まず良かった点として、日常パートでのキャラの会話が面白かったです。特に主人公のツッコミのキレは見事でした。そして常時全身タイツ姿となってしまい笑いものになっていた主人公が、意外な強さで武闘会をサクサク勝ち進んでいく様はけっこう痛快でした。ちなみにレインディアは英語でトナカイのこと。
一方で良く思わなかった点ですが、これがキャラや展開などそれなりに気に入ったところがあったのに★3つにした理由、サンタ要素の薄さです。ぶっちゃけこの作品は、よくあるファンタジーものの文章から、魔術師をサンタ、使い魔をトナカイに差し替えただけのような内容です。あらすじで「武闘会」というサンタとは縁のない言葉を疑問に思った方もいると思いますが、サンタ同士が魔法っぽいもので作り出した剣や鞭などの武器と、様々な力を持つレインディアを駆使して戦う奇妙な話です。サンタらしいことは何もしません。
また、主人公が黒サンタの町を盛り上げるために優勝を目指しているように、地位や名誉のために武闘会に出ているキャラがほとんどです。サンタ的にはここからが大事なはずの人間界行きについては誰も特には触れません。
サンタクロースがテーマにもかかわらず、プレゼントも配らずそりにも乗らず、火を噴いたり主人と合体したりするトナカイモドキを従えて、武器を持ったサンタがひたすら戦うだけの話とは、これ如何に。そもそもなんで武闘会なのか。
ちなみに悪い子のところへ訪れる黒いサンタクロースの伝承とは、この作品は一切関係ありません。
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