読後最初に思ったことは「綺麗にまとまってるな」でした。
決してつまらなくはないんですが、２巻を早く読みたい、とは少なくとも思いませんでした。
２巻も買う予定ではありますが、『らぶなどーる！』だから買う、ではなく「上月司」の本だから買う、というのが理由です。
きっと面白くなるだろうと信じて。
☆は４つつけましたが、『れでぃ×ばと！』のときみたいにニヤニヤすることもなく『カレとカノジョと召喚魔法』のときのように「なるほど、そうくるのか」ということもなく淡々と終わった感じなので、実際の感情としては☆３か3,5くらいな気がしないでもないんですが、『れでぃ×ばと！』の終わり方が非常にアレだったせいでハードルが上がってた感が否めないのでその分を差し引いて☆４にしました。
あんな終わり方をさせてまで始めた新シリーズなんだから当然面白いんだよな、と思いつつ読み始めたってこともありますので。
話はステルスになりきれてないステルス主人公がぼっちヒロインと友達になろうとがんばりつつ、ラブコメる話です。
１巻は舞台設置で、ラブコメは２巻からみたいですが。
この巻はラブコメをするための土台を、日常シーンでラッキースケベを入れて休憩を入れつつせっせとややシリアス気味に整えて終了します。
最近流行ってるのかどうかはわかりませんが、これも「ぼっち」なお話ですが他のぼっち話と違うのは主人公は完全迷彩じゃないし完全にぼっちというわけでもないし、ヒロインも友達がいない、と言いつつ自分の殻にこもってるのが原因なだけなのでＭＦのアレとかガガガのソレとかと比べると奇抜さはかなり薄いです。
ネタとしてはよくあるモノというか。
おそらく一番問題なのは主人公なんでしょうね。
一言でいうと「諦めの悪い空気主人公」なんでしょうが、最後は頑張りましたがラノベの主人公としては非常に特徴が弱い。
よくいる主人公です。
上月さんというと、きっとこう来るんだよな、というところでやや斜め上をいって驚かせてくれる作者という印象を持っているのだけに、今巻はよくいる主人公が普通にがんばって普通に終わってしまったという、これならこの作者じゃなくても同じじゃんというか上月さんに期待してる部分があまり見受けられませんでした。
「あまり」というのは、巻頭カラー４ページ目が靴下オンリー着用（パンツひざ）ほぼ全裸生徒会長のトイレシーンなわけですが、ここで「おいおい右ふとももの付け根にほくろ二連星が見えるんですがこいつぁゴミですかい、それとも紳士的なフェチ心ですかい」とか思ってたら文中にバッチシ書いてあって、ちょっと主人公ったらまともに見てないとか言いつつそんな細かいとこまで見とんのかいというか作者どんだけ変態紳士だよというか、そういう『れでぃ×ばと！』で培ったのかエロコメになる可能性がほのかに見えたところにあります。
まぁ『れでぃ×ばと！』も１巻は土台作りでしたし、丁寧な話作りをする作者なのできっと２巻からが腕の見せ所なんでしょうね。
ただ今のところは「このシリーズ続けるくらいなら『れでぃ×ばと！』２期書いてください。ちゃんと終わらせて下さい」な印象なので、これをひっくり返してくれることを期待してます。
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