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参謀本部と陸軍大学校 (講談社現代新書) 新書 – 2004/3/21
黒野 耐
(著)
大東亜戦争敗戦の真因は組識と教育だった。統帥権独立のため創設された参謀本部が権力闘争の具と化し、参謀養成のための陸軍大学校が教育方針を誤まったことで破滅した日本軍の絶望的な内実を克明に追う。(講談社現代新書)
大東亜戦争敗戦の真因は組識と教育だった。統帥権独立のため創設された参謀本部が権力闘争の具と化し、参謀養成のための陸軍大学校が教育方針を誤まったことで破滅した日本軍の絶望的な内実を克明に追う。
大東亜戦争敗戦の真因は組識と教育だった。統帥権独立のため創設された参謀本部が権力闘争の具と化し、参謀養成のための陸軍大学校が教育方針を誤まったことで破滅した日本軍の絶望的な内実を克明に追う。
- 本の長さ264ページ
- 言語日本語
- 出版社講談社
- 発売日2004/3/21
- 寸法11.4 x 1.2 x 17.4 cm
- ISBN-104061497073
- ISBN-13978-4061497078
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商品の説明
著者からのコメント
創業者のカリスマ社長はきわめて優れた人物であり、一代で大会社を築きあげた。だが、その会社組織はカリスマ社長の意のままには動くが、彼以外には機能しない非近代的な会社組織であった。しかも、カリスマ社長は自分の後継者を育てることなく、自分の意のままに動く各部門の専門家だけを養成していた。さらに、自分の右腕ともいうべき二人の取締役の活動を放置し、両者間に問題が生じたときは、自らが調整して解決してきた。こうした会社があったとしたら、カリスマ社長が亡くなったあと、この会社がどうなるかは想像に難くありません。
このような卑近な例を地で行ったのが、近代国家として誕生した日本の国軍であったと思います。国軍の中心組織であった参謀本部を天皇に直属させて政府から切り離し、国軍を陸軍と海軍に、そして参謀本部も陸軍参謀本部と海軍軍令部に分離して、政治と軍事、陸軍と海軍の間の企図と行動を統一できなくしてしまったのです。明治政府を作りあげた元老や元帥といった一部の指導者たちが、この問題点を調整して運営し、成果を上げてきました。
彼らの後継者を育成すべき陸軍大学校では、海軍大学校も本質的には同じですが、少壮参謀としての専門識能を徹底して鍛えあげ、指導者としての教育はほとんど行いませんでした。その結果が、彼らが亡きあとの大正末期以降、とくに昭和期になると、勝算も戦争終結の目算もないまま戦争に突入させ、国家を滅亡させるような指導者しかいなくなるのです。
では、何故このようになってしまったのか?どのような問題が重なっていたのか?どうすべきであったのか?こうした問題を分析し、失敗の本質を明らかにしたのが本書です。
組織と人材養成の問題は軍隊だけではなく、一般社会の組織体においても永遠のテーマです。是非とも一読いただき、ご批判を賜れば慶びであります。
このような卑近な例を地で行ったのが、近代国家として誕生した日本の国軍であったと思います。国軍の中心組織であった参謀本部を天皇に直属させて政府から切り離し、国軍を陸軍と海軍に、そして参謀本部も陸軍参謀本部と海軍軍令部に分離して、政治と軍事、陸軍と海軍の間の企図と行動を統一できなくしてしまったのです。明治政府を作りあげた元老や元帥といった一部の指導者たちが、この問題点を調整して運営し、成果を上げてきました。
彼らの後継者を育成すべき陸軍大学校では、海軍大学校も本質的には同じですが、少壮参謀としての専門識能を徹底して鍛えあげ、指導者としての教育はほとんど行いませんでした。その結果が、彼らが亡きあとの大正末期以降、とくに昭和期になると、勝算も戦争終結の目算もないまま戦争に突入させ、国家を滅亡させるような指導者しかいなくなるのです。
では、何故このようになってしまったのか?どのような問題が重なっていたのか?どうすべきであったのか?こうした問題を分析し、失敗の本質を明らかにしたのが本書です。
組織と人材養成の問題は軍隊だけではなく、一般社会の組織体においても永遠のテーマです。是非とも一読いただき、ご批判を賜れば慶びであります。
登録情報
- 出版社 : 講談社; 初版 (2004/3/21)
- 発売日 : 2004/3/21
- 言語 : 日本語
- 新書 : 264ページ
- ISBN-10 : 4061497073
- ISBN-13 : 978-4061497078
- 寸法 : 11.4 x 1.2 x 17.4 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 265,508位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 191位その他の軍事関連書籍
- - 1,541位講談社現代新書
- - 3,428位日本史一般の本
- カスタマーレビュー:
著者について
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2013年6月8日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
まともにきちんとまとめられている本です。取り立てて奇抜なことや新規な内容はありません。良質な本なので、入門のつもりで読まれても良いと思います。
2009年7月3日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
幕末から大東亜戦争敗戦までの歴史には興味があり色々読んでいるのだが、大東亜戦争真っ最中ですら、日本政府が統合的戦争指導が出来ていなかったことを改めて認識。陸軍と海軍がそっぽを向いていたのはよく知られているが、陸軍省と参謀本部、参謀本部内の作戦課と情報、兵站がかくもばらばらで、統合できる指導者が誰もいないというのが、今日の日本の政府、政治ともシンクロする。1戦争目的とシナリオが各部門からの寄せ集めで玉虫色かつ他力本願、2陸軍大学校恩賜軍刀組(学業秀才)が事実を無視して作戦をでっち上げる硬直した官僚機構、3首相東條英機すらミッドウェー惨敗を知らなかったという指導者に情報が集まらず権限もない統治機構。今の日本にもそのまま当てはまる。明治政府初期か徳川幕府初期のように、暴力的に既成勢力を破壊しないとこの国は統合的に指導できないってことか。
2013年10月9日に日本でレビュー済み
本書は、大日本帝国陸軍の中枢組織たる参謀本部と
そこへの人材供給を担った陸軍大学校の歴史的変遷を辿る。
組織を構成するのは人材であり、時代や環境の変化に応じて
組織を改革し、それをまた新たに機能させて行くのもまた
人材である。
本書は、陸軍という巨大な組織を動かす参謀本部が、陸軍の
独断的組織利益の追及と組織内外での権力闘争により機能不全
に陥ってゆく過程を幹に据える。そして、その人材供給を担った
陸軍大学で実施された専科偏重のエリート教育とそこから輩出
された軍幹部達が、統帥権の御旗の下で、政略・戦略に一貫性を
欠いた近視眼的国策策定に突き進む様を描き出す。
組織の機能・目的設定、そして人材育成は何時の時代でも重要な
関心事であるが、本書は今日の我々にも、極めて有意な教訓を
示唆する「失敗学」ではあるまいか。
そこへの人材供給を担った陸軍大学校の歴史的変遷を辿る。
組織を構成するのは人材であり、時代や環境の変化に応じて
組織を改革し、それをまた新たに機能させて行くのもまた
人材である。
本書は、陸軍という巨大な組織を動かす参謀本部が、陸軍の
独断的組織利益の追及と組織内外での権力闘争により機能不全
に陥ってゆく過程を幹に据える。そして、その人材供給を担った
陸軍大学で実施された専科偏重のエリート教育とそこから輩出
された軍幹部達が、統帥権の御旗の下で、政略・戦略に一貫性を
欠いた近視眼的国策策定に突き進む様を描き出す。
組織の機能・目的設定、そして人材育成は何時の時代でも重要な
関心事であるが、本書は今日の我々にも、極めて有意な教訓を
示唆する「失敗学」ではあるまいか。
2004年4月13日に日本でレビュー済み
参謀本部の歴史を紐解くにあたり、著名な個人の意思によって
歴史が、組織が変わっていくように書かれている。
組織といえど個人の意思決定によって動くのであるから、
個人の決定が組織の歴史に影響していくのはわかるが、
本当に、ここまで個人の影響が大きかったのか?
さもありなん、とも思うが、ちょっと大げさな気もする。
歴史が、組織が変わっていくように書かれている。
組織といえど個人の意思決定によって動くのであるから、
個人の決定が組織の歴史に影響していくのはわかるが、
本当に、ここまで個人の影響が大きかったのか?
さもありなん、とも思うが、ちょっと大げさな気もする。
2012年5月4日に日本でレビュー済み
旧陸軍の頭脳である参謀本部と頭脳になる人材を養成した陸軍大学校をその設立から廃止に至るまで簡潔に著した良書。著者は元自衛官(陸将補)で戦史の専門家であり、本書の著述は客観的で偏ったところがない。陸大の教育が戦術面に偏り、より広い視野での国家戦略(総力戦)に関して充分な教育や研究を怠ったこと。そしてその陸大出身者の集まりである参謀本部が長期的な視野を持たず、いたずらに戦火を拡大し、自分たちでも収拾出来なくなったことがよく解かる。またこういった陸軍の暴走が法律・制度的欠陥(統帥権の独立)にあり、以前は軍と政治に睨みが効く政府の大物(維新の元勲)がそれを補っていたが、昭和に入ると陸軍を止められる政治家がいなくなったことを指摘している。
2011年2月23日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
官僚組織の独断傾向の歴史的背景を知りたくて読んだ。
筆者の主張、ここから===
筆者は、参謀と将帥を分けて考える。
参謀は(人格で劣っても)才気に優れる者。学校で養成できる。
将帥は(才気で劣っても)人格に優れる者。学校で養成できない。
維新後の軍は、伊藤博文や山県有朋をはじめ、実戦で養成された将帥が軍を率いた。
参謀不足解消を陸大に期待した。
陸大は、当時の世界の戦争の潮流に沿って、短期戦を教えた。
その後、維新を潜り抜けた将帥が世を去った。
また、世界の戦争の潮流が、長期戦・総力戦に変わった。
しかし、陸大は、短期戦×参謀しか養成できなかった。
長期戦・総力戦に向けた軍・経済・国家改革を志向したのが、
田中義一、宇垣一成、永田鉄山、石原莞爾ら、統制派。
軍人整理、軍の近代化、経済の重工業化・計画化に進んだ。
一方、総力戦を無理・不要と見たのが、
荒木貞夫、真崎●三郎などの皇道派。
===ここまで、筆者の主張
私見、ここから===
内容の7割近くが戦史に割かれていた。ここまで割く必要ないだろ。
山県有朋が政軍分離を図ろうとした背景を、山県の政治的野心と片付けている。
山県については、「山県有朋」(伊藤之雄、文藝春秋)を読まずに語れないと思う。
===ここまで、私見
筆者の主張、ここから===
筆者は、参謀と将帥を分けて考える。
参謀は(人格で劣っても)才気に優れる者。学校で養成できる。
将帥は(才気で劣っても)人格に優れる者。学校で養成できない。
維新後の軍は、伊藤博文や山県有朋をはじめ、実戦で養成された将帥が軍を率いた。
参謀不足解消を陸大に期待した。
陸大は、当時の世界の戦争の潮流に沿って、短期戦を教えた。
その後、維新を潜り抜けた将帥が世を去った。
また、世界の戦争の潮流が、長期戦・総力戦に変わった。
しかし、陸大は、短期戦×参謀しか養成できなかった。
長期戦・総力戦に向けた軍・経済・国家改革を志向したのが、
田中義一、宇垣一成、永田鉄山、石原莞爾ら、統制派。
軍人整理、軍の近代化、経済の重工業化・計画化に進んだ。
一方、総力戦を無理・不要と見たのが、
荒木貞夫、真崎●三郎などの皇道派。
===ここまで、筆者の主張
私見、ここから===
内容の7割近くが戦史に割かれていた。ここまで割く必要ないだろ。
山県有朋が政軍分離を図ろうとした背景を、山県の政治的野心と片付けている。
山県については、「山県有朋」(伊藤之雄、文藝春秋)を読まずに語れないと思う。
===ここまで、私見
2011年11月17日に日本でレビュー済み
この本は旧日本陸軍の根本的欠陥を露にした著作として非常に価値がある。
日本的価値観などという、曖昧模糊とした理由で逃げず、明確に参謀本部の歴史的成立過程とその要員を育成する陸軍大学校の教育上の欠陥が、敗戦必死の戦争を進める元になったことを明示した意味で、この本の価値は非常に高い。
黒野氏の著作は、基本的に感覚論に陥らないという点において、他の類似の本よりも遥かに信頼がおける。
興味のある方には一読をお勧めする。
日本的価値観などという、曖昧模糊とした理由で逃げず、明確に参謀本部の歴史的成立過程とその要員を育成する陸軍大学校の教育上の欠陥が、敗戦必死の戦争を進める元になったことを明示した意味で、この本の価値は非常に高い。
黒野氏の著作は、基本的に感覚論に陥らないという点において、他の類似の本よりも遥かに信頼がおける。
興味のある方には一読をお勧めする。
2016年5月9日に日本でレビュー済み
よっぽど戦前の陸軍についてだけに興味があるマニアックな人以外は「失敗の本質」などの別の本を読んだほうがいい。
まず、各段落や一文の中でも論理展開にかなり無理があり、結論ありきに感じる。読む前からもともとこの本の結論と同意見を持っている人は納得がいくかもしれないが、戦前の陸軍の組織や教育の教訓を現代の何かに活かしたいと考えて読む人には理解できないことが多い。
加えて、主張に新しさがない。テーマこそ陸軍の組織と教育という興味を抱きやすいものだが、中身は山県有朋の権力欲や陸海軍の不仲などで、既に言われつくされていることを詳細に資料を挙げて再度主張されても、新たに学ぶことは少ない。「だから現代の◯◯においては〜〜に変更すべき、重視すべき」といった話が全く出てこないので、読んでも考えが発展しない。
まさに自衛官が書いた文章というように感じる。定年後とかだったら暇つぶしに読むのもいいかもしれないが、20代、30代は読んでも得るものは少ないと思う。
まず、各段落や一文の中でも論理展開にかなり無理があり、結論ありきに感じる。読む前からもともとこの本の結論と同意見を持っている人は納得がいくかもしれないが、戦前の陸軍の組織や教育の教訓を現代の何かに活かしたいと考えて読む人には理解できないことが多い。
加えて、主張に新しさがない。テーマこそ陸軍の組織と教育という興味を抱きやすいものだが、中身は山県有朋の権力欲や陸海軍の不仲などで、既に言われつくされていることを詳細に資料を挙げて再度主張されても、新たに学ぶことは少ない。「だから現代の◯◯においては〜〜に変更すべき、重視すべき」といった話が全く出てこないので、読んでも考えが発展しない。
まさに自衛官が書いた文章というように感じる。定年後とかだったら暇つぶしに読むのもいいかもしれないが、20代、30代は読んでも得るものは少ないと思う。