森達也が書く「首都圏生きもの記」である。新書だから多少ユルイ内容だったとしても、都心には生息しそうにない生き物や、都心に棲む生き物の意外な生態というようなドキュメントを期待しちゃうじゃないか!
しかしながら、見事なくらい期待がはずれた。
登場するのは、クワガタ、セミ、カラス、鳩、どぶねずみ等々極めて「都心にいそうな」生き物が中心。ヒキガエルは都心にはいないそうなので、その生態分析に期待したが、どうしてそこにいるのかは、毎年確認しようと思うけど忙しくて確認できないそうである。なんじゃそら。
だいたい首都圏を我孫子まで拡げること自体、少し反則技のような気がするのだが、山梨を含めれば、そりゃなんだっているだろう。
内容も、百科事典を調べれば載っている分類と生態以外は、個人的な思い出と空想。思い出については懐かしく、共感できるが、居酒屋談議レベル。空想の類は全般的に蛇足の感が強く、独善的ですらある。
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首都圏生きもの記 (学研新書 76) 新書 – 2010/3/17
森 達也
(著)
- 本の長さ237ページ
- 言語日本語
- 出版社学研プラス
- 発売日2010/3/17
- 寸法10.8 x 1.1 x 17.3 cm
- ISBN-104054045111
- ISBN-13978-4054045118
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登録情報
- 出版社 : 学研プラス (2010/3/17)
- 発売日 : 2010/3/17
- 言語 : 日本語
- 新書 : 237ページ
- ISBN-10 : 4054045111
- ISBN-13 : 978-4054045118
- 寸法 : 10.8 x 1.1 x 17.3 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 1,577,952位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 91,203位新書
- カスタマーレビュー:
著者について
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広島県生まれ。映画監督、作家。1998年にドキュメンタリー映画『A』を発表。2001年、続編の『A2』が山形国際ドキュメンタリー映画祭で特別賞・市民賞を受賞(「BOOK著者紹介情報」より:本データは『極私的メディア論』(ISBN-10:4904795075)が刊行された当時に掲載されていたものです)
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2014年11月12日に日本でレビュー済み
著者は映画監督、ノンフィクション作家。硬派な作風で知られる。
しかし、本書は著者の「趣味」とでもいうべき分野を取り上げたもので、身近で暮らす生きものたちの姿に迫っている。
取り上げられているのは、イトミミズ、プラナリア、ハリガネムシ、ノコギリクワガタ、ナナフシ、カラス、ヒキガエル、ヤモリなど。
見つけたら、写真を撮り、可能なら捕獲し、じっくりと観察する。そして蘊蓄を傾けたり、思い出話をしたり、現代の社会や環境とからめて論じたり。
ただ、専門の研究者ではないと言い訳しているように、どこか腰が引けてしまっているところがあるのが物足りない。また、テレビ番組などをつくっていた影響からか、すぐに脱線して社会批判が始まってしまうのがちょっと……。
とはいえ、あまり可愛くない生きものたちを取り上げている点は評価できる。
しかし、本書は著者の「趣味」とでもいうべき分野を取り上げたもので、身近で暮らす生きものたちの姿に迫っている。
取り上げられているのは、イトミミズ、プラナリア、ハリガネムシ、ノコギリクワガタ、ナナフシ、カラス、ヒキガエル、ヤモリなど。
見つけたら、写真を撮り、可能なら捕獲し、じっくりと観察する。そして蘊蓄を傾けたり、思い出話をしたり、現代の社会や環境とからめて論じたり。
ただ、専門の研究者ではないと言い訳しているように、どこか腰が引けてしまっているところがあるのが物足りない。また、テレビ番組などをつくっていた影響からか、すぐに脱線して社会批判が始まってしまうのがちょっと……。
とはいえ、あまり可愛くない生きものたちを取り上げている点は評価できる。
2010年4月11日に日本でレビュー済み
とにかくページ当たりのも文字数が少なく、写真も多いので、手軽な本です。
でも、写真に名前や説明がついてないのがやや不満。それにデジカメで鮮明さもやや不足。
プラナリアのバラバラ切断からの再生から始まって、都会の近辺で見られる生物を愛でています。
ヒルがミミズと同じ環形動物であること、オシドリが渡り鳥でないことなど知りませんでした。
カマキリに寄生するハリガネムシ、都心にアマガエルがいること、蛇のヤマカガシはハブより強い毒が喉の奥の牙からでるし、そのほか頸部からの毒で目を狙うとか。
ガマガエルには毒があり、これを食らうのはヤマカガシだけとか?青大将も食べると思っていた。??プラナリアの口は腹部にあるって。
少年時代に自然と親しむ機会が多ければ、生物に愛着が強まります。
でも、写真に名前や説明がついてないのがやや不満。それにデジカメで鮮明さもやや不足。
プラナリアのバラバラ切断からの再生から始まって、都会の近辺で見られる生物を愛でています。
ヒルがミミズと同じ環形動物であること、オシドリが渡り鳥でないことなど知りませんでした。
カマキリに寄生するハリガネムシ、都心にアマガエルがいること、蛇のヤマカガシはハブより強い毒が喉の奥の牙からでるし、そのほか頸部からの毒で目を狙うとか。
ガマガエルには毒があり、これを食らうのはヤマカガシだけとか?青大将も食べると思っていた。??プラナリアの口は腹部にあるって。
少年時代に自然と親しむ機会が多ければ、生物に愛着が強まります。
2010年5月11日に日本でレビュー済み
筆者だけかもしれないが森氏の本は読みやすい。なぜか理由はわからないが。本書ではちょっとだけその理由が見えてきた気がする。
森氏はいつものことだが話が脱線しまくる。著作だけでなくパネルディスカッションのような場所での話を聞いていても突然とんでもないことを言い出すことがある。
本書でも「生きもの」のことを書いていても人間社会の話に段落を変え突然脱線する。それは「生きもの」の生態から人間の潜在意識を見透かしているような記述だったりする。
鳩は平和の象徴だと筆者も思っていた。しかし、もとは武士階級の守護神。戦いの象徴だったそうだ。これを取材(探索)したのが韓国の首都圏。ハッと(別に洒落じゃありません)思った。靖国神社には「白い鳩」が飼われていることをおもいだした。不思議なまでに白のみ。特攻隊員は白装束のかわりに白いマフラーを巻いていたとも言われている。
どうでもいいことだが。
読みやすいと言う内容から著者ならぬ脱線したが、脱線した話も興味をもって集中して読んで(聞いて)しまうからではないかとおもう。読者にそうさせてしまうからにはやはりディレクターとしての力量があるからだろう。
まとまりはないが面白い本だ。
森氏はいつものことだが話が脱線しまくる。著作だけでなくパネルディスカッションのような場所での話を聞いていても突然とんでもないことを言い出すことがある。
本書でも「生きもの」のことを書いていても人間社会の話に段落を変え突然脱線する。それは「生きもの」の生態から人間の潜在意識を見透かしているような記述だったりする。
鳩は平和の象徴だと筆者も思っていた。しかし、もとは武士階級の守護神。戦いの象徴だったそうだ。これを取材(探索)したのが韓国の首都圏。ハッと(別に洒落じゃありません)思った。靖国神社には「白い鳩」が飼われていることをおもいだした。不思議なまでに白のみ。特攻隊員は白装束のかわりに白いマフラーを巻いていたとも言われている。
どうでもいいことだが。
読みやすいと言う内容から著者ならぬ脱線したが、脱線した話も興味をもって集中して読んで(聞いて)しまうからではないかとおもう。読者にそうさせてしまうからにはやはりディレクターとしての力量があるからだろう。
まとまりはないが面白い本だ。