究極の統一理論としての期待が高まる「超ひも理論」について、
その背景となった素粒子物理学の理論変遷を含め、判り易く
説明してくれます。
著者の立場は、素粒子物理学者として、物質の究極を極めるこ
とにありますが、それがそのまま宇宙の謎を解くことにもなり
ます。
その解答への期待が、「超ひも理論」に掛かっている理由が、
説得力を持って展開されて行きます。
そして最後に付録として、超ひも理論による宇宙試論が登場
します。
この物質の究極を求めた結果、到達した宇宙論は、並行宇宙
ではない、サイクリック宇宙というものでした。
これが直感や想像だけでなく、数式からも出現したというこ
とが、美しいと言えます。
とにかく、ワクワクする宇宙論の登場であることは間違いあり
ません。
今後の展開が楽しみです。
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はじめての〈超ひも理論〉 (講談社現代新書) 新書 – 2005/12/17
川合 光
(著)
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私たちは50回目の宇宙に住んでいる!? 「サイクリック宇宙」試論も収録! 時間も空間も1個のひもから始まった――クオークの正体は何か。重力はいかにして統一できるか。宇宙はなぜ生まれ、どう膨張してきたのか。物質の窮極の構成要素とは何か。「4つの力」の統一、時間の起源、宇宙誕生の謎を解く「超ひも理論」の全貌を第一人者がわかりやすく解説する、待望の入門書。
私たちは50回目の宇宙に住んでいる!?「サイクリック宇宙」試論も収録!
時間も空間も1個のひもから始まった――クオークの正体は何か。重力はいかにして統一できるか。第一線研究者がわかりやすく説く「究極の物理理論」
完成までのあと一歩
第3期ブームが始まれば、標準模型が検証されたり、「セオリー・オブ・エブリシング」として超ひも理論が、クオークの世代数や質量、ゲージ群の構造、ニュートン定数やその他の結合定数など、現在知られているあらゆる物理量を説明してみせたり、ブラックホールの謎が完全に解けたり、われわれの「サイクリック宇宙」論が宇宙論に新たな展開を拓いたり、それは賑やかなことになるでしょう。しかし何といっても究極の目標は、超ひも理論を完全に定義し、超ひもの唯一の真空を見出すことに尽きます。われわれの行列模型は、ほかのタイプの類似のモデルと比較しても、最も対称性が高いものであり、その有力候補と目されていると思います。――<本書より>
私たちは50回目の宇宙に住んでいる!?「サイクリック宇宙」試論も収録!
時間も空間も1個のひもから始まった――クオークの正体は何か。重力はいかにして統一できるか。第一線研究者がわかりやすく説く「究極の物理理論」
完成までのあと一歩
第3期ブームが始まれば、標準模型が検証されたり、「セオリー・オブ・エブリシング」として超ひも理論が、クオークの世代数や質量、ゲージ群の構造、ニュートン定数やその他の結合定数など、現在知られているあらゆる物理量を説明してみせたり、ブラックホールの謎が完全に解けたり、われわれの「サイクリック宇宙」論が宇宙論に新たな展開を拓いたり、それは賑やかなことになるでしょう。しかし何といっても究極の目標は、超ひも理論を完全に定義し、超ひもの唯一の真空を見出すことに尽きます。われわれの行列模型は、ほかのタイプの類似のモデルと比較しても、最も対称性が高いものであり、その有力候補と目されていると思います。――<本書より>
- ISBN-104061498134
- ISBN-13978-4061498136
- 出版社講談社
- 発売日2005/12/17
- 言語日本語
- 寸法10.6 x 1.3 x 17.4 cm
- 本の長さ280ページ
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登録情報
- 出版社 : 講談社 (2005/12/17)
- 発売日 : 2005/12/17
- 言語 : 日本語
- 新書 : 280ページ
- ISBN-10 : 4061498134
- ISBN-13 : 978-4061498136
- 寸法 : 10.6 x 1.3 x 17.4 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 517,544位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2019年1月17日に日本でレビュー済み
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★超ひも理論をわかりやすい構成(冒頭からいきなり超ひも理論を説明してくれる点など)でまとめてある点が評価できます。また、例えば超ひも理論に至るまでの「力の統一」の部分で、テクニカルな面を丁寧にわかりやすく説明している点などは非常に役立ちました。
■その他、本書の文中に「本書は基本的には物理学を学ぶ大学生の教科書となるものにしたいと思っています」(第7刷,p.23)とあります。それを踏まえて実際に読んだ上での感想ですが、本書の対象者は「知識ゼロの人」と「物理や宇宙をある程度知っている人」のちょうど中間あたりといったところです。知識ゼロから挑むには、やや難解な面も含むと思った方がいいと思います。
(※知識ゼロから学ぶには『宇宙に外側はあるか』(松原隆彦)を読んでから、本書を読むべきかと思います。)
■また、大きな問題点として著者の提唱する「”独自の”サイクリック宇宙論」と、広く知られている「サイクリック宇宙論」の違いについて説明されないまま進んでいくため、誤解を招く恐れがあります(最終盤の「付録」にてようやく説明がある)。また、サイクリック宇宙論を含む、宇宙の始まりについての他の論(定常宇宙論、無からの宇宙誕生など)について説明が欠けているために、ともすればサイクリック宇宙論や著者独自のサイクリック宇宙論が中心的なものであるという誤解を招くかもしれません。
■その他、広く知られている定説よりも著者の考え方を優先している箇所や、まだ定かではない情報を断定的に記述している箇所がちらほらあります。その結果、全体として「著者の『”独自の”サイクリック宇宙論』を説明するための超ひも理論の解説」となっていると感じました。
■その他、本書の文中に「本書は基本的には物理学を学ぶ大学生の教科書となるものにしたいと思っています」(第7刷,p.23)とあります。それを踏まえて実際に読んだ上での感想ですが、本書の対象者は「知識ゼロの人」と「物理や宇宙をある程度知っている人」のちょうど中間あたりといったところです。知識ゼロから挑むには、やや難解な面も含むと思った方がいいと思います。
(※知識ゼロから学ぶには『宇宙に外側はあるか』(松原隆彦)を読んでから、本書を読むべきかと思います。)
■また、大きな問題点として著者の提唱する「”独自の”サイクリック宇宙論」と、広く知られている「サイクリック宇宙論」の違いについて説明されないまま進んでいくため、誤解を招く恐れがあります(最終盤の「付録」にてようやく説明がある)。また、サイクリック宇宙論を含む、宇宙の始まりについての他の論(定常宇宙論、無からの宇宙誕生など)について説明が欠けているために、ともすればサイクリック宇宙論や著者独自のサイクリック宇宙論が中心的なものであるという誤解を招くかもしれません。
■その他、広く知られている定説よりも著者の考え方を優先している箇所や、まだ定かではない情報を断定的に記述している箇所がちらほらあります。その結果、全体として「著者の『”独自の”サイクリック宇宙論』を説明するための超ひも理論の解説」となっていると感じました。
2017年9月22日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
他のレビュアーさんもおっしゃってますが、超ひも理論には量子力学とかアインシュタインの相対性理論とかベースになるものがたくさんあって、それを全部説明してから数章先でやおら「超ひも」が出てくる本もあるのに、この本はいきなり「超ひも」で始まり、そのベースや詳細はおいおいだんだんに話してくれるというとてもわかりやすい説明になっています。本当に説明が上手だと思います。たとえば、「超ひも理論」は実験で全部証明できないかというとそうでもなく、カミオカンデとか、パワーの低い部分では現存する加速器でも証明できる可能性があるとか知るのは興味深いです。また、本当に全部実験で証明しようとすると、冥王星の軌道サイズの加速器が必要とか、さらに宇宙は生まれたり死んだりを繰り返している「サイクリック宇宙論」に至っては、超ひも理論でうまく説明できるというほかに全部実験で証明するのは無理そうです。「証明がないと信じない」と言う人、量子論も出たときは「なんじゃそりゃ」がいまでは産業で「トンネル効果」が使われているとか、とにかくこういう全部証明できないことを、それでもいまある物理や科学の道具を使ってなるべく「確からしい」解答を求めようという物理学者の試みは面白いし、楽しいと思います。いままで「超ひも理論」のブームは二回くらいあって、そのたびに違う項目がクローズアップされたようです。そういう歴史を知るのも面白いし、とにかく科学的な冷静さを保ちながら、想像も入れて解いていく課題が「超ひも理論」やそれが描く宇宙や物質の世界なんだと思います。そこそこ詳しいのに、物理や数学赤点スレスレだった私も通読できて面白いと感じました。もちろん、物理や数学のセンスのある人ならもっと面白いと思います(もしかして少し物足りない)。「超ひも理論」というまあ言えばわけわからないものを、専門家が上手に説明してくれているので、興味のある人は読んでみることを強くお勧めします。私には良い本でした。
2016年4月30日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
超ひも理論、と言われても何のことやら分からない。重力、電磁力、弱い力の相互作用、強い力の相互作用、という4つの力を統一できるといわれてもこれがさっぱり分からない。分からないことだらけの素粒子論であった。分かっている極く少人数の人のおかげで、サイエンスにとどまらずテクノロジーに飛躍的発展をもたらし、現在の我々は非常に恩恵を被っているよ。その程度の理解しかできません。残念ながら私の実力では・・・。しかしそれでいいんじゃないか。こういう人智を超越した分野で頑張っている人のおかげで我々庶民も恩恵を受けているよということが分かっただけでも。
個人的には付録の「50回目の宇宙に住んでいる?」が正直、一番おもしろかった。てっきりインフレーション理論かと思ったら、ビッグバンとビッグクランチの繰り返しで、今の宇宙は50回目のものなのかもしれないというのは、正直驚かされた。ここは宇宙物理学と素粒子物理学の相違点かな。本当に奥が深い。私はこういう意見に触れることができて満足である。
個人的には付録の「50回目の宇宙に住んでいる?」が正直、一番おもしろかった。てっきりインフレーション理論かと思ったら、ビッグバンとビッグクランチの繰り返しで、今の宇宙は50回目のものなのかもしれないというのは、正直驚かされた。ここは宇宙物理学と素粒子物理学の相違点かな。本当に奥が深い。私はこういう意見に触れることができて満足である。
2020年8月19日に日本でレビュー済み
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凡人には難しすぎた(笑)
2015年7月7日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
初学者向けの啓蒙書です。
説明もわかりやすいし、いい本だと思います。
難しい数式もありませんし、いい本です
説明もわかりやすいし、いい本だと思います。
難しい数式もありませんし、いい本です
2014年10月3日に日本でレビュー済み
2005年の本。著者は京都大学教授。
曰く・・・
電磁力と弱い力は電弱理論により統一され、強い力も量子色力学によって電弱理論と同様に理解できる。これを「標準模型」という。しかし、重力は標準模型のようには記述できていない。超ひも理論によれば、重力と他の3つの力を統一的に理解できる。標準模型は多数のパラメータを含み、もし・・ならばという仮定込みの条件付き理論だが、超ひも理論にはパラメータが1つもない。超ひも理論は森羅万象のすべてを解く唯一の理論である。
超ひもがうようよと存在できる領域のエネルギーはクォークの結合エネルギーよりも圧倒的に大きく、これをプランクエネルギーという。プランクエネルギーとはプランクの長さが長さの限界値であるのと同様、粒子のもつエネルギーがそれ以上高くなれば時空を定義できなくなるエネルギーの限界値。
粒子1個が持てるエネルギーはプランクエネルギー程度が限度だが、超ひもではエネルギーが増えた分、伸びることができるのでそれ以上のエネルギーを持つことができる。ひもの伸び方が何通りもあるのでエネルギーが増えるときにエントロピーを大きく稼ぐ。エネルギーが増えた分、エントロピーも増大する超ひもの世界では、エネルギーが増えてくると温度上昇が小さくなりやがて上限値に達する。このときの温度を「ハゲドン温度」という。プランクエネルギーよりも高エネルギーでありながら温度はハゲドン温度のまま、という事態が起こりうる。
クォークを結合する力線(相互作用:強い力)はどれだけ力を加えても引きちぎることができない。これをクォークの閉じ込めという。それでも、伸ばしていくと力線はちぎれ、そのちぎれた場所にクォークと反クォークが生まれる。
クォークを結びつける強い力という相互作用を作り出しているのがグルオン場であり、4つの力を作り出している場の総称をゲージ場という。
自分自身では絶対に対称性を破りえないクォークの物質場は、ヒグス場の対称性を破りやすい特異な性質を受けて対称性を破り、質量を獲得する。
インフレーション理論によれば、宇宙はプランクの長さから指数関数的に急膨張し、火の玉宇宙の始まりまで広がった。プランクの長さにあるとき、プランクエネルギーでありながら温度は絶対ゼロ度という冷たい宇宙。冷たいが高エネルギーの宇宙がひろがったときこのエネルギーが温度に化ける(再加熱)。この再加熱によってクォークを始めとする素粒子が励起され誕生する。ただし、インフレーション理論には人為的な仮定があり、まだ疑問の余地がある。
アインシュタインの重力理論では、物体どうしが遠距離に離れているときにはニュートン力学と同じく逆二乗則が働くが、近距離になるとずれてくる。重い物どうしなら比較的遠くても時空の歪みが大きくなるのでずれてくる。一般相対論はニュートンの重力理論をより拡張した理論であるといえる。
ヒグス場という対称性を破りやすいスカラー場が物質場やゲージ場と相互作用することによってゲージ粒子やクォークが質量をもつ。
プランクの長さくらいの細かさでみると時空はもはやなめらかな点描の世界ではなく素領域的な泡か細胞のようなユニットの集まりに見え、それらが集団で運動しているのがひもにみえるのではないか。
クォークという言葉はかもめの鳴き声で、提唱したグル=マン自身がその存在を必ずしも信じていなかったところからつけられた。
ひもモデルからは、スピン2、質量0のものがあらわれるが、このようなハドロンは見つかっていない。これによりひもモデルは暗礁に乗り上げるが、これをグラビトンとみなすことでひもモデルが重力をも含んだ系を記述している。
クォーク間に働く強い力を色力学としてまとめたのが格子ゲージ理論。格子ゲージ理論では時空を格子に分け、格子上に強い力の力学変数を乗せる。格子の各頂点(サイト)にはクォークの場を表す力学変数が乗り、頂点をつなぐ竹ひご部分(ボンド)にはゲージ場の自由度を表す力学変数が乗る。こうして、弱い力、電磁力、強い力の3つの力をゲージ場の理論として定式化したのが標準模型。
場の理論ではどうしても扱えなかった重力子(グラビトン)は、ひも理論では避けることのできないものになっている。
私達は10次元宇宙に浮かぶ4次元空間に住んでいるのではないか、というのがブレーンワールド学説。重力以外はほとんど相互作用しない影の世界(パラレルワールド)が存在することになる。影の世界の住人を見ることも感じることもできない。重力波を調べるとき、その重力が距離の逆2乗則にしたがっていなければそれはブレーンワールドが示唆する余剰次元から飛来した重力波なのかもしれない。日本はブレーンワールドの研究が盛ん・・なのだが川合さんは否定的である。
ファインマンはひも理論嫌いだったが、ファインマンにからかわれながらもジョン・シュワルツは頑固にひも理論にこだわり、超ひも理論の父となる。
著者はサイクリック宇宙論を唱える。虚時間から生まれた宇宙は膨張し、やがて収縮し(ビッグクランチ)、プランクの長さまで収縮すると実時間のまま跳ね返りまたビックバンを起こす。現在の宇宙は30回目~50回目くらいの宇宙ではないか。1回めの宇宙はほとんど膨張せずにビッククランチをおこし、2回めの宇宙はもう少し大きくなる。2回めの宇宙は1回めの宇宙が蓄えたエントロピーがあるので1回めよりも大きくなる。ただ、いまの宇宙の次の宇宙があるかどうかはわからない。いまの宇宙はビッククランチを起こさずにこのまま膨張しながら冷えていくのかもしれない。
みたいな話。
曰く・・・
電磁力と弱い力は電弱理論により統一され、強い力も量子色力学によって電弱理論と同様に理解できる。これを「標準模型」という。しかし、重力は標準模型のようには記述できていない。超ひも理論によれば、重力と他の3つの力を統一的に理解できる。標準模型は多数のパラメータを含み、もし・・ならばという仮定込みの条件付き理論だが、超ひも理論にはパラメータが1つもない。超ひも理論は森羅万象のすべてを解く唯一の理論である。
超ひもがうようよと存在できる領域のエネルギーはクォークの結合エネルギーよりも圧倒的に大きく、これをプランクエネルギーという。プランクエネルギーとはプランクの長さが長さの限界値であるのと同様、粒子のもつエネルギーがそれ以上高くなれば時空を定義できなくなるエネルギーの限界値。
粒子1個が持てるエネルギーはプランクエネルギー程度が限度だが、超ひもではエネルギーが増えた分、伸びることができるのでそれ以上のエネルギーを持つことができる。ひもの伸び方が何通りもあるのでエネルギーが増えるときにエントロピーを大きく稼ぐ。エネルギーが増えた分、エントロピーも増大する超ひもの世界では、エネルギーが増えてくると温度上昇が小さくなりやがて上限値に達する。このときの温度を「ハゲドン温度」という。プランクエネルギーよりも高エネルギーでありながら温度はハゲドン温度のまま、という事態が起こりうる。
クォークを結合する力線(相互作用:強い力)はどれだけ力を加えても引きちぎることができない。これをクォークの閉じ込めという。それでも、伸ばしていくと力線はちぎれ、そのちぎれた場所にクォークと反クォークが生まれる。
クォークを結びつける強い力という相互作用を作り出しているのがグルオン場であり、4つの力を作り出している場の総称をゲージ場という。
自分自身では絶対に対称性を破りえないクォークの物質場は、ヒグス場の対称性を破りやすい特異な性質を受けて対称性を破り、質量を獲得する。
インフレーション理論によれば、宇宙はプランクの長さから指数関数的に急膨張し、火の玉宇宙の始まりまで広がった。プランクの長さにあるとき、プランクエネルギーでありながら温度は絶対ゼロ度という冷たい宇宙。冷たいが高エネルギーの宇宙がひろがったときこのエネルギーが温度に化ける(再加熱)。この再加熱によってクォークを始めとする素粒子が励起され誕生する。ただし、インフレーション理論には人為的な仮定があり、まだ疑問の余地がある。
アインシュタインの重力理論では、物体どうしが遠距離に離れているときにはニュートン力学と同じく逆二乗則が働くが、近距離になるとずれてくる。重い物どうしなら比較的遠くても時空の歪みが大きくなるのでずれてくる。一般相対論はニュートンの重力理論をより拡張した理論であるといえる。
ヒグス場という対称性を破りやすいスカラー場が物質場やゲージ場と相互作用することによってゲージ粒子やクォークが質量をもつ。
プランクの長さくらいの細かさでみると時空はもはやなめらかな点描の世界ではなく素領域的な泡か細胞のようなユニットの集まりに見え、それらが集団で運動しているのがひもにみえるのではないか。
クォークという言葉はかもめの鳴き声で、提唱したグル=マン自身がその存在を必ずしも信じていなかったところからつけられた。
ひもモデルからは、スピン2、質量0のものがあらわれるが、このようなハドロンは見つかっていない。これによりひもモデルは暗礁に乗り上げるが、これをグラビトンとみなすことでひもモデルが重力をも含んだ系を記述している。
クォーク間に働く強い力を色力学としてまとめたのが格子ゲージ理論。格子ゲージ理論では時空を格子に分け、格子上に強い力の力学変数を乗せる。格子の各頂点(サイト)にはクォークの場を表す力学変数が乗り、頂点をつなぐ竹ひご部分(ボンド)にはゲージ場の自由度を表す力学変数が乗る。こうして、弱い力、電磁力、強い力の3つの力をゲージ場の理論として定式化したのが標準模型。
場の理論ではどうしても扱えなかった重力子(グラビトン)は、ひも理論では避けることのできないものになっている。
私達は10次元宇宙に浮かぶ4次元空間に住んでいるのではないか、というのがブレーンワールド学説。重力以外はほとんど相互作用しない影の世界(パラレルワールド)が存在することになる。影の世界の住人を見ることも感じることもできない。重力波を調べるとき、その重力が距離の逆2乗則にしたがっていなければそれはブレーンワールドが示唆する余剰次元から飛来した重力波なのかもしれない。日本はブレーンワールドの研究が盛ん・・なのだが川合さんは否定的である。
ファインマンはひも理論嫌いだったが、ファインマンにからかわれながらもジョン・シュワルツは頑固にひも理論にこだわり、超ひも理論の父となる。
著者はサイクリック宇宙論を唱える。虚時間から生まれた宇宙は膨張し、やがて収縮し(ビッグクランチ)、プランクの長さまで収縮すると実時間のまま跳ね返りまたビックバンを起こす。現在の宇宙は30回目~50回目くらいの宇宙ではないか。1回めの宇宙はほとんど膨張せずにビッククランチをおこし、2回めの宇宙はもう少し大きくなる。2回めの宇宙は1回めの宇宙が蓄えたエントロピーがあるので1回めよりも大きくなる。ただ、いまの宇宙の次の宇宙があるかどうかはわからない。いまの宇宙はビッククランチを起こさずにこのまま膨張しながら冷えていくのかもしれない。
みたいな話。
2013年7月23日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
作者の解説によれば、量子物理学を学ぼうとする学生の教科書になるように書いたとの説明があります
そのせいか、一般の人が好奇心から読んでも、わからない事が多いような気がします。
もともと超ひも理論は、自然界にある四つの力を一つのものとして説明できる理論として
二人の若い学者によって提唱されたが
提唱当時は、まったく注目を集めなかった。
この理論によれば、光より早い粒子が存在しないといけないとか
次元があと数個はこの世界に存在しないと説明できないとか
当時の物理学界には受け入れがたい前提が、理論には含まれていたからです。
最近、研究が進み
量子サイズでなければ干渉されない、小さい次元がこの世界には存在するのではとか提唱されるようになり
超ひも理論は、一機に四つの力を説明する統一理論だけではなく
量子論や相対性理論を包み込んだ、物理学の究極の理論として考えられるようになりました。
ま、その辺は、本書を読んでいただければよいと思いますが。
要するに、特殊相対性理論と量子論という二つの理論を一つとし、さらに一般相対性理論も説明できる
物理学の根源となりかねない理論の仮説が、超ひも理論です
何故、仮説かといえば、証明が難しい
超ひもは、一メートルの一兆分の一の一兆分の一のさらに百億分の一の
とてつもない小さな世界の話ですし。
本書に指摘されるように、クォークの閉じ込め説など、どんな力でもクォークを単体で取り出す事は難しいとか
実証にハードルが高いからです。
だが、現時点で発見された宇宙の現象の全てを説明できる説として有力紙されています
そのせいか、一般の人が好奇心から読んでも、わからない事が多いような気がします。
もともと超ひも理論は、自然界にある四つの力を一つのものとして説明できる理論として
二人の若い学者によって提唱されたが
提唱当時は、まったく注目を集めなかった。
この理論によれば、光より早い粒子が存在しないといけないとか
次元があと数個はこの世界に存在しないと説明できないとか
当時の物理学界には受け入れがたい前提が、理論には含まれていたからです。
最近、研究が進み
量子サイズでなければ干渉されない、小さい次元がこの世界には存在するのではとか提唱されるようになり
超ひも理論は、一機に四つの力を説明する統一理論だけではなく
量子論や相対性理論を包み込んだ、物理学の究極の理論として考えられるようになりました。
ま、その辺は、本書を読んでいただければよいと思いますが。
要するに、特殊相対性理論と量子論という二つの理論を一つとし、さらに一般相対性理論も説明できる
物理学の根源となりかねない理論の仮説が、超ひも理論です
何故、仮説かといえば、証明が難しい
超ひもは、一メートルの一兆分の一の一兆分の一のさらに百億分の一の
とてつもない小さな世界の話ですし。
本書に指摘されるように、クォークの閉じ込め説など、どんな力でもクォークを単体で取り出す事は難しいとか
実証にハードルが高いからです。
だが、現時点で発見された宇宙の現象の全てを説明できる説として有力紙されています