特に予備知識の無い人にイスラム史について書かれた本を紹介してくれと言われた場合、私はだいたいこの「新書イスラームの世界史」全三冊を勧めることにしている。
書かれたのはかなり前になるので、最新の研究成果等は期待できないのだが、中古市場で安く手に入り、なおかつ、網羅的にイスラム世界の通史を見るには便利なテキストだからだ。
これで、イスラム史に興味が湧いたなら、興味の湧いた部分を深彫りした本や最新の研究を踏まえた本などを読んでいけば良い。
安くイスラム史入門を手にするには良い本だと思う。
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イスラーム復興はなるか (講談社現代新書 1175 新書 イスラームの世界史 3) 新書 – 1993/11/1
イラン革命、湾岸戦争、ユーゴ紛争、原理主義……。イスラームにいま何が起きているのか。西欧優位の時代が生んだ近代化改革と、イスラーム復興運動のあいだで苦悩する、イスラームの近・現代を描くシリーズ最終巻。
息を吹きかえすイスラーム――ホメイニーの登場とイラン革命の成就によって、前章までにおいて述べてきた、第一次世界大戦直後の時期にその輪郭がつくられた国民国家の体制は、くさびを打ちこまれた。このような社会変動は、イラン一国だけにとどまるものではない。ほかの地域でも同じように体制自体の動揺・破綻・崩壊がすすんでいる。それはトルコやアラブ諸地域においては、ナショナリズムにもとづく国民国家の体制のゆきづまりとしてあらわれ、中央アジアやザカフカスでは、社会主義体制からの訣別というかたちをとった。このような体制変革にエネルギーをあたえているのは、いうまでもなくイスラームであろう……。いまやイスラームは失地を回復し、新しい活力をえて復興しようとしている。ヨーロッパ的な政治・法・社会のシステムに毒され、妥協をくり返してきた従来の世俗主義・モダニズムの体制を見直し、根本原理にたち戻って変革していこうとする動きが出てきた。イスラーム復興運動、原理主義運動などとよばれるものがそれである。――本書より
息を吹きかえすイスラーム――ホメイニーの登場とイラン革命の成就によって、前章までにおいて述べてきた、第一次世界大戦直後の時期にその輪郭がつくられた国民国家の体制は、くさびを打ちこまれた。このような社会変動は、イラン一国だけにとどまるものではない。ほかの地域でも同じように体制自体の動揺・破綻・崩壊がすすんでいる。それはトルコやアラブ諸地域においては、ナショナリズムにもとづく国民国家の体制のゆきづまりとしてあらわれ、中央アジアやザカフカスでは、社会主義体制からの訣別というかたちをとった。このような体制変革にエネルギーをあたえているのは、いうまでもなくイスラームであろう……。いまやイスラームは失地を回復し、新しい活力をえて復興しようとしている。ヨーロッパ的な政治・法・社会のシステムに毒され、妥協をくり返してきた従来の世俗主義・モダニズムの体制を見直し、根本原理にたち戻って変革していこうとする動きが出てきた。イスラーム復興運動、原理主義運動などとよばれるものがそれである。――本書より
- 本の長さ270ページ
- 言語日本語
- 出版社講談社
- 発売日1993/11/1
- ISBN-10406149175X
- ISBN-13978-4061491755
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商品の説明
著者について
【坂本 勉】
1945年、山梨県に生まれる。1969年慶応義塾大学文学部卒業。1975年、同大学大学院文学研究科博士課程修了。現在慶応義塾大学文学部教授。専攻は、近代イスラーム社会史。主な著書に、『世界史への問い3』(共著)――岩波書店、「概説イスラーム史」(共著)――有斐閣選書――などがある。
1945年、山梨県に生まれる。1969年慶応義塾大学文学部卒業。1975年、同大学大学院文学研究科博士課程修了。現在慶応義塾大学文学部教授。専攻は、近代イスラーム社会史。主な著書に、『世界史への問い3』(共著)――岩波書店、「概説イスラーム史」(共著)――有斐閣選書――などがある。
登録情報
- 出版社 : 講談社 (1993/11/1)
- 発売日 : 1993/11/1
- 言語 : 日本語
- 新書 : 270ページ
- ISBN-10 : 406149175X
- ISBN-13 : 978-4061491755
- Amazon 売れ筋ランキング: - 790,461位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 389位その他のアジア史の本
- - 2,377位講談社現代新書
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2008年1月8日に日本でレビュー済み
かつて世界史の主役として長く繁栄してきたイスラーム世界も、新興のヨーロッパ諸国に武力や科学技術の点で凌駕され、軍事的に屈伏させられ、その従属的な地位におとしめられる。結果として、現在ではテロや民族紛争などの問題をもつに至っている。
なぜイスラームは西洋に凌駕されたのか、これらの問題に立ち向かってイスラームは復興できるのか。本書では現在の視点からこれらの問題に取り組んでいく。
民族紛争が吹き荒れ、現代社会が行き詰まる中、これは西洋と非西洋の接点に生きる我々日本人にとっても重大な関心事である。
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