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日本霊異記(上) 全訳注 (講談社学術文庫 335) 文庫 – 1978/12/8
中田 祝夫
(著)
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日本霊異記は、日本最古の説話集。奈良末~平安初期に成立した。巻頭の第1話は、雄略天皇時代(5世紀)の奇談。以後約4世紀にわたる説話120篇ほど。記紀・万葉集だけを上代人の全容と信じていた者は、上代の半面を霊異記に見て驚愕する。霊異記の作者は、奈良西京の薬師寺景戒(きょうかい)。彼は悪行は必ず悪結果で報いられる、善行は好結果を生むと熱心に信じ、彼と同時代の説話、及び上代以来の説話に、その理法を見出そうとした。
- 本の長さ209ページ
- 言語日本語
- 出版社講談社
- 発売日1978/12/8
- 寸法10.8 x 1 x 14.8 cm
- ISBN-104061583352
- ISBN-13978-4061583351
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商品の説明
著者について
大正4年(1915)、奈良県月ヶ瀬に生まれる。昭和16年(1941)、東京文理大学卒業。専攻は国語学。現在、筑紫大学名誉教授(文芸言語学系)。著書に『古点本の国語学的研究』(2冊)、『東大寺諷誦文稿の国語学的研究』、『古辞書大系』(25冊)、『抄物大系』(34冊)等がある。
登録情報
- 出版社 : 講談社 (1978/12/8)
- 発売日 : 1978/12/8
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 209ページ
- ISBN-10 : 4061583352
- ISBN-13 : 978-4061583351
- 寸法 : 10.8 x 1 x 14.8 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 18,505位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2023年7月28日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
怪談ではない奇妙な話。日本人の宗教心を探ろう。
2024年3月31日に日本でレビュー済み
日本霊異記は、正式名称を「日本国現報善悪霊異記」(にほんこくげんほうぜんあくりょういき)といい、平安時代初期に書かれ、伝承された最古の説話集。著者は景戒で、原文は漢文で表記されている。
読み下し文で拝読したが、懸念したほど難解な文体・内容ではなく、古代からの伝承を仏教の信仰による有難い奇蹟、あるいは悪事に対する仮借ない仏罰を、読者に「史実」として訴えかける内容になっている。
霊異記という題名から現代の読者が期待する、「伝承された魑魅魍魎世界の奇談」ではなく、誠実な仏教説話集と称すべき古典である。いわゆる「勧善懲悪」のパターンの比較的単純なストーリーが多く、ボリュームもさほどでもないので、一般的歴史読み物として楽しむには、まずは十分な書籍であると評し得よう。
読み下し文で拝読したが、懸念したほど難解な文体・内容ではなく、古代からの伝承を仏教の信仰による有難い奇蹟、あるいは悪事に対する仮借ない仏罰を、読者に「史実」として訴えかける内容になっている。
霊異記という題名から現代の読者が期待する、「伝承された魑魅魍魎世界の奇談」ではなく、誠実な仏教説話集と称すべき古典である。いわゆる「勧善懲悪」のパターンの比較的単純なストーリーが多く、ボリュームもさほどでもないので、一般的歴史読み物として楽しむには、まずは十分な書籍であると評し得よう。
2019年7月2日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
宗教画はキリスト教にあっても仏教にはほとんどありません。仏教にも経典以外のなにがしかの物語があるのではないかと探していたところ、日本霊異記にたどりつきました。散文的で、文学作品とは言えませんが、日本文学の原点ではないかと思われる記録がたくさんあり、また僧侶が説法の題材として使い今に伝える話も多く含まれており、ここから仏教の宗教画が描けるのではと、思いました。
2018年6月5日に日本でレビュー済み
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日本最古の仏教説話集。因果応報を説いた、僧、景戒の作。主に奈良時代の説話。昔の話として、馬鹿にできず、日本のおおらかな表現が目立つ。この本を読むのであれば、景戒が、何故仏教説話を残したのかが理解できる。因果応報のない、現代で、何かの方法が必要な、かじ取りの役目を果たす。もともと、仏教は、戒めなのかもしれない。僧侶、景戒の見た、世俗の様子が描かれている。因果は巡る。
2022年7月19日に日本でレビュー済み
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娘用に購入。中古で評価は良でしたが、本に中は落書き(何かのメモ)がかなり多く少しビックリしました(こんなものなのか…)。が、安く購入でき満足とのことです。
2017年11月28日に日本でレビュー済み
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訓み下し文(原文は省略 全体漢文の由)、現代語訳、語釈、解説、という構成です。読み手のそれぞれの能力に応じて、興味深く読めると思います。
因果応報譚が多い。8世紀末頃の編纂ということであるが、どうやって蒐集された説話なのか、どの様に伝承されてきた話なのか、興味がわきます。今昔物語にも多くの題材を提供しているようです。
因果応報譚が多い。8世紀末頃の編纂ということであるが、どうやって蒐集された説話なのか、どの様に伝承されてきた話なのか、興味がわきます。今昔物語にも多くの題材を提供しているようです。
2023年2月7日に日本でレビュー済み
上中下3巻合わせて。読み下し・現代語訳・語釈・解説からなる。原文はなし。各話ごとに解説として、あらずじや短評、後世の説話集への影響を載せているところが特徴的。
仏教説話集で、因果応報話が中心。つまり仏教を信じるといいことがあるよ、批判的な言動をとると悪いことが起きるよというような話が並ぶが、その内容がずいぶんと俗っぽい。物質的な利益を得るよとか、身体的な罰を受けるよとか。なんとも庶民向けな感じが強いが(だからこそ現代の一般人でも楽しめるのだが)、庶民がこんな漢文を読めるわけがない。解説によるとどうやら景戒はこれをもとに肉付けしつつ語っていたのではないかと。
景戒が本書を編んだのは、日本にも仏教の因果応報の教えを伝える様々な不思議な話があるにも関わらず、唐土のものを尊重するばかりで日本のものが顧みられていないことに我慢がならなかったようだ。彼が留めなければ散逸した話は多かったはずであろうことを噛み締めながら1篇1篇味わいたい。
仏教説話集で、因果応報話が中心。つまり仏教を信じるといいことがあるよ、批判的な言動をとると悪いことが起きるよというような話が並ぶが、その内容がずいぶんと俗っぽい。物質的な利益を得るよとか、身体的な罰を受けるよとか。なんとも庶民向けな感じが強いが(だからこそ現代の一般人でも楽しめるのだが)、庶民がこんな漢文を読めるわけがない。解説によるとどうやら景戒はこれをもとに肉付けしつつ語っていたのではないかと。
景戒が本書を編んだのは、日本にも仏教の因果応報の教えを伝える様々な不思議な話があるにも関わらず、唐土のものを尊重するばかりで日本のものが顧みられていないことに我慢がならなかったようだ。彼が留めなければ散逸した話は多かったはずであろうことを噛み締めながら1篇1篇味わいたい。
2014年8月27日に日本でレビュー済み
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非常に参考になりました。仏教説話が当時の人々にどのようになされたか興味深かったです。