文化大革命が起こった1666年に14歳だった陳凱歌。著名な映画監督の父、英語を解する母を持つ知識人家庭に生まれた。知識人だろうと誰だろうと、文革の嵐は避けられない。その激しさを間近に描いた人々の悲劇はのちに詩人が『卑怯は卑怯者の通行証、気高さは気高き者の墓碑銘』と振り返ったという。つまりは卑怯でなければ生きることも叶わなかった時代なのだ。
66年の頃、そしてその以前59.60年の飢饉の頃の家庭も描かれ、名門中学に拡がる毛沢東の影響を感じることが出来る。とはいえ文革は不思議だ。陳凱歌はその根元を毛沢東の破壊者の側面と指導者に盲従するしかない人々の恐怖と喝破しているが、未知の時代の風を知れば知るほどに疑問はわく。
毛沢東は文革を企んだのか?大躍進の大失敗は権力闘争にしか振り返られなかったか?モノカルチャーが多様性を破壊した挙句に飢饉を招いたことを教訓に出来なかったのか?父母を売った紅衛兵たちはいまどうしているのか?宗教、因習が破壊されたことは拝金に繋がるのか?毛沢東盲従は朱子学のようなリゴリズムと根はひとつではないか?食えない民が1000万単位に及んだら王は倒されたのが中国史でないか?中国共産党王朝は以前の王朝と何が違うのか?
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私の紅衛兵時代-ある映画監督の青春 (講談社現代新書) 新書 – 1990/6/12
「天国」を夢みた毛沢東最後の挑戦、文革。彼の若き使徒、紅衛兵たちの反逆。破壊と挫折の日々を、人々はどう闘い、傷つき、死に、生きのびたのか?そして、下放先の大自然の中で得た、魂の新生……。「黄色い大地」を撮った中国映画界の旗手が、みずからの体験を、鮮烈な感覚でつづる、動乱期を生きた少年たちの、死と成長(イニシエーション)の記録!
- ISBN-104061490087
- ISBN-13978-4061490086
- 出版社講談社
- 発売日1990/6/12
- 言語日本語
- 本の長さ238ページ
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商品の説明
著者について
【陳凱歌】
Chen Kaige1952年、北京に生まれる。文革による雲南への下放、入隊を経て、1982年、北京電影学院監督科卒業。1987年よりニューヨークに在住。監督作品に、「黄色い大地」(’84)、「大閲兵」(’85)、「子供たちの王様」(’87)、「人生は琴の弦のように」(’91)、93年「覇王別姫」でカンヌ映画祭グランプリを獲得。
【刈間文俊】
1952年、東京に生まれる。東京大学大学院中国文学科博士課程修了。現在、東京大学助教授。専門は、中国現代文学・映画。著書に、『火種──中国知識人の良心の声』(共編訳)──凱風社──など。
Chen Kaige1952年、北京に生まれる。文革による雲南への下放、入隊を経て、1982年、北京電影学院監督科卒業。1987年よりニューヨークに在住。監督作品に、「黄色い大地」(’84)、「大閲兵」(’85)、「子供たちの王様」(’87)、「人生は琴の弦のように」(’91)、93年「覇王別姫」でカンヌ映画祭グランプリを獲得。
【刈間文俊】
1952年、東京に生まれる。東京大学大学院中国文学科博士課程修了。現在、東京大学助教授。専門は、中国現代文学・映画。著書に、『火種──中国知識人の良心の声』(共編訳)──凱風社──など。
登録情報
- 出版社 : 講談社 (1990/6/12)
- 発売日 : 1990/6/12
- 言語 : 日本語
- 新書 : 238ページ
- ISBN-10 : 4061490087
- ISBN-13 : 978-4061490086
- Amazon 売れ筋ランキング: - 416,120位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
著者について
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2019年4月2日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
2006年11月19日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
淡々と書かれているが、著者の鋭い洞察は
文化大革命の混乱を
そこにいる人や風景を
小さな物語を
悲しみを
間近に感じさせてくれる。
いい本だと思う。
文化大革命の混乱を
そこにいる人や風景を
小さな物語を
悲しみを
間近に感じさせてくれる。
いい本だと思う。
2018年7月9日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
混乱と暴力の時代の自画像なのですが、印象はとても静謐です。内容が辛くて一気に読むことができませんでした。
2007年2月4日に日本でレビュー済み
著者は文革時代に辛酸をなめ、毛沢東死亡、文革の終焉という不幸中の幸にめぐまれ北京映画学院に入学、卒業。中国内というより国際的に高い評価を受け、今は米国に住む。文革時代は肉親を裏切ってでも力の強い集団に属していなければ生きていけない酷い世界。これなど北朝鮮で処刑するのに肉親に投石させて殺すのを思い出させる。私的な裁判、制裁、鬱憤を晴らすかのような破壊、暴行行為、これを止めるどころか煽る毛沢東、林彪。国の幹部でも紅衛兵でも明日の保証はない。1人毛沢東が専制暴君。毛沢東は農民の出身、リーダーになっても所詮は農村のユートピアが夢そして知識人は嫌い。ポルポト政権そっくり。
文革時代の前の1960年初めに3000万人近くが餓死し、これに続く文革でも多数の死者がでた。知識人も文化も伝統普遍的な価値も皆破壊した。多数の知識人もそうでない人も無実の罪や迫害によって絶望に追い込まれ死んでいった。
これを読んで感じるのは、中国では命の尊さについて日本よりうんと軽んじられている。
法治の精神がない。不満や鬱憤を破壊活動、傷害殺人へと結びつける多数の暴徒がどこにもいる。これは2005年の日本に対する暴動にも表れている。
これらに関連しては「わが祖国中国の悲惨な真実」(陳恵運)のレヴューを2007・1・8に書きましたのでご覧ください。
雲南省に下放されていた時代の自然とのふれあいと詩的な表現ちょっとだけホッとします。
そしてこれからの時代は知識と能力がどの国でもますます重要視されていくのが分かります。
文革時代の前の1960年初めに3000万人近くが餓死し、これに続く文革でも多数の死者がでた。知識人も文化も伝統普遍的な価値も皆破壊した。多数の知識人もそうでない人も無実の罪や迫害によって絶望に追い込まれ死んでいった。
これを読んで感じるのは、中国では命の尊さについて日本よりうんと軽んじられている。
法治の精神がない。不満や鬱憤を破壊活動、傷害殺人へと結びつける多数の暴徒がどこにもいる。これは2005年の日本に対する暴動にも表れている。
これらに関連しては「わが祖国中国の悲惨な真実」(陳恵運)のレヴューを2007・1・8に書きましたのでご覧ください。
雲南省に下放されていた時代の自然とのふれあいと詩的な表現ちょっとだけホッとします。
そしてこれからの時代は知識と能力がどの国でもますます重要視されていくのが分かります。
2002年4月27日に日本でレビュー済み
映画監督チェンカイコーの、少年時代に出くわした文化大革命についての本。語り口は穏やかな哀しみを漂わせながら、文化大革命(および毛沢東)への評価は冷徹である。その読感は、(内容は全然違うけど)レヴィストロース「悲しき熱帯」あたりと似ている。
2020年5月15日に日本でレビュー済み
敬愛する陳凱歌監督が紅衛兵だったというタイトルに魅かれて読み始めたが、恐怖が駆り立てる行動に震撼した。今COVID-19で右往左往しているの状況はまさに、この恐怖しかない。
文革とは恐怖を前提にした愚かな大衆運動だが、その恐怖に簡単に突き動かされるのが怖い。『ワイルドスワン』よりマイルドな描かれたるように思う。
後半の雲南省の描写が詩的、読んでいて美しい風景を映画で観ているような映像描写が素晴らしい。
文革とは恐怖を前提にした愚かな大衆運動だが、その恐怖に簡単に突き動かされるのが怖い。『ワイルドスワン』よりマイルドな描かれたるように思う。
後半の雲南省の描写が詩的、読んでいて美しい風景を映画で観ているような映像描写が素晴らしい。
2007年2月2日に日本でレビュー済み
中国映画監督 陳凱歌の、少年時代に出くわした文化大革命についての本。
ユン・チアン『ワイルド・スワン』と同じように文革という異常な世界を経験して
人間の本来、あるべき姿が淡々と述べられている。
ユン・チアン『ワイルド・スワン』と同じように文革という異常な世界を経験して
人間の本来、あるべき姿が淡々と述べられている。