今読むと結構初々しい
航空機を利用したアリバイは当時新鮮だった。
人間の証明の頃までは良い作品が多かったが
人気が出てからは独特の哀愁感が無くなり読まなくなったなぁ
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高層の死角 (講談社文庫 も 1-1) 文庫 – 1974/4/1
森村 誠一
(著)
第15回(1969年) 江戸川乱歩賞受賞
- 本の長さ302ページ
- 言語日本語
- 出版社講談社
- 発売日1974/4/1
- ISBN-104061360051
- ISBN-13978-4061360051
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登録情報
- 出版社 : 講談社 (1974/4/1)
- 発売日 : 1974/4/1
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 302ページ
- ISBN-10 : 4061360051
- ISBN-13 : 978-4061360051
- Amazon 売れ筋ランキング: - 1,813,752位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
著者について
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1933年、埼玉県熊谷市生まれ。青山学院大学卒。ホテルマンを経て作家となる。’69年『高層の死角』で第15回江戸川乱歩賞、’73年『腐蝕の構造』 で第26回日本推理作家協会賞を受賞。2003年には第7回日本ミステリー文学大賞を受賞した。ミステリーを中心に、歴史小説、ノンフィクションなど、多 岐にわたる分野で活躍(「BOOK著者紹介情報」より:本データは『 復活の条件 (ISBN-13: 978-4334076955 )』が刊行された当時に掲載されていたものです)
カスタマーレビュー
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2015年8月5日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
1969年に出版され、見事に江戸川乱歩賞を受賞した作品です。一躍、森村誠一氏の名前を世に知れ渡らせた記念すべき作品であります。
1967年に青樹社の那須英三編集長に認められ「大都会」を出版するものの、全く売れませんでした。那須編集長は、青樹社社長を「この人は、必ず売れるから」と口説き「幻の墓」「銀の虚城」「分水嶺」と出版しますがサッパリでした。
「銀の虚城」に至っては、那須編集長が「他の出版社からも出して、顔を広めた方が良い」と言われ、紹介された出版社へ持って行くと「全く小説になっていない」と酷評される始末でした。
そんな時、那須氏が「推理小説みたいなのを書いたらどうか」とアドバイスされて、書いたのが本作品です。それが見事に乱歩賞を受賞しました。那須編集長が森村氏の才能を発見した慧眼が認められたことになりました。勿論、那須編集長も大喜びしたことと思います。
惜しいのは、その記念すべき出版が青樹社からでは無かったことです。本作以前那須編集長と二人三脚で執筆に取り組んできただけに、青樹社からの出版で乱歩賞を受賞してもらいたかったと思うのは、私の様な凡人だけでしょうか。
本論は、高級ホテルで起きた密室殺人事件と、福岡博多で起きた若い女性の変死事件の二つを絡めています。最初の事件は、日本ホテル業界老舗のパレスサイドホテルの社長、久住正之助が自社のホテルの最上階のコネクティングルームで二重の密室という状況で死体となって発見されます。第二の事件は福岡博多のホテルで久住の美人秘書で参考人でもある有坂冬子が変死体となって発見されるのです。状況から毒殺と判断されますが何かを秘しての死だったのです。
この捜査に当たるのが捜査一課の平賀高明なのですが、事件発生以前に有坂冬子と関係があり、どういう関係かは控えますが、平賀はこの二つの事件解明に向けて、とりわけ執念を燃やします。
捜査は、専ら密室の謎と犯人のアリバイ崩しの展開になります。一遍の小説で密室破りとアリバイ崩しの二つをテーマにしています。密室トリックは意外に簡単に解明されます。あまりにも簡単なので現在では通用するものではありませんが、当時一般の人がこの様な高級ホテルに滞在する事が稀有の時代であって、多くの人が頷いてしまったのかもしれません。
変死事件の容疑者のアリバイ崩しは、実に念を入れています。変死した冬子の心情が無ければ、密室にならなかったであろう点は否めません。このアリバイ崩しは時刻表との戦いで、さながら「点と線」を彷彿とさせますが、更に輪をかけていて、いわゆる「線」の部分を長くしています。
1957年に松本清張氏が「点と線」で人気を博した推理小説ブームが去った後でしたが、この後は、森村誠一氏が新たなブームを築き上げることになりました。記念すべき森村氏の代表作です!
1967年に青樹社の那須英三編集長に認められ「大都会」を出版するものの、全く売れませんでした。那須編集長は、青樹社社長を「この人は、必ず売れるから」と口説き「幻の墓」「銀の虚城」「分水嶺」と出版しますがサッパリでした。
「銀の虚城」に至っては、那須編集長が「他の出版社からも出して、顔を広めた方が良い」と言われ、紹介された出版社へ持って行くと「全く小説になっていない」と酷評される始末でした。
そんな時、那須氏が「推理小説みたいなのを書いたらどうか」とアドバイスされて、書いたのが本作品です。それが見事に乱歩賞を受賞しました。那須編集長が森村氏の才能を発見した慧眼が認められたことになりました。勿論、那須編集長も大喜びしたことと思います。
惜しいのは、その記念すべき出版が青樹社からでは無かったことです。本作以前那須編集長と二人三脚で執筆に取り組んできただけに、青樹社からの出版で乱歩賞を受賞してもらいたかったと思うのは、私の様な凡人だけでしょうか。
本論は、高級ホテルで起きた密室殺人事件と、福岡博多で起きた若い女性の変死事件の二つを絡めています。最初の事件は、日本ホテル業界老舗のパレスサイドホテルの社長、久住正之助が自社のホテルの最上階のコネクティングルームで二重の密室という状況で死体となって発見されます。第二の事件は福岡博多のホテルで久住の美人秘書で参考人でもある有坂冬子が変死体となって発見されるのです。状況から毒殺と判断されますが何かを秘しての死だったのです。
この捜査に当たるのが捜査一課の平賀高明なのですが、事件発生以前に有坂冬子と関係があり、どういう関係かは控えますが、平賀はこの二つの事件解明に向けて、とりわけ執念を燃やします。
捜査は、専ら密室の謎と犯人のアリバイ崩しの展開になります。一遍の小説で密室破りとアリバイ崩しの二つをテーマにしています。密室トリックは意外に簡単に解明されます。あまりにも簡単なので現在では通用するものではありませんが、当時一般の人がこの様な高級ホテルに滞在する事が稀有の時代であって、多くの人が頷いてしまったのかもしれません。
変死事件の容疑者のアリバイ崩しは、実に念を入れています。変死した冬子の心情が無ければ、密室にならなかったであろう点は否めません。このアリバイ崩しは時刻表との戦いで、さながら「点と線」を彷彿とさせますが、更に輪をかけていて、いわゆる「線」の部分を長くしています。
1957年に松本清張氏が「点と線」で人気を博した推理小説ブームが去った後でしたが、この後は、森村誠一氏が新たなブームを築き上げることになりました。記念すべき森村氏の代表作です!
2023年9月27日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
トータルとして60点という印象。
森村誠一氏のホテルマン時代の業務知識が、
これほどまでに書くか、というほど盛り込まれている。
前半は特に盛り上がりを見せ、どうトリックを見破っていくかが気になる展開になる。
しかし後半になるにつれて、「くどい」印象が強くなってくる。あまりにもトリックに関連するホテル従業員しかわからないネタが細か過ぎて、「早く終わらないかな」とさえ感じる始末。
幾重にも立ちはだかる犯人のトリックを文章で伝えたかったのだろうが、これは小説でやるにはくどすぎる。映画や長尺のドラマなら相性が良さそうだ。
あと全体的に森村誠一氏のサスペンス小説に共通する話なのだが、後半に入ると事件解説への糸口が結構偶然というか、都合が良すぎる形で収束していく。
ある程度どんな小説でも偶然とか、ちょっと都合よく事件解決に向かう事はあるのだが、森村誠一氏の小説は特にこの傾向が強い。
前半で風呂敷を広げるだけ広げて、
後半でダレてしまう小説。確かに読んでいて疲れた。
読み終えた後のスッキリ感は殆どない。
森村誠一氏のホテルマン時代の業務知識が、
これほどまでに書くか、というほど盛り込まれている。
前半は特に盛り上がりを見せ、どうトリックを見破っていくかが気になる展開になる。
しかし後半になるにつれて、「くどい」印象が強くなってくる。あまりにもトリックに関連するホテル従業員しかわからないネタが細か過ぎて、「早く終わらないかな」とさえ感じる始末。
幾重にも立ちはだかる犯人のトリックを文章で伝えたかったのだろうが、これは小説でやるにはくどすぎる。映画や長尺のドラマなら相性が良さそうだ。
あと全体的に森村誠一氏のサスペンス小説に共通する話なのだが、後半に入ると事件解説への糸口が結構偶然というか、都合が良すぎる形で収束していく。
ある程度どんな小説でも偶然とか、ちょっと都合よく事件解決に向かう事はあるのだが、森村誠一氏の小説は特にこの傾向が強い。
前半で風呂敷を広げるだけ広げて、
後半でダレてしまう小説。確かに読んでいて疲れた。
読み終えた後のスッキリ感は殆どない。
2022年4月4日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
著者の出世作でありながら、令和4年になるまで未読であった。電子書籍なら身軽に読める、ということで購入した。
登場人物も魅力的な描かれ方をしており、キャラが立っている。昭和40年代にこの設定は、時代の先を行っていたのではないか?いちいち感心しながら、一気に読み終えた。
登場人物も魅力的な描かれ方をしており、キャラが立っている。昭和40年代にこの設定は、時代の先を行っていたのではないか?いちいち感心しながら、一気に読み終えた。
2008年2月23日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
私もようやく森村誠一氏が長編推理小説の新鋭としてデビューした作品を読む機会に恵まれた。しかし、読み終えてどっと「疲労感」を覚えた。読み進めると中断できないことは事前に分かっていたが、本書はとにかく犯人が仕掛けた多くのアリバイトリックを暴くことに主眼があり、刑事が1つのトリックを解明してもまた次のトリックが浮上するというシナリオになっており、とにかくある意味で、真っ向から「格闘」しなければならないのである。それは担当刑事の次のような発言からも明らかだ。(刑事の)「小林はうんざりした表情を隠さなかった。この犯人のバリケードは全く無限のような感がしたのである」(278頁)。失礼ながら、私もこうした感想をもった一人である。そしてできればタイトルにある「高層」という言葉通りのアリバイトリックで最後を締めくくってほしかった(最後のアリバイはホテルにおけるチェックインの時間帯の適合性に関するものだから)。しかし考えてみると、作者自身がこうした構想を考え付いたことに敬意を払わざるを得ないし、更に「解説」を読んでみて、作者が本書をわずか一ヶ月足らずで執筆したことに驚嘆しないわけにはいかない。刊行年は私が生まれる前の1969年であるが、今読んでも全く違和感がない。それどころか、かえって新鮮味があるような気さえするのである。資本主義社会における熾烈な企業間競争(本書ではホテル競争)や犯罪の国際化・広域化の様相などは、現在のグローバル経済に見事にマッチしているからだ。高層ホテルや国際線に絡めた幾重もの厳戒なアリバイもなかなか崩れないゆえの疲労感ではあったが、それはまた十分な高揚感や緊張感を伴っての疲労感に他ならない。それだけ本書は読み応えがあるだけでなく、作者の全身全霊が注入されたまさに「運命の作品」(著者自身の言葉)だったわけである。本書を読めばそれが十分に実感できると断言しておきたい。
2022年12月7日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
アリバイやら密室やらいろいろトリックを崩していくのだが、最後、犯人を特定する決め手がしょぼい…
2018年12月14日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
私が高校生の時に、本屋で偶然手にした文庫本が、この作品でした。40年以上前のおぼろげな記憶によれば、おそらく「江戸川乱歩賞」の文字も、購入の要因になったかと思います。中学生の時に、学校の図書館でモーリスルブランの怪盗ルパンシリーズに出会ったのが、いわゆるミステリー小説にハマったきっかけで、当初は主に海外作品を読んでいましたが、氏のこの作品を読んで、日本にも優れた推理小説があるんだと認識し、氏の作品にお小遣いの大半をつぎ込んだのです。角川文庫の青い背表紙が、本棚に並んで行く様は、同時に寝不足の自分を表していました。現在、加齢とともに老眼が進んだ私には、本棚に収まっている当時購入した文庫本の文字は、通読に厳しく懐かしさもあって、今回Kindle版を購入した次第です。ネットで調べると氏もすでに御歳85ということで、もうそんなに時が過ぎたんだな、と、自分の歳をも再認識する今日この頃です。
2023年8月18日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
犯人が自明な状態で、トリックだけをひたすら解明していく展開に疲れてくる。新たな手段が露見してもそれほどの高揚感はなく、途中からは、いいから早く終われって感じになる。
で、結局側近の運転手があそこまでべらべら喋るのかい!って肩透かしで終わるところがあっけないというか、森村誠一らしい気もする。
事件後の刑事のそれからみたいな章がないのもまさにそれ。
で、結局側近の運転手があそこまでべらべら喋るのかい!って肩透かしで終わるところがあっけないというか、森村誠一らしい気もする。
事件後の刑事のそれからみたいな章がないのもまさにそれ。