してくれる大切な物語。
2015年7月9日に日本でレビュー済み
に、最終戦争の決行日を設定した著者。
近未来がこんな世界になるのではないかと思いながら読んでいました。
いまほどLGBTについての認知度がない時期の作品ですが、
現在は、この本の世界に近づいているような気がしました。
近未来がこんな世界になるのではないかと思いながら読んでいました。
いまほどLGBTについての認知度がない時期の作品ですが、
現在は、この本の世界に近づいているような気がしました。
2011年12月12日に日本でレビュー済み
作者の急死によって、四分の三ほどの所で未完になってしまっているが、応化クロニクルファンにとっては読んで損のない出来。
打海文三の集大成。
また、応化クロニクルシリーズが未読の方には是非「裸者と裸者」「愚者と愚者」から読んでいただきたい。
濃密な世界観と快活な男の子と女の子、戦争の悲惨さとそれでもユーモアを忘れない文章の虜になるはず。
打海文三の集大成。
また、応化クロニクルシリーズが未読の方には是非「裸者と裸者」「愚者と愚者」から読んでいただきたい。
濃密な世界観と快活な男の子と女の子、戦争の悲惨さとそれでもユーモアを忘れない文章の虜になるはず。
2009年1月19日に日本でレビュー済み
「突撃する。蜂起する。俺たちは戦争に勝利する」
海人は短い言葉で会議をしめくくった。
『裸者と裸者』『愚者と愚者』に続く応化クロニクル三部作、完結編。近未来の日本を舞台に、泥沼化する内戦の実態、そしてそこに生きる人々を描いた渾身の傑作。作者急逝により絶筆となってしまったが(本書は下巻の5分の4あたりで終わっている)、それでも、こうして本書が刊行されたことは本当に嬉しかった。
人の死に対し無感動にならざるをえないほど、多くの命が奪われる理不尽で、不公平で、不条理に満ちた世界。過去2作と同様に、本作でも数え切れないほど多くの命が消えていく。安直な倫理観など何の足しにもならない悲惨な世界、「永遠の愛を誓うそばから、恋人たちが頭を吹き飛ばされる世界」において、だからこそ、そこで生き抜く登場人物らの姿は輝いて映り、胸を打つ。世界の混沌は混沌として整然と露わにしながらも、決して無慈悲にあらず、希望とも言いうる真っ直ぐな力が感じさせるところに、本書の、そして打海氏が描く世界に宿るかけがえのない魅力を感じる。
本作の第一章でも、自らの命以外は全て奪われた難民の姿が描かれているが、「世界の理不尽さをどうにもできない自分自身への悔しさ」を感じた人間が、それでも生きていくことを選ぶ強さには、何か眩暈にも似た形容不能な感情を覚える。美しくない世界を生き抜く人間の姿が美しいのは、何時の世も同じことで、そういった意味で本シリーズは、戦争文学における優れた作品であると同時に、理不尽で、不公平で、混沌に満ちた現代を生きる人々の心に差し込む光を湛えた無二の名作でもあると思う。
「忘れる。頭をあげる。前進する」
椿子が快活に言った。
海人は短い言葉で会議をしめくくった。
『裸者と裸者』『愚者と愚者』に続く応化クロニクル三部作、完結編。近未来の日本を舞台に、泥沼化する内戦の実態、そしてそこに生きる人々を描いた渾身の傑作。作者急逝により絶筆となってしまったが(本書は下巻の5分の4あたりで終わっている)、それでも、こうして本書が刊行されたことは本当に嬉しかった。
人の死に対し無感動にならざるをえないほど、多くの命が奪われる理不尽で、不公平で、不条理に満ちた世界。過去2作と同様に、本作でも数え切れないほど多くの命が消えていく。安直な倫理観など何の足しにもならない悲惨な世界、「永遠の愛を誓うそばから、恋人たちが頭を吹き飛ばされる世界」において、だからこそ、そこで生き抜く登場人物らの姿は輝いて映り、胸を打つ。世界の混沌は混沌として整然と露わにしながらも、決して無慈悲にあらず、希望とも言いうる真っ直ぐな力が感じさせるところに、本書の、そして打海氏が描く世界に宿るかけがえのない魅力を感じる。
本作の第一章でも、自らの命以外は全て奪われた難民の姿が描かれているが、「世界の理不尽さをどうにもできない自分自身への悔しさ」を感じた人間が、それでも生きていくことを選ぶ強さには、何か眩暈にも似た形容不能な感情を覚える。美しくない世界を生き抜く人間の姿が美しいのは、何時の世も同じことで、そういった意味で本シリーズは、戦争文学における優れた作品であると同時に、理不尽で、不公平で、混沌に満ちた現代を生きる人々の心に差し込む光を湛えた無二の名作でもあると思う。
「忘れる。頭をあげる。前進する」
椿子が快活に言った。
2009年1月17日に日本でレビュー済み
あるテレビ番組でで評論家の目黒孝二さんが選んだ2008年度のベスト本でベスト4に打海文三先生の覇者と覇者が選ばれた。本当にいい本です。