電子版を購入しました。
海外が舞台の寓話的な不思議な雰囲気が漂う連作にすっと馴染んで楽しむことができました。
しかし作品のボリュームは少なめで、過去作についてインタビュアーと著者が対談するページに大半が割かれています。
ネタバレも含まれるので、未読のものが多い方は避けたほうがいいかもしれません。
著者のファンとしては、作品について改めて掘り下げられていることが嬉しかったです。
著者は映画や文学への造詣が深く、私には列挙される作品もほぼわからず、理論的な考えにやや置いてきぼり感はありましたが面白かったです。
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道徳という名の少年 単行本 – 2010/5/11
桜庭 一樹
(著)
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購入オプションとあわせ買い
町でいちばん美しい三姉妹が死んだとき残ったのは(1,2,3悠久!)、愛するその「手」に抱かれて私は天国を見る(ジャングリン・パパの愛撫の手)――ゴージャスな毒気とかなしい甘さに満ちた作品集。
- 本の長さ123ページ
- 言語日本語
- 出版社角川書店(角川グループパブリッシング)
- 発売日2010/5/11
- ISBN-10404874058X
- ISBN-13978-4048740586
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商品の説明
著者について
2000年デビュー。04年『砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない』が、ジャンルを超えて高い評価を受け、07年『赤朽葉家の伝説』で日本推理作家協会賞を受賞。他著作に『少女七竈と七人の可愛そうな大人』『製鉄天使』などがある。08年『私の男』で第138回直木賞受賞。
登録情報
- 出版社 : 角川書店(角川グループパブリッシング) (2010/5/11)
- 発売日 : 2010/5/11
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 123ページ
- ISBN-10 : 404874058X
- ISBN-13 : 978-4048740586
- Amazon 売れ筋ランキング: - 1,209,858位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 318,781位文学・評論 (本)
- カスタマーレビュー:
著者について
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2000年デビュー。04年『砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない』が、ジャンルを超えて高い評価を受け、07年『赤朽葉家の伝説』で日本推理作家協会賞を受賞。同書は直木賞にもノミネートされた。08年『私の男』で第138回直木賞受賞(「BOOK著者紹介情報」より:本データは『 GOSICK IV-ゴシック・愚者を代弁せよ- (ISBN-13:978-4044281106)』が刊行された当時に掲載されていたものです)
カスタマーレビュー
星5つ中3.8つ
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2010年5月31日に日本でレビュー済み
本自体は割と薄く、文章量も多くはありませんが、
その分装丁や挿絵が凝っています。
特に野田仁美さんの精緻な絵は、桜庭さんの書く少女性にみごとにマッチしており、
作品全体に漂う雰囲気は大人びた童話のよう。
また、当然のようにグロイ描写・親近相姦の描写も現れますが、
それもある意味桜庭さんらしいです(笑)。
こういった寓話・あるいは童話の形式をとった作品は、
桜庭さんは今までに書いていそうで、
実は書いていなかったように思います。
ゆえに既存の著作を超えるものを感じなかったというのも事実ですが、
それでも充分に毒々しい甘さを味わえました。
詩集にも似た一冊の本の所有欲を満たしてくれるので、
桜庭さんや野田さんのファンの方にはぜひお勧めだと思います。
その分装丁や挿絵が凝っています。
特に野田仁美さんの精緻な絵は、桜庭さんの書く少女性にみごとにマッチしており、
作品全体に漂う雰囲気は大人びた童話のよう。
また、当然のようにグロイ描写・親近相姦の描写も現れますが、
それもある意味桜庭さんらしいです(笑)。
こういった寓話・あるいは童話の形式をとった作品は、
桜庭さんは今までに書いていそうで、
実は書いていなかったように思います。
ゆえに既存の著作を超えるものを感じなかったというのも事実ですが、
それでも充分に毒々しい甘さを味わえました。
詩集にも似た一冊の本の所有欲を満たしてくれるので、
桜庭さんや野田さんのファンの方にはぜひお勧めだと思います。
2014年5月7日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
内容もすばらしかったですが、絵もステキでした。本棚にいつまでも置いておきたい一冊です。
2014年9月8日に日本でレビュー済み
これは所謂、物語のない物語、というものなのだろう、と思った。最初に出てきた人間の子供や孫や、そういった縦の繋がりが続いていく。そして往々にして痛みしか、ない。
耽美というけれど、個人的には耽美とまではいかないかなと思った。儚さはあったけれどうつくしいとは思わなかったから。
グロテスクさがあるわけでも、エロティックさがあるわけでも、ない。若干、セクシャルな部分はあるけれどもそれはそういった作品集に出すということで書かれたものらしくって、いつもの桜庭さんのエロティックさがあるようでそんなでもないという雰囲気。
装丁(そうてい)というか、表紙の写真? 絵? が、綺麗ですてき。
中身はほかの方々が書いていらっしゃるので割愛。
耽美というけれど、個人的には耽美とまではいかないかなと思った。儚さはあったけれどうつくしいとは思わなかったから。
グロテスクさがあるわけでも、エロティックさがあるわけでも、ない。若干、セクシャルな部分はあるけれどもそれはそういった作品集に出すということで書かれたものらしくって、いつもの桜庭さんのエロティックさがあるようでそんなでもないという雰囲気。
装丁(そうてい)というか、表紙の写真? 絵? が、綺麗ですてき。
中身はほかの方々が書いていらっしゃるので割愛。
2011年1月6日に日本でレビュー済み
5本の短編(というより掌編)を収録
掲載誌は全て異なるが
とある小さな国の同じ血族と思われる人物の物語が
世代順に語られる
因習を打ち破り、背徳を繰り返す一族
彼らも二度の戦争を経た現代では
濃かった血もずいぶん薄まり
時代の閉塞感に飲み込まれてしまったように感じた
野田仁美氏の絵をふんだんに用いた
豪勢なデザインの本だった
掲載誌は全て異なるが
とある小さな国の同じ血族と思われる人物の物語が
世代順に語られる
因習を打ち破り、背徳を繰り返す一族
彼らも二度の戦争を経た現代では
濃かった血もずいぶん薄まり
時代の閉塞感に飲み込まれてしまったように感じた
野田仁美氏の絵をふんだんに用いた
豪勢なデザインの本だった
2016年2月23日に日本でレビュー済み
160ページのうち掌編5つに半分は作者のインタヴュー
その中の一編はホドロフスキーのサンタ・サングレのパクリ
内容なさすぎて、なぜ発刊したのか疑問に思う。
その中の一編はホドロフスキーのサンタ・サングレのパクリ
内容なさすぎて、なぜ発刊したのか疑問に思う。
2010年6月21日に日本でレビュー済み
およそ6世代になるか。町で一番の美女から始まる不道徳の歴史だ。
ある者は娼婦になり、ある者は姉弟で愛し合い、ある者は夫の父親と愛し合い、ある者は人と愛し合うことができず、ある者は愛に出会う前に死ぬ。
世代を重ねるごとに、愛する者との距離が疎遠になっていく。
愛する営みすらできないほどに疎遠になると、その一族は滅びるほかない。
不思議なことに、彼らの一族は人目を引くほど美しいが、どうやら愛し愛されると醜くなる定めらしい。
独特の雰囲気を作り上げることに成功している本だ。
少女達のイラストも多く、装丁も華やかに過剰な演出をほどこしている。
耽美的になりそうでいて、むしろどこかユーモラスで、意地悪な遊び心に満ちているところも、御伽噺のようだった。
ある者は娼婦になり、ある者は姉弟で愛し合い、ある者は夫の父親と愛し合い、ある者は人と愛し合うことができず、ある者は愛に出会う前に死ぬ。
世代を重ねるごとに、愛する者との距離が疎遠になっていく。
愛する営みすらできないほどに疎遠になると、その一族は滅びるほかない。
不思議なことに、彼らの一族は人目を引くほど美しいが、どうやら愛し愛されると醜くなる定めらしい。
独特の雰囲気を作り上げることに成功している本だ。
少女達のイラストも多く、装丁も華やかに過剰な演出をほどこしている。
耽美的になりそうでいて、むしろどこかユーモラスで、意地悪な遊び心に満ちているところも、御伽噺のようだった。