本書の魅力はまず、四谷怪談を史料的に分析するために、著者が収集した史料の広さと深さである。これには圧倒される。
つぎに、単に書かれたものを推理するだけでなく、現在の不可思議事件と照らし合わせながらその正体を突き止めようとする姿勢がすばらしい。現代人には想像できない、江戸の人の心の有り様を、不可思議事件を通じて模索する。例えれば、四谷怪談と現代の怪談を合わせ鏡にして、それらをのぞき込む我々の深層に迫っている。それゆえ、謎解き本にもかかわらず、読んでいて、どんどん怖くなる。その恐怖の正体をつきつめる本である。
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四谷怪談祟りの正体 単行本 – 2002/5/1
小池 壮彦
(著)
- 本の長さ265ページ
- 言語日本語
- 出版社学研プラス
- 発売日2002/5/1
- ISBN-104054016448
- ISBN-13978-4054016446
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商品の説明
内容(「MARC」データベースより)
日本を代表する怪談のひとつ「四谷怪談」。なぜこの話には祟り話がつきまとうのか。四谷怪談の元になったお岩に関わる事件を、未発表の資料などで追いつつ「お岩」なる女性の正体に迫る。三百有余年の闇の迷宮を探索する。
登録情報
- 出版社 : 学研プラス (2002/5/1)
- 発売日 : 2002/5/1
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 265ページ
- ISBN-10 : 4054016448
- ISBN-13 : 978-4054016446
- Amazon 売れ筋ランキング: - 311,424位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2002年5月25日に日本でレビュー済み
お岩さんがなぜ祟るのか。京極某や田宮神社の説明など、これまでわかったようなわからないような説明を読まされてきた怪談ファンの胸をすく、決定的な論考。徹底した史料考証を加え、桶川ストーカー殺人などの現代の事例までを俎上に乗せながら、お岩の祟りを解読していく手際に「やられる」思いがした。これが小説のように一気に展開するのだから、たまらん。読まずに死ねるか。
2002年6月2日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
四谷怪談の怖さはどこにあるのか.「四谷」だから怖いのか,「お岩さま」だから怖いのか.数ある怪談の中でも最恐と考えられている「四谷怪談」の怖さに怪奇探偵が挑戦します.「リング」以来かも知れませんが,映画,小説などで,論理では説明できない人間の恐怖に対するイメージを直接突くような手法が用いられています.その元祖が「四谷怪談」ではないか,とこの本を読んで思いました.
2002年6月5日に日本でレビュー済み
読売新聞の書評でも述べられていたが、四谷怪談がこのような角度から論じられたことは、いままでになかったであろう。お岩の祟りとは何か。考えてみれば、そこを問わなければ四谷怪談へは参入できない。この本はそれをやり、複雑な事実の糸を解きほぐすプロセスを読者に突きつける。思わぬ視点から著者は切り込んでくる。読者はそれを受けとめる。そのたびに時間を忘れる。ノンフィクションの醍醐味である。世に怪談を愛好する人は多いと思うし、その分野の小説や評論を目にする機会も少なくないが、堪能したと言えるのは近年ではこの本を置いてほかになかった。