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安東-ANTON- (第1集) (ノーラコミックス・デラックス) 単行本 – 1993/9/7
安彦 良和
(著)
- 言語日本語
- 出版社Gakken
- 発売日1993/9/7
- ISBN-104056002894
- ISBN-13978-4056002898
登録情報
- 出版社 : Gakken (1993/9/7)
- 発売日 : 1993/9/7
- 言語 : 日本語
- ISBN-10 : 4056002894
- ISBN-13 : 978-4056002898
- Amazon 売れ筋ランキング: - 1,097,085位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 410,374位コミック
- カスタマーレビュー:
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カスタマーレビュー
星5つ中4.7つ
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2022年3月18日に日本でレビュー済み
著者が46歳の時の作品で脂が乗りきっていて、絵の迫力が半端でない。著者が大学生活を送った青森県を舞台にした歴史活劇で、あとがきにも出てくる「東日流外三郡誌」(つがるそとさんぐんし)の中で、十三湊が安東氏の事実上の首都の役割をしていたと書かれていたことを基にしているようだ。「東日流外三郡誌」自体、壮大な偽書で、話はどれだけ膨らませても面白いに決まっている。
2014年6月15日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
源義経については、藤原泰衡に襲撃され自刃したとされるも、実は北方に逃れ、最終的にはモンゴル帝国のチンギス・ハンになったという伝説が流布されてきたが、安彦良和がそれをとりあげ、ユニークな物語に仕立てている。
この物語の主人公は、義経の遺児・星若である(義経は史実のとおり死んだことになっている)。彼は、やはり生き残った弁慶や伊勢三郎とともに、津軽安藤氏(前九年の役を起こした安倍氏の末裔で、エミシとのかかわりが深い)にかくまわれているのだが、義経残党を目の敵にする鎌倉幕府2代将軍・頼家と北条義時に狙われている。結果、幕府方に攻撃され津軽安藤氏の当主は討ち死に、星若と家来衆は、元来本拠の一つとしていた後渤海(契丹に滅ぼされた渤海国の残存勢力)に向かう。
しかし着いてみると後渤海は、女真族の金国の軍隊の攻撃を受けていた。実は、金と北条義時は同盟を結んでおり、その魔の手が及んでいたのである!この戦いの中で星若は、金国軍に従軍していたモンゴルの大ハン・チンギスと出会い、激しい一騎打ちを繰り広げる。
辛くも金軍を退却させた星若たちは、また日本に戻り、父の仇を討つため、鎌倉の頼家の襲撃を試みるが、逆に捕えられ、処刑を待つ身となってしまう。このときに星若は、義時の真意を聞かされる。すなわち、桓武平氏の一族でありながら、頼朝に協力して伊勢平氏を壇ノ浦に追いやった北条氏の行動のために、義時には伊勢平氏の呪いが振りかかり、頼家・星若ら源氏の一族を根絶やしにすることを思い立ったというのである。
星若は窮地を脱するが、頼家は修禅寺で北条方に暗殺される。3代将軍実朝も、周知のとおり不幸な最期を遂げ、実際に源氏本流の血は絶えてしまうことになる。星若のその後については、知る由もない…。
このように、史実をある程度踏まえているが、妖術使い(義時含め)が登場するなど、荒唐無稽なファンタジーの要素が強い。それに津軽→後渤海→鎌倉と、舞台が目まぐるしく変わり、話の展開に唐突さがあることは否めない。
星若の家来衆には、弁慶・伊勢三郎という義経以来の家来とともに、アイヌ、女真人、漢人など北方世界に生きた多様な人々が含まれている。ちなみに女真人の家来の名前は「モンダイジ」(問題児)で、後の大清帝国第2代皇帝・ホンタイジから採ったのだろうと思われる。
安彦氏は北海道出身で、弘前大学に在学されたということだが、そのような北方世界への目配りが、この作品のエッセンスとなっており、興味深い観点をいろいろと含んでいる作品だと感じる。また、東アジア世界の人々の多様なかかわりを描くというのが、「虹色のトロツキー」「王道の狗」「天の血脈」「麗島夢譚」などに共通するテーマであり、この「安東」も、そういった作品群に含まれるのだろうと思う。
なお、安彦氏の描く鎌倉武者の姿はたいへん重厚感があり、見どころの一つである。
この物語の主人公は、義経の遺児・星若である(義経は史実のとおり死んだことになっている)。彼は、やはり生き残った弁慶や伊勢三郎とともに、津軽安藤氏(前九年の役を起こした安倍氏の末裔で、エミシとのかかわりが深い)にかくまわれているのだが、義経残党を目の敵にする鎌倉幕府2代将軍・頼家と北条義時に狙われている。結果、幕府方に攻撃され津軽安藤氏の当主は討ち死に、星若と家来衆は、元来本拠の一つとしていた後渤海(契丹に滅ぼされた渤海国の残存勢力)に向かう。
しかし着いてみると後渤海は、女真族の金国の軍隊の攻撃を受けていた。実は、金と北条義時は同盟を結んでおり、その魔の手が及んでいたのである!この戦いの中で星若は、金国軍に従軍していたモンゴルの大ハン・チンギスと出会い、激しい一騎打ちを繰り広げる。
辛くも金軍を退却させた星若たちは、また日本に戻り、父の仇を討つため、鎌倉の頼家の襲撃を試みるが、逆に捕えられ、処刑を待つ身となってしまう。このときに星若は、義時の真意を聞かされる。すなわち、桓武平氏の一族でありながら、頼朝に協力して伊勢平氏を壇ノ浦に追いやった北条氏の行動のために、義時には伊勢平氏の呪いが振りかかり、頼家・星若ら源氏の一族を根絶やしにすることを思い立ったというのである。
星若は窮地を脱するが、頼家は修禅寺で北条方に暗殺される。3代将軍実朝も、周知のとおり不幸な最期を遂げ、実際に源氏本流の血は絶えてしまうことになる。星若のその後については、知る由もない…。
このように、史実をある程度踏まえているが、妖術使い(義時含め)が登場するなど、荒唐無稽なファンタジーの要素が強い。それに津軽→後渤海→鎌倉と、舞台が目まぐるしく変わり、話の展開に唐突さがあることは否めない。
星若の家来衆には、弁慶・伊勢三郎という義経以来の家来とともに、アイヌ、女真人、漢人など北方世界に生きた多様な人々が含まれている。ちなみに女真人の家来の名前は「モンダイジ」(問題児)で、後の大清帝国第2代皇帝・ホンタイジから採ったのだろうと思われる。
安彦氏は北海道出身で、弘前大学に在学されたということだが、そのような北方世界への目配りが、この作品のエッセンスとなっており、興味深い観点をいろいろと含んでいる作品だと感じる。また、東アジア世界の人々の多様なかかわりを描くというのが、「虹色のトロツキー」「王道の狗」「天の血脈」「麗島夢譚」などに共通するテーマであり、この「安東」も、そういった作品群に含まれるのだろうと思う。
なお、安彦氏の描く鎌倉武者の姿はたいへん重厚感があり、見どころの一つである。