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入門! システム思考 (講談社現代新書) 新書 – 2007/6/21
- 本の長さ192ページ
- 言語日本語
- 出版社講談社
- 発売日2007/6/21
- ISBN-104061498959
- ISBN-13978-4061498952
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商品の説明
著者について
登録情報
- 出版社 : 講談社 (2007/6/21)
- 発売日 : 2007/6/21
- 言語 : 日本語
- 新書 : 192ページ
- ISBN-10 : 4061498959
- ISBN-13 : 978-4061498952
- Amazon 売れ筋ランキング: - 286,376位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 1,586位講談社現代新書
- - 19,509位投資・金融・会社経営 (本)
- - 29,896位ビジネス・経済 (本)
- カスタマーレビュー:
著者について
環境ジャーナリスト、翻訳家。
幸せ経済社会研究所所長、有限会社イーズ代表、有限会社チェンジ・エージェント会長
大学院大学至善館教授
幸せ経済社会研究所
https://www.ishes.org/
イーズ未来共創フォーラム
https://www.es-inc.jp/
東京大学大学院教育心理学専攻修士課程修了。
『不都合な真実』(アル・ゴア氏著)の翻訳をはじめ、環境・エネルギー問題に関する講演、執筆、企業のCSRコンサルティングや異業種勉強会等の活動を通じて、地球環境の現状や国内外の動きを発信。持続可能な未来に向けて新しい経済や社会のあり方、幸福度、レジリエンス(しなやかな強さ)を高めるための考え方や事例を研究。「伝えること」で変化を創り、「つながり」と「対話」でしなやかに強く、幸せな未来の共創をめざす。
心理学をもとにしたビジョンづくりやセルフマネジメント術でひとり一人の自己実現をお手伝いするとともに、システム思考やシナリオプランニングを生かした合意形成に向けての場づくり・ファシリテーターを、企業や自治体で数多く務める。教育機関で次世代の育成に力を注ぐとともに、島根県隠岐諸島の海士町や熊本県の水増(みずまさり)集落、北海道の下川町等、意志ある未来を描く地方創生と地元経済を創りなおすプロジェクトにアドバイザーとしてかかわっている。
主な著訳書に、
『「エコ」を超えて-幸せな未来のつくり方』(海象社)
『地球のためにわたしができること』(大和書房)
『不都合な真実』(武田ランダムハウスジャパン)
『地球のなおし方』(ダイヤモンド社)、
『レジリエンスとは何か-何があっても折れないこころ、暮らし、地域、社会をつくる』(東洋経済新報社)
『学習する組織』(訳・英治出版)
『世界はシステムで動く』(訳・英治出版)
『大転換-新しいエネルギー経済のかたち』(訳・岩波書店)
『「定常経済」は可能だ!』(岩波書店)
『不都合な真実 2』(訳・実業之日本社)
『地元経済を創りなおす』(岩波新書)
『アニマルウェルフェアとは何かー倫理的消費と食の安全』 他多数。
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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とくに環境問題において「システム思考」が重要であることは
けっこう以前から言われていたことでもあって、
本書の内容にさほどの目新しさは感じられなかった。
これからの時代、環境問題以外の日々の問題解決においても
「システム思考」がますます重要になるはず、というのはその通りだと思うが、
全体に、良くも悪くも入門書というか、
これだけではいささか食い足りない印象を受けた。
入門書なのだから、読者の興味を引ければそれでいい、
と著者たちは考えているのかもしれないが、
本書を読んで次のステップに進む読者がどれほどいるかとなると、
やや疑問だと言わざるを得ない。
本文中に出てくる例も、ところどころ妙に噛み砕き過ぎているかと思えば、
いきなり抽象度の上がったシステム図解が出てきたりで、
入門書にしては微妙にバランスが悪いように思えた。
何よりも、英語の教科書の直訳めいた文体がどこか味気なくて、
著者たちが具体的にどのような読者層を想定して書いたのかが、
いまひとつ見えにくいと感じてしまったのは残念だった。
ループ図を使った問題分析は仕事や生活に役立ちそうだが、以下の懸念もある。
1.仕事の問題解決にシステム思考を使っても、自分の権限では変えられない構造が原因であることに気づいてがっかりするだけなのでは?
2.地球環境問題解決にシステム思考を使っても、人類の活動そのものが問題という結論にぶつかるだけでは?
一点目は、時間をかけて変えられない物を変える方法を考えることにする。二点目は、同じ著者の別の書籍で解決される事を期待。
ご高説ごもっともですが、問題点が多い入門書であり、厳しい評価をせざるを得ません。
【問題点1】”システム思考”のツールは”ループ図”だけではない
本書で〈システム思考〉と呼ばれている方法論は、正確には”システム・ダイナミクス”(以下SD)と呼び、内容的には 『システム・シンキング入門』(日経文庫) で以前から知られているものです。”システム思考”は、一般に,在庫配分などのオペレーションズ・リサーチ[1]や、 P.ChecklandのSoft System Methodology[2]を含みます。
著者枝廣氏はSDの解説書 『システム思考―複雑な問題の解決技法』(BEST SOLUTION) の訳者であり、この邦題を“システム思考”とすることに原著者からお墨付きが出ていることが問題の源でしょうが、入門書である以上、SDは方法論の一つであることを明記すべきです。
【問題点2】方法論と哲学の混同
ツールとしての”システム思考”(SD)と、思考方式としての”システム思考”(哲学)を区別していません。
実践で混乱の元になりかねない誤謬ですが、これは問題点1が原因です。
【問題点3】概念の混同
1.木を見て森を見ず=演繹的思考
2.森を見て木を見ず=帰納的思考
3.木を見て森も見る=システム思考
本書では1を”分析的思考”として退け、2と3を同一の〈システム思考〉として推奨していますが、個々の要素に立ち戻ることなしに、問題対象の全体理解などありえません。
*1 代表書に、『 オペレーションズ・リサーチ読本 』
*2 代表書に、『 ソフト・システムズ方法論 』
※*2に関しては、評者は訳者の弟子であり第三者ではないので、インサイダーレコメンドになることをお断りしておく。
前半は、システム思考によって解かれるべき「問題」について、皆が関心を持ちそうな例や、著者らがそれぞれ取り組んでいる問題、またそれらに共通する特徴などをアレコレ述べています(要素に分解するやり方ではダメ、解く端から問題は変化する、などなど)。
後半、システム思考の基礎について紹介されます。システムの「原型」(いわゆるパターン)が、一般化・抽象化されたかたちで列挙されます。それ自体は興味深いのですが、読んでいる側からすると「具体的な例をください」と言いたくなります。
著者らにとっては、なぜ共著をあらわしたのか(2人に共通する問題意識は何か)、二人が共通して利用可能な技法の基礎理論は何かを表明するかたちになっていて、意義があることなのでしょう。研究者が研究費を獲得するために書く書類みたいなものですから。
しかし、そのために一般的な意味での「入門」ではなくなってしまっています。二人の協働によって得られた、具体的な研究成果について、一般向けに解説する本が欲しいところですね。「全然違う分野の研究者が、方法について共通性を見つけました」というのが、著者らの成果なのかもしれませんが・・・
目の前にある個別の要素ではなく、それぞれの要素とその
「つながり」が持つシステムとして、その構造を理解することだそうだ。
些細な会話でも、話してが伝えたいことと、聞き手が、聞いた印象は異なる
かもしれない。
本書は、色々な側面から物事の本質を見抜く「構造」についての入門書とでも
言えるのではないか。
特に、第3章のアメリカ、ニューヨークの治安解消策として、
「地下鉄の落書きを消す」というのが、一見関係ないようだが、
密接にリンクした対応策だとは驚いた。
「物事は全て関連している」という事を本書では、伝えたかったのではと私は推測する。
本書では、主に「ループ」と「構造」という言葉を使ってシステム思考を説明しているが、この説明だけでは、個別の要素が全体に影響を与える、問題が繰り返されるのは全体の構造に問題がある、という範囲でしかシステム思考を理解できない。これではシステム思考というものが、「風が吹けば桶屋が儲かる」程度の内容でしかないものになってしまう。システム思考に対する理解を非常に狭めて、単純化しすぎているように感じる。
世界で起きている事象はそのすべてが複雑系であり、多様な因果関係の中で生じている。それは誰もが理解していることであって、システム思考によってそれをどう具体的、かつ個別の問題の把握へと応用できるかが重要なのだが、その点に関する説明は本書ではまったくなされていない。本書は入門編ということなのだろうが、あまりにも話を単純化しすぎていて、風が吹けば桶屋が儲かる的な古くからの経験的な知識をただ、システム思考と言い換えただけに終わっているように感じる。