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ニッポン ヨーロッパ人の眼で見た (講談社学術文庫 1005) 文庫 – 1991/12/5
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ドイツの世界的建築家ブルーノ・タウトは、1933年に憧れの日本を訪れた。伊勢神宮や桂離宮など日本古来の建築にふれたタウトは、そこに日本美の極致を見た。簡素・単純・静閑・純粋――それらの絶妙な均斉を具現した桂離宮を絶賛、その対極として華美な日光東照宮を捉え、さらに仏像、能、歌舞伎などにも深い関心をよせた。日本文化の再評価に大きな影響を与えた、タウトの最初の日本印象記。
- 本の長さ208ページ
- 言語日本語
- 出版社講談社
- 発売日1991/12/5
- 寸法10.8 x 1 x 14.8 cm
- ISBN-104061590057
- ISBN-13978-4061590052
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商品の説明
著者について
【ブルーノ・タウト】
ドイツの建築家。1880年ケーニヒスベルク生まれ。「鉄の記念塔」「ガラスの家」等の独創的な建築作品で名を成す。ベルリンに1万2000戸の集合住宅を建設。1933年から36年まで日本に滞在。1938年アンカラで客死。著書に『アルプス建築』『日本文化私観』等がある。
【森とし郎】
1906年東京生まれ。早稲田大学文学部卒業。専攻はドイツ文学。早稲田大学教授。著書に『ドイツ語四週間』『実用ドイツ語会話』、訳書にB・タウト『日本文化私観』等。1946年没。
ドイツの建築家。1880年ケーニヒスベルク生まれ。「鉄の記念塔」「ガラスの家」等の独創的な建築作品で名を成す。ベルリンに1万2000戸の集合住宅を建設。1933年から36年まで日本に滞在。1938年アンカラで客死。著書に『アルプス建築』『日本文化私観』等がある。
【森とし郎】
1906年東京生まれ。早稲田大学文学部卒業。専攻はドイツ文学。早稲田大学教授。著書に『ドイツ語四週間』『実用ドイツ語会話』、訳書にB・タウト『日本文化私観』等。1946年没。
登録情報
- 出版社 : 講談社 (1991/12/5)
- 発売日 : 1991/12/5
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 208ページ
- ISBN-10 : 4061590057
- ISBN-13 : 978-4061590052
- 寸法 : 10.8 x 1 x 14.8 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 332,742位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
著者について
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2013年1月28日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
ブルーノ・タウトのニッポンは3人の方が訳しておられ、皆様別の文章です。翻訳がいかに大変な作業かという証です。森先生の翻訳に満足しました。
2013年12月19日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
ちょっと言葉が古いのと直訳的な文章が難しいです。でも日本人より日本建築や風情に詳しい筆者に脱帽です。
2016年2月16日に日本でレビュー済み
【内容(ネタバレ禁止!)】
1933年に日本に訪れたドイツの世界的建築家タウトの美しすぎる日本記。特に桂離宮編は絶品!
【ささった言葉】
・桂離宮は、現代における最大の世界的奇跡
・一切が究極の清楚であるーそれは日本的形態の偉大なる神秘を、その世界に独歩の力を、その中に蔵する貴重なる結晶体にして初めて現し得る高貴さである
・簡素、単純、静閑、純粋、絶妙な均斉
・両建造物(パルテノンと桂離宮)は、極めて子供らしい純粋無垢の客相を兼ね備えうる円熟の特性を持っているのである
・機能主義が完全に発揮されているのである
・室内配置の調和的な落ち着きはとうてい筆紙に尽くしがたい
・簡素直截の極致を具現している。このような簡素を創造し、その中に住むということ、そのことがすでに最高の教養性を意味するものである
・秋になると御庭の楓の紅葉が、壁面の温かい赤鼠色によって柔らかく、少しも反発するところなく吸収されるのである
・建築術の詩をものす茶匠の高尚な教養
・その美はまったく精神的性質のものである
【感想と教訓】
桂離宮に惚れ込んだ外国人タウトの、そのなんという美しい賛辞か。異文化の刺激と感動を言葉で表すことに、これほどの情熱があったとは。深く圧倒されるとともに、安易な表現に逃げがちな自己への反省の念が、期せずして浮かんでくる。
無駄を一切省いた閑静な美と、労を厭わぬ言葉の選択による、人間の無限可能性を、それは指し示した希望だ。
1933年に日本に訪れたドイツの世界的建築家タウトの美しすぎる日本記。特に桂離宮編は絶品!
【ささった言葉】
・桂離宮は、現代における最大の世界的奇跡
・一切が究極の清楚であるーそれは日本的形態の偉大なる神秘を、その世界に独歩の力を、その中に蔵する貴重なる結晶体にして初めて現し得る高貴さである
・簡素、単純、静閑、純粋、絶妙な均斉
・両建造物(パルテノンと桂離宮)は、極めて子供らしい純粋無垢の客相を兼ね備えうる円熟の特性を持っているのである
・機能主義が完全に発揮されているのである
・室内配置の調和的な落ち着きはとうてい筆紙に尽くしがたい
・簡素直截の極致を具現している。このような簡素を創造し、その中に住むということ、そのことがすでに最高の教養性を意味するものである
・秋になると御庭の楓の紅葉が、壁面の温かい赤鼠色によって柔らかく、少しも反発するところなく吸収されるのである
・建築術の詩をものす茶匠の高尚な教養
・その美はまったく精神的性質のものである
【感想と教訓】
桂離宮に惚れ込んだ外国人タウトの、そのなんという美しい賛辞か。異文化の刺激と感動を言葉で表すことに、これほどの情熱があったとは。深く圧倒されるとともに、安易な表現に逃げがちな自己への反省の念が、期せずして浮かんでくる。
無駄を一切省いた閑静な美と、労を厭わぬ言葉の選択による、人間の無限可能性を、それは指し示した希望だ。
2018年4月30日に日本でレビュー済み
ドイツ人の世界的な建築家による、日本文化論。
ヨーロッパ人の目で見た、とあるが、ヨーロッパ人の建築家の眼で見た、といった方が正確だろう。
タウトは、当時の外国人がよく訪れていた、日光の東照宮よりも、伊勢神宮や桂離宮の方が、日本の文化をよく表しているとして、絶賛している。
その後の日本の侘び寂び論に続く、重要な問題意識を提示している。
タウトは、昭和8年に日本を訪れ、11年にはトルコに旅立ち、その2年後には不幸にも亡くなっている。
タウトと日本の出会いは、まるで奇跡のような出来事であるといっても、決して言い過ぎではないだろう。
ヨーロッパ人の目で見た、とあるが、ヨーロッパ人の建築家の眼で見た、といった方が正確だろう。
タウトは、当時の外国人がよく訪れていた、日光の東照宮よりも、伊勢神宮や桂離宮の方が、日本の文化をよく表しているとして、絶賛している。
その後の日本の侘び寂び論に続く、重要な問題意識を提示している。
タウトは、昭和8年に日本を訪れ、11年にはトルコに旅立ち、その2年後には不幸にも亡くなっている。
タウトと日本の出会いは、まるで奇跡のような出来事であるといっても、決して言い過ぎではないだろう。
2009年9月25日に日本でレビュー済み
ブルーノ・タウトの仕事については、TBSの「The世界遺産」で「ベルリン近代集合住宅群」(2009年5月24日放送)として放映されていた。
確かに、1920年代の仕事としては、レイアウトや自然との共生についての先見性がすごいと思う。
藤ジニーさんではないが、この本を読むと「ニッポン人には、日本が足りない」と私も思う。
情けない話だが、桂離宮について、多少なりとも知ることができたのはこの本があったからだ。
しかし、桂離宮への訪問はまだかなっていないため、今ひとつイメージが湧かなかったが、NHK番組「桂離宮 知られざる月の館」(2009年1月4日放送。NHK-BSで片岡鶴太郎がナビゲーターをした「桂離宮〜王朝の美」(2008年11月25日放送)の大幅リメイクとも言える)が結構優れもので、いろいろよく分かった気がした。
また、同時期に建造された「二条城」についてもTBSの「The世界遺産」(2009年4月26日放送)で放映されていて、両方を見ると、いろいろよく分かった気がする。
例えば、建物の配置について「雁行」(二の丸御殿(二条城)、月見台〜中書院〜新御殿(桂離宮))という様式が両方とも採られていること。また、共通に登場する人物は、「後水尾(ごみずのお)天皇」であることなどである。
確かに、1920年代の仕事としては、レイアウトや自然との共生についての先見性がすごいと思う。
藤ジニーさんではないが、この本を読むと「ニッポン人には、日本が足りない」と私も思う。
情けない話だが、桂離宮について、多少なりとも知ることができたのはこの本があったからだ。
しかし、桂離宮への訪問はまだかなっていないため、今ひとつイメージが湧かなかったが、NHK番組「桂離宮 知られざる月の館」(2009年1月4日放送。NHK-BSで片岡鶴太郎がナビゲーターをした「桂離宮〜王朝の美」(2008年11月25日放送)の大幅リメイクとも言える)が結構優れもので、いろいろよく分かった気がした。
また、同時期に建造された「二条城」についてもTBSの「The世界遺産」(2009年4月26日放送)で放映されていて、両方を見ると、いろいろよく分かった気がする。
例えば、建物の配置について「雁行」(二の丸御殿(二条城)、月見台〜中書院〜新御殿(桂離宮))という様式が両方とも採られていること。また、共通に登場する人物は、「後水尾(ごみずのお)天皇」であることなどである。
2021年5月12日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
序文は岸田日出刀氏。
序説、敦賀、伊勢、桂離宮、天皇と将軍、生ける伝統、ニューヨークへ?、否 ―― 桂離宮を経て!、追憶(エリカ・タウト)の内訳です。
「私はここに幾多の問題を提起した……」(p.182)。本書は、具体的提言のための本となりました。
序説、敦賀、伊勢、桂離宮、天皇と将軍、生ける伝統、ニューヨークへ?、否 ―― 桂離宮を経て!、追憶(エリカ・タウト)の内訳です。
「私はここに幾多の問題を提起した……」(p.182)。本書は、具体的提言のための本となりました。