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徒然草を読む (講談社学術文庫) 文庫 – 1986/1/7
上田 三四二
(著)
『徒然草』の読み方にはいろいろある。それがこの類を絶した随筆の幅であり、懐の深さである。『徒然草』はただ一つのことを切言していると私は思う。「先途なき生」と。人生は有限であり、しかも明日知れぬいのちではないか。ここから兼好の唱導する生き方の極意は、「ただいまの一念」、これである。死までの切迫したこの世の生の時間を、時間そのものとなることによって生き切ろうと、兼好は訴えたのである。(著者「まえがき」より)
- 本の長さ234ページ
- 言語日本語
- 出版社講談社
- 発売日1986/1/7
- ISBN-104061587196
- ISBN-13978-4061587199
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商品の説明
著者について
1923年兵庫県に生まれる。京都大学医学部卒業。歌人、文芸評論家、作家。主な著書に、歌集『黙契』『雉』『湧井』『遊行』『照径』、評論集『アララギの病歌人』『斎藤茂吉』『現代歌人論』『西行・実朝・良寛』『この世 この生』ほか、創作集『深んど』『花衣』『夏行冬暦(けきょうとうれき)』『惜身命(しゃくしんみょう)』など、学術文庫に『短歌一生』『眩暈を鎮めるもの』がある。1989年没。
登録情報
- 出版社 : 講談社 (1986/1/7)
- 発売日 : 1986/1/7
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 234ページ
- ISBN-10 : 4061587196
- ISBN-13 : 978-4061587199
- Amazon 売れ筋ランキング: - 339,199位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 1,104位講談社学術文庫
- - 5,898位近現代日本のエッセー・随筆
- - 14,462位評論・文学研究 (本)
- カスタマーレビュー:
著者について
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2022年9月30日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
書店では入手しにくい、読みたい古本をリーズナブルなコストで、しかも新古品並みの状態で読むことができて大満足。
2014年4月12日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
単純に逐いつ現代文にしたものを予想してました。此の本はもっと高等な学術書のようで、哲学的に方丈記との比較をしたものでした。
私には少し難しく読むのに肩がこりました。
或る面、コレは此なりに立派な論文様の内容でしたが購入時に少しでも分かっていたら買わなかった。
私には少し難しく読むのに肩がこりました。
或る面、コレは此なりに立派な論文様の内容でしたが購入時に少しでも分かっていたら買わなかった。
2019年12月20日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
著者の医師と経験が存分に生かされた深い解釈に目を瞠ることが多く、今更ながら新しい勉強をさせてもらった。
ただ、難解な言葉が多用されていて読むのにくろうした。
ただ、難解な言葉が多用されていて読むのにくろうした。
2011年12月4日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
これは個人的な事情に促された「徒然草」の読み方です。その事情は冒頭に簡潔な形でほのめかされるだけです。しかしこの作品の読者は、どれほどのすさまじい対話が著者と作品の間で繰り返されたかを痛烈に知ることができます。そしてたどり着いた結論の清明さとそこにたどり着くまでのプロセスの見事なまでの整理は、このすさまじさを一瞬忘れさせてしまうほどです。
まず「方丈記」の著者の鴨長明と「徒然草」の比較が最初に提示されます。ここではこれまで見たこのないほど悲しいまでの姿の長明が描かれます。そして、第三章の「兼好と時間」こそが、著者がたどり着いた「徒然草」のエッセンスです。ここまで血肉と化して読み込まれた徒然草がもたらしたものは、もはや徒然草論の域を超えています。それは著者がとたどり着いた「哲学」なのです。その哲学の説明は、通常の徒然草論で使われる使い古された言葉を超越して行われます。医者である著者の思考を反映してでしょうか、論理は精緻で抽象的でかつ一般的です。でもそれが表現される文章は、美しい名文であり、使われる用語は目新しいものが多いのですが、見事なまでに「的確」であり、華麗なまでに精巧で丁寧なものです。補遺で描かれる、倒錯のニヒリズム、現世厭離の不生命思想の部分も一読に値します。どうしてこれまでこの著者を知らなかったのだろうか。
まず「方丈記」の著者の鴨長明と「徒然草」の比較が最初に提示されます。ここではこれまで見たこのないほど悲しいまでの姿の長明が描かれます。そして、第三章の「兼好と時間」こそが、著者がたどり着いた「徒然草」のエッセンスです。ここまで血肉と化して読み込まれた徒然草がもたらしたものは、もはや徒然草論の域を超えています。それは著者がとたどり着いた「哲学」なのです。その哲学の説明は、通常の徒然草論で使われる使い古された言葉を超越して行われます。医者である著者の思考を反映してでしょうか、論理は精緻で抽象的でかつ一般的です。でもそれが表現される文章は、美しい名文であり、使われる用語は目新しいものが多いのですが、見事なまでに「的確」であり、華麗なまでに精巧で丁寧なものです。補遺で描かれる、倒錯のニヒリズム、現世厭離の不生命思想の部分も一読に値します。どうしてこれまでこの著者を知らなかったのだろうか。
2012年5月10日に日本でレビュー済み
「人間が生きる時間」の意味を徒然草に求めて、見事に成功している。
著者は歌人だからその小説作品も読んでみたが、こっちは私にはつまらなかった。
開高健や中里恒子の代表作のようには気持ちがぬれてこない。
理の人、論の人なのだろう、か。
著者は歌人だからその小説作品も読んでみたが、こっちは私にはつまらなかった。
開高健や中里恒子の代表作のようには気持ちがぬれてこない。
理の人、論の人なのだろう、か。