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ゲーデルの哲学 (講談社現代新書 1466) 新書 – 1999/8/20
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不完性定理を証明した天才の全体像とは。人間の理性に限界があることを示したゲーデルは、後年、神の存在を論理的に証明してみせた。孤高の人が到達した哲学的境地とはどのようなものか、初めて明かす。
- 本の長さ254ページ
- 言語日本語
- 出版社講談社
- 発売日1999/8/20
- 寸法10.6 x 1.1 x 17.4 cm
- ISBN-10406149466X
- ISBN-13978-4061494664
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商品の説明
著者について
登録情報
- 出版社 : 講談社 (1999/8/20)
- 発売日 : 1999/8/20
- 言語 : 日本語
- 新書 : 254ページ
- ISBN-10 : 406149466X
- ISBN-13 : 978-4061494664
- 寸法 : 10.6 x 1.1 x 17.4 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 124,007位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 140位ドイツ・オーストリアの思想
- - 253位西洋哲学入門
- - 983位講談社現代新書
- カスタマーレビュー:
著者について
最新刊『天才の光と影:ノーベル賞受賞者23人の狂気』(PHP研究所)を上梓した。本書では、とくに私が独特の「狂気」を感得したノーベル賞受賞者23人を厳選して、彼らの波乱万丈で数奇な人生を辿っている。一般に、ノーベル賞を受賞するほどの研究を成し遂げた「天才」は、すばらしい「人格者」でもあると思われがちだが、実際には必ずしもそうではない。フィリップ・レーナルト(1905年物理学賞)のようにヒトラーの写真を誇らしげに書斎に飾っていた「ナチス崇拝者」もいれば、「妻と愛人と愛人の子ども」と一緒に暮したエルヴィン・シュレーディンガー(1933年物理学賞)のような「一夫多妻主義者」もいる。「光るアライグマ(実はエイリアン)」と会話を交わしたという「薬物中毒」のキャリー・マリス(1933年化学賞)や、「アルコール依存症」で売春街から大学に通ったヴォルフガング・パウリ(1945年物理学賞)、「超越瞑想」に「オカルト傾倒」して周囲を唖然とさせたブライアン・ジョセフソン(1973年物理学賞)のような天才も存在する。どんな天才にも、輝かしい「光」に満ちた栄光の姿と、その背面に暗い「影」の表情がある。読者には、天才と狂気の紙一重の「知のジレンマ」から、通常では得られない「教訓」を読み取っていただけたら幸いである。本書には「狂気」の23人と関連して、44人のノーベル賞受賞者も登場する。「ノーベル化学賞・物理学賞・生理学医学賞の歴代受賞者(1901~2023年)」と600名近くの「人名索引」も添付してあるので、こちらもご活用いただけたらと願っている。
『新書100冊』(光文社新書)は、2019年7月〜2023年7月に刊行された約5000冊の新書の中から、私が責任を持って選び抜いた「新書100冊」を紹介します。また、本書掲載のコラム「『新書大賞』について」では、小集団の偏向審査に基づく「新書大賞」の「廃止」を提言しました(笑)。本書の100冊の書評は、絶対に「その著者だけ」にしか書けない新書、一流の科学者が最先端の研究成果をわかりやすく解説してくれる秀逸な新書、日本の抱える諸問題に本質的に斬り込む斬新な新書ばかりを集めてあります。多種多彩な「知的刺激」が凝縮された100冊の書評をまとめて見ると「壮観」です。本書が何よりも読者の「視野を広げる読書」のお役に立てば幸いです。
『実践・哲学ディベート』(NHK出版新書)は、『哲学ディベート』(NHKブックス)の続編に相当します。舞台は同じ大学の研究室で、教授と5人の学生がセミナーで話している光景……。とくに本書が焦点を当てているのは、実際に誰もが遭遇する可能性のある多彩な「人生の選択」です。第1章「出生前診断と反出生主義」、第2章「英語教育と英語公用語論」、第3章「美容整形とルッキズム」、第4章「自動運転とAI倫理」、第5章「異種移植とロボット化」について、各章が現実的問題と哲学的問題の2つのセクションに分けられて「哲学ディベート」が進行します。章末には「一緒に考えてみよう」という課題もあります。NHK文化センター講座【哲学ディベートを楽しもう!】でもリアルな「哲学ディベート」を楽しむことができますから、ぜひご参加ください。
『20世紀論争史』(光文社新書)は、20世紀に生じた多種多彩な論争について、「教授」と「助手」がコーヒーを飲みながら研究室で対話する形式で進行します。人類史上、過去と比べて20世紀の思想が大きく変遷したのは、コンピュータや遺伝子操作などの科学技術が飛躍的に発展した結果、そもそも人間とは何か、知性とは何か、存在とは何か……といった、従来は哲学の対象とされてきた問題が「科学哲学」の対象になった点にあります。本書の目的は、もはや「科学を視野に入れない哲学」も「哲学を視野に入れない科学」も成立しないという観点から、改めて20世紀を代表する「知の巨人」たちが繰り広げた原点の論争を振り返り、「科学と哲学の融合」のイメージを味わっていただくことにあります。全30章・456ページという新書は、これまでに私が上梓してきた中でも最も分厚い作品ですが、どなたにもわかりやすくスムーズに読んでいただけるように、ユーモラスで知的な対話を心掛けたつもりです。
『フォン・ノイマンの哲学』(講談社現代新書)は、20世紀を代表する天才のなかでも、ひときわ光彩を放っているジョン・フォン・ノイマンの生涯と思想、つまり「人生哲学」に焦点を当てました。ノイマンは、わずか53年あまりの短い生涯の間に、論理学・数学・物理学・化学・計算機科学・情報工学・生物学・気象学・経済学・心理学・社会学・政治学に関する150編の論文を発表しました。天才だけが集まるプリンストン高等研究所の教授陣のなかでも、さらに桁違いの超人的な能力を発揮したノイマンは、「人間のフリをした悪魔」と呼ばれました。「コンピュータの父」として知られる一方で、原子爆弾を開発する「マンハッタン計画」の科学者集団の中心的指導者でもあり、「ゲーム理論」と「天気予報」の生みの親でもあります。どのページにも驚愕の事実があると思います。
『自己分析論』(光文社新書)は、これまでに私が大学生や卒業生から相談を受けてきた「自己分析」について、「就職活動・人間関係・人生哲学」の3つの視点からアプローチしたのが特徴。「自己分析」についてのノウハウ本やワークブックは世に溢れていますが、本書のように3つの異なる分野に深く踏み込んで読者をサポートする書籍は、他に類を見ないものと自負しています。「就活生は必読!」であり、「転職」が頭に浮かんだり「いかに生きるべきか」悩んでいる読者にも、ぜひ読んでいただきたいと思います。
『反オカルト論』(光文社新書)は、『週刊新潮』の連載に加筆修正を行った内容。帯に「STAP事件は現代のオカルト!」とあるようにSTAP事件を徹底的に総括しました。フォックス事件の真相やコナン・ドイルがスピリチュアリズムに騙された理由、さらに霊感セミナーや江戸しぐさなど「現代も生き続ける〝トンデモ〟を科学的思考でめった斬り」にしたつもりです。
★自己紹介(たかはし・しょういちろう)
情報文化研究所所長・國學院大學教授。青山学院大学・お茶の水女子大学・上智大学・多摩大学・東京医療保健大学・東京女子大学・東京大学・日本大学・放送大学・山梨医科大学・立教大学でも兼任講師を歴任。ミシガン大学大学院哲学研究科修了後、テンプル大学専任講師、城西国際大学助教授を経て現職。
朝日カルチャーセンター・NHK文化センター・中日文化センター・ヒューマンアカデミーでも講座を担当。
専門は論理学・科学哲学。幅広い学問分野を知的探求!
著書は『理性の限界』『知性の限界』『感性の限界』『フォン・ノイマンの哲学』『ゲーデルの哲学』(以上、講談社現代新書)、『20世紀論争史』『自己分析論』『反オカルト論』『新書100冊』(以上、光文社新書)、『愛の論理学』(角川新書)、『東大生の論理』(ちくま新書)、『小林秀雄の哲学』(朝日新書)、『実践・哲学ディベート』(NHK出版新書)、『哲学ディベート』(NHKブックス)、『ノイマン・ゲーデル・チューリング』(筑摩選書)、『科学哲学のすすめ』(丸善)、『天才の光と影』(PHP研究所)など多数。
監修書は『記号論理学』『数理論理学』『不完全性定理』(以上、丸善)、『パラドックス大図鑑』『論理的思考』『科学大百科』(以上、ニュートンプレス)、『認知バイアス事典』『認知バイアス事典 行動経済学・統計学・情報学 編』(以上、フォレスト出版)など多数。
趣味はJazz+Wine+将棋四段。Japan Skeptics 副会長。
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
レビューのフィルタリング中に問題が発生しました。後でもう一度試してください。
何より、論理学の歴史的な変遷、特にゲーデルの人間性、ウィーン学派、ウィトゲンシュタイン、アインシュタイン、プリンストン高等研究所との関係などを知るには、とても良いかと思います。
普通に考えれば、高校数学レベルの素養では、歯が立たない代物である。
高校数学も怪しい自分としては、当然ながら、途中から意味が分からなくなった。
ゲーデル本は、E.ナーゲルの「ゲーデルは何を証明したか―数学から超数学へ」を先に読んでいたが、
その難解さは訳文ゆえの問題というわけではなく、理論そのものが難解で、解読には、どうしても一定の数学的知識とスキルが必要となる。
理論的に矛盾が生じようがないように見える数学の公理体系に、矛盾があるかどうか証明できない命題が潜むという提示は、
よくはわからずとも世界観の土台を覆すような、薄気味悪い違和感を感じざるを得ない。
実際にゲーデルの到達した理論は、公理論と数学の無矛盾性の証明に関する計画(ヒルベルト・プログラム)を灰塵に帰さしめ、
哲学界や宗教界にも、各理論の再考を迫るほどの破壊的衝撃を与えたようである。
どれくらい時間がかかってもいい。
粘り強く、納得がいくまで、ゲーデルの考えたこと、見ていたことを再体験してみたいと思わずにはいられない。
半分くらいしか理解できなくても、絶対公理を巡る数学者、哲学者たちの熱い論争は、一読の価値ありである。
アインシュタイン、ヴィトゲンシュタイン、チューリング、ノイマン等々、巨人達とゲーデルのかかわりも、ため息が出るほどクールである。
ゲーデルの人間像とか哲学を知る分にはそんなに苦労はないと思われますが、何よりも不完全性定理やその他の数学分野の説明が非常に理解しにくい。
著者は冒頭で「論理学・数学・哲学に関する予備知識は必要としない」と宣言しているのですが、単語の説明がすごく短いし、説明なしの初出用語も多々あります。
数学に堪能な人ならスイスイと読み進めるのも可能かもしれませんが、苦手な人間には障害物が多すぎで進みにくいです。
新書では難しいでしょうけど、図でまとめるとか、もうちょっと工夫してほしかったところです。
なので、本書をしっかりと読みこなしたいならば、「論理学・数学・哲学に関する予備知識を有する」必要があるかと。
「難しい定理よりもゲーデルという人間について知りたい」とか、「不完全性定理の大ざっぱなイメージを掴めればいい」という人には本書は向いてると思います。
出来れば、「ゲーテル数」についての明快な解説が欲しかったか。
数学好きな高校生諸君に夏休みに是非読んで欲しい本。
もし、知らないで、読まなかったことを想像するとぞっとします。