普通の人は量子力学以外はなじみがないでしょうが、量子場の歴史は比較的古く、1930年ころには認識されていたようです。
でも、概念的なイメージ以前に暗号のような数式に途方に暮れる人も多いのでは。
ブルーバックスなどの一般向けの書籍でも、場の量子論や素粒子論について書かれたものは数多い。
しかし、粒子の生成消滅を含め、理論の枠組みを得心できる人がどれほどいるのだろう。
結局のところ、ある程度は数式(とそれに伴う概念図)に頼らないと、「なぜそう考えるのか」ということを知るのは難しいと思われる。
同時に、残された問題はなぜ未解決なのか、ということも。
本書を読む前に、量子力学の概要はもちろん、力学(調和振動子)、電磁気、流体力学、固体物理、微積分、ベクトル解析、線形代数などの基本(高度な応用までは知ってる必要はないが)を知ることが前提になっています
それらを知っていれば、見通しは非常に良い。
高橋康先生の著作は初等相対性理論(たぶん今は絶版)が好印象として残っていました。
本書もいわゆるありがちな堅苦しいものではなく、学習者がつまづきがちなポイントを随時あげながら、また式の変形もなるべく丁寧に解説されています。
物理系の授業では、力学・電磁気などに加えて解析力学・微積分・線形代数・複素関数など一見退屈な講義が続きます。
ところがこれらでの考察が後々大切な役割を担ってくれるのですね。
本書や一般相対論の本を眺めてみると、勉強の目安になると思われます。
素粒子論の基盤になっているので深追いするとキリがないですが、概要を知れる1冊としてお薦めします。
※※
2版で重力(相対論)に関する部分が増補されていますが、この部分は一般相対論までの知識がないと書かれている意味が読み取れないです。
共変微分やクリストッフェル記号など普通に使われて解説が進んでいます。
負担であれば、この章は読み飛ばすか眺めるだけでも良いかと思われます。
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古典場から量子場への道 増補第2版 (KS物理専門書) 単行本 – 2006/2/25
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定評のロングセラーが重力場を加えてさらに充実
新しく共著者が加わり、相対論100年で話題の重力場への道すじを示す。新しい版で読みやすさも一新
新しく共著者が加わり、相対論100年で話題の重力場への道すじを示す。新しい版で読みやすさも一新
- 本の長さ244ページ
- 言語日本語
- 出版社講談社
- 発売日2006/2/25
- 寸法14.9 x 1.4 x 21 cm
- ISBN-10406153260X
- ISBN-13978-4061532601
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登録情報
- 出版社 : 講談社 (2006/2/25)
- 発売日 : 2006/2/25
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 244ページ
- ISBN-10 : 406153260X
- ISBN-13 : 978-4061532601
- 寸法 : 14.9 x 1.4 x 21 cm
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2006年3月16日に日本でレビュー済み
高橋先生の本は、ユニークであり、まるで手品の種明かしをしているように場の理論の解説をなさるのでファンも多いと思う。本書は、「場の量子論sic et non」の章が秀逸である。実は場の理論は本当には完成されていないのではないか。。。そんな疑問を持っている研究者や学習者、もしくは学生がいるかもしれないが、それは禁句のようであって、口にできない。しかし、高橋先生はそれを喝破なさっていて、なんか変だぞとおっしゃっている。しかし、これは、似非科学本にあるような、例えば相対性理論は間違っているとかそういう嘘の本ではなく、場の理論を真髄まで捉えた高橋先生の素朴な疑問、そしてもしかするとみんなが薄々感じていることを明快に述べられている。ところが、新しく加わった重力場の部分があまりぱっとしない。確かにわかりやすくは書かれているが、一般相対性理論のダイジェストのようになっている。さらに、なぜ重力場の量子化が困難であるかということについても、舌足らずな気がする。ページ数の関係もあるかもしれないが、もう少し、重力場の量子化の困難さを詳しく解説してあったら、なおよかった。重力場については、量子化の期待を読者に与えないほうがいいかもしれない。ということで、星がひとつ減りました。
2019年8月19日に日本でレビュー済み
場を決定する方程式として、
弾性体
流体
電磁場
までは、数学的になんとか理解できます。
実際に目でみえる現象で説明がつくからかもしれません。
それ以外の事項については、より物理的な現象との関係の説明があると、数学が苦手な人にもわかるようになるかもしれません。
弾性体
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電磁場
までは、数学的になんとか理解できます。
実際に目でみえる現象で説明がつくからかもしれません。
それ以外の事項については、より物理的な現象との関係の説明があると、数学が苦手な人にもわかるようになるかもしれません。
2021年9月24日に日本でレビュー済み
第0章 これから「場」を学ぶ人への助言
第1章 近接作用の考え方
1.1 Balance方程式と連続の方程式
1.2 連続物体中に働く力
1.3 歪みの場
1.4 速度の場
1.5 速度場の性質
第2章 場を決定する方程式
2.1 弾性体の方程式
2.2 流体の基本方程式
2.3 電磁場の基本方程式
2.4 電磁場と調和振動子
第3章 物質場の波動方程式
3.1 電子の場
3.2 電子場の性質
3.3 相対論的場の方程式
3.4 Klein-Gordon場の伝播
第4章 場の量子化
4.1 復習
4.2 調和振動子の代数学
4.3 電子場の量子化
4.4 Scalar場の量子化
4.5 電磁場の量子化
第5章 場と物質
5.1 場の理論における物質像
5.2 場の相互作用
5.3 Spinと統計および反粒子の問題
5.4 場の量子論と量子力学との関係
5.5 固体中の素励起
第6章 場の量子論 sic et non
6.1 場の量子論の骨組み
6.2 場の量子論の成功
6.3 場の量子論の困難
第7章 重力の場
7.1 Newtonの重力理論から相対論的な重力理論への道
7.2 一般相対性理論
7.3 重力場の量子化に関するコメント
第1章 近接作用の考え方
1.1 Balance方程式と連続の方程式
1.2 連続物体中に働く力
1.3 歪みの場
1.4 速度の場
1.5 速度場の性質
第2章 場を決定する方程式
2.1 弾性体の方程式
2.2 流体の基本方程式
2.3 電磁場の基本方程式
2.4 電磁場と調和振動子
第3章 物質場の波動方程式
3.1 電子の場
3.2 電子場の性質
3.3 相対論的場の方程式
3.4 Klein-Gordon場の伝播
第4章 場の量子化
4.1 復習
4.2 調和振動子の代数学
4.3 電子場の量子化
4.4 Scalar場の量子化
4.5 電磁場の量子化
第5章 場と物質
5.1 場の理論における物質像
5.2 場の相互作用
5.3 Spinと統計および反粒子の問題
5.4 場の量子論と量子力学との関係
5.5 固体中の素励起
第6章 場の量子論 sic et non
6.1 場の量子論の骨組み
6.2 場の量子論の成功
6.3 場の量子論の困難
第7章 重力の場
7.1 Newtonの重力理論から相対論的な重力理論への道
7.2 一般相対性理論
7.3 重力場の量子化に関するコメント