刊行から時間が経ってからのレビューになりますが、今回はこれが幸いした！
この二巻は一巻と間を置かず、立て続けに読むと非常に味わい深い作品になってる
…そういう意味じゃリアルタイムで一年以上待たされた読者は損してますね
今回メインになるのは一巻でも倉須家の中ではリリィの次に出番が多かった芽々子です
過剰なスキンシップ大好きで、響がウサギのぬいぐるみを買うと自分が不要なんじゃないかと拗ねるという
｢家族依存症」の彼女ですが、今回はこの芽々子の家族との接し方の秘密が明かされます…が、想像以上に重かった
物語のキーになるのは一巻でも顔を出してた芽々子の友だちである三人娘ですが、まあ普通の家庭環境で
育った人間には「突然家族が増えちゃう」という倉須家の在り方ってのは異常としか思えないんでしょうけど
倉須家に加わったばかりで一巻では家族との間に壁を作ってリリィにぶっ壊された響が芽々子との距離の取り方を
三人娘の一人に｢仲良過ぎて異常だ！」と指摘されてぐらついてしまい、つい｢普通の兄妹の在り方」を振りかざした事で
芽々子のトラウマをえぐってしまう展開は読んでて辛かったです…あの過剰なスキンシップが仮面だったとは！
ただし、芽々子の家出のトリガーになってしまった響が自分で自分の尻拭いをした所は短い期間でも倉須家に
馴染んだ所を感じさせました。しかも芽々子相手に切った啖呵は一巻でリリィに響自身が切られた啖呵だった訳で…
改めて｢家族の在り方」というものを考えさせられるテーマ性の強い作品であると思わされました
今回は伏線が非常に多く張られています。三人娘の一人みょーりんと響の過去に何があったのか？かつて倉須家の
一人であった要兄さんとリリィの関係は？と謎がまだまだ尽きません。三巻でどう明かされるのかが楽しみです
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