私は高校時代に漢文・漢詩の初歩を少し習ったきりで、最近まで特に興味もなかった。というより、分厚い漢和辞典を何度引いても意味のよくわからない漢字の連なりが、万里の長城のように私の行く手を阻んでいて、どうにもたどりつくことのできない異質の世界のように感じていたのである(今もそうかもしれないが)。 少し前に中上健次のエッセイ集『夢の力』(角川文庫)をパラパラとめくってみたら、日本霊異記(りょういき)、古 続きを読む