この本での「論理」とは、「思考法」といった意味に近い。そして、その力を育てるための、まず事実の分類と比較から始め、事実から自分の意見を立ち上げていく、というこの本が提唱しているプロセスは、かなり大切なことである。学問的思考の基礎であるのみならず、自分で物を考え、発信するための基礎的訓練だ。
現状の国語教育が文学に偏重し、「役立たない」ことについてはかなり以前から批判もあり、ディベートなどそれに対応する試みもいろいろ出されてきたが、「自分で書いて考えることの出来ない子どもにディベートをやらせてもあまり意味がないのでは?」と思っていた。その点、この本は読むこと・書くことを重視している点が極めてまっとうだし、また著者の主宰する国語教室での試みをもとにしておいるので、地に足がついてもいる。
国語とは、本来あらゆる学問の(すなわち、思考の)基礎になる科目だと思う。国語を真の意味で基礎的な科目にするための試みの書。「国語に強い子どもを育てる」との併読をお薦めする。
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論理に強い子どもを育てる (講談社現代新書 1643) 新書 – 2003/1/1
工藤 順一
(著)
できる子どもは論理的に考える
「論理」を「屁理屈」ととらえている大人は多いが、論理力とは相手をことばで納得させる説明能力である。子どもの論理力を引き出す実践的で効果のある方法を説く。
説明文を書くことが論理力を育てる――
「書くこと」が重要なのは、子どもが観察して考えたことを整理して、人が読んでもわかるように、ことばを組み立てる練習になるからです。それが人に話すときに、筋道だった説明をする能力の基礎にもなります。
最近は説得力のある意見というと、すぐに「話すこと」に目がいきがちですが、話すことに慣れていない子どもの場合には本末転倒で、単語をつなげるだけになってしまいます。
人にわかる説明をするには、観察した事実を、まず主要なものとその他のものに分類してまとめ、それらを筋道立てて配列し、自分のことばで新たにまとめ上げる作業が必要です。子どもの論理力を育てるには、ことばを扱う能力を養わなければならず、それには、事実に即した説明文を書いてみることが必要なのです。 ――(本書より)
「論理」を「屁理屈」ととらえている大人は多いが、論理力とは相手をことばで納得させる説明能力である。子どもの論理力を引き出す実践的で効果のある方法を説く。
説明文を書くことが論理力を育てる――
「書くこと」が重要なのは、子どもが観察して考えたことを整理して、人が読んでもわかるように、ことばを組み立てる練習になるからです。それが人に話すときに、筋道だった説明をする能力の基礎にもなります。
最近は説得力のある意見というと、すぐに「話すこと」に目がいきがちですが、話すことに慣れていない子どもの場合には本末転倒で、単語をつなげるだけになってしまいます。
人にわかる説明をするには、観察した事実を、まず主要なものとその他のものに分類してまとめ、それらを筋道立てて配列し、自分のことばで新たにまとめ上げる作業が必要です。子どもの論理力を育てるには、ことばを扱う能力を養わなければならず、それには、事実に即した説明文を書いてみることが必要なのです。 ――(本書より)
- 本の長さ190ページ
- 言語日本語
- 出版社講談社
- 発売日2003/1/1
- ISBN-104061496433
- ISBN-13978-4061496439
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登録情報
- 出版社 : 講談社 (2003/1/1)
- 発売日 : 2003/1/1
- 言語 : 日本語
- 新書 : 190ページ
- ISBN-10 : 4061496433
- ISBN-13 : 978-4061496439
- Amazon 売れ筋ランキング: - 1,144,351位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
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