・サノーさん一言コメント
「芸事とはなにか。一人の日本人が辿り着いた幽玄の境地を、その息子が説く」
【サノーさんおすすめ度★★★★★】
・ウノーさん一言コメント
「文字の列から漂う、日本の伝統美。そこに拡がる世界は、日本人の美意識そのものと、深く結びついています」
【ウノーさんおすすめ度★★★★★】
・サノーさん、ウノーさん読書会
サノーさん(以下サ):申楽から能へ、余興から一筋の道へと進化させた能の開祖による「教科書」だ。
ウノーさん(以下ウ):この文庫版は、前半は口語訳、後半は現代語訳なんですが、前半で日本語の流麗さと風情を楽しみ、後半で意味と内容を知る、お得な一冊です。
サ:まず「年代別・能との付き合い方」だ。稽古は7歳から始まり、50代までのアドバイスとなる。
ウ:能に限らず、人としてワザや道を究めようとする人にとって「共通」の「あり方」と「心構え」が書かれています。
サ:次に、役別のアドバイスだ。
ウ:女や老人、鬼や神といった「役柄」を演じる際の注意点やコツ、アドバイスが書かれています。
サ:能を演じる上で、もっとも楽しいのが「物ぐるい」というのは、意外だった。
ウ:神様ではなく人だけど、神様よりの存在を演じることの難しさ、楽しさがあるんですね。
サ:年代別、役別のアドバイスのあとは「Q&A」が入る。
ウ:600年以上前でも「よくある質問と回答」を作っておくのは有効だったんですね。
サ:質問も、その答えも、風雅だよな。
ウ:「上手な役者でも、下手な役者の得意に敵わないことがあるのはなぜですか？」という質問とか、とても深い示唆を含む質問に、とても惹かれました。
サ:そのあとは、申楽の歴史を説明し、いよいよ本題である「花伝」へと続くわけだ。
ウ:奥義です。能という道を歩み、究める上で必要となるもの、必要となる考え方、必要となる感性を教えてくれます。
サ:ここでの表現や文字の並びに、美しさが息づいている。
ウ:サノーさんが、そう感じるのですから、相当です。この「花伝書」そのものが、能という幻術の一部であり、作品なのだと感じられます。
サ:「花」を悟る。この感覚を芸術という宇宙に持ち込んだのは、人類史上初だと思う。
ウ:ただ、そこにあるだけ美しく、そこにあるだけで見てしまう「存在」、その高みを目指すという感覚が「能」という芸道に込められた意識だと理解しました。
サ:こんなに感激しているのに「薪能」を少し見学しただけなんだよな。
ウ:これから、これから。花鳥風月を楽しみ、幽玄を想いながら、ゆるりゆるりとまいりましょう。
【了】
無料のKindleアプリをダウンロードして、スマートフォン、タブレット、またはコンピューターで今すぐKindle本を読むことができます。Kindleデバイスは必要ありません。
ウェブ版Kindleなら、お使いのブラウザですぐにお読みいただけます。
携帯電話のカメラを使用する - 以下のコードをスキャンし、Kindleアプリをダウンロードしてください。
何か問題が発生しました。後で再度リクエストしてください。
よく一緒に購入されている商品
+
+
総額:
当社の価格を見るには、これら商品をカートに追加してください。
ポイントの合計:
pt
一緒に購入する商品を選択してください。
この商品をチェックした人はこんな商品もチェックしています
ページ 1 以下のうち 1 最初から観るページ 1 以下のうち 1
著者について
著者をフォローして、新作のアップデートや改善されたおすすめを入手してください。
