実話を元にした創作。小学5年生の時と20歳位の時に読み、数年前、約30年ぶりに読み返した。
シサム(日本人)の迫害に耐えかねた国後島のアイヌたちが島のシサムたちを襲い、続いてメナシ(北海道・根室半島周辺)を襲撃、現地のシサムをほぼ全員殺害。最後まで戦おうとするセツハヤを、父の酋長ツキノエアイノは「これ以上戦えば、多くのアイヌが傷つき、殺される。戦いに破れれば、クナシリ=アイヌはすべて殺されてしまう」とセツハヤを説得する。最後、セツハヤが島民たちを守るため、投降ののろしを上げた場面は、涙が出そうだった。
小川弥左衛門のような良いシサムの侍もいたのに、なぜ殺し合うことになったのか。「人間同士が憎み合い、殺し合うのではない。国という得体の知れない恐ろしい力が憎み合うのだ」とのツキノエアイノのセリフが心に響く。最後のブキテマアイノ(元シサム)の「私はアイヌではない。シサムでもない。私は人間だ」とのセリフが心に突き刺さる。
重いテーマを扱いながら、島の景観や生活が叙情豊かに描かれていて、暗い気持ちにさせない。木版画の挿絵も素晴らしい。
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魔神の海 (児童文学創作シリーズ) 単行本 – 1976/12/1
- 本の長さ297ページ
- 言語日本語
- 出版社講談社
- 発売日1976/12/1
- ISBN-104061189522
- ISBN-13978-4061189522
登録情報
- 出版社 : 講談社 (1976/12/1)
- 発売日 : 1976/12/1
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 297ページ
- ISBN-10 : 4061189522
- ISBN-13 : 978-4061189522
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